手洗鬼

てあらいおに

日本の妖怪の一種、あるいは巨人。竹原春泉の「絵本百物語」に紹介されているもの。大太法師の使いだという。「讃岐の手洗い鬼(さぬきのてあらいおに)」とも呼ぶ。「絵本百物語」には「四国辺の入海にて三里の山を跨ぎ大海にて手を洗う」とある。つまり対岸にある二つの山に踏ん張って手を洗えるほど巨体の鬼ということである。また他の文(絵の讚)には「讃州高松より丸亀へかよう入海あり」ともあり、現在の香川県坂出市北部の海を指していることが分かる。この坂出市と丸亀市の境界にある飯野山(讃岐富士)には、「おじょも(化け物ないし巨人の意)」が飯野山と青野山に足をかけて瀬戸内海の水を飲んでいた、という伝説が残っており、「絵本百物語」に記された手洗鬼はこの「おじょも」のことを記したものだと考えられる。飯野山の山頂付近には巨岩が散在しており、このうちのいくつかは「おじょも」ゆかりの名前が付けられている。

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ディアボロス

Diabolos

英語の「デヴィル(Devil)」の語源となった語で、元々はギリシャ語で「投げつける者」という原義を持つ。しかし聖書上では「悪口をいう者」、「偽りの告発者」という意味に使われ、神と人間双方においての「敵対者」と考えられた(つまりヘブライ語「サタン(Satan)」と通ずる)。つまり悪魔全般をさすと同時に悪魔の指揮官をあらわす語と考えられる。また固有名称としてのディアボロスはアスタロスを指すとも言われる。

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ティアマト

Tiamat

古代バビロニア神話に登場する原初神の一人で、上半身は女性、下半身が蛇の姿(或いは尾が生えているだけともされる)をした果てしなく巨大な女神。塩水を支配する女神であり、大海を神格化した存在。夫は「原初の水」アプスだが、後に自分の息子であるキングを二番目の夫とした。「大洪水を起こす龍」などといわれ、バビロニアの全ての神の母とされる。だが、子である若い神々たちが増え、宇宙が騒がしくなったため、それを戒めようとしたところ、その子神たちにアプスを殺されたため、ティアマトは怒りに怒った。そして、自分自身で創り出した11匹の怪物(下記参照)の軍団を引き連れて、若い神々の首領であったマルドゥークと戦うが敗れ、身体を二つに裂かれてしまった。ティアマトの身体は半分が天空に、もう半分は大地になったという。彼女の乳房は山になり、そのそばに泉が作られ、その眼からはチグリスとユーフラテスの二代河川が生じたとされる。11匹の怪物やキングの他にアンシャルキシャルも彼女の子である。

《ティアマトの11の怪物》

01

七の大蛇: ムシュマッヘ

02

竜: ウシュムガル

03

毒蛇: ウシュム

04

怒れる蛇: ムシュフシュ

05

凶暴: ラハム

06

大ライオン: ウガルル

07

狂犬/獅子人間: ウルマフルッルー

08

サソリ人間: ギルタブリル

09

嵐の魔物: ウム・ダブルチュ

10

魚人間: クルール

11

有翼の雄牛: クサリク

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ディアンケト

Dianceht

太陽神ルーの祖父にあたる、島のケルトにおける治癒の神。「ディアン・ケーフト(Dian Céht)」とも。ディアンケトは非常に優秀な医者で、彼は主神ヌァザとその妻モリガンとの間に生まれた息子が、アイルランドに災いをもたらすと予感し、その子供の胸を切り裂いた。すると心臓から三匹の蛇が飛び出してきたので、ディアンケトはその蛇を殺し焼いた灰を河に流した。放っておけばこの蛇はアイルランドを滅ぼしたであろうと言われ、ディアンケトは救国の英雄ともてはやされた。またあるとき彼は戦で右腕を失ったヌァザに銀製の義手を取り付ける手術を行っている。ヌァザはこれ以降、「銀の腕のヌァザ」と呼ばれるようになる。

ディアンケトはダヌの一族と巨人族との戦いにも参加し、その治癒の力で多くの戦士達の命を救ったばかりか、戦場で倒れた死者をも甦らせ、トゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)の勝利に大きく貢献した。ディアンケトはこのように神々の力を維持する為に働いたが、その性格は無慈悲で、嫉妬深かったとも言われている。例えば、彼にはミアフという息子がいたが、彼は父親を勝るほどの治癒術、医術に秀でており、ヌァザの銀製の腕の代わりに本物と遜色ないような、肉があり血も通った義手を作った。ディアンケトはミアフに嫉妬しミアフを殺してしまったという。

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デイヴィ・ジョーンズ

Davy Jones

ヨーロッパの船乗り達の間に伝わる海に棲む強力な悪霊。名前の由来は定かではないが、「デイヴィ(Davy)」は水の流れを意味するケルト語の「Tau」や「Taff」から、或いは西インド諸島で幽霊や悪魔をあらわす「ダピー」から、「ジョーンズ(Jones)」はケルト語の愛称「Shon」の転訛、あるいはショーニー、またあるいは旧約聖書に登場する死と海難を象徴する預言者「ヨナ(Jonah)」からと考えられている。デイヴィ・ジョーンズは海で溺れ死んだ者を「デイヴィ・ジョーンズ・ロッカー(Davy Jones' Locker)」と呼ばれる、深い海の底にある自分のロッカーに閉じ込めるとされる。

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ティウィメ

Tihuime

メソアメリカ西部、メキシコ盆地の北部と西部のパツクアロ湖畔(現ミチョアカン州)の住んでいたタラスコ人の信じていた、死と地下世界を司る神。アステカのミクトランテクートリに相当する。

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丟拉曼 ディウラマン

Diū-lā-mán

中国の少数民族、幾(タイ)族における村を守護する神。「丟拉」は神、「曼」は村を意味する。善と悪二種類の丟拉曼がおり、村の為に貢献した英雄は善い丟拉曼に、この英雄に滅ぼされた者が悪い丟拉曼となる

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丟拉勐 ディウラモン

Diū-lā-mĕng

中国の少数民族、幾(タイ)族における血族集団を守護する神。「丟拉」は神、「勐」は血族集団を意味する。歴史上存在した幾族の優れた指導者が死後丟拉勐になる。各集団ごとに違う丟拉勐が存在する。

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ティガグ

Tingang

インドネシアのカリマンタン(ボルネオ)島東南部に住むダヤク族における至高神。人間界の上、42層の雲を突き抜けたところにある上界にすんでいるという。下界に住むジャタと対を成している。ジャタが「バウイン・ジャタ・バラワグ・ブラウ」という長い正式名称をもっているのと同様に、「ラジャ・トントグ・マタナンダウ(Raja Tontong Matanandau=太陽の君主)」「カナハロン・タンビグ・カバンテラン・ブラン(Kanarohan Tambing Kabanteran Bulan=月の王)」などと呼ばれた。ボルネオ下流域のイスラム教化が進むとティガグは「マハタラ(Mahatara)」と呼ばれるようになった。

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ティキ

Tiki

ポリネシアの信仰や伝説に汎的に見られる超自然的なキーワード。様々な守護霊、あるいは最初の人間、あるいは人間を創った神など、地域によってティキの意味は異なる。例えばニュージーランドのマオリ族においてのティキは家庭を財産の守護霊であり、またその力を象徴する装身具である。

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ティクドシェ

Tikdoshe

南アフリカに住むズールー族の信仰に登場する邪悪な精霊。小さな老人の姿で人間に陽気に戦いを挑んでくる。ティクドシェは不死身なので毎回彼が勝つのはほぼ決まったようなものだが、ティクドシェを打ち負かした者は超自然的な力や偉大な知識を得られるとされているため、戦いを好んで引き受ける者もいるという。しかし、負けた人間はティクドシェの餌食になる。

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ティグレ・カピアンゴ

Tigre capiango

アルゼンチンの民話や伝説に登場するジャガー人間。昼は普通に人間として生活しているが、夜になるとジャガーと化して隣人や家畜を喰らう。この伝承を利用して追い剥ぎがティグレ・カピアンゴの扮装して相手を怖がらせて目的を成し遂げたり、相手を畏怖す目的で兵士にティグレ・カピアンゴの扮装をさせたりしたこともあった。

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ティーケトラー

Teakettler

アメリカの噂話やほら話を起源とする怪物、フィアサム・クリッターの一種。名前は「お茶用のやかん(ティーケトル)」に人格化を現す「-er」を付けたもの。つまり「お茶を沸かすもの」といった意味。猫の耳を持つ脚の短い犬のような姿をしており、非常に臆病でほとんど姿を現さない。沸騰したやかんが発するホイッスルのような鳴き声をしており、森でほかに人がいないのにこの音がする時はティーケトラーが近くにいる証拠だとされる。

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帝鴻 ていこう

Dì-hóng

中国神話における怪神の一種。「帝江(ていこう/Dì-jiāng)」とも書く。紀元前に書かれた「山海経」という地理書にその記述が見られる。それによれば、西方にある英水という川が湯谷に注ぐ辺りに住んでいるという。その姿は黄色い袋のようで、炉の中の炎のような赤い光をまとい、6本の足と4つの翼を持っているという。また頭が無く、当然目も無いが、歌舞に詳しいとされる。いわば神獣のような存在のようだが、神鳥とされることもある。また渾沌の祖先だとされる。

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帝嚳 ていこく

Dì-kù

中国神話において、五帝(→三皇五帝)の一人。顓頊に次いで中国の帝王になった神。「高辛氏(こうしんし)」とも呼ばれる。「史記」の「五帝本紀」によれば、帝嚳は黄帝の曾孫とされている。だが一説には東方殷族の最高神であり、後に中国の最高神とされた黄帝にも匹敵する神だったという。殷族の最高神としての帝嚳は「帝俊」と呼ばれ、鳥頭人身あるいは猿の身体で一本足だったとされる。後に五帝の一人となる舜も帝嚳と同一視され、一つの神格が三つに分かれたものだといわれている。

殷族は最終的に周族によって滅ぼされたため、帝嚳自身の神話も少ない。しかし、帝嚳は多くの妻がいて、周族の始祖となる后稷を産んだ姜嫄、殷族の始祖となる契を産んだ簡狄、10個の太陽を生んだ羲和、12個の月を産んだ常羲などは全て帝嚳の妻である。

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デイ・コンセンテス

Dei Consentes, Dii Consentes

ローマ神話における、ユピテルを始めとした12柱の大神たちのこと。ギリシア神話のオリュンポス十二神の模倣だと思われるが、その構成は明らかではない。ただし、以下の12神だと推測されている。

《デイ・コンセンテスと推測される12柱》

ユピテル

ウゥルカヌス

ディアナ

ネプトゥヌス

メルクリウス

ウェヌス

マルス

ユノ

ヴェスタ

アポロ

ミネルワ

ケレス

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ティシカ・プク

Tisikh puk

ベーリング海沿岸地域に住むイヌイットの伝承や信仰に登場する生物。原初より存在する生物で当初は巨大な芋虫のような姿をしていたが後に人間のような姿に変身したという。

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氐宿 ていしゅく

Viśākhā

密教の宿曜道において二十八宿及び二十七宿の一つ。インドでは「ヴィシャーカー(Viśākhā)="分岐"、"枝"の意」と呼ぶ。氐宿、「觝宿(ていしゅく)」、「善格宿(ぜんかくしゅく)」と訳されるほか、「尾舍佉(びしゃきゃ)」、「毘釈珂(びしゃか)」と音写する。また日本では「氐(ともぼし)」の和名を当てる。胎蔵界曼荼羅では南方(右側)に配され、像容は左手に赤珠の乗った蓮を持つ。

種字は「वि(vi)」、「रो(ro)」、真言は「唵蘇舍佉娑縛賀(おんそしゃきゃそわか)」、三昧耶形は蓮上星。

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ティシュトリヤ

Tishtrya

イランにおけるシリウス星の神。「ティストリン(Tistrin)」とも呼ばれる。イランで古くから崇拝された。拝火教(ゾロアスター教)の改革者ゾロアスターは、こうした多くの神々への信仰を廃し、もっぱらアフラ・マズダに帰依することを説いた。だが時がたつとティシュトリヤは再び拝火教の神の一柱と見なされるようになった。古代イランではシリウス星が日の出の直前に見え始めると雨期がやってくるのは常だった。このためティシュトリヤは雨をもたらす神であり、旱魃の悪魔を追い払う神とされた。神話によればこの神は、雨期と乾期の変わり目ごとに翼ある白馬の姿になって天に現れ、悪神アンラ・マンユ(アーリマン)の放った旱魃の黒馬アパオシャを相手に戦う。ティシュトリヤは一度負けることもある。だが人々がティシュトリヤに供物を捧げ、祈ると、ティシュトリヤは「十の馬、十の駱駝、十の牛、十の山、十の大河の力」を得て再び戦いに出向く。そうしてアパオシャを打ち負かしたあとで、ティシュトリヤは大海に飛び込む。すると彼のすさまじい体熱に海は沸き立ち、蒸気が雲となって立ち上り雨をもたらすのである。降雨を邪魔するとされる流星の悪魔パリカーと敵対する。

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ティシュパク

Tishpak

フリ人(カスピ海南沿岸の山岳地帯に住んでいた民族)に信仰されていたテシュブがメソポタミアに取り入れられたもの。冥界神、戦神とされ、同じく都市エシュヌンナの守護神であるニンアズと同一視された。

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ディディス・マヘンデラ

Didis Mahendera

ボルネオ島に住むダヤク族における神話上の怪物。ダヤク族の世界創造神話では二対の至高神がそれぞれ住んでいた金の山と宝石の山が何回も衝突することによって空や月や太陽が生まれたとされるが、ディディス・マヘンデラはこの六度目の衝突によってロワング・リウォとともに生み出された。その目は宝石になっており、その唾は生命の水であるとされる。

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ディーナ・シー

Daoine Sidth

アイルランドにおける妖精の総称。「ディーナ・オシー(Daoine o'sidhe)」、「ディーナ・ベガ(Daoine Beaga)」とも呼ばれる。「小さな人々」の意。シー(細長い塚)、湖、森、荒野、サンザシの木などに住んでいる。人間に似た姿だが変身したり、姿を消したりすることができるという。また、病人を治したり病気を予防したりと不思議な力を持っているともされる。

ディーナ・シーは群れをなす妖精で、王と王女がいる。宴会やパレードが好きで、特にケルト人の祭りであるベルティネ祭とサウィン祭を楽しみにしている。ただし、時に彼らは乱暴で、戦いを好み、砂嵐を起こし人間の花嫁や赤ん坊をさらう、植物を枯れさせる、などといった所業に及ぶこともあるが、牛乳を捧げれば彼らをなだめることができるとされている。彼らは本来の名前を口にすると怒るので、「良家の方」、「善い人」などの婉曲的な表現で呼ばれることが多い。

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ティパカ

Tipaka

タイの神話や伝承に登場する神秘的な力を持つ馬。もっとも美しく、もっとも速い馬とされ、目的地を告げた途端もう到着しているほどだったという。伝説的な王「シソン(Sison)」の持ち馬であったという。時に翼を持った姿で描かれることもある。

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ティーフールツォーディ

Teehooltsoodi

北アメリカ大陸の南西地方に住むネイティブアメリカン、ナヴァホ族の伝承に登場する水中に住むとされる怪物。「テエホルツォディ(Tieholtsodi)」とも。滑らかな毛皮を持ち、バッファローのような角が頭についた巨大なかわうそのような姿をしているとされる。ティーフールツォーディは「海の王」と呼ばれるほどに強大な力を持っており、何人かいた自分の子供が人間に(あるいは蜘蛛女ナ・アシュ・ジェイ・アスダァアに)さらわれた時、怒って大洪水を起こして生物すべてを滅ぼそうとした。子供たちはティーフールツォーディのもとに返され、ティーフールツォーディはそれからなりを潜めているが、時々小さな洪水を起こして子供たちをさらわれないように威嚇しているという。

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ディヤウス

Dyaus

インドにおける初期の天空神。聖典「リグ・ヴェーダ」においては大地神プリティヴィーとともに「ディヤーヴァープリティヴィー(Dyāvāpṛthivī)」の名で呼ばれる。プリティヴィーとともに神々の父母とされた神だが、同じく天空神であるヴァルナの台頭によって信仰を失った。

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ティラウ・アティウス

Tirawa Atius

北米平原に住むネイティブアメリカン、ポーニー族における至高神であり、天と地の創造者。「アティウス」は神の意。単に「ティラウ」と呼ぶときもある。また、「ティラワハット」とも称される。ネイティブアメリカンでは創造神という存在(概念)は非常に珍しく、ティラウ・アティウスはそういう意味で典型にはまらない稀有な存在だといえる。他の神に太陽(シャクラ)や月(パー)などの役目を割り振り、それに応じた力を与え、軌道を定めた。妻は地球であるアティラ

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ティラワハット

Tirawahat, Tirawahut

字義は「天空」。ネイティブアメリカンであるポーニー族やアリカラ族における最高神であり創造神。ティラウ・アティウスとも呼ばれる。彼自身が天空・宇宙であり、その他の神々に大地(地球)、太陽、月、星などの役目と、それに応じた力を与えた。

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ティル

Týr

もしくは「チュール」。ゲルマン神話におけるアサ神族に属する神。「ティワズ(Tiwaz)」とも呼ばれる。ギリシアのゼウス、インドのディヤウス、ローマのユピテル等と同一語源の神名を持ち、戦争や契約、法、鍛治の守護者として、オーディンと並ぶ最高神とみなされた。巨人ヒュミルの息子、或いはオーディンとフリッグの息子とされ、神々の中でもっとも勇敢な者と称えられた。

神々が冗談めかして(或いはアスガルズを破壊されたため)フェンリルを縛ろうとした際に、ティルはフェンリルを安心させるために片手を担保としてフェンリルの口へ入れたが、神の罠にかかったと知ったフェンリルはティルの腕をそのまま食いちぎった。そのためティルは片腕である。

戦のときにティルに祈るのは大いに幸運をもたらす事で、また剣に戦いのルーン文字(↑)を刻んだ彼の名を唱えれば、戦勝が期待できるという。ラグナロクの際には、ガルムと相打ちになる。

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ディルガ

Dilga

北西オーストラリアに住むアボリジニ、カラジェリ人の住む大地母神。兄弟神であり創世神であるバガジムビリの母であり、バガジムビリが猫人間のガリマンに殺されたとき、ディルガは怒って胸から乳を出してガリマンを溺死させた。

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得勒欽 ディレェチン

Děi-lè-qīn

中国の少数民族、鄂倫春(オロチョン)族における太陽神。太陽そのものを神霊と見るもので明るさや暖かさと万物の成長を司る。鄂倫春族において日食は黄色い犬が太陽を食べるために起こると説明される。

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ディングベル

Dingbelle

女性版グレムリンとでも言うべき女の悪魔。第二次世界大戦中のカナダ軍婦人師団で有名になった。内輪のおしゃべりを拡声器で流したり、男性とデート中の女性士官のバッグから他の男性の写真を落とさせたりするという。

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ディンナバラダ

Dhinbarrada

オーストラリアのカミラロイ族の伝説に登場する奇妙な種族の一つ。ヨーネーアラというカミラロイ族の若い英雄が故郷を離れて旅をしていた時に出会った種族で、一見は普通の人間だが足がエミューの足になっているという。ディンナバラダ族は器用にブーメランを作るが何故か地中の虫だけを食べていた。ヨーネーアラが彼らの村を通り過ぎようとすると彼らはすごい速さで追いかけてきて、手を伸ばしてヨーネーアラに触れようとした。だが、ヨーネーアラが生きたまま捕まえていたフクロネコが袋の中から飛び出して逃げたのを見ると、彼らは喜んでそちらを追いかけ始めたため、ヨーネーアラはなんとか逃げ切ることができた。

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ティンミウクプク

Tinmiukpuk

アラスカのユーコン=カスコクウィム・デルタに住むイヌイットに伝わる、サンダーバードの部族名称。大きな鉤爪を持つワシににた巨大な鳥で、カリブーやその他の動物を餌としている。その大きさはカリブーを鉤爪で捕まえたあと、そのまま易々と持ち上げ飛び去ってしまうほどである。手ごろな動物が見付からない場合は人間も襲うとされる。

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デヴィル

Devil

キリスト教において神に対抗する軍勢の総称でサタンの配下とされる者達のこと。ギリシャ語の「ディアボロス(Diabolos="投げつける者"の意)」を語源とするが、もっと古くはサンスクリットの「デーヴァ(Deva)」を起源とすると考えられている。彼らは元々天使(エンジェル)であったが、何らかの欠点によって神からの恩寵から堕ちたり、あるいは欲望によって自ら身を堕としたり者達である。同じく「デーヴァ」を語源とする考えられる「デーモン」と定義付けや含まれる存在が混在しており(この二語は交換可能な訳語であった)、この二つを明確に分けることは困難である。しかし一般的にデーモンはデヴィルを含むが、デヴィルはより高度な存在だとされることが多い。日本ではデヴィルを悪魔、デーモンを悪霊と訳することが多い。

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テウターテス

Teutates

もしくは「チュータテス」とも。ローマ人がガリアと呼んだ、大陸のケルト人に崇拝されていた至高神。血によって心を和ます残忍な戦いの神でもあり、捕虜になった敵兵は生贄としてテウターテスに捧げられた。その方法は水を満たした樽に生贄を逆さ釣りにして沈め溺死させる方法で行われた。同じくケルトの戦神であるエススはテウターテスの別の姿であるとする説もある。「teuta」は「民族」を意味し、その名の通りテウターテスはケルト民族全体の父にしてケルト民族を代表する神である。大陸のケルト民族は部族ごとに分裂し国家を形成していたが、テウターテスは一部でしか信仰されていなかったエススとは異なり、どの部族でも信仰された。ただし、「テウターテス」は固有名詞ではなく、ローマ人がこの神を「ガリア人の主神」と呼んだ事に起因するとする説もある。

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テオヤオミキ

Teoyaomiqui

アステカ特有の神。「ウァウァントリ(Huahuantli)」とも呼ばれる。人身供犠の生贄を補給するための儀礼的戦闘「花の戦い(ショチヤオトル)」で死んだ者の守護神として戦士達の崇拝を集めた神。この崇拝は、捕虜を捕らえ戦神ウィツィロポチトリに生贄を捧げるために始められた。史料によっては、「昼の神々」トナルテウクティンの6番目に、ミクトランテクートリの代わりに入っていることがある。

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デカラビア

Decarabia

ユダヤの魔神で、ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。召還されると単に五芒星の無機質な状態で出現するが、命じられれば人間の姿もとる。ただその場合は裸の男で出現し、召還者がなにか服を着せない限りそのままでいるという。植物や鉱物の事柄に詳しく質問には何でも答えてくれる。また使い魔として鳥の姿をした精霊を貸してくれるともされる。

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テクシステカトル

Tecciztecatl

メソアメリカ中央部の汎的な「老いた月の神」。男女両方の姿を持ち、豊穣の神であり、男の姿をする場合は月の象徴である白い貝殻を背中に背負った老人として表された。

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テクシステカトル

Tecciztecatl

アステカにおいて、五番目の太陽の世界、つまり現在の世界における月を司る神。本来、第五の太陽になるのはテクシステカトルの役目だったが、そのためには神々の起こした火に飛び込まなければいけなかった。傲慢で強靭かつ頑固な神であったはずのテクシステカトルもこの時だけは尻込みして飛び込もうとしなかったが、テクシステカトルの双子の兄弟で、いつもは謙虚でひ弱なナナウアツィンが先に飛び込んだ。これに恥じてテクシステカトルも続いて火に飛び込んだ。こうしてナナウアツィンは太陽に、テクシステカトルは月になった。最初月は太陽に負けないほど明るかったが、神々の一人が月の顔にウサギ(トチトリ)を投げつけたので暗くなってしまったという。従ってアステカでは月のクレーターはウサギの輪郭に見えると説明されていた。

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テグリ

Thegri

キリスト教の「使徒教父文書」の一つ「ヘルマスの牧者」や旧約聖書偽典「第3エノク書(ヘブライ語エノク書)」などに出てくる天使。名前は「牡牛の神」を意味する。「トゥリエル(Thuriel)」の名でも呼ばれる。ハイイェル(→カイリエル)、ムトニエルイェヒエルなどとともに、獣を支配する天使とされる。

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テシュブ

Teshub

西アジア全域において信仰されていた嵐の神。配偶神は天界の女王ヘパト。元々はフリ人(カスピ海南沿岸の山岳地帯に住んでいた民族)に信仰されていた神だと考えられている。その神格や逸話はヒッタイトに伝えられ、ヒッタイト神話に取り込まれた。父であるクマルビを退け、神々の王になった神である。ヒッタイト神話では「神々の王」の座はアラルアヌ→クマルビと何回も交代している。クマルビはアヌを神々の王から退ける際、アヌのペニスを噛み切った。このペニスの精液によりクマルビが孕んだ子がテシュブを末子とする三人だった(三人はテシュブの異なる3つの性格をあらわすとされている)。アヌの予言どおり、クマルビはテシュブによって王位を追われたが、復讐心に燃え、閃緑岩で出来た子供ウルリクムミという子供を産みだした。ウルリクムミはとてつもない大きさまで育ち、彼の全身を見るためには高い山の頂に登らねば見えないほどだった。ウルリクムミに恐れを抱いたテシュブは他の神々を説き伏せてウルリクムミを殺そうと試みたが、これはすべて失敗に終わり、ウルリクムミはテシュブを王位から引きずり下ろした。テシュブは知恵の神エアに助けを請った。エアはテシュブの願いを聞き届け、かつて天と地を引き裂くために使った鋸を用いてウルリクムミの足を切断した。この物語の顛末は資料が散逸しており定かではないが、最後にはテシュブが王位を取り戻したという説が有力である。

テシュブは気象、特に嵐を司る神であり、斧と三叉の稲妻の鋤によって象徴される。棍棒を持ち、山の神々の上に足を載せた姿、二匹の雄牛に引かせた戦車に乗った姿などで表される。

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テージョーラーシチャクラヴァルティン

Tejorāśi-cakravartin

テスカトリポカ

Tezcatlipoca

後古典期メキシコ中央部、アステカの神で特にテスココの守護神とされる。大熊座の神であり、夜空の神であり、支配者、妖術師、戦士を司る全能の神で、名前には「煙の立つ鏡」という意味がある。二元性を体現するオメシワトルオメテクートリの子供であり、ケツァルコアトルシペ・トテックとは兄弟にあたる。赤(東を支配する)、青(南を支配する)、白(西を支配する)、黒(北を支配する)の4兄弟神があり、それぞれにテスカトリポカと呼ばれるが、「黒のテスカトリポカ」が特にこの名で呼ばれ、北の方位の神とされている。「赤のテスカトリポカ」とはシペ・トテック、「白のテスカトリポカ」とはケツァルコアトル、「青のテスカトリポカ」とはウィツィロポチトリを指す。

アステカ神話で、今まで5回交代したといわれる太陽の1番目の「大地の太陽」を司り、2番目の太陽である「水の太陽」を司る神、ケツァルコアトルとの間で戦いを繰り広げたという。ケツァルコアトルによって打ち負かされ、テスカトリポカはジャガーにされてしまうが、その後今度はテスカトリポカがケツァルコアトルを破って「風の太陽」に終止符を打ったという。破壊者であると同時に創造者であり、災難と同時に幸運をもたらす。どこにでも存在し、彼のいる場所にことごとく不和や争いをもたらすという。「ヤオトル(Yáotl=敵のこと)」と称されるように、闇や死、不幸といった二元性における負の部分のほとんどをはテスカトリポカによって体現される。大地の怪物との争いで片足の足首から先を失ったため、片足の先は蛇になっている。頭や足に煙の立った黒曜石の鏡を身につけ、顔に黒と黄色の縞を持った姿で描かれる。

アステカのトナルポワリ(260日暦)で20ある暦日(センポワリ)の13番目である「アカトル(Ácatl=葦)」の守護神であり、13の昼の時間を司るトナルテウクティンの10番目にあたる。またシウトル(365日暦)の第6暦月「トシュカトル(Tóxcatl="渇いたもの"の意)」はテスカトリポカを祀る月だった。チャルチウテコロトルチャルチウトトリンイツトリイツトラコリウキなどは彼の異なる姿であった。

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徳斯庫神 デスクシン

Dá-sī-kú-shén

中国の少数民族、赫哲(ホジェン)族において大シャーマンとされる「阿合馬法(アホマファ)」が祀る神。赫哲族の数多い神の中でも最も高潔であり、病原菌を退治し流行病を防ぐ力を持っているという。

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デックアールヴ

Dökkálfr

北欧神話に登場する妖精の一種。複数形では「デックアールヴァル(Dökkálfar)」。名前は「闇の妖精」を意味する。他に「スヴァルトアールヴ(Svartálf="闇の妖精"の意)」とも呼ばれる。原初の巨人ユミルが殺されて大地になったとき、その死骸からうじ虫としてリョースアールヴとともに湧き出てきたとされる。リョースアールヴが「太陽より白い」と称されるのに対してデックアールヴは「土より黒い」といわれる。デックアールヴは神々により人間の姿と知性が与えられたが、日光に当たると石となって死んでしまう(或いは元に戻ってしまう)ために地下世界にある「スヴァルトアールヴァヘイム(Svartalfaheimr)」で暮らしているという。ドヴェルグと同一視される。

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鉄鼠

てっそ

日本において頼豪という天台宗の僧が恨みのあまり化したという鼠の妖怪。頼豪は白河天皇により皇子が誕生を祈って祈祷するように命じられた。その祈祷の効験か皇子は無事に誕生したが、白河天皇は約束していた恩賞(園城寺に戒壇の造立すること)を頼豪に与えなかった(当時、園城寺と延暦寺は対立しており、戒壇の造立などは延暦寺を刺激することになると白河天皇が考えたため)。頼豪はこのことを激しく怨んで断食をもって抗議したが、遂に飢えて死んでしまった。死んだ頼豪は鉄の牙を持った大鼠「鉄鼠」となり、無数の鼠と共に延暦寺を襲ったという。延暦寺は頼豪の怨念を鎮めるため頼豪を神として祀った。

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デディムンダ

Dadimunda

スリランカの多数民族であるシンハラ人の中で最もよく知られている神々の一人。バンダーラの一人であるため「デーワター・バンダーラ(Devata Bandara)」とも呼ばれる。もともと寺院の世話をしていたが、やがて最高神ウプルワンの財産管理人となる。また後には仏教の守護神として、象に乗りヤクシャを従える存在になった。

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テテオインナン

Teteoinnan

字義は「神々の母」。メソアメリカ中央部における地母神の一人で、チコメコアトルコアトリクエトラソルテオトルトシといった女神より古いが、これらの女神とも明らかに関連がある。地母神信仰は、特に後古典期に盛んになり、とりわけそれは湾岸地域の文化やメキシコ盆地のチナンパ(湖岸に人工的に作られた方形の畑)の民の間で顕著だった。アステカにおける360日暦「シウトル」は1年で18ヶ月を刻むが、その第12暦月「オチュパニストリ(Ochpanitztli="道を掃く"の意)」にはテテオインナンやチコメコアトルを祀る収穫祭が催された。

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石距

てながだこ

日本における奇怪な怪物。「石鮔」とも書く。江戸時代に作られた寺島良安による絵入り辞典「和漢三才図会」によれば、姿は蛸と一緒だが、元々は蛇らしく、「蛇が海に入って変じたもの」と説明される。沖縄における蛸に化ける蛇「アカマター」と類似している。また松浦清の随筆「甲子夜話」にも石距の記述が見え、それによれば海に来た蛇の尾が石に触れているうちに裂け、裂けた皮が足になるという。また2mもある蛇が海の中で苦しげに暴れだしたかと思うと胴が膨らんで二つに裂け、さらに裂けつづけて8つ分かれ、石距の姿になるのだという。

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手名椎

てなづち

日本記紀神話に登場する女神。夫は足名椎とともに櫛名田比売の親神。「古事記」では「手名椎(てなづち)」、「日本書紀」では同訓で「手摩乳」と表記される。また日本書紀では須佐之男命 に足名椎とともに「稲田宮主神(いなだみやぬしのかみ)」の名を賜っている。名前は足名椎と合わせて「手を撫で足を撫で慈しむ」といった意と考えられる。

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手の目

てのめ

日本における妖怪の一種。顔に目がなく、鼻・口・耳があるのみで、両手の手のひらに目のついた姿をしている。目の見えない者が騙されて殺されたとき、その怨霊がこの妖怪になったとされる。両手の目で復讐する相手を探しさまよっているとされる。江戸時代に書かれた「諸国百物語」によれば、この妖怪は80歳くらいの老人の姿で京都七条河原の墓所にしばしば出現し、若者が面白がって肝試しに行くと、髪を振り乱して追いかけてきて若者の骨をガリガリと食ったという。

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テフヌト

Tefnut

エジプト神話における女神。アトゥムもしくはレーの唾ないし精液から、夫であるシューとともに生まれた。エジプト神話において性別を持った初めての女神であり、シューが空気を司るのに対して霧や湿気のような水気の含んだ空気を司るとされた。シューは空気として自分達の子供であるゲブ(大地)の上でヌート(天)を支えているが、テフヌトもこれを手助けしているとされる。

テフヌトをレーの娘とする神話においては、テフヌトはレーの娘であるとともに彼の取り外し可能な眼球「レーの眼」であるとされている。レーの眼はつまり太陽そのものだが、ある日テフヌトはこの役目を放棄して逃げ出してしまったため、こまったレーはトトオヌリス、シューの三人に捜索に向かわせた。テフヌトは魔法によってトトの虜にされ無事戻ったという(そのためテフヌトはトトの妻とされることもある)。しかし、テフヌトを捜索していたはずのレーは既に新しい眼を作ってしまったいたのだ。自分の戻るべき場所がないと知ったテフヌトはいかり狂い、炎を吐くコブラに変身して暴れまわった。そこで、レーはしょうがなくそのコブラを自分の額につけたのである。これは「ウラエウス」と呼ばれ、レーや太陽に関わるその他の神の頭飾りとなっている。またファラオたちもこのウラエウスの飾りをつける。その後テフヌトはトトによってナイル川の水で清められてハトホルないしバステトに生まれ変わったという。

テフヌトは雌ライオンの頭を持った女性の姿、あるいは単に雌ライオンの姿で表される。また頭部にはウラエウス蛇ないし太陽円盤を戴く。

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テフロス

Tephros

カバラやグリモアなどに登場する悪霊ないしデーモンの一種。「テフラス(Tephras)」、「エフィッパス(Ephippas)」とも呼ばれる。ソロモンの命令で「ベエルゼボウル(Beelzeboul)→ベルゼブブ」によって呼び出された灰の悪魔であり、暗黒をもたらし、痙攣や熱を引き起こし、野原を焼くといった悪行をするが、アザエル(→アザゼル)の力と助けを借りて熱病の治療を行うこともある。

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テペヨロートリ

Tepeyolohtli

メソアメリカ中央部の古い大地神の一人。名前は「山の心臓」を意味する。地中に住むジャガー神であり、オルメカのジャガー崇拝が祖形と考えられている。テスカトリポカの数多い化身の一つであり、「夜の神々」ヨワルテウクティンの8番目を担っている。彼の暦上での祝日は「8のオセロトル」となっており、またアステカの20ある暦日(センポワリ)の3番目、カリ(家)の守護神でもある。

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テポステカトル

Tepoztécatl

アステカの神で現メキシコのモレーロス州にあった古代都市テポストランの守護神。テポストランは元々トラルイカ族の町であったが、後にアステカの町となったあともテポステカトルは信仰された。暦上で「オメトチトリ(2匹のウサギ)」という呼称で呼ばれていた関係で月の神とされていた(古代メソアメリカ人は月のクレーターの輪郭をウサギになぞらえていた)。またパテカトルとも関連があり、プルケ(マゲイ酒)と酩酊の神ともされていた。テポステカトルはトラルイカ族にとって文化英雄でもあり、古代都市ショチカルコから強要されていた、毎年生贄を捧げるという租税からトラルイカ族を解放したのはテポステカトルであったという。月の神、闇の神としては、しばしば三日月型の鼻を持ち、顔の半分を赤、もう半分を黒で塗られた姿で表される。大地を冬眠から覚まし、春の再生を助けると信じられ、秋の祭りではプルケの大量消費によってテポステカトルを祀った。

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デホトゴースガエ

Dehotgohsgayeh

アメリカ北東部に住むイロコイ族、オノンダガ族における巨人。名前は「裂けた顔」ないし「歪んだ顔」を意味し、その名前のとおり非常に醜い顔をしており、また体の片側が赤く、反対側は黒かった。大きな熊の皮を剥いで着ており、ヒッコリーの幹で出来た巨大な杖とどこの誰からでも聞こえるようなガラガラと鳴る巨大な楽器を持っている。永遠に夜の続く大地の最果てにある森に住んでおり、人間を危難から護ってくれるという。

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テマウケル

Temaukel

パタゴニア(アルゼンチン)のフエゴ(ティエラ・デル・フエゴ)島のオナ族に信仰されている至高の存在。全能の創造者であり、肉体や妻や子供を持っていないとされる。

テマウケルに捧げられる祈祷や通過儀礼への参加は男性に限られており、これは女性が世界を支配していた最初期の後に、男性が現在の地上を支配する役割を担うようになったからだという。

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デミウルゴス

Demiourgos

グノーシス主義における造物主を指す名称。固有名称としては「ヤルダバオト」の名で呼ばれる。また「デミウルゲ(Demiurge)」とも呼ばれる。この世界や人間などの目に見えるもの、つまり物質世界を創造した存在で「神のような天使」ではあるが、「偽の神」ないし「下級神」であり、至高の存在ではない。こういった下級の存在は「アルコン」と呼ばれ、デミウルゴス=ヤルダバオトは「第1のアルコン」とされる。デミウルゴスは高次のアイオンの世界である「プレロマ(永遠の世界)」を模倣し(あるいは自分より高次の存在がいることを忘却し)、この世界を作ったとされる。ユダヤの神(→ヤーウェ)やミトラと同一視される(つまりグノーシス主義ではそれより上の高次の存在を説く)。

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デムラッシュ

Demrush

ゾロアスター教において悪神アンラ・マンユに仕える悪魔であるダエーワの一人。アメサ・スペンタヤザタの善行の邪魔をする。デムラッシュはインドやペルシアなどの近隣の領域から奪い取った宝を積み重ねた暗い洞窟に住んでいたが、英雄王タフムーラス(Tahmuras)によって打ち負かされた。

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デーモン

Demon, Daemon

キリスト教における悪魔の総称であり、人と神に害を成すものを指す。また英語圏において一般的に(日本では悪霊と称されるような)下位の悪魔に対する訳語として用いられる。もともとデーモンとはギリシア語の「ダイモーン(ディーマン=Daemon)」から来ている。これは善き悪しきの区別無く人に憑く霊を指す言葉だった(区別する場合、善き守護霊は「アガトダイモーン(Agathodaemon)」、悪しき守護霊は「カコダイモーン(Cacodaemon)」と呼ばれていた)。また「ダイモーン」はさらにサンスクリットの「ディーヴァ(Diva)」を語源とすると考えられている。つまり「デヴィル」と「デーモン」は同じ語源を持っており、実際聖書などにおいて「フィーンド(Fiend)」を加えた三語は交換可能な訳語として扱われていた。現在においても「デーモン」と「デヴィル」を明確に区別することは困難であるが、現在では一般的にデーモンはデヴィルの配下で下位の存在と考えられている。

名前のあるデーモンの多くは元々天使であり、何らかの理由によって神の恩寵をはずれデーモンないしデヴィルになったとされるが、実際にはエジプトなどの異国、異教の神をモデルにしたものが多い。特別な呪文、図形などによって人間のエゴをかなえる様々な目的のために呼び出されるが、多く召喚者の命や寿命のような代償を必要とする。

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デーヤベリー

Dheeyabery

オーストラリアのカミラロイ族の伝説に登場する奇妙な種族。ヨーネーアラというカミラロイ族の若い英雄が故郷を離れて旅をしていた時に出会った種族で、正面から見ると普通の人間に見えるが、何故か後ろから見ると肉の玉に見えるという。ヨーネーアラがデーヤベリー族の村を通り過ぎようとすると、彼らはいっせいに手を伸ばしてヨーネーアラに触れたがったが、彼は辛くも逃げ延びた。触れられるとどうなるかは分からない。

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寺啄

てらつつき

日本において、聖徳太子が建立した四天王寺や法隆寺に出現して、嘴で柱などをつついて寺を破壊しようとしたとされるキツツキのような姿をした怪鳥。鳥山石燕の「今昔画図続百鬼」に見える。また江戸時代に作られた寺島良安による絵入り辞典「和漢三才図会」では「啄木鳥」と書いて「てらつつき」と読ませる。聖徳太子は蘇我馬子と協力して俳仏を主張した物部守屋を討伐したが、寺啄はこの物部守屋が怨霊と化したものだとされる。鎌倉時代の軍記物語「源平盛衰記」によれば、この寺啄の攻撃に対して聖徳太子は鷹となって対抗されるとされており、そのために四天王寺から寺啄がいなくなったのだと説明している。

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テルゲス

Thelgeth

アメリカのネイティブアメリカン、ナヴァホ族に伝わる怪物の一つ。「デルゲス(Delgeth)」とも呼ばれる。毛むくじゃらで巨大で頭のない怪物、あるいは人食いカモシカだとされている。他の生物に対する悪意に満ちており、人間も含めて、どんな生物でさえも食うという。ツエ・ニナハレエエビナイェ・アハニアナイエと呼ばれる怪物のグループを構成している。

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照照坊主

てるてるぼうず

日本において現在も信仰されている翌日の快晴を祈願するための神。「照る照る坊主」とも書く。また「照り照り坊主(てりてりぼうず)」、「照り照り法師(てりてりほうし)」、「照り法師(てりほうし)」、「照り雛(てりびな)」などとも言う。四角い布や紙に頭となる丸い芯を入れて包み、首の部分を紐で括って軒下などに吊るすものが一般的である。現在では廃れたが、望みが叶い晴天になった時は、目を書いて御神酒をかけて川に流したりした。現在は照照坊主を上下逆さまに吊るすことで雨になることを願うが、昔は同じような吊るし方でも雨を願う場合はこれを「降れ降れ坊主(ふれふれぼうず)」と呼んだ。神霊の形代や自分の身代わりとして作られた祓人形(はらえにんぎょう)、撫物などが変化したものとされている。

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テレピヌ

Telepinu

ヒッタイト神話における豊穣神。「テリピヌ(Telipinu)」とも。元々は中央アナトリアのあった国ハッティの神だがヒッタイトに信仰が受け継がれた。動植物全ての豊穣、繁殖を司る。父親は気象神タルないし嵐の神テシュブとされる。ある日、突然テレピヌが消えるという事件が起きた。あまりに急いでいて長靴を左右履き違えた。すると地上の全ての生命が枯れて、神さえも飢え渇き、火は燃えず、木々は葉を失い大地は焼けただれる、という大変な事態となった。タルは息子が腹を立てて全てのよきものを持ち去って消えてしまったのだと気づいた。神々は総出でテレピヌを捜したがいっこうに見つからない。そこでタルは老女神ハンナハンナに助言を求めた。ハンナハンナによれば、タルその人が自ら労をとってテレピヌを捜さなければ見つからないと述べた。しかしタルはすぐに捜索をあきらめ腰を下ろしてしまうありさまだった。そこでハンナハンナは配下の蜜蜂にテレピヌを探し出し手足を刺して目を覚まさせて連れ帰ってくるように命じた。ついに蜜蜂は野に寝ているテレピヌを見つけ出し、言われた通りにテレピヌを刺した。するとテレピヌは猛烈に怒り狂い、人間や牛や羊を手当たり次第に殺しまわった。結局テレピヌはカムルセパスの唱える魔法の呪文によってやっと怒りを鎮め、鷲の背にのって故郷に帰り、全ては元に戻った。

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テン

Then

ラオスとタイ北部に伝わる三柱の偉大な始祖神達の総称。テン達は、人間に食事の前にその一部を自分たちに捧げるように命じたが、これを人間達が拒んだため、テン達は大洪水を引き起こした。地上で生活をしていた三人の偉大な英雄「プー・ラン・セ・ウン」、「クン・カン(Khun K'an)」、「クン・ケト(Khun K'et)」はいかだの上に家をこしらえて女や子供を避難させ、そのいかだでテン達に赦しを請うために天上界まで赴いた。テンの王は3人に水牛を与え、地上に戻してやった。その水牛の死骸からは瓢箪が生え、これに穴をあけると先住民の奴隷やタイ人達が出てきた。3人の英雄とテンを始めとした神は人々に道具の作り方や時間の概念といった文化を教え、すべて教え終わったあと、天上界と地上とを結ぶ橋は破壊された。

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てん

Deva, Dēva

サンスクリット語の「デーヴァ」を漢訳したもの。仏尊を四種に分けた時の一種(あとの三つは如来、菩薩明王)。「天部(てんぶ)」とも呼ばれ、天竜八部の一部族にも数えられる。仏教を守護する護法神(ダルマパーラ)の大部分を占める神たちの総称であり、多くの天は中国や日本においては名称の最後に天が付く。いくつかの天は四天王(ローカパーラ)や八天、十二天に属する。

《代表的な天》
漢名 梵名 説明
伊舎那天

イーシャーナ

八方天および十二天に属する。

韋駄天

スカンダ

三十二将軍に属する。

閻魔天(→閻魔

ヤマ

八方天および十二天に属する。

月天

チャンドラ

十二天に属する。

火天

アグニ

十二天に属する。

歓喜天

ガナパティ
ないしヴィナーヤカ
ないしナンディケーシュヴァラ

十二天に属する。

伎芸天

不明

インドでのどの神格にあたる神かわかっていない。

吉祥天

ラクシュミ
ないしマハーシュリー
ないしシュリーマハーデーヴィー

十二天に属する。

広目天

ヴィルーパークシャ

四天王および十六善神に属する。

持国天

ドゥリタラーシュトラ

四天王および十六善神に属する。

地天

プリティヴィー

十二天および四大天に属する。

水天

ヴァルナ

十二天に属する。

増長天

ヴィルーダカ

四天王および十六善神に属する。

大黒天

マハーカーラ

シヴァの別名が仏教にとりいれられたもの。七福神に属する。

大自在天

マヘーシュヴァラ

シヴァの別名が仏教にとりいれられたもの。

帝釈天

インドラ

十二天に属する。

荼枳尼天

ダーキニー

十二天に属する。

那羅延天

ナーラーヤナ

ヴィシュヌの別名が仏教にとりいれられたもの。

日天

スーリヤ
ないしアディティ

十二天に属する。

毘沙門天

ヴァイシュラヴァナ

七福神、四天王および十六善神に属する。

風天

ヴァーユ

十二天に属する。

弁財天

サラスバティー

七福神に属する。

梵天

ブラフマー

十二天に属する。

摩利支天

マリーチー

日天の眷属とされる。

羅刹

ラークシャサ

十二天に属する。

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テンカム

 

奄美群島の与路島における山の神。2月のウムケ(お迎え)の頃の庚申の日の前後になると山の尾根でテンカムが海に向かって泣き声を上げるという。テンカムと会うのは不吉だとされ、山に羊を繋いでいたら首をひねられて目が飛び出していたことが会った。また小雨の降る夜に出没するとされ、その声は「ヒュイッ、ヒュイッ」と聞こえるという。夜中に指笛を吹くとテンカムを呼ぶといってこれを避ける風習がある。もしテンカムにあったら道の下側に降りて臥せ、頭にサバ(草履)をのせるといいとされる。

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天官大帝 てんかんたいてい

Tiān-guān dà-di

中国道教における運命の神で三官大帝のうち第一位の神。正式名称を「上元一品天官賜福大帝(じょうげんいっぴんてんかんしふくたいてい)」、或いは「上元一品九気天官紫微大帝(じょうげんいっぴんきゅうきてんかんしびたいてい)」という。天に関する、つまり諸天の帝王や星の神々を統べる神であり、人々の善悪を監督しているとされる。天官大帝の誕生日は三元のうち上元、つまり1月15日とされる。

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天狗

てんぐ

天上や深山に住むという妖怪。山伏姿で、顔が赤く、鼻が高く、翼があって、手足の爪が長く、金剛杖・太刀・うちわをもち、神通力があり、飛行自在という。元々の天狗は大音響を立てて流れる流星のことを指していたようで、中国の「史記」や「五雑爼」といった書物には音を立てる流星を「天狗星」と呼んだことが記述されている。「史記」をモデルとして書かれた「日本書紀」にも雷のような音を立てて流星が東から西へ飛んだことが記述されており、唐からきた旻僧(びんのほうし)が「あれは天狗(或いは天狐。アマツキツネとよむ)というものだ」と言ったと書かれている。「山海経」の西山経の項には陰山に棲む獣として「天狗(てんこう)」が出てくる。狸のような姿をした首の白い獣で凶事を防ぐという。

平安時代には山に棲む目に見えない精のことだと考えられるようになったが、平安時代後期に書かれた「今昔物語集」などの説話集には仏教を妨げる鳶のような姿をした魔物として表現されている。さらに鎌倉時代に書かれた「源平盛衰記」には、傲慢な僧侶は死して天狗と化し、世の中に災いをもたらすとある。例えば崇徳天皇は死した後天狗になったと考えられた。

また山の精とされた天狗は修験道と結びつき、山伏の姿をしていると考えられた。高鼻の天狗や烏の頭をした天狗は、修験道の寺院で法会に用いられた鼻の高い面である治道面や、鳥の姿をした迦楼羅面が影響していると考えられる。江戸時代になると神田祭や山王祭の先導役として天狗が登場するようになった。この天狗は今良く知られる赤ら顔の鼻高天狗と同様のもので、天孫降臨の際に先導を務めた猨田毘古神の姿と関係しているとされるが、前述の修験道における天狗の姿も影響していると思われる。この頃になると赤い鼻高天狗を大天狗として首領にし、烏天狗をその配下とする考え方が定着し、絵物語などに登場するようになった。

一方で山中の見えない精を天狗とする考え方は民族伝承として引き継がれ、木を伐った音や大木が倒れた音がするのに、その場所に行っても何事もない(天狗倒し、天狗なめし)、山中で突然空から小石や砂が降ってくる(天狗礫)、山小屋に泊まっていたら夜に小屋を揺すられた(天狗揺すり)といった山中での怪現象の原因と考えられた。こういった民俗伝承の大半では天狗は姿を見せない存在である。

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天狗火

てんぐび

日本でみられる怪火のひとつ。主に愛知県、静岡県、山梨県、神奈川県などで見られる。「天狗の漁撈(てんぐのぎょろう)」ともいう。また江戸時代の妖怪本、竹原春泉画、桃山人文の「絵本百物語」には、老人火の別名として「天狗の御燈(てんぐのみあかし)」の名で紹介されている。現れたときは提灯ほどの大きさの赤みを帯びた火の玉が、最終的に数百にも分かれて飛行するもので、川辺や海で多く見られるという。呼べばすぐさま近づいてくるとされるが天狗火を見た者は病気になるともされる。回避する方法として天狗火を見た者は地べたに頭をついて履物を頭に載せればよいとされる。

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天鼓雷音如来 てんくらいおんにょらい

Divyadundubhimeghanirghoṣa

仏教における如来の一尊。「天鼓雷音仏(てんくらいおんぶつ)」、「鼓音如来(くおんにょらい)」、「鼓音仏(くおんぶつ)」とも。サンスクリット名である「ディヴィヤドゥンドゥビ メガニルゴーシャ(Divyadundubhimeghanirghoṣa)」は「天上の太鼓を雷鳴として轟かせる」といった意味。「提婆曇覩尾迷迦涅瞿沙(だいばどんとびめかねいぐしゃ)」などと音写する。胎蔵界五仏の一尊として北方に配され、金剛界五仏の不空成就如来と同体とされる(→五智如来)。

春雷が春になれば自然に雷鳴を轟かせるように、自らが解脱しながらも自然に衆生を悟りへと導く仏だという。像形は金の身色に袈裟を右肩だけ通し、右手は仰向けに開いて臍下に置くかあるいは衣を端を握り臍前に置き、左手を触地印とする。

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天鶏 てんけい

Tiān-jī

中国において世界中に鶏の王とされる特別な鶏。東海中にあるという度朔山には高さ三千里の桃の木があり、天鶏はこの木に棲んでおり、日の出が桃の木を照らすと朝を告げる声をあげる。これが世界中で最初に日の出を告げる鶏の声で、世界中のすべての鶏はこの声を合図に次々と時を知らせる声をあげるとされる。

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デンゲイ

Ndengei

メラネシア、フィジー諸島における蛇神にして創造神。「デゲイ(Degei)」ないし「ゲンデイ」とも呼ばれる。上半身は蛇、下半身は石で、大地と一体化しているという。このことから地震はデンゲイの寝返りによって起こされると説明される。この世の始め、不死であるデンゲイが一人住んでおり、その家の近くには鷹(ないし鷲)のトゥルカワがいた。しばらく見ないうちにトゥルカワは巣を作り、二つの卵を産んだ。デンゲイが卵を温めたところ、中から男女の赤ん坊で生まれ出でた。デンゲイは二人を木の上で育てた。それぞれ木の反対側で育てられたので、彼らは六歳になるまでお互いの事を知らなかったという。六歳になって互いを気づいた二人は出会い、一目ぼれをした。二人で「バナナの食事に飽きた」とデンゲイにいうと、デンゲイは二人に火の起こし方を教えた。そうして彼らは芋を料理できるようになった。

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天社神

てんしゃじん

日本の神奈川県丹沢山麓において信仰されていた神。今でも各集落に「天社神」と刻まれた石碑が残っている。この神名は他には見られない特殊なものだが、川口謙二氏は陰陽道の暦にある、「天赦(てんしゃ)」と「社日(しゃにち)」が結びついたものではないかとしている。天赦とは、春の戊寅(つちのえとら)、夏の甲午(きのえうま)、秋の戊申(つちのえさる)、冬の甲子(きのえね)のことをいい、一年の中で極上の吉日であり何事をするのにも良いという。また社日とは春分と秋分に最も近い、前後の戊(つちのえ)を指し、春の社日(春社)には豊作を祈り、秋の社日(秋社という)には収穫に感謝する日であるとされる。

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天上の階級

Celestial Hierarchy

キリスト教・ユダヤ教において神の使い達、つまりエンジェルを特定の数の階級(クラス)ないしグループに分けようとする試み。「天使の階級」、「天上の位階」などとも訳される。色々な聖職者や宗教学者によって提唱され、その階級数は7~11と説が分かれているが、現在では一般的に偽ディオニュシオスの提唱した9階級が支持されている。

《偽ディオニュシオスによる9階級》
単数形 複数形 日本訳 代表的な天使

01: セラフ

セラフィム

熾天使

02: ケルブ

ケルビム

智天使

03: ソロネ

トロウンズ

座天使

04: ドミニオン

ドミニオンズ

主天使

05: ヴァーチャー

ヴァーチャーズ

力天使

  • ミカエル
  • ラファエル
  • バルビエル
  • ウジエル
  • ペリエル

06: パワー

パワーズ

能天使

07: プリンシパリティー

プリンシパリティーズ

権天使

08: アークエンジェル

アークエンジェルス

大天使

09: エンジェル

エンジェルス

天使

  • ファレグ
  • アドナキエル
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天仙聖母碧霞元君 てんせんせいぼへきかげんくん

Tiānxiān shèngmŭ bìxiá yuánjūn

天仙娘娘 てんせんにゃんにゃん

Tiān-xiān Niáng-niáng

中国における出世・結婚・豊作などの女神。「玉女大仙(ぎょくじょたいせん)」、「天仙聖母碧霞元君(てんせんせいぼへきかげんくん)」、「碧霞元君」などの名でも呼ばれる。泰山の主神である泰山府君(東岳大帝)の娘とされるが、他にもいくつか説がある。もともと泰山信仰と言えば泰山府君が有名だったが、現在では天仙娘娘の方が人気になっている。

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天馬 てんま

Tiān-mā

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている動物。北山の馬成山に生息しており、黒い頭の白い犬のような姿の獣だという。自分の名で(つまり「天馬」と)鳴き、人を見ると飛び立つとされる。

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テンマ・チュニー

bsTan ma bcu gnyis, Tenma chunyi

チベット仏教における十二人の女性のチョキョン(=護法神=ダルマパーラ)。「12のテンマ」を意味する。元々「テンマ(brTsan ma="堅固な女"の意)」とはインドの大地の女神を指す、「スターヴァラー(Sthāvarā)」に対する訳語であったが、チベットではこれが12人いるとされ、さらに綴りも「bsTan ma="教法の女"の意」と書かれるようになった。4人の魔女(ドゥモ)、4人のヤクシニー(ヌージンモ)、4人のメンモ(女の精霊ないし悪魔)によって構成される。タシツェリンマやタムチェン・ガルワナクポの眷属とされる。

《テンマ・チュニー》
名称

シ・ドゥモ

01: ドルジェ・クンタクマ

02: ドルジェ・ヤマキョン

03: ドルジェ・クントゥサン

04: ドルジェ・ゲクキツォ

シ・ヌージンモ

05: ドルジェ・チェンチクマ

06: ドルジェ・ペルギユム

07: ドルジェ・ルモ

08: ドルジェ・タクモギェル

シ・メンモ

09: ドルジェ・プーカムキョン

10: ドルジェ・メンチクマ

11: ドルジェ・ヤルモシル

12: ドルジェ・ユドンマ

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天魔波旬 てんまはじゅん

Deva-māra Pāpīyas

天竜八部

てんりゅうはちぶ

仏教において、仏法を守護するとされる八神の総称。インド古来の神々が仏教に取り入れられたもので、八体一組で釈迦の眷属とされる。「天竜八部衆(てんりゅうはちぶしゅう)」とも呼ばれる。また、単に「八部(はちぶ)」、「八部衆(はちぶしゅう)」とも呼ばれる。

《天竜八部》

阿修羅

迦楼羅

夜叉

緊那羅

乾闥婆

摩睺羅伽

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転輪王 てんりんおう

Zhuàn-lún wáng

仏教や道教において地獄で審判を行うとされる十王の一人。三回忌の審判を司るとされ、「転輪大王五化威霊真君(てんりんだいおうごかいれいしんくん)」、「五道転輪王(ごどうてんりんおう)」とも呼ばれる。各地獄からの報告で転生の区別を決めるという。阿弥陀如来を本地とし、法衣と法冠を身に着けた姿で表される。

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