ユウェンタス

Juventas

ローマにおける青春の女神。ギリシアのへべとな異なり成年男子の保護神であり、少年の成人式には賽銭を奉る。テルミヌスとともに、ユピテルユノミネルワの3主神とならび、カピトリヌス丘上の「ユピテル・オプテムス・マクシムス(至善至高のユピテル)」の神殿中に社を与えられていたことから、その最高神との密接な関係が察せられる。元来は社会の組織者として最高神を補佐する神格であったと思われ、この機能の名残として、ローマで成年に達した男子が、それまでの子供の服をトガ・ウィリリスと呼ばれた成人の衣服と替える、「元服」の儀式が、この女神の管掌下に置かれていたことにも認められる。

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鯈魚 ゆうぎょ

Chóu-yú

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている怪魚。北山の帯山を流れる彭水に多く生息している。赤毛の生えた鶏のような姿をした魚で4つの首、6つの足、3つの尾を持つという。鵲(かささぎ)のような声で鳴き、食べると憂さが晴れるとされる。

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遊戯観音 ゆうげかんのん

Yóu-xì guān-yīn

仏教において中国由来の変化観音(→観音菩薩)の一つであり、三十三観音の一尊。「ゆげかんのん」とも読む。遊戯自在であるためこの名で呼ばれる。法華経にある「山から落ちても観音の力を念じれば髪の毛一本たりとも損じない」という一説を論拠としている。飛雲上で雲に右手を添えて坐す姿で描かれる。

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峳峳 ゆうゆう

Yóu-yóu

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている、凶兆となる生物の一つ。東山の䃌山に棲んでいて、4つの角が頭に生えており、目は羊のもの、尾は牛のもの全体としては馬のような姿の獣だという。犬が吠えるような声を出すという。この獣が現われると悪者がはびこるとされる。

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雪女

ゆきおんな

日本の雪の多い地方に出現する妖怪。雪の精だとも言われる。とても美しい人間の女の姿をしているが、身体は冷たく、近づいたり一夜を共にしたりしたものは精気を奪われ凍死してしまう。夜に山小屋を訪れ、眠っている者に白い息を吹きかけて殺すともされる。冷たい場所でしか生きられないので、人にすすめられて風呂に入った雪女は湯の中で溶けてしまう。

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雪ん子

ゆきんこ

日本の雪の多い地方に出現する妖怪。雪女の子供とか、或いは雪の精だとか言われる。雪女の子供の場合は、雪女は子供を抱いてくれと頼み、言われた通りに抱くと、雪ん子はどんどん重くなり、それに耐えられなかった者は殺されるという。単体で出る場合は身体に不釣合いな大きな蓑笠をつけていて、人間の子供たちと遊んだりする。

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カムイ

 

アイヌにおいて鹿を顕現体とするカムイ。名前は文字通り「鹿のカムイ」の意。ただ、あまりにも鹿という動物はアイヌにおいてはあまりにもポピュラーな存在であったため、アイヌ人が鹿に神秘性を感じることは少なく、ユカムイという鹿のカムイを想定したのは、鹿の少ない宗谷地方に住んでいたアイヌ人のみだった。その代わりに他の地方では鹿の主のカムイであるカムイが想定された。

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カムイ

 

アイヌにおいて鹿の主とされたカムイ。名前は「魚の主のカムイ」の意。「ユカッテカムイ」とも呼ばれる。北海道において代表的な動物であり、またあまりにも多く生息していた鹿(ユ)は、カムイの顕現体として考えられることは無かったが(鹿の少ない宗谷地方の人々だけカムイを想定した)。しかし、鮭の主のカムイ(チェプコカムイ)と同じく、鹿の数そのものにはアイヌ人も感銘を受けたらしく、人間に鹿を贈る鹿の主のカムイが想定された。それがユカムイないしユカッテカムイである。神謡では、やはりチェプコカムイと同じようにユカムイの口よりこぼれた毛を撒くと鹿の群れとなるという。

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チカッカムイ

 

アイヌにおいてオオコノハズクを顕現体とするカムイ。またアオバズクが顕現体と考えられることもある。シマフクロウを顕現体とする「コタンコカムイ」の次に高位なカムイとされた。名前は「鹿の場所を教えるカムイ」といった意味で、アイヌ人に鹿(ユ)の場所を教えて狩りを助けるという。また、「イショサンゲカムイ」はユチカッカムイの別名とされることもある。

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ユシキョ

 

奄美大島において不幸を告げるとされる怪鳥。想像上の鳥とされるが、奄美の固有種であるオオトラツグミのことでないかとする説もある。深山に住んでいてめったに姿を見せないが、この鳥を見たら不幸に見舞われるとされる。コウモリのように枝に逆さにぶら下がって止まるが、鶏に似て色は赤いとされる。また雌のユシキョは乳房が一つしかないという。伝えられている唄によれば、この鳥は元々ヤンチュ(農奴)の女性だったが、主人の酷使に耐え切れず、乳飲み子を残して鳥になって逃げた。そのとき乳飲み子の為に片方の乳房をこの元に残していったのだという。このため、ユシキョは「乳飲め、まぁ飲め」と鳴くという。

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ユトゥルナ

Juturna

古代ローマにおける泉の女神。「ディウトゥルナ(Diuturna)」とも呼ばれる。元はラティウムに近いヌキミウス河のほとりに祀られていたが、ローマに移されてフォルムにあるヴェスタ神殿の近くにあった泉と結び付けられ、また沼地の多い湿地帯であったマルスの野にも神殿を与えられて、治病の効験あらかたな神として尊崇された。ユピテルに熱心に求愛された末、泉に変身させられ、ついにその愛人となったとも、ヤヌスと結婚し泉の神フォントゥスを生んだとも言われる。

癒しの泉や井戸の守護霊であり、また人々を火災から守護するとされる。1月11日には水道橋や井戸を作る水に関連した労働者のユトゥルナを祭るユナルテリア祭がある。また防火の女神として8月23日のヴォルカナリア祭でも祝われる。

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ユニコーン

Unicorn, Unicornis

ヨーロッパにおいて広く知られている想像上の動物。「リコルン(Licorn)」、「アリコーン(Alicorn)」とも呼ばれる。「Uni」は「単一」、「Corn」は「角」を意味する。額から一本の角が生えた、美しい白い馬の姿をした怪物。出自は不明確であり、おそらく、ドルイド教の民間伝承として伝えられたものと考えられている。頭がよく、非常に警戒心が強く人を滅多に寄せ付けないが、処女にだけ心を許して近づかせるという。処女を前にするとユニコーンはその膝枕で眠ってしまうため、それを利用して捕まえることができたといわれる。こうして捕まえられたユニコーンの角は魔法に用いる薬として高価で取引された。またユニコーンの角は食事やワインに盛られた毒を発見する効果があり、万病に効く薬になるなどとされ、貴族や聖職者達がこれを購入した(これらは水棲哺乳類のイッカクの角であろう)。

純潔と神聖な力の象徴であり、ライオンと共にスコットランド王家をはじめとする王侯貴族の紋章などに好んで使われた。ユニコーンは同じく頭に角を持つモノケロスと混同され、両者は同化している。

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ユノ

Juno

ローマにおける女神で、ユピテルミネルワとともに三大守護神の一柱とみなされる。ギリシア神話のヘラに相当し、ユピテルの妻でもある。出産の女神であるギリシアのエイレイテュイアのことを「ユノ・ルキア」と別称するのは、ユノに出産や結婚と結びつきがあるからだと考えられる。ユピテルが妻であるユノの助けを借りずにミネルワを生んだのに怒り、ユノがフローラに相談するしたところ、奇跡の薬草を与えられた。この薬草に触れるとユノは妊娠して軍神マルスを生んだという。このことからユノの大祭マトロナリアは、マルスの月である3月の1日に行われる。またディアナと同じく月を関連視される。

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ユピテル

Jupiter

ローマ神話における最高神で、ユノミネルワとともに合祀される三大守護神格の一柱。天空を司り、ギリシア神話のゼウスに相当する。語源的にもこの両親の名はインドのディヤウスなどとも一致し、インド=ヨーロッパ語族に共通する天空神の名を継承したものである。ゼウス同様、雷を武器にし、高天から無量の魔術を行使しつつ世界を支配し、秩序と正義を維持する主権神。ラティニウムの王の娘ユトゥルナの恋してしまったユピテルはニンフ達にユトゥルナを捕まえてきてくれと頼んだ。しかしララだけこれを拒み、ユトゥルナに知らせ、ユノにまで訴えた。これを怒ったユピテルはララの舌を抜いてしまい、息子のメルクリウスにララを冥界へと連れ去るように命じた。しかしメルクリウスはララに恋してしまい、二人は森の中で結ばれた。

マルス及びクイリヌスとともに、大フラメンと呼ばれる特別な神官を有し、元来はこの3神がローマにおいての三大主神格の地位を占めていたと考えられる。とくにユピテルの司祭はフラメン・ディアリスと呼ばれ大フラメンの中でも最も地位が高く、大きな神殿がローマのカピトリウムの丘に建てられた。この神殿は共和制ローマの初期に「ユピテル・オプテムス・マクシムス(至善至高のユピテル)」に捧げられたものである。

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ユミル

Ymir

北欧神話において世界を形作る材料となった原初の巨人。最初、世界には大地も海もなく、北の半分は凍てつく氷の世界「ニブルヘイム」、南の半分は灼熱の火の世界「ムスペルスヘイム(Muspellsheimr)」に覆われていた。この二つの世界の境界線で、ムスペルスヘイムの炎がニブルヘイムの氷を溶かした時の雫からユミルは生まれた。同時に原初の牝牛「アウズフムラ」も生まれ、ユミルはアウズフムラの四つの乳房を飲んで育った。次いで生まれた巨人ブーリとユミルはそれぞれ子供を産み、その内のブーリの息子ボルとユミルの娘ベストラは結婚して3人の子供をもうけた。これが最初のアサ神族、オーディンヴィリヴェーである。

三人はすぐさま巨人達に戦いを仕掛け、ユミルを殺すと「ギンヌンガガップ」と呼ばれる巨大な大地の割れ目に落とし、ユミルの体から大地を創った。ユミルの血は海や川となり、骨は山に、歯は岩に、頭蓋骨は天蓋に、髪の毛は木や草となり、脳みそは雲になったという。また、人間の世界「ミズガルズ」はユミルのまつげと眉毛で周りを囲まれ、外界(ウトガルズ)と隔絶された。

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由良比売命

ゆらひめのみこと

島根県の隠岐諸島西ノ島にある「由良比女神社(ゆらひめじんじゃ)」に主祭神として祀られる神。「由良比女大神(ゆらひめのおおかみ)」、「由良比女神(ゆらひめのかみ)」、「由良姫大明神(ゆらひめだいみょうじん)」、「由良大明神(ゆらだいみょうじん)」などの名前でも呼ばれる。「延喜式」神名帳に拠れば元の名を「和多須神(わたすのかみ)」というとある。しかし「隠岐国神名帳」には「由良姫大明神」と「和田酒明神(わたすみょうじん)」が区別して書かれており、延喜式神名帳の記載も併記されている「海神社」への注記を誤って「由良比女神社」につけたものではないかと考えられている。

名義については「由良(ゆら)」は地名であり、単純にこの地の姫神としての名だと考えられる。また「和多須(わたす)」については「渡す」を意味し、隠岐諸島にある島津島は一名を渡島(わたすじま)、渡津島(わたつじま)といい、この島にあったとされる「和多須神社」ないし「わたすの宮」と呼ばれていた神社は現在もある「渡津神社」であり、また西ノ島の別府にある(延喜式神名帳にある)「海神社」の祭神も同神であろうと思われる。「和多須神(わたすのかみ)」については「袖中抄」や「土佐日記」においても触れられており、それに拠れば和多須神は旅路と航海の神であり、島の名前ともなっている「知夫里(ちぶり)」という地名はここで祀る神を「道触(ちぶり・みちぶる)の神」と呼んだことから名づけられたという。現在では渡津神社は五十猛神を祭神とし、海神社は神名帳に基づき「海神二座」を祭神としている。

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ユルゲン

Ulgen, Ulgan

シベリアのアルタイ人における創造神。名前は「大いなる者」を意味する。大地を作り、三尾の魚にそれを支えさせた神(この魚が時々こらえきれなくなって寝返りを打つので地震が起こるとされる)。邪神エルリクによって人々が罪を侵すようになったとき、ユルゲンは人々に真の神を敬うことを教えるため救済の神マイデレを使わした。マイデレはエルリクに殺されてしまうが、マイデレの死んだ体から吹き出した矢によってエルリクの手下は全員焼き殺され、エルリクは冥界に追放される。

ユルゲンは天に住み下界に積極的に関わらない神とされている。シャーマンがユルゲンに話を聞いてもらうには供物などを捧げ儀式によって天に昇らなければならないが、ユルゲンは直接姿を表すことはなく、ユルゲンの使者が話を聞くという。光線で囲まれた姿で描かれることがある。

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ユル・ユララ

Yulu yulara

オーストラリアの先住民族アボリジニに伝わる巨人の名前。オーストラリアに多量に埋没する石炭を由来を説明する伝説に登場する。ユル・ユララはアボリジニの先祖たる巨人で、何事につけて派手を好む性格だった。あるとき彼が住んでいる場所とは遠く隔たった場所で行われている祭りに参加しようと思い立ったユル・ユララは、自分が訪れることを祭りの主催者に知らせようと、旅程の途中休む度に大きな焚き火を燃やしてしるしにした。ところが彼は焚き火を片付けず、ところどころで燃やしたまま移動を続けたために、火は付近に燃え移りある地方では森の木を全て燃やし尽くす大火事になってしまった。この時燃えた木々が後々石炭になったという。

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ユルルングル

Yurlungur, Yurlunggur

北部オーストラリアに住むアボリジニ、ムルンギン人の信じる「偉大なる父たる蛇」。「ユルング(Yulunggu)」とも呼ばれる。アボリジニに広く信じられている"虹蛇"の一種であり、偉大なる銅のニシキヘビだとされる。禁断の氏族と寝た娘二人が追放されユルルングルの聖地であるミリルミナ(岩のニシキヘビの背)という泉に来たとき、年長のほうの娘が捕まえた動物を料理しようすると、動物は逃げて泉に飛び込んだ。また年少の娘のほうの赤ん坊のために樹皮を集めに出たとき、ミリルミナに娘の経血が滴ってしまった。ユルルングルはこれを感じて水面に現れると二人の娘のその二人の娘の赤ん坊を飲み込んでしまった。彼女らはユルルングルの子孫だった。後に蛇の会合があった時に蛇は嘘をつけないのでユルルングルは自分の子孫を飲み込んでしまったことを告白し、彼女らは吐き出された。

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ユン・カーシュ

Yum Kaax

マヤにおいて農耕を司り、人々に実りの恵みをもたらす神。名前は「森の主神」の意。「ア・ムン」とも呼ばれた。雨とそれによる豊穣をもたらすチャクの保護下にあり、トウモロコシに代表される重要な食物を人々に提供する役割を持つ。本来はトウモロコシとは関係のない神であったが、時代が下るにつれトウモロコシの神と同一視されるようになっていった(本来のトウモロコシの神については不明な点が多く名前もわかっていない)。美しい青年として描写されることが多く、平べったい額(マヤにおける美の象徴)に豪華なトウモロコシの冠を載せた姿が代表的。巨大な蛇やトウモロコシにしがみついたり、種を蒔いている姿で描かれることもある。死の神ア・プチとは非常に不仲であり、しばしば戦いを起こすという。

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