アリナック

イヌイットの伝承における「月の男」。密かに実姉に恋焦がれていたアリナックはある晩姉のベッドに忍び込み姉と交わってしまう。相手の正体を知ったアリナックの姉は自分の乳房を切り落とし、弟にそれを食べるように迫り、松明を手に闇の中に逃げていった。アリナックも同じように松明をもって姉を追いかけたが、雪の上で転んだせいで松明の明かりはほとんど消えてしまった。やがて二人は天空に舞い上がり太陽と月になった。アリナックはいまだに姉を追いかけており、日食はアリナックが姉に追いついた証だとされる。 西部北極地方の部族、特にテキガク族、アヌピアック族といったアラスカの人々の間ではアリナックは主要な神とされ、北極地方中部・東部で動物達の女主人とされるセドナ(Sedna)に代わってアリナックがその支配者だと考えられる。クジラやアザラシなどの入った巨大なたらいを持っており、イグルー(氷のブロックの家)の内壁にそってカリブーの群れを走らせている。ただし、シャーマンたちは食糧不足の際にはアリナック本人に立ち向かわなければならない。

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