トイポクンオヤシ

 

樺太のアイヌに伝わる妖怪。名前は「地下のお化け」を意味する。体の一部、特に性器だけ地表に出して人間を驚かす。例えば女性が林を歩いているときは行く手の地面から突然キノコのようなものが現われピョコピョコと動く。これは男のトイポクンオヤシである。女のトイポクンオヤシもいてこちらは男性の前に現われる(やはり性器しか出さない)。いずれのトイポクンオヤシも相手のものを誉めて「やりたいならやろう」と性交の真似をすると満足して退散するという。

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ドゥ

Du

チベットの土着宗教であるボン教にける天界の精霊のこと。しかしチベット仏教となって悪魔とされるようになる。黒い姿をしており城に住むという。

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トゥアハ・デ・ダナーン

Tuatha De Danann

ケルト神話において、大女神ダヌを子孫達をさす。「ダヌの子供たち」の意。「ダーナ神族」、「ダヌの一族」とも。北方の4つの都市で「ファールの石」、「ルーの槍(ないし投石器)」、「ヌァザの剣」、「ダグザの大鍋」の四つの「護符」とともにアイルランドにやってきて、フィルヴォルグ族やフォモール族といった先にアイルランドにいた者達を激しい戦いの末打ち倒しアイルランドを支配した。その後ミレシウス率いる人間達との戦いに敗れアイルランドを追われたダーナ神族は西のかなたにあるという常若の国「エヴヒン」や、地下世界に住むようになったという。

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ドゥアムウトエフ

Douamoutef

もしくは「ドゥアムテフ」とも。エジプトでは故人をミイラにする際、内蔵を四つに分けてそれぞれ壷に保管、収納するという習慣があったが、四つのカノプス壷はそれぞれホルスの息子たる男神四柱と死に関連する女神四柱によって守護されるとされた。ドゥアムウトエフはこの四つの壷(カノプス壷)のうち、女神ネイトと共に胃の入った壷を守護する神である。ドゥアムウトエフは犬の頭部を持つ神なので、胃を入れるカノプス壷の蓋部分も犬の頭部を模したものであった。

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ドヴェルグ

Dvergr

北欧神話において地下世界の住む小人の一族。スヴァルトアールヴと同一視される。「ドワーフ(Dwarf)」はドヴェルグが英語化されたもの。ドヴェルグには男しか存在せず、子孫は粘土をこねて作られる。その姿は醜く頭でっかちで、膝までつくほど長い腕をもち長いあごひげを蓄えているとされる。鍛冶や細工の能力に長けており、自分の作ったものに魔法的な能力を宿すことができた。オーディンの神槍グングニルや、フレイの持つ魔法の船スキーズブラズニル、トールの持つ神槌ミョルニルなどは全てドヴェルグの手によるものだとされる。

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東王父 とうおうふ

Dong-wang-fu

中国における神仙で、東王公、木公などとも称される。西王母に対比して、男の仙人を統べる陽の気の精とされる。背丈は一丈あり、髪は白く、人の体に鳥の顔、虎の尾を持っていて、黒い熊に乗っているという。

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トゥオニ

Tuoni

フィンランドの叙事詩「カレワラ」に登場する冥府の王。死んだ人間は彼と彼の妻トゥオネタルの支配する国「トゥオネラ(Tuonela)」に行く。国境には黒い黒い河が流れ、河の水面には白い白い白鳥がいる。トゥオネラのビールには蛙と蛇と得体の知れない気味の悪いものが入っていて、一名を「忘却のビール」と称し、これを飲むと生きていた時のことを忘れてしまい現世に戻れなくなるという。またトゥオネラの敷布団は焼けた石で、掛け布団は蛆虫の群れである。トゥオニとトゥオネタルの間には一人の息子と無数の娘達がおり、息子は鉤型に曲がった指を持ち、千尋のヤナ(魚を取る道具)を河に掛け渡して、どんな勇士も二度と地上に戻れないようにする(ただし英雄ワイナモイネンは川獺に変身することでこの罠をかいくぐった)。娘たちは病気と苦痛の女神達だが、一人だけ優しい娘もいて、トゥオネラの川辺でまだ生きている人に「こちらへくるな」と警告する。

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ドヴォロヴォーイ

Dvorovoi

スラヴ地方における庭の精霊。ドモヴォーイが野生化したような精霊で、放って置くとあまり害は無いものの、ときどき人間に恋に落ちたり、怒って八つ当たりする事があるという。白い動物が嫌いでいじめるが、白い雌鳥だけはいじめない。子馬や子牛はドヴォロヴォーイにいじめられないように農家の中につながれた。パンをあげて優しく話し掛ければドヴォロヴォーイをなだめられるという。暴れてしょうがない時は、殴ったり、嫌いなもの(白い動物の毛皮、カササギなど)をぶつけたりすると反省する。また干草を運ぶ熊手で突き刺したり、埋葬布から抜いた糸を音を立てて振り回したりすることでも懲らしめることが出来るとされる。通常姿は見えないとされているが、ドモヴォーイと似た姿をしているといわれている。

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東岳太帝 とうがくたいてい

Dongyue-Dadi

当扈 とうこ

Dāng-hù

中国において最古の地理書とされる「山海経」に言及されている、奇妙な姿の鳥。西山の上申山という山に棲んでおり、全体的には雉に似ているが、髯(ぜん=喉ないし口あたりの毛のこと)を使って飛ぶのだという。この鳥を食べるとめまいを覚えなくなるとされる。

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当康 とうこう

Dāng-kāng

中国の最古の地理書とされる「山海経」に言及されている、吉兆となる生物の一つ。東山の欽山に棲んでおり、牙を持つ豚のような姿の獣で、自分の名で(つまり「当康」と)鳴くという。この獣が現われると天下は豊作になるとされる。

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梼杌 とうこつ

Tao-wu

中国神話において、尭帝の時代に遥か西方の地に棲んでいたとされる怪物。四凶の一人に数えられる。人の顔を持ち、身体は虎に似ているが虎よりも遥かに大きい。全身に長さ40cmの毛が生え、口には猪の牙が生え、5mの尾を持っていたという。梼杌は古代の王族の血を引いていたが、ただ凶暴で悪いことばかりし、引く事を知らずに死ぬまで戦うという性格だった。また人の意見を全く聞き入れないので「難訓(教育できない)」という別名があったという。

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ドゥジェト

Ndo'yet

メソアメリカ中央部の南部高地、およびその周辺に住んでいたサポテカ人に信じられていた神。9つある暦日名の一つで、神聖なものや自然の力をあらわすとされる。

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土主 トゥジュ

Tǔ-zhǔ

中国の少数民族、阿昌(アチャン)族が廟に祀って信仰する神。六本の手を持ち上の二本で太陽と月を持ち、全村落の幸福と災害を司っているという。村の安全や家畜の繁殖、作物の保護を祈って年三回の祭りが土主のために捧げられる。

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倒壽 とうじゅ

Dào-shóu

中国において怪物の一種。南北朝時代に書かれた「神異経」という書物によれば、中国西方の辺境に棲んでおり、梼杌に似た人頭虎身の姿をしており、全身は長い毛に覆われ、口には3cmほどの牙が生えているという。性格も梼杌に似ており、戦うときは絶対後に引かず、死ぬまで戦うとされるが、梼杌よりも知能は高く、人間の作った罠を見破るので捕まえにくかったという。

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ドゥシン

Ndozin

メソアメリカ中央部の南部高地、およびその周辺に住んでいたサポテカ人に信じられていた神。死と正義の神で、夜の神々のひとり。ダンの使者とされる。

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痘疹娘娘 とうしんにゃんにゃん

Doú-zhěn niáng-niáng

中国道教で、子供を産む際にあらゆる災厄から護ってくれる娘娘神のうちの一人。そのうち痘疹娘娘は、幼児を天然痘(疱瘡)にかからないように護る役目を司っている。(参考:乳母娘娘

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トゥスニンケ

 

アイヌにおいて、エゾリスを顕現体とするカムイ。姿を消すことを得意とし、人間の猟を邪魔する悪意あるカムイだと考えられた。

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道祖神

どうそじん

日本の民俗信仰における道に関係する神。「道陸神(どうろくじん)」、「道禄神(どうろくじん)」とも呼ばれる。村はずれや路傍に置かれる石の神だが、その形は一定しない。ほぼ自然なまま石一個、奇石を積み上げたもの、(道祖神や道陸神といった)名前を刻んだ石標、石を祠型に彫ったもの、一身の人型の石像(普通の男の姿をした者から僧形や天狗の姿のものまである)、抱き合ったり寄り添ったりした男女二身の人型の石像、さらにそれに鳥居を掘ったもの、男性器の形状のものなど数多くの道祖神が作られた。名前の通り道を司る神で、旅行の無事を祈ったり、道から村の中に害意が侵入することを防いだりする神だが、安産や妊娠、良縁、性病予防などを願う神ともされた。子供と親しい神とされることもある。塞の神と同一視される。

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洞庭神君 どうていしんくん

Tungting-shenchun

中国湖南省北東部にある、中国第二の大きさを持つ淡水湖、洞庭湖に住まう水神。元の名は「柳毅(りゅうき)」といい、気弱な学生であったが、たまたま洞庭竜王の娘が難に遭っているのを見て、苦境を救ってやった。その縁で彼女を娶って昇仙し、後に洞庭竜王の後を次いで洞庭湖の神になったのである。ところが元々文弱の徒であった洞庭神君は容貌が優しかった為に水怪たちを威服させることが出来なかった。そこで昼は奇怪な面をつけ、夜になるとこれをはずして眠るようにした。だが面をつけるのになれた洞庭神君は日ごとに面をはずすことを忘れるようになり、面はついに顔と同化してはずせなくなってしまった。その為、洞庭湖を船で行き来する時に無駄口を聞いたり、何かを指差したり、手をかざして遠くを見たりすると、洞庭神君が自分の顔のことで陰口を叩いたり、自分を指して笑ったり、自分の顔をうかがっていると勘違いして、船を覆されてしまうという。

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トゥ=テ=ウェイウェイ

Tu=Te=Wheiwhei

ポリネシアのクック諸島にあるマンガイア島における怪物。「モコ(Moko)」とも呼ばれる。トカゲの体に人間の頭を持った巨大な怪物で、人間と自分との間に出来た子孫を守っているという。

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饕餮 とうてつ

Tao-tie

中国神話において四凶と呼ばれ恐れられていた四匹の怪物の一。名前は「大食漢」といった意味をもつ。人の頭に羊の身体を持ち、二本の角をもち、全身は毛で覆われていて虎のような牙を持っていた。一説には巨大な胃袋をもつ二つに分かれた下半身をもっていたとされる。この饕餮は中国の西南方の荒野で育ったとされる野蛮な怪物で、ものすごい食欲で何でも喰い、自分は働かずに他人のものを奪い取り、強いものには媚びを売り、弱いものはいじめるという。古代の帝王であった縉雲氏の子孫で、舜帝によって西方に追放されたという。饕餮は貪欲と性欲の象徴であり、贅沢に溺れることを警告する意味でその姿を鐘や鼎、酒器に描かれた。

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䍶䍶 とうとう

Dòng-dòng

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている生物。北山の泰戲山にいる羊のような獣で、角が頭に一つあり、目は通常の位置になく後頭部に一つだけあるのだという。自分の名で(つまり「䍶䍶」と)鳴くとされる。

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トゥトゥハナウィン

Tutujanawin

汎アンデス的に信じられていた幾分謎めいた神。「あらゆるものの始まりと終わり」という総括的概念を具現する観念神であり、森羅万象に生命と活力を与える至上の存在だとされる。

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トゥトレシエル

Tutresiel

旧約聖書偽典「第3エノク書(ヘブライ語エノク書)」に言及される天使。名前は「突き刺す神」を意味する。「ストゥトラヤ(Stutrayah)」とも呼ばれ、メタトロンの数多くある名前の一つともされる。

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ドゥナ・エー

Dooinney-oie

マン島における天気の精霊。名前は「夜の人」を意味する。風にのって彼らの声や角笛の音が聞こえることがある。輪郭のぼけた人間の形でドゥナ・エーの姿がみえることもある。ハウラーと同じく漁師や農夫に嵐が近づいていることを知らせてくれる精霊とされる。

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ドゥナ・マラ

Dinny Mara, Dooinney Marrey

マン島の民間伝承に登場する海男(マーマン)。マン島の言葉で「海の男」をあらわす「ディーナ・マラ(Doinney Marrey)」が変化した語。独身の若者に親切でニシンをもらう代わりに魚のいっぱいとれる場所を教えてくれたり、嵐が来ることを教えてくれる。ただ船上で口笛を吹く行為はドゥナ・マラと嵐とを悪戯に呼び寄せることになるとされ、マン島の漁師はこれを禁忌としている。

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ドゥーニー

Doone

スコットランドの民間伝承に登場する妖精。年老いた老人やポニーの姿で現われる。いたずらな妖精だが悪意は全くなく、道に迷った旅人の道案内をしてくれる。

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トゥニテュアクルク

Tunnituaqruk

カナダのハドソン湾沿岸東部域に住むイヌイットに伝わる雄の怪物。人間に似ているがその頭は巨大で刺青に覆われている(「tunnit」は刺青の意)。雌はカチュタユークと呼ばれ外見が異なる。ともに人間を後ろからつけたり、使われなくなって間もないイグルー(雪の家)の寝床に隠れてたまたま来た人を驚かしたりする習性があるという。

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トゥヌーパ・ヴィラコチャ

Thunupa Viracocha

インカの創造神ヴィラコチャの数多くある名称の一つだが、「トゥヌーパ」という神は元々古くから存在していた別の神だと考えられる。ティアワナコで信仰されていた、空と天候を司る神であり、頭から太陽光線を模したものだと思われる線が刻まれた像が存在している。

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ドゥーノンガエス

Doonongaes

アメリカのネイティブアメリカン、イロコイ族に属するセネカ族の伝承に登場する怪物。頭に二本の角を持った蛇に似た姿をしている。深い川や湖に住んでいて、怪物亀スカフノフと協力して人間や大きな動物を襲い食べてしまうことで知らる。ドゥーノンガエスの住む場所の水に触れることでさえ危ないとされている。またドゥーノンガエスの名前を口にすることも危険で、人々はドゥーノンガエスが島民に入るまで彼の話題を話さない。

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トゥバトル

Tubatlu

カバラやグリモア「モーセ第6、第7の書」において言及される天使で、儀式において唱えられる、偉大な力を発揮するという8人の万能な天使の一人。

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とうびょう

 

日本の中国・四国地方にいるとされる、蛇の霊の憑き物。「当廟」の字を当てる。また「とんべ」(徳島)、「とんぼ」(香川)、「とぼ」(香川)、「とうばい」(島根)とも呼ばれる。10~20cmほどの長さの鉛筆ぐらいの太さの蛇の姿で、腹は薄黄色、それ以外は淡黒色で首の周りに黄色い筋の輪があるという。とうびょうが家に憑くとその家は栄える。とうびょうが憑いた家は「とうびょう憑き」と呼ばれるが、とうびょうは家の主人の気分を敏感に感じ取り、主人の気に入らない人間に憑いて害をなすことがある。憑かれた人間は身体中が腫れ、針で刺されたような腹痛に苦しむという。

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トゥピラク

Tupilak, Tupilaq

グリーンランドに住むイヌイットにおいて、アンガコック(Angakoq=シャーマンないし治療者のこと)の中でも特に不幸をもたらす能力に長けるイリシツォク(Ilisitsoq)によって使役される生物。トゥピラクはイリシツォクによって呪術的に作り出されたアザラシに似た奇怪な生物で、イリシツォクの命令で人を襲って殺すとされる。

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豆腐小僧

とうふこぞう

日本の妖怪の一種。草双紙などに見られる妖怪だが、実際に遭遇したというような話は残っていない。頭でっかちで(時に一つ目の)坊主頭の童子が大きな編み笠をかぶり、手に持ったお盆に豆腐をのせた姿で描かれる。雨がしとしと降る日に竹やぶの中から姿を現し、近くを通った者にお盆を差し出してしきりに豆腐をすすめるという。

豆腐小僧の差し出す豆腐を食べてしまうと、身体中にカビが生える病気になって苦しむことになるという話もあるが、これは昭和以降の創作だとみられている。黄表紙に描かれた豆腐小僧の持つ豆腐は、ほとんどの場合紅葉の印が入っているが、これは堺の名物であった「紅葉豆腐」を模したものだと思われる。

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ドゥムジ

Dumuzi

シュメール神話に登場する神で、愛や豊穣を司る女神イナンナの夫。バビロニアのタンムズに相当する。冥界に赴いたイナンナを裏切りのうのうと暮らしていたためイナンナの怒りを買い冥界へと送られたが、ドゥムジの妹であるゲシュティンアンナの必死の嘆願によりゲシュティンアンナと交代で半年ずつ現世で暮らすことを許された。

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トゥム=ライ=フエナ

Tumu-ra'i-fuena

ポリネシアのソシエテ諸島に属するタヒチ島において海に住んでいるとされる怪物の一つ。まだらな皮膚の巨大なタコの姿で、その触腕で天と地を掴んでいるとされる。過去にルアがその手を引き離そうとしたが失敗したことがある。

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百目鬼

どうめき

日本の栃木県宇都宮地方に伝わる鬼の一種。身の丈は3mはあり、毛は刃の如く尖っており、体中には百の目がついていたという。馬捨て場に現われ死んだ馬を貪り食う。藤原秀郷によって倒されたが、死んでなお体からは火炎と毒気が吹き上がっていたので近づけなかった。通りかかった本願寺の智徳上人の呪文により火炎と百の目は消え、百目鬼はその場に葬られたという。

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どうもこうも

 

日本の妖怪の一種。熊本県八代市の松井家に伝わる「百鬼夜行絵巻」などに見られる妖怪で、河童のような緑色の体から頭が二つ生えた姿をしている。片方は真面目な顔をしているが、もう片方は舌を出しておどけた顔をしている。名前と姿から考えるに、二つの頭が口喧嘩ばかりしていて物事がどうもこうも進まない、といったことを暗示する妖怪だろうか。

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トゥラトゥ

Tulatu

カバラやグリモア「モーセ第6、第7の書」において言及される天使で、儀式において唱えられる、偉大な力を発揮するという8人の万能な天使の一人。

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ドゥラムラン

Daramulun

オーストラリア東部、ニューサウス・ウェールズにおける天空神。名前は「一本足の」といった意味。「スレムリン(Thuremlin)」とも呼ばれる。ドゥラムランは天空神であるとともに雷神であり、地域によってはその叫びは雷鳴となり振り下ろす斧は稲妻になるとも言われる。通過儀礼を行う際に「万物の父」として表れる存在であり、その像は粘土から作ることになっているが、通過儀礼のときにだけしか見ることが出来ない。ドゥラムランの伝承はバイアメと混ざっており、「万物の父」がバイアメの場合もあるし、ドゥラムランがバイアメの息子とされ、父であるバイアメが人間との仲立ちをする場合もある。このような通過儀礼における存在は、ビクトリア州ではブンジル、マレー川下降では「ヌルンデレ」、「ングルンテリ」と取って代わる。

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トゥランナ

Turanna

イタリア中部のトスカナ地方において妖精の女王として知られる。「アルバ(Alba)」とも呼ばれる。

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ドゥルガー

Durga, Durgā

インド神話において、シヴァの妻であるパールヴァティーが取る様々な姿のうちの一つ。「マヒシャースラマルディニー(Mahiṣāsuramardinī="マヒシャ(水牛の怪物)を殺した者")」、「ニシュムバスーダニー(Niśumbhasūdanī="ニシュムバを殺す女神")」、「カートヤーヤニー(Kātyāyanī)」などの別称を持つ。山神ヴィンドゥヤの娘であり、名前は「近づき難き者」といった意味と考えられる。パールヴァティーの、或いはシヴァの猛々しい一面が表われた神格の一つで、虎ないし獅子にまたがり、10の腕に10の武器を持ち、悪魔を調伏する女神とされる。10の武器の中でもシヴァから借り受けた三叉矛は最も強力で、水牛の悪魔マヒシャや人間の姿の悪魔ニシュムパをこの三叉矛で突き刺している姿が好んで絵に描かれる。ドゥルガーは他の「シヴァの妻」に比べるとかなり後期までその中に入っていなかったことが分かっている。中世にはドゥルガーに対して人間が生贄にされたことがあったが、今でもベンガル地方で行われる「ドゥルガー・プージャー」と呼ばれるドゥルガーを祭る秋祭りには動物の生贄が捧げられる。

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トゥルカワ

Turukawa

メラネシアのフィジー諸島における鷹、ないし鷲の姿をした女神。蛇の創造神デンゲイの妻とも友人とも伝えられている。トゥルカワの産んだ卵より最初の男女一組が生まれた。

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トゥルスス

Tursus

フィンランドの伝承に登場する想像上の生物。海に棲んでおり、人間のような胴体と腕、巨大なセイウチの頭部、鯨あるいはセイウチの下半身(尾)を持つ混成生物。アザラシの皮を身にまとっている。ノルウェーの伝承にも同じようなロスメルと呼ばれる怪物の話が残っている。

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トゥルティン・トゥラティン

Trwtyn-tratyn

イギリスのウェールズにおける女の妖精。自分の名前を決して他人に漏らさないという約束の代わりに糸紡ぎをする女性を助けてくれる。

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トゥレカムイ

 

アイヌにおける植物のカムイ。「トゥレ」とはアイヌ語でウバユリのこと。アイヌ人にとって北海道に生える大姥百合(おおうばゆり)の根茎は重要な食物の一つであり、トゥレカムイはアイヌ人が何故植物を食べるようになったかを説明する神謡に登場する。トゥレカムイはかさぶただらけで毛髪が一本も無い不気味な女性の姿でアイヌ人たちの家を訪れ、頭のかさぶたを爪で掻き落として鍋に入れて茹で、その恐ろしい白い粥状の汁をアイヌ人たちに食べさせようとする。死ぬ気で粥を口にしたアイヌ人は、それが素晴らしくおいしい食べ物であることを知った。驚くアイヌ人達の前で、トゥレカムイは本来の美しい姿をあらわし、自分(ウバユリ)がおいしい食べ物であることを知らないアイヌ人達に、自分の利用法を教えに来たということを明かす。

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トゥレル

Turel

キリスト教や神秘学における堕天使ないし天使の一人。名前は「神の岩」の意。「トゥラエル(Turael)」、「トウリエル(Touriel)」、「トゥリエル(Turi'el)」とも呼ばれる。旧約聖書外典「第1エノク書」によれば神に反逆した200人の堕天使の一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長(Chief of Tens)」の一人とされる。

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トゥレンペ

 

アイヌにおける守護神の総称。「トゥレンパ」、「ドジカムイ」、「ドレンペ」とも呼ばれる。トゥレンペは個人、あるいは集団に憑くカムイのことで、動物や植物、火の神や雷の神など人によって憑くトゥレンペは異なる。アイヌの人は生まれたとき最大で三つのトゥレンペを持っているとされる。それ以外でも協力したお礼にカムイがトゥレンペになったり、病気のときなどにトゥレンペを降ろすこともあるという。

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トカブインジ

Tcabuinji

オーストラリア北部、ディリー川流域にあるデラメアという土地に住むアボリジニ、ワルダマン族における雷神。弟のワグドジャドブラと合わせて「稲妻の兄弟」と呼ばれる。ワルダマン族にとって重要な聖地「雨を夢見る中心地」において、その儀式の多くはこの兄弟に捧げられる。特にイニシエーションの儀式として重要な擬似割礼は、この兄弟がもたらしたものだとされる。この二人は兄の妻カナンダをめぐって争い、弟ワグドジャドブラは兄トカブインジによってブーメラン、或いは石斧で殺されたとされる。斧はオーストラリアだけでなく東南アジアからヨーロッパまで、稲妻の象徴となっている。

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トカチュカムイ

 

アイヌにおけるカムイの一人。太陽のカムイであるが、日常生活のおいて身近ではないものを顕現体とするカムイの常としてあまり重要視はされなかった。名前は「日中に輝くカムイ」といった意味で、女性のカムイと考えられた。

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トカポ・ヴィラコチャ

Tocapo Viracocha

アンデスの創世神話において、いわゆる「アンデスの三人」と称される神の一人。イマイマナ・ヴィラコチャとともにコン・ティクシ・ヴィラコチャの二つに分かれた化身、あるいは下の息子とされる。コン・ティクシ・ヴィラコチャの協力者であり、ティティカカ湖からマンタへ旅する道程を3人それぞれ違う道で歩み、道すがら木や植物に名前をつけ、食用のもの、薬用のものの見分け方を人間に教え、マンタで他の二人と合流すると海の上を歩いて水平線のかなたへ消えていったという。

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時置師神

ときおかしのかみ

日本記紀神話に見える神。「古事記のみ」にあらわれ、日本書紀においては言及されない。多く「時量師神(ときはかしのかみ)」と記載されることが多いが、これは「時」の字から来る誤解で「置」を「量」と取り間違えたものだと考えられる。古事記によれば黄泉の国から帰ってきた伊邪那岐命が穢れを祓うために服や身につけていたものを投げ捨てた時に、生じた十二柱の神の一柱で、時置師神はそのうちの御裳(みも=腰から下にまきつける衣服)が化生した神である。「ときおかし」とは「紐を解き、置き給う」の意と解釈できる。

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徳叉迦龍王 とくしゃかりゅうおう

Takṣaka

仏教における八大竜王の第五尊。インド神話のナーガラージャであるタクシャカが仏教に取り込まれたもの。「徳叉迦」はサンスクリット名を漢字に音訳したもの。また「多舌(たぜつ)」、「両舌(りょうぜつ)」、「現毒(げんどく)」、「視毒(しどく)」とも呼ばれ、怒って見つめられればその者は命を落としてしまう、といった猛毒を持つとされる。

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常世思金神

とこよおもいかねのかみ

常世神

とこよのかみ

日本において常世(不老不死の理想郷、あるいは死後の魂が向かう国)から来たと考えられた神。(芋虫の姿をした神などではなく)芋虫=常世神である。皇極天皇の時代(642~645)に富士川の周辺で採取できる特定の芋虫を祀れば、貧しいものは金持ちとなり、病は快癒し、老人は若返り、不老不死になれるという現世利益を目的とした民間宗教の神。中国神仙道のいわゆる「蠱術」や陰陽道、呪禁道などの影響から発生した信仰だと思われる。結局は邪教として滅ぼされた。

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トサリデュイ

Tçaridyi

放浪民族ロマニー族(ジプシー)の信仰に登場する、病気をもたらすという女の悪魔。妖精の女王アナがザリガニを食べさせられた後、魔王と交わった結果トスロと共に生じた。二人は兄弟だが夫婦でもある。毛に覆われた芋虫の体を持ち、男に体に入れば高熱をもたらし、女の体に入れば待機して妊娠のときに産褥熱をもたらすとされる。このためロマニー族の女性はよくザリガニで作ったお守りを身につけている。

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トシ

Toci

呼称は我々の祖母を意味する。古い地母神で、元来はワステカ(メソアメリカ北東部のメキシコ湾岸北部沿いに住んでいた民族)起源の女神だったとされている。主要なアステカの神の一人で、神々の母テテオインナンと関係があり、ときには「トラリルヨロ(Tlallilyollo「大地の心臓」)」とも呼ばれた。収穫祭であるオチュパニストリで祀られた神である。地母神としてのとしは、一方で助産婦と治療者の守護女神でもあり、メソアメリカのテメスカル(サウナの意)とも関わりがあった。トラソルテオトルトラエルクアニとも明白な関係があり、この女神のいでたち同様、しばしば黒い反転のある顔と綿の糸巻きを頭飾りにした姿で描かれた。トシはシワコアトルの母とされることもある。

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都市王 としおう

Dū-shì wáng

仏教や道教において地獄で審判を行うとされる十王の一人。一周忌の審判を司るとされ、「都市大王飛魔演慶真君(としだいおうひまえんけいしんくん)」とも呼ばれる。大熱悩地獄の主とされ、阿閦如来ないし勢至菩薩を本地とし、法衣と法冠を身に着け筆を持った書く姿で表される。

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としどん

 

日本の鹿児島県に出現するとされる妖怪。漢字では「年殿」と書く。長い鼻をもった白髪の老人の姿で、毎年大晦日の晩になるとどこからか首のない馬に乗って現れ、家々を回っていくという。としどんの「とし」とは「歳」を意味するらしく、としどんがやってくることで人々は皆一つだけ年をとるのだという。また、聞き分けのない子供は必ず探し出して懲らしめ、去っていくときには歳餅と呼ばれる餅を置いていくとされる。

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斗宿 としゅく

Uttarāṣāḍhā

密教の宿曜道において二十八宿及び二十七宿の一つ。インドでは「ウッタラーシャーダー(Uttarāṣāḍhā)」と呼び、ウッタラは「次の」、アシャーダーは「無敵」を意味し、斗宿のほか「北魚宿(ほくぎょしゅく)」、「大光天(だいこうてん)」、と呼ばれるほか、「後阿沙荼(ごあしゃだ)」、「烏陀羅阿沙怒(うだらあしゃぬ)」と音写する。また日本では「斗(ひきつぼし)」の和名を当てる。胎蔵界曼荼羅では西方(下側)に配され、像容は左手に赤珠の乗った蓮を持つ。

種字は「म(ma)」、「न(na)」、「रो(ro)」、真言は「唵烏多羅阿娑努莎呵(おんうたらあしゃぬそわか)」、三昧耶形は蓮上星。

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トスロ

Tçulo

ロマニー族(ジプシー)の民間信仰における男の悪魔。トサリデュイの兄であり夫。魔王がザリガニとクワガタを食べた後、眠っていたアナと交わることで生まれた。トスロの体はトゲの塊であり、丸まって球状になり人間の体の中に入って病気と熱、特に下腹部に激痛をもたらすとされる。妊婦を苦しめることを得意としているが、トスロとトサリデュイの悪意からザリガニでつくったお守りで逃れることが出来ると信じられている。

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トト

Totho

エジプト神話における月と魔術、知識の神。「ジェフゥティ(Djehuty)」とも呼ばれる。文字と測量を司る女神セシャトは妻とも娘ともされる。またネヘメトアウイヘケトマートも妻とされる。「大いなる尊きヒヒ」などと呼ばれ、ヒヒの頭を持った獣頭人身の姿をしている。またトキの頭を持った男として描かれることもあった。知恵の神で文字を書くことができ、神々の世界で書記の役を務めた。古代エジプトの都市ヘルモポリスでは最高神とされたこともあった。彼は常にオシリスイシスホルスなどの、セトと敵対する善神につき従い協力する。例えばオシリスを蘇らせる為の呪文をその妹で妻のイシスに教えたり、セトに負わされた目の傷を呪文の力で癒したりしている。こうしたことからトトは知恵と魔術を司る神として崇められ、42巻からなる「トトの書」を記したとされるようになった(そのため書物の神とも言われる)。また、知恵や魔術を象徴する月と関連付けられるようになり、月の出ている時間の支配者であるとも言われる。この関係から暦法と数を司る神ともされた。冥界の神オシリスの死者を裁く法廷には「レーの天秤」と呼ばれる秤があって、死者の心臓と「真実の羽」と乗せてその人間が悪人か善人かを見定めたとされているが、トトは秤のそばにいて測定の結果を葦ペンでパピルスに記す役目を担っていた。

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百々目鬼

どどめき

日本における女の妖怪。鳥山石燕の「今昔画図続百鬼」に見える。あるところに腕が長いのをいいことにスリ稼業に手を染めた女がいた。荒稼ぎをしているうちに、ある時期を境に女の手には鳥の目が出来始めた。江戸時代までの銭貨は円形方孔で鳥の目に似ていることからよく銭のことを「鳥目(ちょうもく)」などといったが、この鳥の目が女の腕についてしまったのである。スリを働くたび鳥目は増えていったが女はスリをやめなかったため、ついに腕に百の目をもつ妖怪、百々目鬼になってしまったのである。百々目鬼は夜道で人を呼び止めては自分の身の上話を話して聞かせ、最後に鳥の目だらけの自分の腕をまくって見せて人々を驚かすようになったのだという。

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トナティウ

Tonatiuh

メソアメリカ中央部における太陽神。クアウートレウアニトル(Cuauhtlehánitl=「天に昇る鷲」)とクアウテモック(Cuauhtémoc=「降りる鷲」)の姿で顕現する。配偶神はヨワルテクートリ。とくにメシーカ・アステカ人(一般にアステカ人といわれるメキシコ盆地に移った最後の部族)にとって、若い戦士としての戦神ウィツィロポチトリと結びついていた。さらにヨワルテウクティン(夜の神々)の3番目として、若々しいトナティウの姿をとるピルツィンテクートリでもあった。サポテカ神話の「コピーチャ(Copijza)」に相当する。

トナティウは生命の供給者であり、神話の中で5回変わった太陽のうち現在天上にある第5の太陽そのものであり、アステカの20ある暦日(センポワリ)の19日目である「キアウィトル(Quiáhuitl=「雨」)」の守護神であり、さらにトナルテウクティン(夜の神々)の4番目でもある。トラルテクートリやウィツィロポチトリと同様に人間の生贄を頻繁に要求する神であり、多くの心臓と血がこの神に捧げられた。

またトナティウ自身もテクシステカトルナナウアツィンの犠牲によって生まれた神である。生まれたトナティウ=第5の太陽はそのままでは動かず、生贄の血を要求した。これをなだめるために神々はケツァルコアトルを呼び、彼の黒曜石のナイフで自分達の心臓を取り出させた。

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トナパ

Tonapa

インカにおいて、汎アンデス的創造神ヴィラコチャの創造を手伝ったとされる神。ある伝承ではトナパはヴィラコチャにそむいたせいでティティカカ湖を漂流することになってしまったとされている。トナパは十字によって象徴されるため、これを見たスペイン修道士は、スペイン人による征服以前にインカにキリスト教の影響があった証拠だとみなした。

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トナルテウクティン

Tonalteuctin

「昼の神々」。アステカにおいて、昼の13ある時刻にそれぞれ関連した神々。またそれぞれの時刻は「鳥」(有翼ないし飛翔動物)にも対応している。創世神話にみえる13層に分かれた天空と結びついていると考えられる。これに対応する「夜の神々」をヨワルテウクティンといい、一部の神はどちらにも登場している。

《トナルテウクティン》
名称 対応する鳥

01:火の神
シウテクトリウエウエテオトル

青い蜂鳥

02:大地の神
トラルテクートリ

緑の蜂鳥

03:水の女神
チャルチウィトリクエ

04:太陽神
トナティウ

ウズラ

05:愛の女神
トラソルテオトル

06:戦死者の神
テオヤオミキミクトランテクートリ

メンフクロウ

07:トウモロコシの神
ショチピリセンテオトル

08:雨の神
トラロック

09:風の神
ケツァルコアトル

七面鳥

10:食料の神
テスカトリポカ

ミミズク

11:地下世界の神
ミクトランテクートリチャルメカテクートリ

コウンゴウインコ

12:夜明けの神
トラウィスカルパンテクートリ

ケツァル

13:空の神
イラマテクートリ

ケツァル

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トナンツィン

Tonantzin

アステカにおいて、地母神で人類の母であるシワコアトルの善なる性格に付けられた名称。名前は「小さな母親」の意。アステカのテノチティトランには、トナンツィンに捧げられた神殿が存在する。

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土伯 どはく

Tŭ-bó

中国神話において地下にある死者の世界「幽都」の門番。土地神后土の配下とされる。虎のような頭に牛のような身体で角が生え目が三つある姿をしており、その角で害ある者を刺し殺すという。

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トバディシュティニ

Tobadjishtchini

北アメリカ大陸の南西地方に住むネイティブアメリカン、ナヴァホ族に伝わる双子の戦神。「トバデスツィニ(Tobadzistsini)」とも呼ばれる。もう一人はナイェネズガニエスツァナットレーヒが裸身を水と太陽に晒すことで生まれた。ナヴァホ族の始祖たちが出現したとき、大地には怪物だらけだったため、彼らの祖母ナ・アシュ・ジェイ・アスダァアは二人に力を授け、父親である太陽を探し出し助けを求めるようにと頼んだ。父親を見つけた二人は、父親に怪物を退治する方法を教わり、巨人イエッイーツオーや人食いのテルゲスなどの多くの怪物を退治して世界に平和をもたらした。

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ドビエル

Dobiel

キリスト教における天使の一人。「ドゥビエル(Dubbiel,Dubiel)」とも呼ばれる。名前は「熊の神」の意。「新約聖書」マタイ伝やタルムード「ヨマ」などに言及される。70(ないし72)の諸民族にそれぞれいるとされる守護天使のうち、名前が明らかになっている四天使の一人で、ペルシアを守護するとされる。ガブリエルがドビエルにとの勝負に負けたとき、ガブリエルの代わりに21日間天上の職務を果たしたという。イスラエルの守護天使であるミカエルを除く全ての守護天使が民族の偏見のため堕落したとされるため、当然ドビエルも堕天したと考えられる。

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トヒル

Tohil

マヤの一部族キチェ・マヤ族に伝わる聖書「ポポル・ヴフ(Popol Vuh)」に見える神。それによればトヒルは民族の移動時代にキチェ・マヤ族を高地へ率いた神とされる。しかしトヒルは人身供犠を要求する神であり、戦争によって得られた捕虜ばかりか部族内の人間もがトヒルに捧げられた。トヒルの主神殿はキチェの主都ウタトランにあった。

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トミカムイ

 

アイヌにおけるカムイの一人。太刀のカムイであり、太刀の威力に対する畏怖から創造されたカムイだと考えられる。

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ドミニオン

Dominion

ユダヤ教、キリスト教における天使の9階級、いわゆる「天上の階級」のうちの第4階級。複数形で「ドミニオンズ(Dominions)」、日本語では「主天使」と訳される。ヘブライ語では「ハシュマリム(Hashmallim)」。神の言葉をあまねく宇宙に広げる役目を担っているとされる。神の威光を示す笏をシンボルとする。ドミニオンの指揮官はハシュマルあるいはザドキエルとされている。

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トムテ

Tomtar, Tomte

スウェーデンの民間伝承に登場する小さな精霊。「トムトロ(Tomtrå)」とも呼ばれる。元々はアイルランドのトゥアハ・デ・ダナーンのように、ヴァイキングの侵略を逃れ古代の砦や環状列石に隠れ住むようになった先住民族のなれの果てと考えられていた。彼らの出自を考えれば当然だが、トムテは人間達を憎んでいるだけに性質が悪く、長く人間達を悩ました。そこで人間たちは彼らに贈り物をすることによって彼らをなだめることに成功した。やがてトムテ達は人間たちのくれた贈り物のお返しとして、夜の間に畑仕事をしたり家事をやってくれたりするようになった。こうして各農場の家庭に一人ずつ守護霊としてトムテが住み着くようになった。綺麗好きで働き者なので、家事をサボる家政婦には怒って罰を与えようとするいう。今ではトムテはクリスマスの行事と関連付けられ、ユーレニッセ(サンタクロース)の手伝いをして働き子供たちにプレゼントを配る役を担っているとされる。またトムテへの仕事の報酬は一杯のお粥と少量のパン、そして煙草が良いとされているが、これらはクリスマスの朝にだけ供した方が良いとされる。何故なら、こうした報酬をねだる妖精の常として、過剰なプレゼントは妖精の助けはもう要らない、という意味になり、トムテを怒らせることにつながるからである。ただしトムテに対する妥当な報酬の種類と与える頻度には色々な説があるはっきりしない。

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ドモヴォーイ

Domovoï, Domovoi, Domovoj

スラヴ地方における家の精霊。天から落ちた天使のうち、人家の近くに堕ちたものがドモヴォーイになるとされ、個々の家庭に守護霊として住み着いているという。名前はロシア語で「家」や「家庭」を意味するドムに由来する。「ドモヴィーハ(Domobikha)」という名の妻がいるが、彼女はドモヴォーイと違って決して人に姿を見せようとはしない。全身(手のひらまで)白い毛に包まれた人のような姿をしているものの、犬や猫、羊といった家畜や、時にはわら束などに化けているとされる。ドモヴォーイの本当の姿を見たときは不吉の前兆であるとされる。ロシアでは普通家の中央部に竈と兼用の大きな暖炉があり、ドモヴォーイはそのそばに住み着いている。暖かい場所が好きであり、ドモヴォーイを怒らせるとその家は火災に遭うとされる。ドモヴォーイを怒らせないように、ロシアの家庭では夕食の一部を彼に捧げる。またドモヴォーイは家族の未来を伝える役目も持っている。夜になるとドモヴォーイの声が聞こえる事があり、ぺちゃくちゃと言っている時は、家が平和である印で、反対にすすり泣きや悲しい声が聞こえてくる時は良くない事が起こる印で、たいてい身内に不幸があるという。また暗がりでドモヴォーイに触られたとき、暖かく毛深い感触がしたら幸運に恵まれ、湿っぽく冷たい感触がしたら悪いことが起こるともされる。

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共潜き

ともかずき

日本は三重県志摩地方の海に出現するとされる妖怪。曇りの日に海女が一人で海に潜っていると、その海女と同じ恰好で出現するのだとされる。海上に顔を出すと、自分の乗ってきた船しか見当たらないのに海に潜るとまた出現する。近づいてきてもっと深いところへ誘うときもあるという。不吉な妖怪で、共潜きに遭った海女は海に潜るのを辞め、これを聞いた人も2,3日は海に潜ることを控えると言う。

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戸山津見神

とやまつみのかみ

日本記紀神話に登場する山神。「古事記」にだけ見え、「日本書紀」には登場しない。伊邪那岐命火之迦具土神を斬ったときに、火之迦具土神の斬られた体のうち、右足から生まれたとされる。「戸山(とやま)」は「外山(とやま)」のことで端の山を表し奥山津見神の「奥山(おくやま)」と対応していると考えられる。

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ドュラハン

Dullahan

アイルランドやイギリスなどに棲む不吉な妖精の一種。人が死ぬ前になると出現し、町中を走り回る。首のない女、或いは騎士の姿をしており、コシュタ・バワーに引かれた二輪馬車に乗っている。町のあちこちを走り回った後目的の家の前に止まり、馬車の音に不審に思った家の者がドアをあけると桶一杯の血を浴びせるのだという。

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豊石窓神

とよいわまどのかみ

「延喜式」や「古語拾遺」などに見える門を司る神の一柱。延喜式では「豊石窓神」、「豊磐間門命(とよいわまとのみこと)」、古語拾遺では「豊磐間戸命(とよいわまとのみこと)」という名で記載される。また「豊石窓命(とよいわまどのみこと)」、「豊磐窓命(とよいわまどのみこと)」、「豊磐間戸神(とよいわまとのかみ)」などの名でも呼ばれる。神名の「トヨ」は豊穣を表す敬称、「イワ」は岩の様に堅固であること、「マト/マド」は「真の門」を表すと考えられる。「古事記」においては櫛石窓神とともに天石門別神の別名と解されているが、古語拾遺に拠れば布刀玉命の子神であり、天照大御神の岩戸隠れにおいて櫛石窓神とともに瑞殿(みずのみあらか=天照大御神のために新しく作った新宮)の門の守衛に任じられたという。櫛石窓神、豊石窓神の両神は「御門神(みかどのかみ)」として皇居の四方にある御門全てを昼夜問わず守護するとされ、「御門巫祭神八座」として四方全てに両神が祀られる。

兵庫県篠山市にある式内社「櫛石窓神社(くしいわまどじんじゃ)」、奈良県橿原市忌部町にある「天太玉命神社(あめのふとたまのみことじんじゃ)」、賀茂別雷神社の摂社である「棚尾神社(たなおじんじゃ)」などに櫛石窓神とともに祀られる。

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土曜 どよう

Śani, Śanaiścara

仏教における九曜及び七曜の一尊。土星のことで、サンスクリットでは「シャニ(Śani)」ないし「シャナイシュチャラ(Śanaiścara)」と称する。漢訳では#doyouのほか「土曜星(どようしょう)」、「土星(どしょう)」、「土精(どしょう)」、「土大曜(どたいよう)」、「鎮星(ちんしょう)」、「土宿星(としゅくしょう)」などの名で呼ばれるほか、「賒乃以室折囉(しゃないいしせつら)」と音写される。中方を司り、胎蔵界曼荼羅での像容は鹿皮の裙(くん=腰衣)を着け右手に仙杖をもつ上半身が裸の老人の姿。あるいは瓶を持った菩薩形の姿や、左手に錫杖を持ち牛に乗った老人の姿。

種子は「श(śa)」、「पृ(pṛ)」、真言は「唵捨泥殺作 羅曩乞殺 怛羅 跛羅 訶摩曩嚕波野 普瑟底 迦里 莎訶(おんしゃにししゃ らなうきししゃ たら はら かまなうろばや ほしゅち しやり そわか)」、三昧耶形は錫杖。

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豊受大神

とようけのおおかみ

名前の「豊(とよ)」は美称、「受(うけ)」は「食(け)」と同じで食物の意)。和久産巣日神の子で、伊勢神宮の外宮にまつられる穀物の神。「古事記」には「登由宇気神(とようけのかみ)」を指して「こは外宮(とつみや)の度相(わたらい)に坐す神ぞ」を記されているが、これは豊受大神のことである。豊宇気毘売神と同一神と考えられ、ひいては宇迦之御魂神とも同一神、或いは同意の神だと考えられる。宇迦之御魂神の代わりに豊受大神を祭神として祀る稲荷神社も多い(参照:稲荷神)。

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豊宇気毘売神

とようけびめのかみ

日本神話に登場する穀物を司る女神。「古事記」によれば和久産巣日神の御子神とされている。天孫降臨の際に随伴する「登由宇気神(とようけのかみ)」、つまり伊勢神宮の外宮にまつられる「豊受大神(とようけのおおかみ)」と同体とされる。また「丹後国風土記」に見える「豊宇賀能売神(とようかのめのかみ)」、「摂津国風土記」逸文に見える「止与可乃売神(とようかのめのかみ)」、「陸奥国風土記」逸文に見える「豊岡姫命(とよおかひめのみこと)」なども同一の神と考えられる。「延喜式」の大殿祝(おおとのほがい)の祝詞には「屋船豊宇気姫命(やふねとようけひめのかみ)」という神が登場し、これを注して「俗の詞(ことば)に宇賀能美多麻(うかのみたま)といふ」と記載されている。この事から宇迦之御魂神と同意の稲霊(いなだま)、つまり稲の豊穣に関わる神であると考えられる。

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土用坊主

どようぼうず

神奈川県津久井郡において、土用になると庭に現われるという妖怪。土用の間に土用坊主のいる場所の土を動かしたりするのは土用坊主の頭を引っかくことになるので避けられた。これは土公神の変化したもので陰陽道で土用中は土を犯すことを忌事としたことに由来すると考えられる。

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豊雲野神

とよくむぬのかみ

日本記紀神話に登場する神。「豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)」、「豊国主尊(とよくにぬしのみこと)」、「葉木国野尊(はごくにぬのみこと)」、「国見野尊(くにみぬのみこと)」等、さまざまな異名がある。「日本書紀」「古事記」どちらにも別天神に次いで生じた神世七代として登場する。別名である「豊国主尊」は「豊かに満ち足りた国」の意味であり、おそらく、神世七代を通して油脂の如く漂っていたものは次第に形をなしていく様子を名前を通して表現したものであると考えられる。

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豊玉毘売命

とよたまびめのみこと

日本記紀神話に登場する女神。「豊玉毘売命」は古事記での表記で、日本書紀では同訓で「豊玉姫命」と書かれる。綿津見神(或いは大綿津見神)の娘であり、日子穂穂手見命(山幸彦)の妻であり、玉依毘売命の姉とされる。海の中にある綿津見神の宮にやってきた日子穂穂手見命と結婚し、夫に「潮涸瓊/潮干珠(しおひるたま)」と「潮満瓊/潮満珠(しおみつたま)」という潮を引かせる力と潮を引かせる力をもった神宝を授け、兄の火照命(海幸彦)を降伏させた。その後、日子穂穂手見命との間に鵜葺草葺不合命を産むが、約束を破られ日子穂穂手見命に正体(鰐の姿)を見られたことを恥じて海に帰ってしまったため。鵜葺草葺不合命は妹の玉依毘売命が育てることになった。

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トラウィスカルパンテクートリ

Tlahuizcalpantecuhtli, Tlauixcalantecuhtli

アステカにおける破壊神。名前の原義は「曙の主」。明けの明星たるケツァルコアトルと宵の明星たるショロトルの化身とされる金星の神。古代メキシコでは、金星の光は負傷をもたらすものと考えられ、この星の出現を人々はひどく恐れた。彼は槍投げ器で激しく燃え盛る光線を投げつける姿で書かれる。あらゆる災い、破壊をもたらす者とされた。穀物の不作、戦争での敗北、王族に加えられる危害、女たちの危機など、全ての災いは金星(=トラウィスカルパンテクートリ)に起因するものと信じられ、そのためアステカでは金星の運行が熱心に研究された。太陽神トナティウが天に登った時、この太陽は神々にいけにえを求めた。トラウィスカルパンテクートリはこれにひどく腹を立て、太陽に向かって災いの光線を放った。しかしこの光線は太陽には無力であり、逆に彼は自分の放った矢で頭蓋を刺し貫かれてしまい、その瞬間から彼は石と冷気の神(イツトラコリウキ)に変えられてしまった。夜明け前が冷え込むのはそのためである。

13ある昼の時間を支配するトナルテウクティンの12番目であり、暦上では「13のイツクイントリ」は彼の日とされる。

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トラエルクアニ

Tlaelquani

アステカにおいて、女神トラソルテオトルの化身。字義は「排泄物を食べる者」。あらゆる不潔な行為が有する根源と隠れた力をあらわす神。また魔術と罪の浄化にも関わっている。人々がテスカトリポカに罪を告白するときの代理人とされた。通常トラエルクアニの口のまわりは黒く染まった姿で表され、これは「不快だが不可避な行為」を象徴していると考えられている。トラソルテオトルが性的行為の暗い側面と結びついていることから、トラエルクアニは戦士達のために一般市民から強制的に集められた娼婦達の守護女神ともされた。

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ドラコ

Draco

ラテン語におけるドラゴン。現在考えられているようなドラゴンとは異なり、いわばコウモリ状の翼を持った蛇のような姿だと考えられた。これは時代を下るにつれ変化し、12世紀半ばに描かれた動物寓話集などには頭にトサカ状の突起のついた、巨大だが口の小さい蛇の姿をした生物になった。このドラコは全身から放つ光で獲物の目をくらませることが出来たという。

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ドラコ・インダス

Draco Indus

大プリニウス(A.D.23~79)の「博物誌」(77)などに言及される、インドに棲むと言うドラコ。10mはあるエチオピアのドラゴンドラコ・エチオピカス)より更に大きいという。食べるためしばしば象を襲うと考えられた。特に夏の乾いた盛りなどには象の血を欲して襲うことも多いが、殺した象の下敷きになって死ぬドラゴンもいたという。

ドラコ・インダスが象の血を欲すると考えられたのは、象の血が以上に冷たい(と当時信じられていた)ためである。

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ドラコ・エチオピカス

Draco Ethiopicus, Draco Æthiopicus

大プリニウス(A.D.23~79)の「博物誌」(77)などに言及される、エチオピアに棲むというドラコ。インドのドラゴンドラコ・インダス)よりも小さいものの、それでも20キュービット(約10m)程の大きさで、象を主食とするという。彼らの棲息するエチオピアの海岸は旱魃になると象がいなくなってしまうため、体をよじり絡ませあって自分たちの体で筏(いかだ)を作り、対岸のアラビアまで象を求めに行くとされる。

ウリッセ・アルドロバンディが「怪物史」に残した図版によれば、前足はあるものの後ろ足が無く、前足の付け根から飛ぶのに適すとは思えない大きさのコウモリ状の翼が生えた格好をしている。

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ドラゴン

Dragon

ヨーロッパを始めとした英語圏で広く知られる怪物。トカゲや蛇のように鱗に覆われた体を持ち、四足歩行ながら前足の他にコウモリのような翼を持っている。細長い首と尻尾を持ち、頭には大抵とさか状の突起か角が生えている。以上の特徴は必ずしもドラゴン全てに当てはまるわけではなく、地域や年代によってその姿や性質は大きく異なる。例えば多くのドラゴンは人よりもはるかに大きいとされるが、中には人より小さいドラゴンも存在する。また大抵のドラゴンは人間や神に対して反抗的で暴力的な描写をされることが多いが、中には善良なドラゴンも存在する。

「ドラゴン」という言葉自体の語源は古代ギリシャ語に端を発する。古ギリシャ語で「明確に見る、凝視する」という意味を持つ動詞「derkesthai」から派生した「ドラコーン(drakon)」という名を持つ怪物は黄金の林檎を見張る怪物だった。このdrakonがラテン語化したのが「ドラコ(draco)」であるが、現在のドラゴンとはまだ異なり、翼を持った蛇のような出で立ちだった。このドラコが更に古フランス語化されて「ドラゴン(dragon)」となり、13世紀初頭にはそのまま英語に輸入された。

ギリシア神話やローマ神話上では、ドラゴンは何かを守る、番人の役目をしていることが多い。ケルトの伝承では人間に敵対するドラゴンもいれば味方になって守ってくれるドラゴンもいた。キリスト教が入ってくるとドラゴンは悪魔の使いとして認知されるようになり、聖人の起こす奇跡の一つとして「ドラゴンの退治」が挙げられるようになった。例えば聖ジョージはドラゴンを倒した聖人として名高い。その後もドラゴンは悪の象徴として、或いは倒すべき暴力の権化としてのイメージを保ち続けた。現在でもヨーロッパ各国の軍旗を始めとした紋章に広く使われている。

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ドラコンコペデス

Draconcopedes

中世ヨーロッパの動物寓話集に登場する混成獣。「ドラコンコペス(Draconcopes)」と呼ばれる。ドラゴンあるいは蛇に人間の女性の頭がついた、人頭獣身の姿をしている。エデンの園でエヴァをそそのかし、善悪の知識の木の実を食べさせた蛇は、このドラコンコペデスであったとされる場合があり、エデンの園を題材にした絵画では木に絡みついた姿のドラコンコペデスが見られる。

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トラサンペ

 

アイヌ民族における魔物でマリモのこと。名前は「湖の苔の心臓」という意味。昔、湖にベカンベ(浮かんでいたもの=浮き藻のことか)が自分たちの仲間を増やしたいと湖の神に相談したところ、お前達が増えると湖が見苦しくなり、また人間たちがお前達を取りに来るようになるから駄目だ、と断られた。怒ったベカンベは湖に藻を投げ入れ、これがトラサンペ=マリモになったという。湿地にもトラサンペと似た魔物がいて、これはニタッラサンペという。

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トラソルテオトル

Tlazolteotl

アステカにおける欲望と肉体的愛を司る女神。また地母神でありシワコアトルコアトリクエと関連がある。中央アメリカ諸族に広く知られているが、もともとワステカ起源の女神であり、アステカ湾岸北部の征服後にアステカの神体系の中に組み込まれた。名前はナワトル語で「不浄の女王」を意味する。ワステカ族においては「綿の女王」と呼ばれることもある。愛の女神にしてトウモロコシの母であり、また古くから伝わる大地の女神でもある。トラソルテオトルは「あらゆる不浄な行為の陰に潜む力」であり、罪をあがないたいと願う者と全能神テスカトリポカとの間を取り持ってくれる女神だと考えられた。特に「不潔」な行為を具現化した「トラエルクアニ」という別称を持っている。トラソルテオトル自信は特に性的な罪との関係が深く、アステカの湖上都市テノチティトランにおいて戦士達のために一般家庭から集められた娼婦達は、トラソルテオトルないしトラエルクアニに帰依した。彼女達はトラソルテオトルの道具として務めを果たしたあと、口を黒く塗られ、儀式において殺された。

20ある暦日(センポワリ)の14番目「オセロトル(ジャガーの意)」の守護神であり、また「昼の神々」トナルテウクティンの5番目であると同時に「夜の神々」ヨワルテウクティンの7番目でもあった。さらに暦上でのトラソルテオトルの祭日は「6のシパクトリ」であった。365日暦の第12月にはチコメコアトルテテオインナンとともに、「オチュパニストリ」という祭りで祀られた。原始的な地母神トシと結びついており、ワステカ起源の地母神「イシュクイナン(Ixcuinan)」、塩の神ウィシュトシワトルはトラソルテオトルの化身ないし関連する神と考えられる。またある意味でマヤのイシュチェルを対応神とみなすことも出来る。

トラソルテオトルはコデックス(絵文書)では綿のバンドと2つの紡錘ないし糸巻きを頭飾りとする姿で描かれている。時にはシペ・トテックのように生贄から剥いだ皮をきている姿でも表され、これは子宮からの新しい命の誕生を象徴したものだと考えられる。

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トラパーニ・フラトゥッツォ

Trapani Fratuzzo

イタリアにシチリア島に伝わる小さな妖精。修道士のような服装で赤い帽子をかぶっており、また姿を隠すために巨大な屋根瓦を背負っているとされる。トラパーニ・フラトゥッツォは地下の宝を守る妖精であり、彼の赤い帽子を手に入れることができれば、その宝の在り処を知ることができるという。ただし、トラパーニ・フラトゥッツォは赤い帽子無しでは生きることができないため、奪われればなんとしてでも帽子を奪い返そうとするし、地上に出るまでに帽子を取り返されるようなことがあれば二度と地上には戻れないとされる。

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トラルチトナティウ

Tlalchitonatiuh

古代都市テオティワカンにおいて崇拝されたメソアメリカ初期の神に後世つけられたナワトル語の名称。字義は「トナティウ(太陽)の国」。この神はジャガーの太陽ないし日没の太陽であり、アステカの鷲とジャガーの戦士集団の守護神とされ、鷲の戦士の通過儀礼を司っていた。紀元1世紀7世紀のテオティワカンにおける主要な神の一人として、その信仰はグァテマラ高地にまで浸透していた。

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トラルテクートリ

Tlaltecuhtli

メソアメリカ中央部における両性具有神の一人。字義は「大地の神」。男・女両性の側面をもつとされていたが、通常は女神とされていた。この女神は大地の怪物で、巨大で太ったカエルのような獣として描写され、大きな口、2本の飛び出た牙、そして鋭いかぎ爪の突いた足を持っていた。また、肘といい膝といい全ての関節には歯ぎしりする口がついているという。「昼の神々」トナルテウクティンの2番目を担っている。夕方の沈む太陽を飲み込み、朝に登る太陽を吐き出していた。生贄の心臓を食べる神であり、胸を切り裂かれた生贄の心臓を置くためのクアウシカリと呼ばれる石の容器の裏底に好んで刻まれた。

第五の太陽(現在の世界の太陽)の世界が創造されるとき、トラルテクートリの体は世界を作るための材料とされた。世界の海にまたがって存在していたトラルテクートリを見たケツァルコアトルテスカトリポカは驚いて、このような怪物がいる限り世界が存続できないだろうと考えた。そこで彼らは2匹の巨大な蛇に変身し、一方がトラルテクートリの右手と左足を、もう一方が左手と右足をつかんだ。テスカトリポカが片足を失うという長い苦闘の末、ついには彼らはトラルテクートリをバラバラに引きちぎった。トラルテクートリの上半身は大地となり、下半身は空に放り上げられて天となった。しかし他の神々はこうした自体を喜ばず、トラルテクートリの体から人間の生存に必要な植物を生み出すことにした。その髪は木や花となり、皮膚は草や小さな花が成長するための栄養となった。眼は泉や井戸や洞窟の源に変えられ、口は大きな洞穴や川の源となった。鼻は山や谷となった。こうして神々はトラルテクートリの霊を慰めたのだった。

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トラロック

Tlaloc

メキシコ中央部、ティオティワカンの神。メソアメリカの神々のうちで最も古くかつ根源的な神であり、生命の付与者であるとともに破壊の源泉として信仰されていたが、何にもまして雨の神として信仰された。語形はトラリ(tlalli「大地」)とオク(oc「表面にあるもの」)から。オルメカの神"第IV神"がその祖形と考えられている。マヤのチャク、ミシュテカのザウィ、トトナカのタヒン、サポテカのコシーオ、(そしておそらく)タラスコのチュピティリペメを直接の対応神とする。

アステカの首都テノチティトランでは、純粋にアステカの神であるウィツィロポチトリと同等の地位を与えられており、この2神は双神殿で祀られた。トラロックの神殿は漆喰で覆われ、(水を象徴する)明るい青と白で彩色されていた。双方の神官達はアステカ社会において同等の地位を与えられていた。チャルチウィトリクエを姉妹神、あるいは配偶神とし、トラロックはこの女神とともにトラロケ(トラロック一族)を支配した。トラロケとは、二人の妻、つまり神話上でテスカトリポカに誘拐されたとされているマクウィルショチトルマトラルクエイトル、そして羽毛の蛇ケツァルコアトルなどの神をさす。

アステカの暦日(センポワリ)の中の7番目である「マサトル(Mazatl=鹿)」を司り、また365日暦の暦上では9のオセロトル(9のジャガー)である。さらに昼の時刻を示すトナルテウクティンの8番目、夜の時刻を示すヨワルテウクティンの9番目を司る。雨や雲、雷を司り、彼の力の顕れは、ある時は恵みの雨となり、またある時は人々に害をもたらす嵐となる。山の何箇所かの洞穴に住み、それらの洞穴は富と栄華に満ちた素晴らしい宝物殿であるという。稲妻、トウモロコシや水と共に描かれ、ギョロリとした目とジャガーの歯を持っている。水と海に関係した神で、時によって寛大にも無慈悲にもなるとされた。また、トラロックはトラロカン(Tlalocan)という死後の楽園を支配する神でもあった。トラロカンは「霧と水の国」とも呼ばれ、大きな変化も無く牧歌的に日々が過ぎ行く平和な場所であるという。そこに集った魂は、トウモロコシなどの豊富な食物や花々に囲まれた安穏とした生活を四年ほど送った後、再び現世に戻ってくると信じられた。トラロカンにいける資格をもつの者は、雷、水害、伝染病、癩病で命を落としたものであるという。

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トリクラット

Trikurat

ミャンマーの民間伝承に登場するナットの一種。狩猟の対象となる野生動物の守護霊とされる。普通の意地悪いナットと違ってトリクラットは慈悲深く、狩人が食用とするのに十分な獲物をしとめられるように助けてくれるとされる。

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鳥石楠船神

とりのいわくすぶねのかみ

記紀神話に見える神の一柱。「鳥磐櫲樟船」と書かれる事もある。また、「天鳥船(あめのとりぶね)」とも呼ばれる。名前は「楠で作られた岩のように堅固で速く進む船」といった意味で、その名の通り船と海上運輸を司る神だと考えられる。伊邪那岐命伊邪那美命の間に生まれた子神の一人であり、「古事記」において大国主神に国譲りを了承させるために建御雷之男神と共に高天原より地上に遣わされる(「日本書紀」でこの任を担うのは建御雷之男神と経津主神になっている)。しかし、経津主神のように建御雷之男神と並び勇んで戦ったのではなく、建御雷之男神を乗せて移動する役目を負っていたようである。また「日本書紀」において水蛭子が流し捨てられた船の名前も鳥磐櫲樟船となっている。

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トリポデルー

Tripoderoo

アメリカの噂話やほら話を起源とする怪物、フィアサム・クリッターの一種。名前は「Tripod(三脚)」から来ていると思われる。トリポデルーは足と鼻が自由に伸びる入れ子式で、木の茂みの間から獲物に近づき、足を伸ばしてうまく体を固定し、鼻から泥を放って獲物を捕まえるとされる。

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ドリュアド

Dryad

ギリシア、ローマ神話に登場するニンフの中の一グループ。ギリシア語の「樫の木(ドリュス)」が名前の起源とする。樹木や森の守護霊であり、森に害を成す生物に罰を与えるという。また錬金術師パラケルススの提唱したエレメンタルの中で、自然の二分して象徴する精霊のうち、「植物」を象徴するとされる精霊のグループ名でもある。

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トール

þórr, Thor

北欧神話においてアサ神族に属する雷神にして戦神、強力無双の神。名前も「雷」を意味する。結婚と農作物の実りを守護する神でもある。一般的に主神オーディンヨルズとの間に出来た子供であるとされている。顔一面を赤い髭が覆っているため「赤ひげ」と称されることもある。すべてを粉砕する魔法の槌「ミョルニル」とその柄を握るための鉄の手袋、締めれば全身の力が倍加するという腹帯を所有している。姦計の神ロキと仲が良く、よく二人で旅に出かける。その時はたいていロキをベルトにぶら下げて歩いた。他のアサ神族の神のように馬には乗らず、徒歩か或いは雄山羊タングノストタングリスニルの牽く戦車に乗って出かけた。

豪腕を頼みとする性格なので鋭敏さや賢さにかけ、単純で愚直な神であり、いきなり怒ったりすぐ機嫌が直ったりする。また大食漢で大酒呑みでもあるという奔放な人間らしい性格から、古代ゲルマンの数多くの農民や戦士に愛され信仰を集めた。巨人族との最終的な戦いである「ラグナロク」においては、世界蛇「ミズガルズオルム」と相打ちになり死ぬと予言されている。

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ドルジ

Druj, Drujs

ゾロアスター教における悪魔の一人。女の悪魔で、6人のアメサ・スペンタに対抗する6人の悪魔の一人(ただし諸説あるせいで全員挙げると6人以上いる)と考えられた。特にアシャ・ヴァヒシュタに対抗する悪魔とされた。名前は「虚偽」を意味する。後世には女悪魔の総称としてこの名が使われた。例えばジェーナスはドルジの一人とされる。

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ドルジェジクチェ

rDo rje 'jigs byed, Dorjéjikjé

チベット仏教における忿怒尊の一種でサンスクリット名「ヴァジュラバイラヴァ(Vajrabhairava)」がチベット語に訳されたもの。名前のドルジェは「金剛」を、ジクチェは「破壊者」や「恐るべき者」を意味する。ドルジェジクチェはシンジェシェ(→ヤマーンタカ=大威徳明王)の一形態で、チベットでは三態のシンジェシェが伝わっており、これら三尊をまとめて「シンジェシェ・マルナクジク・スム(gShin rje gshed dmar nag 'jigs gsum, Shinjéshe marnanjik sum)=ヤマーンタカ(シンジェシェ)の赤(マル)、黒(ナク)、怖畏(ジク)の三神(スム)」と呼んでいる。ドルジェジクチェはこの中でも最も凶暴な化身であり、怨敵調伏などの修法に用いられたとされる。ゲルク派では宗祖ツォンカパの守護尊とされ、ドルジェジクチェを本尊とし種々の護法神を配した「グンカン(mGon khang, gönkhang)」が主要な寺院に建立された。

ドルジェジクチェは色々な姿で描かれるが、このうち最も多いのは青黒色の九面三十四臂十六足像で、単独尊として描かれるほか、曼荼羅の主尊としても描かれる(持物は下表参考)。九面は中央が角のある水牛で、その上に赤い羅刹面、一番上に本地とされるジャムペルヤン(=マンジュシュリー=文殊菩薩)の瞋怒面、また水牛面の左右に三面ずつ(右内側から黄色、青色、赤色、左内側から灰色、白色、黒色)忿怒面の合計九面でいずれも額に第三眼を持つ。左右第一手でカパーラ(髑髏杯)とカルトリ(曲刀)を持ちながら両手を交差し、妃である青黒色の体の「ドルジェ・ロランマ(rDo rje ro lang ma, Dorjé rolangma)」=「ヴァジュラヴェーターリー(Vajravetālī)」を抱擁する。十六本の足は右の八足で人間、水牛、象、騾馬、駱駝、犬、山羊、狐などを、また左の八足で鷲、梟、小烏鴉、鸚鵡、隼、ガルダ、八哥鳥、大白鳥などを踏みつける。

《ドルジェジクチェ(九面三十四臂十六足像)の持物一覧》
右手 左手

第一手

カパーラ(髑髏杯)

カルトリ(曲刀)

第二手

象の皮

象の皮

第三手

独鈷橛

ツァンパ梵天)の頭

第四手

第五手

匕首

人間の足

第六手

独鈷杵

第七手

斧鉞

第八手

短槍

腸索

第九手

第十手

人間の手

第十一手

屍衣(死体を包む布)

第十二手

カトヴァーンガ(髑髏杖)

刑杖(罪人を串刺しにする棒)

第十三手

火炉

第十四手

五鈷杵

頭蓋骨

第十五手

金剛錘

祈克印

第十六手

三連幡

第十七手

ダマル(打楽器)

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ドルジェ・シュクデン

rDo rje shugs ldan, Dorjé shunden

チベット仏教における独自のチョキョン(=護法神=ダルマパーラ)で怨霊神。ドルジェは「金剛」、シュクデンは「力ある者」を意味する。ダライラマ5世(1617-1682)の時代にデープン寺いたラマで、パンチェン・スーナムタクパの3世とされたトゥルク・タクパ・ギャルツェン(sPrul sku grags pa rgyal mtshan) は同僚の讒言により迫害を受け、自分の無罪を証明するため自ら窒息死した。その後チベットは多くの災害に見舞われ、ダライラマの身にも不吉な出来事が起こったので「ドルジェ・シュクデン」の名を与えて護法神として祀るようになったと伝わっている。

ドルジェ・シュクデンは怨敵を調伏する修法の本尊であり、供物に死体から採取した脂や毛髪、血が用いられる。このような反社会的要素を含んでいるため、現在ダライラマ政庁によって信仰を禁止されており、ドルジェ・シュクデンを祀る人物が追放されるなどの事件も起こっているものの、現在でもドルジェ・シュクデンの修法を行っている寺も少なくない。

その姿は三目で赤黒色の身色に僧侶の法衣を身に着け白獅子に乗り、右手で黄金の剣を振り上げ左手で怨敵の心臓を持って口ですする姿で描かれる。また時に「身(東・白象に乗る白色身)」、「徳(南・馬に乗る黄色身)」、「語(西・紅獅子ないし龍に乗る赤色身)」、「業(北・虎ないしガルダに乗る褐色身)」の4人の眷属を伴って描かれる。

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ドルーダ

Drude

南ドイツやオーストリアに伝わる悪夢を見させる精霊。ドルーダは単数形で複数形では「ドルーデン(Druden)」と呼ばれる。睡眠中の人を苦しめるとされ、これを防ぐための五芒星の護符は「ドルーデンフュース(Drudenfuss=ドルーダたちの足)」と呼ばれる。

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トルト

Torto

フランス南西部やスペイン北西部に住むバスク人の民間伝承に登場する怪物。人間の姿をしているが目は真ん中に一つだけしかない。人間、特に若者が好物で、待ち伏せしてさらいむさぼり食うとされる。

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トレルケフエクヴェ

Trelquehuecuve

チリのアラウカノ族の伝承に登場する水棲の怪物。大きく平らに広がった白い斑点のある茶色の皮に、目がついているいう奇妙な姿で、縁にはぐるりと鉤爪が並んでいるとされる。水辺にいる人間を巨大な渦巻きで巻き込み、自分のからだで覆って食べてしまう。水棲といっても水の中でしか生きられないわけではなく、陸に上がって自分の体を広げ日向ぼっこをすることもあるという。トレルケフエクヴェは湖底の洞窟に住むインブンチェの手下でもあり、巣を出ないインブンチェの代わりに彼の獲物を調達してくる。

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トロケ・ナワケ

Tloque Nahuaque

15世紀半ばのメキシコ盆地中部テスココの王、ネサワルコヨトルにより信奉された神。名前は「遍在する神」を意味する。宇宙における最高の力であり、始まりも終わりもない存在という極めて抽象的な神。メソアメリカにおいて最も一神教に近い概念といえる。トロケ・ナワケは知覚することの出来ない存在であり、そのため神殿にも神像の類いは置かれなかった。ネサワルコヨトルは国民の心情を考慮し、伝来の神々を排除しなかったためトロケ・ナワケに対しての信仰は広まらず王の死後徐々に忘れ去られることとなった。

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泥田坊

どろたぼう

鳥山石燕の「今昔百鬼拾遺」に見える妖怪。石燕と創作と見られる。頭に毛がなく、一つ目で(片目は爛れている)、指は三本しかない。泥の中に住んでいるので身体は黒く、地面から上半身を出して「田を返せ~、田を返せ~」と悲しげな叫び声をあげる。必死に働いて田を買いためた老人が、死後に道楽者の息子に酒代のために田を売り払われてしまったため、これを恨んで泥田坊になったという。

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ドワーフ

Dwarf, Dwaeff, Dwerf, Dwerff

北欧のドヴェルグを起源とする小人の妖精。ヨーロッパで広く知られ、様々な名称で呼ばれる。1m前後の背丈で赤毛や栗毛の長毛を生やし、子供でも老人のように見えるが200歳以上の寿命があるとか不死身であるとされる。地下世界や洞窟、或いは深い森の奥などの暗い場所に住んでいて、暗がりでも目がよく見える。優れた細工師であり、彼らの作った物は不思議な魔力や呪いを秘めていることが多い。酒と音楽を愛する性格で月光を浴びながら皆で陽気に踊るが、太陽の光には弱く、浴びると動けなくなったり石になってしまうとされることもある。

《ドワーフの別称一覧》
  • ドワーエ
  • ドワーウ
  • ドワーク
  • ドゥワルグ
  • ドワーグ
  • ドルチ
  • ドワーズ
  • ドロイチ
  • ドゥワルー
  • ドエアルフ
  • ドエオーズ
  • ドエオー
  • ドエリー
  • ドゥーフ
  • ドエルズ
  • ドエルフ
  • ドエロウ
  • ドゥルウェ
  • ドゥオロー
  • ドゥエルー
  • ドゥワルグ
  • ドゥエルチ
  • ドゥエリ
  • ドワーフェ
  • ドゥエルツ
  • ドゥワルー
  • ドゥエルグ
  • ドゥエリー
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ドンゴ

Dongo

ナイジェリアのニジェール川上流域に住むソンガイ族の信仰に登場する気象を司る精霊。雷鳴と稲妻を起こすとされている。

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トントゥ

Tonttu

フィンランドの民間伝承における家に憑く妖精。「トンティ(Tontti)」とも呼ばれる。富をもたらしてくれる妖精だが善良とは言えない。先ずトントゥを手下にするには墓場に行って悪魔や悪霊と契約を結ぶ必要がある。こうして手に入れたトントゥは家の中で最も良い部屋と居間のテーブルの最も良い席を与えることで金貨や穀物といった財産を家主に与えてくれる。しかしこういったものは何もないところから生じるわけではなく、トントゥが近所から盗んできたものであることが多いのだ。「トントゥ」という名はスウェーデンの妖精トムテから派生した可能性がある。

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貪狼星 とんろうしょう

Tānláng xīng

仏教において北斗七星の一尊で第一星。陰陽道では「天枢(てんすう)」、「天魁(てんかい)」と呼ばれる。西南を司り日曜月曜の精とされ、本地仏は東方にある最勝世界の「運意通証如来(うんいつうしょうにょらい)」あるいは千手観音とされる。像容は「尊星王軌」をひいた「覚禅鈔」に拠れば、赤黒色の身で左手に日を持つ。

種字は「वै(vai)」、「रो(ro)」、「हुं(huṃ)」、真言は「唵陀羅尼陀羅尼吽娑嚩呵(おんだらにだらにうんそわか)」ないし「都迷都迷娑縛賀(とめとめそわか)」。

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