Si

ペルーのモチェ文化、また後代のチムー文化における月の女神ないし男神。モチェ、チムーにおける神体系の支配者で、最高神であり、どこにでも姿をあらわし、季節や自然的要素、嵐、また作物の豊穣をも司る。その起源は無名だがアイ・アパエクに匹敵するほど重要視されていた、輝きを放つ武装した戦いの神にまでさかのぼる。モチェとチムーの人々は潮の干満をはじめとする海の動きや、毎年の雨期の到来が月の満ち欠けに関係していることを知っていた。それゆえにシに偉大な力を感じ、食糧の供給や家畜の多産はシに恩恵によるものと考えられた。反対に太陽の神は彼らにとって比較的に地位の低い神とされた。シ、つまり月は、太陽が昼しか見えないのと異なり、夜でも昼でも見られることから、太陽よりも強力であると考えられた。食現象は太陽と月の戦いと解釈されていたので、月食は災害の兆候として恐れられたが、日食はめでたいこととされた。また月の光は夜を闇を照らし出し泥棒の悪事を暴くことから、シは公共物を守る神ともみなされた。チムー社会において高度なレベルで制御されていた再分配システムを維持するためにも、シのような所有物の守護者が重要視されていたことが推察される。

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Chī

中国において最古の地理書とされる「山海経」に言及されている怪鳥。それによれば、西山の三危山に棲む鳥で「?(らく=鷹の仲間)」のような姿で頭一つに三つの体を持つ鳥だという。

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シアチ

Thjazi, Þjazi Thiazi, Tjasse, Thiass

北欧神話に登場する巨人ヨツン族の一人。「シアスィ(Thiassi)」とも呼ばれる。名前は「氷」を意味する。カーリの4人の子供の一人で、嵐の巨人の一員。人の姿ではなく、巨大な鷲の姿でいることを好む。ヘーニルオーディンロキの3人が牛を料理しているときも、シアチは鷲の姿で舞い降りてきて、3人を騙して牛を丸々と飲み込んでしまった。ロキが槍でシアチを突き刺したがものともせず、シアチはロキをぶら下げたまま空へと舞い上がって、ロキを返す代わりにイズンをヨツンヘイムに連れて来いと神々を脅迫した。イズンは不死のリンゴの所持者であり、シアチ達は神々の不死の秘訣であるこのリンゴを手に入れたかったのだ。イズンと不死のリンゴはシアチの元に運ばれた。不死のリンゴがないと神々であっても老いて死んでしまう。ことの原因になったロキは神々に脅され、自分の鷲に変身してリンゴを取り返しにいった。ロキはシアチをおびき出すことに成功し、そこで待っていた神々達によって焚かれた火で羽を燃やされて墜落し、トールに殺された。トールがシアチの巨大な目玉を点に放ったところ、それは星になったという。

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吉羅 ジイラ

Jí-luó

中国の少数民族彝(イ)族の人々が信仰する精霊の一種。涼山彝族の人々にとって精霊とは、自然の中の石や棒などに宿っているものだが、このような精霊が各家庭の中にある祖先の遺品や家畜などに宿ると、吉羅といわれる特別な精霊になるという。吉羅は幸運を呼び、その家を守護するようになるとされる。したがってそれぞれの家で吉羅の宿っているものは違う。ある家では古びた鋤が吉羅であり、ある家では一頭の馬が吉羅とされたりする。宿るものが違うと吉羅は別々の力を帯びる。ある家の吉羅は争いごとを避けるのに役立ち、ある家の吉羅が農作の生産を促進する。また吉羅はあくまでもついているその家の守護精霊なので、他の家にとっては害になる場合もある。そのため彝族の人々はみな自分の家の吉羅を崇拝し、必要な時には祈りを捧げる。

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シヴァ

Siva, Shiva, Śiva

ヒンドゥー教、インド神話における主神格のひとつ。名前は「めでたい」、「吉祥」などを意味する。「リグ・ヴェーダ」に単数、ときに複数で現れるルドラ神が、民間信仰と混合し、ヒンドゥー教の最高神に発展したものとみられる。ヴィシュヌブラフマーと共に三大主神格を構成する神として知られている。神話ではヒマラヤ山中に住んで苦行している。4面3眼で頭に三日月をいただき、頭上に天から降下したガンジス川を受け、白い雄牛に乗る。獣の主として象皮をまとい、大蛇を帯とし、槍、弓、三叉の矛、斧を武器とする。彼はダクシャが神々を招いて祭祀を催したとき、自分だけ招かれないことを怒り、祭式の庭に乗り込んでこれを破壊し、鹿となって逃亡する「祭式」を弓を手にして追跡し神々を畏怖させた。さらにシヴァはヒマラヤ山脈のカイラーサ山で苦行していたとき、愛の神カーマが自分を誘惑しようとしたので、怒ってその第3の目より火を発してカーマを焼き殺した。このように怒りやすい反面、神々を請いを入れ、天空地の3カ所に金銀鉄の城を築いて神々を苦しめていた悪魔を退治して安堵させ、また乳海攪拌のおりに現れた猛毒カーラクータを恐れる神々のために進んでそれを飲み干し、その結果彼はのどを焼かれのどが青くなり、「ニーラカンタ(Nīlakaṇtha="青いのどを有する者")」の異名をとるに至った。他にも「ナタラージャ(Naṭarāja="舞踏の王")」、「マハーカーラ(Mahākāla="偉大な時間"ないし"偉大な黒")」、「トリヤンバカン(Tryambakam="三つ目の")」といった多くの別名がある。仏教に取り入られ、大自在天に帰化する。 また日本では「湿婆」と漢訳する。

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シウコアトル

Xiucóatl

アステカにおける火の蛇の女神。語義は「トルコ石の蛇」。「とぐろを巻いた火」であり、シウテクトリの配偶神でもある。善神の蛇の神であるケツァルコアトルとは対照的に、シウコアトルは火の力・乾燥・旱魃といった危険な暴力を象徴していた。アステカの神話では、トルコ石の蛇は日の出に東から昇る太陽を正午に天頂まで運ぶ役割を担っており、実際そのような蛇が二匹、1790年にテノチティトランで発見された巨大なアステカの「カレンダーストーン」の縁を囲んでいる。どうやら「トルコ石の蛇」はウィツィロポチトリテスカトリポカの装身具の一つだったらしい。

「終わりの無い」円周の姿(いわゆるウロボロスのような)をとる、シウコアトルの巨大な石造彫刻は、テノチティトランないしその境界線をかたどっている。また、これらシウコアトルの郡列はテノチティトランの北方の都市テナユカにある、巨大なピラミッド基壇にも刻まれている。

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シウテクトリ

Xiuhtecuhtli

メソアメリカにおける初期の神。ウエウエテオトルと同一視される。名前はアステカの言葉で「老いた者(長老)」ないし「老いた火の神」を指す。その起源は、メキシコ盆地の先古典期(前2500年−前300年頃)文化ないし、湾岸地域にいたオルメカ人たちの、例えば"第I神"にあると考えられている。また、オトミ族(メキシコ盆地の北方から西方の地域にすむチチメカ紀元の人々)の間では「オトンテクートリ(Otontecuhtli)」ないし「ショコトル(Xocotl)」と呼ばれていた。

通常老人の姿で登場し、しわ深い皮膚や歯の無い口を持ち、香炉を頭上に載せている。またアステカのセンポワリ(暦日)の9番目であるアトル(水)の守護神であり、「昼の神々」トナルテウクティンと「夜の神々」ヨワルテウクティンの一番目でもある。アステカの18ある歴月(ベインテーナ)の最初の月「イスカリ(復活の意)」に祀られるのはシウテクトリである。数字の「3」と関連し、メソアメリカの伝統的な日常具である火鉢石の象徴でもある。配偶神は火の蛇シウコアトルである。

シウテクトリはまた、古くから世界に存在する巨大な柱だとも考えられていた。その火は、ミクトラン(「我々の下にある場所」=自然死したものが行く地下世界の国)から始まり、蛇の女神コアトリクエの国と地上のあらゆる炉火を経て、トパン(「我々の上にあるもの」=神々の住む天界、ミクトラン(地下)、トラルティクパク(地上)に対応するところの天上のこと)にまで至ったという。全ての家々の火が消され、新しい火が灯されるトシウモルピリア(「年を束ねる」の意。現在の太陽の存続を保証するための盛大な再生儀式で52年ごとに行われる)を統括するのはシウテクトリであり、大地に吸収された死者の魂を助けたのも、この神であったとされる。

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ジェー

Jahi

ゾロアスター教における女悪魔。古くは「ジャヒー(Jahi)」と呼ばれ、「性悪女」ほどの意味だったが、ササン朝ペルシア時代に入り、「悪神アンラ・マンユのつくった中で最強の存在」とまで呼ばれるようになった。

善神アフラ・マズダはこの世界を創るとき、邪魔になるであろうアンラ・マンユを呪文で縛り上げてその隙に世界を創った。呪文が解けて世界を見たアンラ・マンユは、アフラ・マズダの創ったものの一つである人間を見て急に気落ちしてしまった。というものの人間がたいそう良く出来た種族だったからである。アンラ・マンユの配下の悪魔達は言葉巧みにアンラ・マンユを慰めようとしたが、彼は落ち込んだままだった。ただ、女悪魔ジェーだけは最後にアンラ・マンユを元気付けるのに成功したという。

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ジエイエン

Djieien

アメリカ北東部に住むネイティブアメリカンの一部族、セネカ族の伝説や信仰に登場する高さが180cmを超えるという巨大な怪物蜘蛛。巨大であるだけでなく、心臓を体から放して土の中に隠していたため不死身だった。しかし英雄「オセイグウェンダ(Othegwenhda)」はこの蜘蛛を殺すことに成功した。彼がジエイエンを狙って放った枝がそれ、幸運にも地面の下のジエイエンの心臓に刺さったからである。

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ジエーシュター

Jyeṣṭhā

地慧童子 じえどうじ

Vasumatī

仏教において文殊菩薩の眷属とされる文殊八大童子、文殊五使者の一尊。サンスクリット名を「ヴァスマティー(Vasumatī)="大地"の意」といい、単に「地慧」と呼ばれるほか「地恵幢童子(ちえどうどうじ)」、「財慧童子(ざいえどうじ)」などの名でも呼ばれる。音写では「縛蘇摩底(ばそまてい)」と称し、また「文殊師利使者女(もんじゅしりししゃにょ)」と呼ぶこともある。文殊菩薩の富財の徳を司るとされ、胎蔵界曼荼羅では文殊院の南(右)第四位に配される。

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ジェニー・グリーンティース

Jenny Greenteeth

イギリスのランカシャー地方の湖や川に棲んでいるという、人間に害をなす妖精の一種。名前は「緑の牙のジェニー」を意味する。姿ははっきりしていない。子供たちが水辺で遊んでいたり、船に乗っていたりすると、水の中からぬっと手を伸ばして、子供の足首をつかんで水の底まで引っ張り込むという。緑の水草が浮かんでいるような流れのない場所に棲んでおり、水草の陰から誰か獲物はいないかといつも様子をうかがっている。子供たちに水遊びの危険さを教えるための妖精だと考えられる。

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ジェフゥティ

Djehuty

シェミハザ

Shemihaza

旧約聖書外典「第1エノク書(エチオピア語写本)」において、人間の娘と結婚し神に反逆した天使の軍団「グリゴリ」においてアザゼルと共に統率者と目される天使。「セムヤザ(Semyaza, Semjaza)」、「セミアザ(Semiaza)」、「シェムハザイ(Shemhazai)」、「シャマズヤ(Shamazya)」、「シェムヤザ(Shemyaza)」、「アメズヤラク(Amezyarak)」、「アマザレク(Amazarec)」などの名でも呼ばれる。神に逆らった罪により七層の天界の牢獄として利用されている「第五天」に他のグリゴリと共に幽閉されている(天と地の間にぶら下げられオリオン座の星になったともされる)。元々シェミハザはこの反逆の計画に反対していたが、結局多数意見に押されて首謀者の一人となってしまったとされている。全ての悪意ある魔法使いの生みの親とされる。

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シエン

Thien

ミャンマーの民間伝承に登場するナットの一種。雨の精霊であり星に宿るという。雷雨はシエンたちの持つ武器がぶつかった時の閃光や音であり、雨はシエンが星から出てきて模擬戦争をすることで降るとされる。土地が干上がるとミャンマーの人々は村で綱引き競争を行うことで、シエンたちを刺激して雨を降らせようとした。

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ジェントル・アニー

Gentle Annie

スコットランドのクロマティー湾に棲む妖精、ハッグの一種。「ジェントル・アニス(Gentle Annis)」とも呼ばれる。青黒い顔の老婆の姿で知られており、凪の海に嵐を起こして船を沈めたり、予期せぬ大雨を降らしたりする。ジェントルは親切な、穏やかな、といった意味だが、このハッグにこの様なまるで逆の形容詞がついているのはひとえにこの恐ろしいハッグの気に触れないようにという配慮である。また、アニーの呼称はケルトの神ダヌからきたものと考えられている。

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シェンラ・オエカル

GShen-lha-od-dkar

チベットの土着宗教であるボン教における最も重要な神。名前は「白い光の知恵」を意味する。「シェン・ラー・オドカー」とも。すべての神々はシェンラ・オエカルから発現したとされる。まだ何も存在していなかった頃、まず黒と白の二つの光が現れた。さらに虹が出現し、そこから硬度、流動性、熱、運動、空間が生じると、これらの現象は混じりあい、巨大な宇宙卵の形をとった。そしてその卵から黒い光は病や疫病、苦痛、そして数々の悪魔を生み出し、白い光は喜び、繁栄、そして多くの神々を生み出した。神々と悪魔達はあらゆる種類の生き物を生み出し、それらの生き物は山や木や湖を埋め尽くした。

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シェン・ラブ

gShen-Rab

チベットのボン教において、古代より信仰されていた神。はるかな高みにいる創造神だとされていた。蓮華にのり右手に鍵十字の笏を持った姿で表される。

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塩椎神

しおつちのかみ

日本記紀神話において「山幸彦(日子穂穂手見命)」の物語などに登場する神。「塩椎神」は古事記での表記。兄の大事にしていた釣り針をなくして途方にくれていた日子穂穂手見命の前にあらわれ事情を聞くと、海の神である綿津見神の住む海中の宮に行って事情を話せば助けてくれるかもしれないと助言し、小船を作ってそれに日子穂穂手見命を乗せ見送った神である。小船は勝手に良い潮流を選び、日子穂穂手見命は無事に綿津見神の宮に着くことが出来た。「しおつち」とは「潮の霊」を意味するため、塩椎神は潮と海路を司る神だと考えられる。

日本書紀では「塩土老翁(しおつつのおじ)」、「塩筒老翁(しおつつのおじ)」、「事勝国勝長狭(ことかつくにかつながさ)」などの名前で登場する。この他にも邇邇藝命や神武天皇(=神倭伊波礼毘古命)の前に現われて良い土地のある場所を教えるなど、やはり旅先案内人のような役割で登場する。また日本書紀では塩椎神を伊邪那岐命の御子神とする。

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塩の長司

しおのちょうじ

日本における怪異の一種。竹原春泉画、桃山人文の「絵本百物語」に見られる。この怪異は「塩の長司」と呼ばれるものの、怪異の原因は馬の祟りないし馬憑きであって長司はその被害者である。「塩の長次郎(しおのちょうじろう)」ともいう。むかし加賀国(現在の石川県)の小塩(おしお)の浦に「塩の長司」と呼ばれる者がいた。彼は馬をたくさん飼っていたが悪食で、死んだ馬を食べたりする人間だった。彼はついには馬肉食いたさに年老いた馬を殺して食べてしまったが、その晩に老馬が自分の喉元に食いつく夢を見た。それからというもの、馬を殺した時刻になると長司の口から馬の霊が入り込んで、腹の中で暴れ長司を苦しませるようになった。一日六時間ばかりこの状態が続き、100日たった頃には馬が重荷を背負うような姿で死んでしまったという。絵本百物語には仏説を含んだ教訓じみた話が多く収録されているが、この話も殺生を戒めるためのものだと考えられる。

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式神

しきがみ

「識神」とも書く。陰陽道において、陰陽師が使役するという鬼神。陰陽師の命令に従って変幻自在、不思議な術をなすという。広義には依代(よりしろ)や符によって呼び出された人や鬼といった形をとる、陰陽師が呼び出す使い魔のことを指すが、狭義には、安倍清明の使役したという「十二神将」と呼ばれた十二支の神々を呼び下ろしたものや、蘆屋道満の使役した10の猛禽の事を指す。

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敷次郎

しきじろう

愛媛県の別子銅山や岡山県の小泉鉛山などの鉱山に現れたという妖怪。敷とは鉱山内の一鉱区を指す。坑内に棲んでいる妖怪で普通の人のように見えるが顔は青く言葉が通じない。また発掘する時の音や水を汲む時の音に似た音をたてるという。人間に会うと食べ物をねだり、拒否すると噛み付くとされる。この噛み傷は普通の薬では治らず、打敷や袈裟の布切れを焼いた灰を油で練ったものを塗る必要があるとされた。

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志芸山津見神

しぎやまつみのかみ

日本記紀神話に登場する山神。「古事記」では「志芸山津見神」、「日本書紀」では「䨄山祗(しぎやまつみ)」と表記される。伊邪那岐命火之迦具土神を斬ったときに、火之迦具土神の斬られた体の一部分から生まれた神の一柱。古事記では左の手から、日本書紀では両足から生まれたとされる。名前の「シギ」には諸説あり、「繁木(しぎ)」と解釈して木の茂った山のこと、或いは鳥の「鷸(しぎ)」と解釈してシギの長い脚のように細長い山のことと考えられている。

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シギュン

Sigyn

ゲルマン神話に登場する女神。「シグン(Sigunn)」、「シグリュン(Sigryn)」とも呼ばれる。姦計の神ロキの誠実な二番目の妻で、ロキとの間にヴァーリナルヴィをもうけている。ロキは自分の行き過ぎた行いによってアサ神族の神々に拘禁され、岩に縛り付けられ上から絶えず蛇の滴らす毒を受け続ける、という拷問を受けることになったが、シギュンはその毒はロキにかからないように器で受け続けた。しかし、器はすぐ毒液でいっぱいになるため、シギュンはしばしば器に溜まった毒を捨てに行かなければならなかった。その度ロキは毒をまともに体に喰らい激しく苦しんだとされる。

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茈魚 しぎょ

Zǐ-yú

中国の最古の地理書とされる「山海経」に言及されている怪魚。東山の東始山を流れる泚水に多く棲息しており、1つの首に10の体がついている、鮒のような魚だという。センキュウ(セリ科の多年草)のような匂いがする。この魚を食べると屁をしなくなるとされる。

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四凶 しきょう

Si-xiong

中国において古代の尭帝の時代に、西方の地に住んでいたとされる四匹の凶悪な怪物たちのことを言う。すなわち、渾沌窮奇饕餮梼杌の四匹のこと。それぞれ偉大な帝王の血を引くものとされるが、生まれつき凶暴で、一説には舜帝の時代に流罪となり、西方から魑魅魍魎が侵入してくるのを防ぐ役割を与えられたという。しかし、もともと凶悪な彼らはすぐに役目を忘れ暴虐の限りを尽くし、このために四凶と呼ばれて恐れられたのだという。

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シクソープ

Sik Sawp

北ミャンマーのカチン族(中国で言う景頗(チンポー)族)の世界創世神話に見える女性の精霊。世界の始まりには、霧の塊が幾つも漂っていた。次に「中つ国(天穹のことだと考えられる)」が生成された。最後に神の力によって大地が固まった。大地にはありとあらゆる精霊が住んでいたが、長年立つ間に姿を消してしまった。そこで登場したのが女で天の精霊であるシクソープ、男で地の精霊であるクリプクロープである。この二人はチャヌムウォイシュンという精霊を生み、この二人から天地の万物が生まれたという。

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持国天 じこくてん

Dhṛtarāṣṭra

仏教において四方を守護する四天王の一尊で東方の守護神として知られる。サンスクリット名では「ドゥリタラーシュトラ(Dhṛtarāṣṭra)」と呼ばれ、「持続する王国を持つ者」と訳せるところから持国天、「持国天王(じこくてんのう)」と称する。また東方を守護することから「東方天(とうほうてん)」と呼んだり、音写により「提頭頼吒(だいずらた)」、「提頭頼吒天(だいずらたてん)」とも称する。名前の通り国家安泰の功徳があるとされる。須弥山の東方中腹に住む。一般的に忿怒形に赤い体に鎧をまとい、右手に宝珠、左手に刀を持った姿で表される。帝釈天の眷属であり、自身は八部鬼衆の「乾闥婆(けんだつば)」と「毘舍闍(びしゃじゃ)」を従える。また十六善神にも名前が連ねられる。東方の守護神として、胎蔵界曼荼羅でも外金剛部院の東方(上)中央に配置される。

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持金剛鋒菩薩 じこんごうほうぼさつ

Vajrāgradhāri

仏教における菩薩の一尊。サンスクリット名を「ヴァジュラーグラダーリ(Vajrāgradhāri)」といい、ヴァジュラは「金剛」、アグラは「頂点」や「尖端」、ダーリは「持つこと」を意味するため「持金剛鋒菩薩」、あるいは「金剛鋒持菩薩(こんごうほうじぼさつ)」と訳する。発心猛利の徳を司る菩薩として胎蔵界曼荼羅の金剛手院第一行(内側)第五位に配される。赤肉色の身色で左手は拳を作り右手は金剛鋒を持ち、右に金剛使者、左に金剛鉤女菩薩が侍る。

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持金剛利菩薩 じこんごうりぼさつ

Vajrāgradharaka

仏教における菩薩の一尊。サンスクリット名を「ヴァジュラーグラダラカ(Vajrāgradharaka)」といい、ヴァジュラは「金剛」、アグラは「頂点」や「尖端」、ダラカは「運ぶ者」を意味するため「持金剛利菩薩」と訳する。智慧猛利の徳を司る菩薩として胎蔵界曼荼羅の金剛手院第二行(中央行)第七位に配される。像容は肉色の身色で左手に三鈷杵、右手は数珠を持ち、左ひざを立て白蓮華に坐す。

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シーサー

 

沖縄において、魔物を追い払う力があるとされている怪物。語源は「獅子」にあるとされている。フィーダマ(火の玉)を追い払う力があるとされており、家の屋根や門などにシーサーの姿をかたどった焼き物が置かれる。

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師子宮 ししぐう

Siṃha

密教の宿曜道における十二宮の一つ。サンスクリット名を「シンハ(Siṃha)」といい、ライオン(獅子)を意味することから師子宮、「獅子宮(ししぐう)」、「師子神主(ししじんしゅ)」と訳すほか、音から「𦂅呵(しんか)」とも呼ばれる。西洋占星術における獅子座にあたり、期間としては立秋から処暑に至るまで(7月から8月にかけて)を指す。また二十七宿の星宿張宿翼宿にあたる。官位や財福を司るとされ、胎蔵界曼荼羅では北方(左側)に獅子の姿で描かれる。

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觜宿 ししゅく

Mṛgaśīrā

密教の宿曜道において二十八宿及び二十七宿の一つ。インドでは「ムリガシラス(Mṛgaśiras)="鹿の頭"の意」と呼ばれ、觜宿、「鹿首宿(ろくしゅしゅく)」、「烏頭天(うずてん)」と呼び、「沙哩誐失羅(しゃりがしら)」、「篾㗚伽尸囉(めちりかしら)」と音写する。また日本では「畢(とろきぼし)」の和名を当てる。胎蔵界曼荼羅では東方(上側)に配され、像容は右手を胸に当て左手に玉の乗った蓮華を持つ。

種字は「मृ(mṛ)」、「न(na)」、「रो(ro)」、真言は「唵麋梨伽尸羅莎呵(おんびりかしらそわか)」、三昧耶形は蓮上星。

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四攝菩薩

ししょうぼさつ

仏教において金剛界曼荼羅で、金剛界月輪の外塔四門に配される、一切衆生に対する化他(他人を導くこと)の徳を具象化した、金剛鉤菩薩(東)、金剛索菩薩(南)、金剛鎖菩薩(西)、金剛鈴菩薩(北)の四菩薩のこと。「四攝金剛(ししょうこんごう)」、「四攝衆(ししょうしゅう)」などとも呼ばれる。一切衆生に対して「鉤」をもって釣り、「索」をもって引き、「鎖」をもって縛し、「鈴」をもって喜ばす、という四つの攝("取り込む"の意)を表す。

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静か餅

しずかもち

日本の栃木県芳賀郡益子町に伝わる吉凶の兆しとなる怪異。夜中にコツコツと遠くで餅の粉をはたくような音が聞こえるもの。音が近づいてくるように聞こえた場合は「搗きこまれた」と言って吉兆とし、逆に遠ざかっていくように聞こえた場合は「搗きだされた」と言って凶兆とする。「搗きこまれた」場合は蓑を後ろ手に出すと財産が手に入るとされている。

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䖪鼠 しそ

Cí-shǔ

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている、凶兆とされる鳥の一つ。東山の栒状山に棲んでいる獣で、姿は鶏のような鳥だが、毛は鳥の羽毛ではなく鼠の毛のようだという。この鳥が国に現れると干ばつが起こるのとされる。

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地蔵菩薩 じぞうぼさつ

Kṣṭitigarbha

菩薩の一。インドでは「クシティガルバ」と呼ばれ、「地蔵」はその訳で「大地を包蔵する」という意味を持っている。「地蔵尊(じぞうそん)」、「地蔵薩埵(じぞうさった)」などの名称でも呼ばれる。罪と業に苦しむ全ての生きる者を苦難から救い、幸せにすることを悲願としている。また、地獄に落ちた人々の身代わりになって痛みや苦しみを受けるという「代受苦」の菩薩とされている。仏教では生前の業が消えない限り命ある者は例外なく「六道(ろくどう/りくどう)」と呼ばれる六つの迷いの世界の間で生死を繰り返す。地蔵菩薩はこの六道全ての教化に務める菩薩とされ、各道ごとに名前の違う六種の地蔵菩薩が表れるとされる。これは総称して「六地蔵」と呼ばれる(下表参考。ただし文献によって各地蔵の名称は異なる)。俗信では小児の成長を守り、もし夭折した時はその死後を救い取ると信じられた。密教では菩薩形にあらわされるが、普通には頭をまるめた僧形で、宝珠を持ち、平安中期以降は宝珠と錫杖を持つ姿が一般化し、多く石に刻まれて路傍に建てられ、民衆とのつながりが強まった。その救いや霊験、形、置かれた地名などによって、親子地蔵、子安地蔵、腹帯地蔵、疣地蔵、火焼地蔵、雨降地蔵、とげぬき地蔵、延命地蔵などの名がある。

《「覚禅鈔」における六地蔵》
六道 尊名

01:地獄道

大定智悲地蔵菩薩

02:餓鬼道

大徳清浄地蔵菩薩

03:畜生道

大光明地蔵菩薩

04:修羅道

清浄無垢地蔵菩薩

05:人間道

大清浄地蔵菩薩

06:天上道

大堅固地蔵菩薩

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子孫娘娘 しそんにゃんにゃん

Zǐ-sūn niáng-niáng

中国道教において女性に子供を授けてくれる女神。道教では子授けから出産、そして幼児が健康に育つまでの過程の各段階を担当する複数の娘娘神がおり、このうち、子授けから出産までを担当するのが子孫娘娘、送子娘娘催生娘娘で、子孫娘娘はこの最初の過程である「子授け」を担当している。人々の願いを聞き届けて子宝を授ける女神であり、どんな子が生まれてくるかは子孫娘娘によって選定される。(参考:乳母娘娘

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シーター

Sita, Sītā

インド神話におおいて農耕や植生を司る女神。名前は「畦(あぜ)」を意味する。雷霆神インドラの配偶神であるが、叙事詩「ラーマーヤナ」ではヴィシュヌの化身(アヴァターラ)の一つである英雄ラーマの妻として登場している。

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次第高

しだいだか

日本の山口県、広島県、岡山県などの地域に伝わる妖怪。見越入道と同種の妖怪で、見上げれば見上げるほど身長が高くなるが、逆に見下げれば小さくなるとされる。

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下光比売命

したてるひめのみこと

シータラー

Shitala, Sitala, Śītlā

ベンガル(現在のインド北東部(ベンガル州)、バングラデシュ共和国周辺)における疱瘡(天然痘)の女神。病気をもたらす力と治す力をあわせ持ち、また日照りをもたらしたり、雨をもたらしたりする力を持つ。天然痘やはしかなどの吹き出物は、彼女が信者の身を「真珠で飾った」ものだから、ことさらに恐れる必要は無く、大抵はすぐに直ってしまう。村人が集まって祭りをすれば、女神は怒りを鎮め、疱瘡の粒々を引っ込めて恵みの雨粒を降らせてくれる。シータラー女神は土地ごとに姿が異なり、カーリーとそっくりだったり、ロバにまたがったホウキとざるを持った黒い肌の老女だったりする。「不可触民(アウトカースト=賎民)の女の身体とバラモン(カーストの最上位)の女の首」を持っていることもある。他に「シータラデーヴィー」、「マーリヤンマン」、「セリヤンマン」、「ジエシュター」、「シエーッタイ」などと呼ばれる疫病と治癒、旱魃と慈雨をもたらす女神が各所に土地神として祀られている。

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七倶胝仏母 しちくていぶつも

Cundī

七人御先

しちにんみさき

日本の高知県を中心とした一帯に出現する死霊ないし妖怪。七人一組の集団で、海で死んだ者の亡霊だという。いつも七人で連れ立って歩き、これに出会ったものは死んでしまう。こうして死んだ者は後列に加わり、先頭の者は成仏することができる。つまり七人の数にはいつまでたっても変わりは無いのだという。

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七福神

しちふくじん

日本において七種類の現世利益を司るとされる、現代においてもポピュラーな七柱の民俗神。室町時代末に興ったもので、「仁王般若経」という大乗仏教の経典にある「七難即滅 七福即生」という語に基づいて生まれたとされている。この仁王般若経における「七福」とは「律義(悪行を行わないように未然に防いでくれること)」、「有福(富み栄えること)」、「威光(権威があること)」、「愛嬌」、「大量(度量が大きいこと)」、「人望」、「寿命」を示している。こうした仏教由来の神群ではあるが中国の道教に由来する神や日本独自の神を含み、なおかつ仏教由来の神も、日本の神と習合しているので民間的な神だといえる。七柱の内訳は下表の通りだが、寿老人は福禄寿と同一神だとして寿老人の代わりに吉祥天を含める場合もある。七福神を一同に集めて祀る社寺は少ないが、大黒天恵比寿はよく併称され、民家などで共に祀られることも多かった。また都市ごとにある七福神各神を祀った社寺を巡拝する、「七福神参り」の風習が今も伝わっている。

《七福神とされる七柱》
名称 説明

恵比寿

商売繁盛、豊漁、豊作の神。事代主神と置き換えられることがある。

大黒天

福徳と財宝を授ける。大国主神と習合している。

毘沙門天

財宝冨貴の神。

弁財天

福徳や財宝、知識と技芸の神。

布袋

円満と福徳の神。

福禄寿

幸福、封禄、長寿の神。

寿老人

長寿の神。

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七歩蛇

しちふじゃ

日本に伝わる想像上の蛇。浅井了意著「伽婢子」によれば、京都東山に現われた蛇で、12cm程の体に、耳と足が生えた小さな竜のような姿をした蛇で、鱗が赤色、鱗の間は金色をしているという。この蛇に噛まれた人間はその毒で七歩と歩かぬうちに死んでしまうという。

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七本鮫

しちほんざめ

日本の三重県鳥羽市にある、亀島(現在の神島)に伝わる祟りをもたらすという鮫。「七本鮫」とは七匹の鮫のことで、毎年夏のある期間になると七匹の鮫が伊勢参りをするために湾を上ってくるので、この期間は海に船を出したり、漁をしたりしてはいけないとされていた。昔、ある漁師が子供とともに漁をしていたところ、鮫に息子をさらわれてしまった。漁師は復讐のために七本鮫の一匹を捕まえ、腹を裂いてみたが中には何もなかった。その数日後に起きた突風で多くの漁師が水死し、七本鮫を殺した漁師の家も、謝罪の供養をしたが没落したという。このため七本鮫は今は6匹しかいないとされる。

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シチマジムン

 

奄美群島の喜界島において、南山で死んだ女性がマジムンになったもののことをいう。「ヒチマジムン」とも呼ばれる。夜に天を地を繋ぐ黒煙の大円柱の姿で現れる。また沖縄の国東地方では形の見えない雲か風のような姿だとされ、板戸の節穴から出入りし、人間を連れ出して迷わすという。出会った人間に対して白飯は赤飯を振舞うが、実のところ白飯は波飛沫、赤飯は赤土である。シチマジムンに会った時はオトコは褌、女はメーチャ(下袴)を頭にかぶるとわざわいを受けなくて済むとされる。沖縄の中城村においてはシチマジムンは黒い棹のような背の高い妖怪であるとされる。これに出会って見上げていると、見越入道のようにどんどん高くなり、最後にはいきなり倒れてきて見上げていた人のシー(性)を奪うとされる。このシチマジムンは豚に化けたりもするとされる。「シチチリ、シチチリ」と唱えて根元を刈る真似をすると追い払えるとされる。さらに沖縄東風平町では龕が悪霊と化した大きな黒い魔物で、与那城では天まで届いたり、地面一杯に広がったりするとても恐ろしマジムンだとされている。

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七母女天 しちもにょてん

Sapta-mātṝkā

インド神話のサプタ・マートリカーが仏教に取り込まれたもの。「七母天(しちもてん)」とも呼ばれる。仏教では閻魔の眷属とされ、「大黒天神法」に見える。また「大楽経顕義抄」や「大毘盧遮那成仏経疏」には「七摩怛里(しちまたり)」の名で紹介されている(摩怛里はマトーリカーを音より漢訳したもの)。サプタ・マートリカーを元としているものの、諸尊の内訳はサプタ・マートリカーとは若干異なっている。

《七母女天とされる仏尊(大黒天神法による)》
漢名 梵名 説明
左問拏

チャームンダー

ヤマの配偶神

嬌吠哩

カウベリー

クベーラの配偶神

吠瑟拏微

ヴァイシュナヴィー

ヴィシュヌの配偶神。

嬌麼哩

カウマーリー

クマーラ(=スカンダ)の配偶神。

印捺里

インドラーニー

インドラの配偶神。

勞捺里

ラウドリー

ルドラの配偶神

末羅呬弭

ヴァーラーヒー

ヴァラーハの配偶神

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室宿 しつしゅく

Pūrvabhadrapadā

密教の宿曜道において二十八宿及び二十七宿の一つ。インドでは「プールヴァバドラパダー(Pūrvabhadrapadā)」といい、プールヴァは「最初の」、バドラは「祝福された」、パダは「足」を意味する。漢訳では室宿、「前賢迹宿(ぜんけんしゃくしゅく)」、「賢鉤天(けんこうてん)」、「前跋達羅鉢柁(ぜんばだらはだ)」、「富盧婆伽陀羅跛陀(ふるばかだらばだ)」と称する。また日本では「室(はついぼし)」の和名を当てる。胎蔵界曼荼羅では北方(左側)に配され、像容は右手に赤珠の乗った蓮を持つ。

種字は「भ(bha)」、「रो(ro)」、真言は「唵発羅縛迦陀羅跛陀莎呵(おんほつらばかだらばだそわか)」、三昧耶形は蓮上星。

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質多羅童子 しったらどうじ

Citrā

仏教において文殊菩薩の眷属とされる文殊八大童子、文殊五使者の一尊。サンスクリット名を「チトラー(Citrā)="斑"の意」といい、単に「質多羅(しったら)」と呼ばれるほか「質怛羅童子(しったらどうじ)」、「救護慧童子(くごえどうじ)」などの名前でも呼ばれる。また「文殊師利使者(もんじゅしりししゃ)」と呼ぶこともある。文殊菩薩の普現色身の徳を司るとされ、胎蔵界曼荼羅では文殊院の南(右)第三位に配される。

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地天 じてん

Prtivī

インド神話における大地の女神プリティヴィーが仏教に取り込まれ、漢字に意訳されたもの。仏教を守護するの一人で、十二天の一人として下方を守護する神で、上方を守護する梵天と一対となっている。一般的に菩薩形で、花を盛った器を持った姿で表される。地水火風の四大天にも数えられる。

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四天王 してんのう

Cātur-mahā-rāja-kāyika

仏教において帝釈天の眷属とされる、四方位を守る四尊の護法神のこと。「四王(しおう)」、「四大天王(しだいてんのう)」、「四天王衆(してんのうしゅう)」、「四大王衆(しだいおうしゅう)」、「護世四王(ごせしおう)」、「護世四天王(ごせしてんのう)」などの名でも呼ばれる。またサンスクリットでは「チャートゥル・マハーラージャ・カーイカ(Cātur-mahā-rāja-kāyika)」と言い、これは「四人の大王の衆」と言った意味。帝釈天は須弥山の頂上にある「忉利天(とうりてん)」(三十三天とも。サンスクリットではトラヤシュトリムシャ(Trayas-triṃśa))に住んでいるが、四天王はその下、須弥山中腹の「四大王天(しだいおうてん)」(四大王衆天とも。サンスクリットではチャートゥルマハーラージカ(Cāturmaārājika))の四方位にそれぞれ住んでいる。八部衆(→天竜八部)あるいは八部鬼衆を率いて仏法と国家、および仏法に帰依する人々を守護するとされる。インドでは貴人の姿で表現されたが、中国や日本では忿怒形の甲冑を身に着けた武人の姿で表現される。

《四天王と四天王が守護する方位》
方位 名称(漢名・梵名)

東方

持国天 ドゥリタラーシュトラ

南方

増長天 ヴィルーダカ

西方

広目天 ヴィルーパークシャ

北方

毘沙門天 ヴァイシュラヴァナ
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梓潼帝君 しどうていくん

Zĭ-tóng dì-jūn

シトゥンペカムイ

 

アイヌにおいて、黒ギツネを顕現体とするカムイ。一般のキタキツネのカムイであるチロンヌカムイと違って、格の高いカムイとされており、岬を守護し、人間に危機の到来を告げるとされた。

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指徳童子

しとくどうじ

仏教において不動明王の眷属である八大童子の一尊。「忠徳(ちゅうとく)」とも称する。「八大童子秘要法品」に拠れば、羯磨部より生じ、前三部(金剛部、宝部、蓮華部)の徳を指し、果を得るが故に指徳童子という。夜叉に似た姿で三目で甲冑を纏い、右手に三叉鋒、左手に羯磨金剛を持った姿で表される。

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シードッグ

Sea dog

イギリスの紋章に見られる混成動物。イギリスに生息していた「タルボット・ハウンド」と呼ばれる犬種に似ているが全身を魚の鱗に覆われていて、足には水かきがある。また背中に背びれが生えている場合が多い。ラムパント(後ろ足で立った状態)で描かれる。イギリスと特に海と関係のある地域の紋章として多く採用されている。

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ジドラ

Jidra

中世ヨーロッパの旅行家によって伝えられた奇妙な生物。獣であるが植物のように根が生えておりそこから移動できないとされる。周囲のものは動物、植物問わずに飲み込んでしまうので近づくのは危険とされたが、ジドラの骨は高値で取引されるため、危険を承知で取ろうとする者も多かったという。ジドラを殺すには根を矢で射とおして切断する方法が効果的とされ、切断に伴いジドラはマンドラゴラのように金切り声を上げるという。

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シトラリクエ

Citlalícue

「シトラリニクエ(Citlalinicue)」とも呼ばれる。語義はナワトル語(トルテカとアステカの共通語)で「星のスカートをはいている者」ないし、「星のスカートの女神」。アステカで天の川の呼称のひとつであった。アステカにおいて13層からなる宇宙の3番目を支配する女神であり、シトラトナ=オメテクートリの女性配偶神であり、オメテオトルの女性的側面をあらわす。

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シナー

Sinaa

ブラジル、シング川流域に住むフルナ族における猫科動物の始祖。巨大なジャガーである父親と人間の母親の間に生まれたとされる。シナーは老いることがなく、「自分の皮を袋のように頭の上に引き上げ(しわを無くすということ)」、沐浴のたびに若さを取り戻したとされる(脱皮して若返っていたともされる)。シナーが空を支えている巨大な先割れの棒を取り去ったとき、世界が終わると考えられている。

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志那都比古神

しなつひこのかみ

日本記紀神話に登場する風の男神。「志那(しな)」は「風長(しな)」ないし」「息長(しな)」を意味し、風の神と解されている。「古事記」において伊邪那岐命伊邪那美命の神産みの際に生まれた三十五神の一柱で18番目に数えられる。

「日本書紀」の一書には「級長津彦命(しなつひこのみこと)」の名がみえるが、これは「級長戸辺命(しなとべのみこと)」の別名としてであり、この神は志那都比古神に対応する女性神志那都比売神と考えられている。この両神は奈良県にある竜田神社の社伝に見え、同神社の祭神である天御柱神及び国御柱神と同一視される。

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シノンゴル

Sinonggol

フィリピンのルソン島における創造神、世界の始まりの時の女王。この世の初め世界は無く、死者の共同体だけがあって、そこには女王シノンゴルとその弟スアラ(Sualla)がいた。スアラは薬草に詳しく神々の病を治していた。シノンゴルは宮殿の東にあった丈夫な八体の木の像から一つを選んで人間の男にした。その肋骨から人間の女を作った。二人は夫婦となり息子のメンタララン(Mentalalan)が生まれた。しかし男は女王シノンゴルの怒りを買い病気になってしまった。そこでスアラは男に薬を与えたが、この薬は誰も触れてはならないものだった。何故なら触れると息子が死ぬからだ。しかしシノンゴルは弟スアラより優れていることを示すために悪魔に命じてこの薬に触れさせた。当然メンタラランは死んだが、シノンゴルがメンタラランの死体と土を別世界に送って埋めると、そこが盛り上がり、木々が生えて世界が出来たという。

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芝右衛門狸

しばえもんだぬき

日本における高名な化け狸の一人。兵庫の淡路島を根城としていた。太三郎狸(屋島の禿狸)と変化の腕勝負をしたとき、太三郎狸は合戦の様子を丸ごと変化の術で再現した。これに対して芝右衛門狸は大名行列を変化で再現、そのあまりの見事さに太三郎狸は大声で褒め称えたが、実はこれは本物の大名行列で、太三郎狸は無礼者として武士にその場まで刺し殺されてしまったという(太三郎狸の死因について他にも説がある)。芝右衛門狸は芝居が大好きでよく人の姿に化けて芝居興行を見にいっていたが、徳島県まで出かけていって芝居見物をしていたときに犬に正体を看破されて噛み殺されてしまった。ただ芝右衛門狸の変化の術は見事で、死んでからも半月以上は解けなかったという。この頃ちょうど徳島の金長狸六右衛門狸との間で合戦があったので、芝右衛門狸はどちらかの加勢をしに徳島まで来ていたのではないか、とされている。現在、洲本八幡神社に芝居の神様として祀られている。

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シパクナ

Zipacnà

マヤの一部族キチェ・マヤ族に伝わる聖書「ポポル・ヴフ(Popol Vuh)」に見える巨魔。名前は「大地を積み上げる者」を意味する。ヴクブ・カキシュの長男で、いつも山を背もたれにして眠っていた程の巨人だという。自分で山を作り上げてはその山を相手に球技をして遊んだという。弟のカブラカンと一緒に父子3人で人間を支配しようとしたため、フンアフプーとイシュバランケという双子の神によって滅ぼされた。シパクナは蟹が大好物で、偽物の蟹でおびき出され、山崩れを引き起こされて殺されたという。シパクナは死んだ後、大きな岩となったという。

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芝天

しばてん

日本の高知県や徳島県に伝わる妖怪。「芝天狗(しばてんぐ)」、「坊主子(ぼうずこ)」とも呼ばれ、天狗の仲間とも言われる。川原などに棲んでいて小さな子供のような姿で現れる。河童のように相撲が大好きで、人間を見かけると相撲を挑んでくるが、これに付き合うと一晩中相撲をとらされる羽目に合うという。

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四波羅蜜菩薩

しはらみつぼさつ

密教において、金剛界曼荼羅で大日如来の前後左右に配される女形の4尊の菩薩。大日如来の傍で侍女の役を務め、四仏を出生する役目を担う。或いは四仏の女性的部分の独立として生じ、十六菩薩を出生するとも解される。いずれにしても大日如来の生じる力、生み出す力を神格化したものと考えられる。

《四波羅蜜菩薩》
方位 名称 出生する如来

東方(下)

金剛波羅蜜菩薩

阿閦如来

南方(右)

宝波羅蜜菩薩

宝生如来

西方(上)

法波羅蜜菩薩

無量寿如来

北方(左)

業波羅蜜菩薩

不空成就如来

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シービショップ

Sea Bishop

中世ヨーロッパで海に棲むとされた、怪物の一種。シービショップは「海の司教」という意味だが、シーモンク(海の修道僧)とも呼ばれる。顔は人間のようで頭はつるつるしており、身体はウロコで覆われているが修道士の服を着ているようであり、腕の代わりにヒレがあり、下半身は尾になっているという。

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シビレー

Sibille

イタリアのアブルッツォ地方に伝わる妖精の一種。女の妖精で菩提樹や神聖な木立に棲んでおり、宝を守るという。

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シフ

Sif

あるいは「シヴ」。北欧神話においてアサ神族の女神でトールの妻。「髪美しき神」と呼ばれ、まばゆく輝く黄金の髪を持っていたが、ロキの気まぐれによりその髪を眠っている間に刈り込まれてしまう。それにトールは怒り、その怒りに怯えたロキは、「イーヴァルディの息子達」と呼ばれるドヴェルグの細工師に魔法の金糸を紡がせてシフに弁償した。この金糸はシフの頭に根付き、本物の髪と同じように伸び、シフは前にも増して美しくなったという。黄金が神格化された存在と考えられることが多く、またその金色の髪は豊かに実った穀物の穂と関連付けられ、豊穣神としても信仰された。性的には奔放で、トールではない男との間にウルを産んだり、またロキとも関係があったという。トールとの間には憤怒の神モージを産んでいる。

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ジフィウス

Ziphius

中世ヨーロッパの旅行記に登場する巨大魚。頭の部分以外は普通の魚だが、頭はフクロウに似てグロテスクな目、楔形のくちばしを持っている。北方に棲んでおり船を襲うという。

オラウス・マグヌスの描いた海図「カルタ・マリナ(Carta Marina)」にはアザラシを飲み込もうとするジフィウスが描かれている。

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ジブリール

Jibril

イスラム教における四大天使の一人(他はアズラーイール、イスラーフィール、ミーカール)。ユダヤ教、キリスト教におけるガブリエル。「誠実なる霊」、「我等が霊」、「聖なる霊」などと称される。イスラム教の教祖ムハンマド(マホメット)に唯一神アラの言葉を啓示し聖典「コーラン」を書かせた。ガブリエルは女性的な天使とされるがジブリールは男の天使とされる。ジブリールは一般的に王冠をかぶり背に翼の生えた男として描かれる。場合によっては背中ではなく腕と胴体の間に翼が生えている姿で描かれることもある。イスラム教でもっと重要な神殿である、メッカのカーバにおいて北東の角に立っているとされる。

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シーヘアー

Sea Hare

「海ウサギ」の意。中世ヨーロッパの民間信仰において信じられた海の怪物。魚の体にウサギの足、耳、頭がついていて、耳の後ろにヒレがあるという。陸のウサギと異なり獰猛で、手の届くところにいる生物は見境なく襲い掛かり、獲物と見るや遠くても執拗に追いかけてくるという。当時の旅行家や船乗り達が自分の手柄を誇張した話から生まれたと考えられる。また当時は海や空にも陸のものと似た生物が住んでいると信じられていた。

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シペ・トテック

Xipe Totec

赤のテスカトリポカであり東を司る神。語義は「生皮を剥がれた者」。メソアメリカ中央部における春と農耕の神、種子と播種の守護神で、アステカの20あるセンポワリ(暦日)の15番目である「クアウートリ(Cuauhutli=ワシ)」の守護神であり、365日暦上では「1のオセロトル(Océlotl="ジャガー")」を呼称とする。ウィツィロポチトリケツァルコアトル、テスカトリポカら3神と共にオメテオトルオメシワトルオメテクートリ)から生まれた。

シペ・トテックはメソアメリカ南部高地が起源だと思われるが、最終的には古代オルメカの"第IV神"ないし、ゲレロ南部高地のヨペ人の信仰から派生したものだと考えられる。シペ・トテックは特にトラスカラ族に崇拝されたが、南部高地のサポテカ人やミシュテカ人、さらにはタラスコでも崇められた。後古典後期(後1250年−後1521年頃)になって初めて少数のマヤの都市国家に信仰されるようになり、オシュキントクやチチェン・イツァ、マヤパンなどの都市にその神像が登場する。金属細工の職人技の伝統が長く保たれていたオアハカ=ゲレロの南部高地では金属細工職人と石細工職人の守護神とされた。

シペ・トテックは苦悩と密接に関連した神でもあり、毎年の豊作を保証する見返りとして多くの人身供犠を要求した。アステカの18暦日の3番目の月である春の祭礼「トラカシペウアリストリ(Tlacaxipehualiztli)」では、この神の恩恵を乞う様々な儀式が執り行われたが、そこで生贄は皮を剥がれ、神官達がその皮を身にまとって踊りを踊ったという。これらの生贄はいずれもショチヤオヨトル(Xochiyaóyotl=生贄を補給するための儀礼的な戦い)の戦争捕虜で、供犠の目的は古代の豊穣儀礼を喚起するところにあった。

シペ・トテックの神像と仮面は、肥満した体に加えて、犠牲者から剥いで伸ばした皮をまとった神官として描かれる。二重になった唇やくぼんだ目であらわされるのも皮をかぶっていることによるものである。全身像の場合は、皮が背中で紐によって結ばれている。こうした生贄から剥いだ皮を着るという行為は、皮が植物の種皮を連想させることで、植物生命の再生を象徴していた。また、皮を剥ぐという行為は植物が毎年自己犠牲として皮を落として再生することと同様の意味を持っていた。生贄の死との関連で、シペ・トテックは地下世界ミクトランとも結び付けられ、そこから転じて天然痘や疫病、皮膚病やかさぶた、失明といった恐ろしい病を人間に送り込む神とも考えられた。

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シマーブー

 

奄美群島喜界島において、夜間に出歩く人の行手にあらわれて通行を妨げるとされる妖怪。枝を広げた木のような姿をしているという。

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持妙金剛菩薩 じみょうこんごうぼさつ

Suvajradhara

仏教において菩薩の一尊。サンスクリット名を「スヴァジュラダラ(Suvajradhara)」といい、「ス(Su-)」は「高潔な」、「優れた」、ヴァジュラダラは「金剛を擁する」といった意味があり、「持妙金剛菩薩」と訳される。また「蘇縛日羅駄洛(そばじらだら)」と音写される。仏の内証を司る仏尊とされ、胎蔵界曼荼羅金剛手院の第三行(外側)第六位に配される。その像容は白肉色の身色で左手は忿怒三鈷杵を膝上で持ち右手は親指と人差し指の間に独鈷を立てて持ち赤蓮華に坐す。

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シムキエル

Simkiel

旧約聖書偽典「第3エノク書(ヘブライ語エノク書)」に言及される天使。神が指名した破壊の天使たちの長であり、人間を浄化し、裁きを執行する役目を担っているとされる。

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シームルグ

Sīmurgh

イラン(ペルシア)神話に登場する神鳥。「セーンムルヴ(Sēnmurw)」とも呼ばれる。ゾロアスター教聖典「アヴェスター」では「サエーナ・メレゴー(meregho saêno)」と呼ばれており、この綴りを入れ替えたサエーノ・メレゴーが変化してシームルグ、或いはセーンムルヴと呼ばれるようになったと思われる。ゾロアスター教神話では、太古の海に二本の木があり、そのうちの一本に棲んでいたとされる。この木の上でシームルグが羽ばたくと種子が撒き散らされ、その種子からあらゆる種類の植物が生えたという。しかしこの木(サエーナの木と呼ばれる)は、後に悪魔(ダエーワ)たちによって打ち倒され、枯れてしまったので、シームルグはエルブルス山という人間が登ることもできないような東方の仙境に居を移したという。また学識豊かで人語を放す鳥だともされる。ワシや鷹のような猛禽類の鳥の姿をしていたとされる。

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シャ

Shā

中国少数民族の侗(トン)族が信奉する悪鬼の中で最高の悪神で、すべての悪鬼たちを支配する。それゆえ悪をなすこともあるが、悪を取り締まることも出来ると考えられ、侗族の人々に恭しく祀られている。

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シャイターン

Saitan, Shaitan, Shaitant

アラビアにおいてのサタン。ただしイスラム圏ではシャイターンは固有の悪魔の名前ではなく、「悪魔」を意味する普通名詞として使われる。また、アラビアにおいて精霊(→ジン)を5つの階層に分けたうち、その第3階層をシャイターンと呼ぶこともある。

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ジャヴェルザハルセス

Javelzaharses

アルメニアの民間伝承において結婚を司る精霊。名前は「永遠の花嫁」を意味する。無垢な花嫁の化身で、姿は人間に見えないが、結婚の衣装や祭礼など準備に関わっている精霊とされる。

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シャウシュカ

Shaushka

フリ人における重要な神であり、バビロニアにおいて愛欲、大地、戦を司る女神であるイシュタルと同一の神だと思われる。イシュタルと同じく、シャウシュカも二人の女にかしずかれ、ライオンの上に立った翼のある姿で描かれる。二重の性格を持つ神とされていたと思われる。

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娑伽羅竜王 しゃがらりゅうおう

Sāgara-nāga-rāja

仏教における八大竜王の第三尊。名前はサンスクリット名「サーガラ(Sāgara=海)」を音より漢訳したもの。「娑伽羅」は「さがら」とも読む。また「裟竭羅龍王(さかつらりゅうおう)」(妙法蓮華経)、「娑羯羅龍王(しゃからりゅうおう)」、「沙竭(しゃかつ)」、「沙竭龍王(しゃかつりゅうおう)」などさまざまに音写されるほか、意味訳より「海龍王(かいりゅうおう)」、「大海竜王(たいかいりゅうおう)」とも呼ばれる。降雨を祈祷する「請雨法」の本尊であり、また千手観音の眷属である二十八部衆の一尊としても知られる。

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シャカル

Shachar

フェニキア神話において、最高神であるエルの子供で夜明けの金星の神。「シャール(Shar)」、「シャヒル」とも呼ばれる。シャリムとは異母兄弟。古代都市ウガリトで発見されたラム・シャムラ文献によれば、エルが海に向けて波のように手を伸ばすと、2人の妻が受胎し、シャカルとシャリムが生まれたのだと述べられている。一般にはこの2人の妻とは、アシェラとアナトだと考えられている。

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社宮司神

しゃぐうじしん

日本の関東、東海地方における咽喉、風邪の神。「しゃぐうじ」という発音に類してこれに当てる漢字はとても多く存在しており、例えば「左宮司(さぐうじ)」、「社宮神(しゃぐうしん)」、「左久神(さくのかみ)」、「作神(さくがみ)」、「左口神(さぐちしん)」、「社口神(しゃぐちしん)」、「社子の神(しゃごのかみ)」、「左護神(さごのかみ)」、「釈護神(しゃごしん)」、「遮愚儞(しゃぐうじ)」、「遮軍神(しゃぐんしん)」、「三宮神(さんぐうしん)」、「三狐神(さぐじ)」、「山護神(さんごしん)」、「射軍子(しゃぐんし)」、「杓子(しゃくし)」、「赤口神(しゃっこうしん)」、「蛇口神(じゃぐちしん)」といった具合である。この内の幾つかは社宮司神を根元とするのではない別の神だろうが(三狐神や赤口神など)、名前の類似のせいで同化したと思われる。社宮司神が元々なんの神だったのかということについては幾つかの説が有る。石神を起源としているのではないかという説、社を改修などの折りに一時遷宮した時の跡地に祭られた神ではないかという説、諏訪大社の神官である守屋氏の氏神みしゃぐじ神を起源とするのではないかという説、太閤検地で使われた尺竿を埋めて祭ったものではないかという説などである。

社宮司神は御杓文字様と同一視され咽喉の病気や風邪を治すとされる。蛇苦止明神は社宮司神の変形だとする説がある。

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杓子岩

しゃくしいわ

日本の岡山県にある怪石。いわゆる「夜泣き石」や「呼ばわり石」などに代表される声や怪音を出す石のバリエーションの一つ。苫田郡鏡野町の旧箱神社の近くにあった石のことで、夜中に近くを通りかかると「味噌をくれ」と声がして岩から杓子が出てきたとされる。柳田國男は元々は味噌を供えて祀っていた石だったのではないかと推測している。

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蛇苦止明神

じゃくしみょうじん

日本の鎌倉にある妙本寺に祀られる祟り神。鎌倉時代、比企能員(ひきよしかず)を筆頭とする比企氏と北条政子を筆頭とする北条氏は源頼家の後継問題で対立していた。源頼家と比企能員は組んで北条氏を討伐しようとしたが失敗し、比企一族は自害(能員は謀殺された)、頼家は幽閉、後に殺されるに至った。能員の娘であった若狭局(わかさのつぼね)もこの時自害したが、その霊は大蛇となり北条政村の娘に取り憑き、痛苦を与えつづけたという。蛇苦止明神はこの若狭局の霊を鎮める為に祀られたものだと伝えられている。また一方で蛇苦止は梵語の「荼枳尼(だきに)」の転訛とも社宮司神の変形だとも考えられる。

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石神

しゃくじん

日本の石を顕現体、御神体とする神霊に対する総称。「石神」で「いしがみ」、「さぐじ」、「しゃくじ」とも読む。また「御石神(おしゃごじ)」とも呼ばれる。安産、良縁、治療、子育てなど色々な効験があるとされるが、特に耳だれ、耳の病を治す神とされることが多い。石神とされる石は特徴ある形をした石であることが多い。その発音から社宮司神御杓文字様蛇苦止明神などと混同される。江戸時代には高輪にあった釈地大明神を「御石神(おしゃごじ)」と呼んだこともあった。

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シャクラ

Shakura

北米平原に住むネイティブアメリカン、ポーニー族の太陽神。バンドによっては「サクル(Sakuru)」とも呼ばれる。神の意である「アティウス(Atiusu)」を付けて、「シャクラ・アティウス」とも呼ばれる。ポーニー族はシャクラのために、「サン・ダンス」と呼ばれる儀式を行いシャクラを祀る。最高神であるティラウ・アティウスにより、東に立つことによって西に立つ月(パー)を照らし、昼の間大地(地球)に光と暖かさを与えるように命じられた。また、シャクラとパーの間に生まれた「最初の息子」はトカパレカタ(宵の明星)とオパリカタ(明けの明星)の間に生まれた「最初の娘」と一緒になり、この二人はポーニー族の始祖となり、人間の精神を構成する二つの要素、つまり感情と知性は、シャクラとパーによって与えられたものだとされる。

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シャスティ

Sasti, Shashthi, Ṣaṣṭhī

インドにおいて家庭と子供を守護するとされる女神。名前は「第6」を意味し、各月の6日目に礼拝が行われる。元々はインド東部で民間信仰されていた神と考えられている。豊穣と多産の神でもあり、不妊の者でも子供を授けるとして、特に女性に信仰されている。

多くは猫に乗った女性の姿で表されるが、膝に子供を乗せたり、子供を連れていたりする女性、あるいは黒猫そのものなど、いろいろな姿で表される。元々はスカンダの養母の一人とされたが、今ではスカンダの妻の一人である「デーバセーナ(Devacena)」と同一視されている。

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ジャタ

Djata

インドネシアのボルネオ島のダヤク族における女神。ただし一部の伝承では男性神とするときもある。人間界の下にある下界のバスフン・ブラウ(金が積もった川)に住み、ワニを眷属とする。また創造神話では上界の金の山という所に住んでいる。正式名称を「バウイン・ジャタ・バラワグ・ブラウ(Bawin djata balawang bulau="金の戸口を持つ女のジャタ")」といい、「金の戸口」とは女性器をさす。また本来の名前を「タンボン(水蛇)」といい、水蛇の姿で人々の前に現れるという。マハタラ(→ティガグ)の敵対者とされるが、両者は時に両性具有の神であり、子供達がそこから世界にやってくるという、世界樹そのものであるとも言われる。マハタラと違ってイスラム教時代、キリスト教時代に改名されなかったのは、両宗教ともにこの女神を認めていなかったからである。

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シャタビシャー

Śatabhiṣā

吉雅奇 ジヤチ

Jíyăqí

中国の少数民族、鄂温克(エヴェンキ)族の牧畜地帯の大神で、家畜の繁殖を主催する牧畜の神。家畜を売るときは家畜の尾の剛毛を切り取って吉雅奇の神像にかけるなど、吉雅奇の加護を願う様々な習慣があるという。

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シャックス

Shax

ユダヤの魔神でソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。「スコックス(Scox)」、「チャックス(Chax)」とも呼ばれる。「掠奪公」と称される。召還されると大きなコウノトリの姿であらわれる。しわがれた聞き取りにくい声で話す。人の耳、口、目を使えなくしたり、隠された財宝を探し出したりしてくれる。また地獄で使うためによく馬や金を略奪する。またシャックスはいいなりになる振りをして騙す癖があるので召還者は注意しなければならないとされる。

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シャッグ・フォール

Shag Foal

イングランド東部のリンカンシャー地方に伝わる奇怪な獣。「タッター・フォール(Tatter Foal)」とも呼ばれる。大きな目の毛むくじゃらの馬、あるいはロバの姿をしていて、暗い道で一人で歩いている人間の背後から出現して追いかけてくる。ただ追いかけてくるだけで危害は加えてこないとされる。

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ジャック・フロスト

Jack Frost

イングランドの民間伝承に登場する寒さを具現化する精霊。名前は「霜男」の意。ツララの垂れた真っ白な衣装をきているとされる。寒い日に外に出ると手足の先を寒さでかじかみ鼻頭が赤くなるが、これはジャック・フロストの仕業である。ジャック・フロストの触れたところには霜柱がつくとされている。

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シャトクィエル

Shatqiel

ユダヤ・キリスト教における天使の一人。旧約聖書偽典「第3エノク書(ヘブライ語エノク書)」などにその名が見える。御前の七天使の候補の一人であり、天の第五層を護衛する天使達の支配者とされる。

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シャナイシュチャラ

Śanaiścara, Shanaishcara

シャニ

Śani, Sani, Shani

ヒンズー教において土星と土曜を司る神で、「ナヴァグラハ(Navagraha=九曜)」の一人。「シャナイシュチャラ(Śanaiścara)」の名でも知られる。名前は「ゆっくり動く」を語源としており、これは土星の公転周期が30年であることに起因すると考えられる。太陽神スーリヤの息子であり、影と闇を司る女神「チャーヤー(Chāyā)」を妻とする。シャニは危険な神とされ、ガネーシャはシャニと目が合っただけで頭が火に包まれてしまい、頭がなくなったガネーシャはブラフマーにより止む無く象(→アイラーヴァタ)の頭が首に据えられた、という話がある。

仏教ではシャナイシュチャラを「賒乃以室折囉(しゃないいしせつら)」(宿曜経)と音写され、胎蔵界曼荼羅の外金剛部院(最外院)西方に配置される。

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ジャーネ

Giane

イタリアのサルデーニャ島に伝わる妖精。洞窟に棲んでいて、身長は1.5m程、長髪で鋼の爪を持ち、垂れ下がった乳を肩に担ぎ、毛皮を纏い動物の皮で作ったとんがり帽子をかぶっているという。ジャーネは織物に長けており、普段は糸紡ぎや刺繍をして暮らしている。彼らの服を一片でも手に入れること出来た人間は幸福になれるという。

しかしジャーネの性格は決して温厚でも人間に好意的でもなく、その美しい歌声を利用して洞窟に人間をおびき寄せ殺して血をすするとされる。しかも人肉を食べたジャーネは三日後には新しいジャーネを生み、背負ったかごに入れて連れ歩くとされる。またジャーネは占いにも長けており、小さな糸車をポケットに入れて持ち歩いており、糸車をじっと見ることで未来を予測できるという。現在に伝わる伝承では昔よりその姿は小さくなっているとされ、農夫の格好で洞窟で暮らしているともされる。

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シャマシュ

Shamash

バビロニア神話における太陽の神。父親はシンとされる。全てを見通す神であり、それゆえ正義と占いの神とも考えられた。シュメール人にはウトゥという名で呼ばれていた。王座に座っている姿で描かれる。シャマシュの放つ光線はあらゆる不正と欺瞞を暴き、またシャマシュの目は未来さえも見通す千里眼として機能したという。このため占い師はシャマシュにお伺いを立てて未来を占った。毎朝、蠍の男が巨大なマーシュ山の門を開き、シャマシュは天空への旅を始める。やがて夕暮れが近づいてくるともう一つの大きな山の方へと馬車を進め、また門へと消える。夜の間シャマシュは地下を旅し、最初の門まで戻ってくる。アヤという名の妻がおり、二人の間には公正の神キトゥ、法と正義の神ミシャルの二人の子供がいる。

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シャマンティン

Shamantin

西アフリカに住むトゥイ族やアシャンティ族の信じる女の森の精霊。「スラーマン(Srahman)」とも呼ばれる。ササボンサムの妻で、ササボンサムと同じように森の中やパンヤの木の下に住んでいる。夫と同様に木にぶら下がって下を通る不注意な人間を足ですくい上げて捕まえるが、夫のように危害を加えるわけではなく、森の中の動物や草木について教えてくれる。

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シャムシエル

Shamsiel, Shamshiel

旧約聖書外典「第1エノク書」や「ゾハル」などに言及される天使ないし堕天使の一人。名前は「日の光」あるいは「神の強き太陽」を意味する。「シムシエル(Shimshiel)」、「シャムシェル(Shamshel)」、「シャシエル(Shashiel)などの名前でも呼ばれるほか、サムサペエルとも同一視される。神に反逆した200人の堕天使(→グリゴリ)の長の一人とされ、人間に「太陽の宮」を教えるという罪を犯した。

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シャメン・エク

Xamen Ek

「ア・チクン・エク(Ah Chicum Ek)」とも呼ばれるマヤの旅人を守護する神。「シャメン」は北を意味するので、シャメン・エクは北極星の神だと考えられている。コデックス(絵文書)では、しばしば「黒い戦王」ないし「黒い星」エク・チュアとの関連が見られる。獅子鼻で頭に黒い斑点がある姿をしており、それゆえに猿面神とよく関連付けられ、マヤの暦日チュエン(猿の意)を司っている。その象形文字も猿の頭に似ており、「北」を示す。善神であり、チャクとともに現れる場合が多い。北極星としては、商人の守護神かつ案内人であり、マヤ人の遠距離交易網はマヤ文明において非常に重要であった。マヤ文化圏のユカタンやペテンと緯度を同じくする地域では、北極星は一年中位置を変えない星であった。そうしたシャメン・エクのとりなしと恩恵を求めるため、沿道に特別に設けられた祭壇に祈祷とポンの香(コパルの木の樹脂)が捧げられた。アステカのヤカテクートリに相当する。

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ジャヨーシュニーシャチャクラヴァルティ

Jayoṣṇīṣacakravarti

シャラタンガ

Xaratanga

メソアメリカ西部、メキシコ盆地の北部と西部のパツクアロ湖畔(現ミチョアカン州)の住んでいたタラスコ人が信じていた月の女神。クリカウェリクェラウァペリの娘。新月、発芽、豊穣、成長そして食料を司る。古くからの豊穣の女神であり、その信仰の中心地はパツクアロ湖に浮かぶハラクアロ島だった。

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ジャリ

Jarri

ヒッタイトにおける疫病とペストの神。疫病が発生すると人々はジャリに救いを求める。またジャリは「弓の王」という名称で呼ばれることもあり、王たちを戦いにおいて助けるともいう。

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シャリム

Shalim

フェニキア神話において、最高神であるエルの子供で夕暮れの金星の神。「シャルム」とも。シャカルとは異母兄弟。古代都市ウガリトで発見されたラム・シャムラ文献によれば、エルが海に向けて波のように手を伸ばすと、2人の妻が受胎し、シャカルとシャリムが生まれたのだと述べられている。

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ジャン

Zhǎn

中国の少数民族、門巴(メンパ)族の原始宗教おいて三位のうち中位の神。他に高位の括、低位のがおり、いずれの人間に協力的な神で、白い姿をしているという。

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ジャンカウ

Junkgowa

オーストラリア北部、アーネムランド半島のウランパ族が信じる夢の時代(ドリーム・タイム)の存在。二人の姉妹ととその兄弟三人の五人をジャンカウと呼ぶ。宇宙に存在するすべてのものをドゥワ半族に属するものとイリチャ半族に属するものとに分けたとされる。ジャンカウは東のドゥワのブルラグ島から、明けの明星をたどって「太陽の地(現在のポート・ブラッドショー)」に上陸した。そこから野山を越えて歩く途中、姉妹が「ヤムイモ棒のランガ」(ランガとは杖であり男性のシンボル)を大地に突き刺すと水が沸いた。「木のランガ」を突き刺すと木々が芽吹いた。兄弟達は絶えず姉妹を妊娠させ、子宮から次々と子供を取り出した。最後に、ランガの紋章と「ナラ」の儀式を教えた。

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じゃんじゃん火

じゃんじゃんび

日本の奈良県で見られるという怪火。ジャンジャンという音を伴うのでこういう。奈良市白毫寺町にある白毫寺と大安寺の墓地から火の玉が一つずつ出てきて夫婦川のあたりで落ち合いもつれ合って飛ぶのだという。これは心中した男女を別々の墓地に埋葬してしまったからだという。また郡山市の佐保川に架かっている打ち合い橋にもじゃんじゃん火の伝説が残っていて、毎年六月七日になると東西から人魂が飛んできてジャンジャンと音を立てながら飛び回ったという。

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シャンルン

Zhang blon, Zhanglön

チベット仏教における独自のチョキョン(=護法神=ダルマパーラ)の一種。「シャン(Zhang)」は(国王を補佐した)外戚、「ルン(Blon, Lön)」は大臣を意味し、総じて国王の補佐をした者達の総称だが、護法尊の名前ともなった。シャンルンはヌージン(=ヤクシャ)に属するとされ、このため「ヌージン・シャンルン(gNod sbyin zhang blon, Nöjin zhanglön)=ヤクシャのシャンルン」とも呼ばれた。また別名を「デプン・ドルジェドゥートゥル(sDe dpon rdo rje bdud 'dul, Depön dorjé dündül)="金剛伏魔将軍"の意」といい、魔(ドゥー)、つまりマーラを調伏するヤクシャの大将だと考えられた。また一方でサンギャメンラ(=薬師如来)のタンカに眷属として描かれたため、病魔を退散させる護法神としても信仰されたことが分かる。

青黒色の身色で忿怒相の一面二臂像で、右手に宝珠か宝棒、左手に宝で満たされた瓶を持ち、供物をささげる妃の「ドルジェ・クントゥプマ(rDo rje kun 'grub ma, Dorjé kündrupma)」を伴う姿で描かれる。またドルジェ・クントゥプマのほかにも「ノルラ(Nor lha, Norlha)」、「グンポ(mGon po, Gönpo)」、「ドクネー('bRog gnas, dRok né)」、ヴァイシュラヴァナ(=毘沙門天)などの眷属を伴う場合がある。

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シュー

Shu

エジプト神話における大気の神で、ヘリオポリスの九柱神の一柱。神名は「空虚」、「上に支える者」などの意と考えられている。妻である湿気の女神テフヌトとともに、最高神レー(ラー・アトゥム)の口から唾もしくはくしゃみとして誕生した。エジプト神話の最初の夫婦神であり、後に二人はゲブヌートをもうける。レーのもとを去ったシューとテフヌトは、時が始まったその瞬間から存在するという深淵ヌンの探検に出かけた。レーは子供を失ったと思い大いに悲しんだ。それだけに2人が戻ってきた時の喜びはひとしおで、レーの目からうれし泣きの涙がほとばしり出たという。そしてこの涙から最初の人間が誕生した。シューはレーを継いで王位に上るが、アペプの崇拝者達の攻撃に絶えず悩まされていたためうんざりし、自分は天界に退き、息子のゲブに王位を譲った。

大気、ひいては大気の動きによってできる風や雲を司る神であり、さらに聴覚と人間の思考を支配する神であるとされる。レーは太陽の舟に乗って毎日空を回ることによって大地を照らすとされるが、レーに生命の息吹を吹き込んで毎日レーを生き返らせるのはシューの役目だとされた。大地であるゲブと天であるヌートを引き離す形で、大地(ゲブ)の上に立ち天(ヌート)を支えた姿で三神一体で描かれることが多い。トゥトアンクアメン王墓から発見された象牙製の枕はこのイメージを継承して枕を支えるシューの像がデザインされている。シューは普通人間の姿で描かれるが、レーの息子としてライオンの頭部を持つ獣頭人身の姿で描かれることもある。

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しゅ

Zhū

中国の伝承に登場する怪鳥。古代の地理書「山海経」によれば、南山の柜山という場所に棲んでいる鳶(とび)のような姿の鳥で、人の手のような足を持ち。「鴸」と(つまり自分の名で)鳴く。この鳥が現われると追放される人が増えるという。これは今でいうフクロウの一種だったと思われる。

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蚩尤 しゆう

Chī-yóu

古代中国において、炎帝神農の息子ないし子孫、あるいは宰相だったとされる神。神農が天帝を退いた後、次の王位を黄帝と争ったが敗北し、首を刎ねられた。荒ぶる神であり、悪霊や雨師、風伯を配下とする。戦争や全ての武器を発明した神であり、また踊りの名手ともされている。四つの眼と六本の腕、角のついた鉄の頭、槍のように鋭い髪の毛をもった姿で表され、その脚は牛の脚であったという。同じ姿をした兄弟が80人程いたとされている。また砂と石ばかりを食べるともされる。

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十一面観音 じゅういちめんかんのん

Ekādaśamukhāvalokiteśvara

仏教において数多く存在する変化観音(→観音菩薩)の一つで、千手観音とともに最初期に考えられた一尊。「十一面観世音菩薩(じゅういちめんかんぜおんぼさつ)」、「十一面観自在菩薩(じゅういちめんかんじざいぼさつ)」、「大光普照観音(だいこうふしょうかんのん)」とも呼ばれる。インド起源の変化観音の中でも古くから信仰されていたものの一つであり、名前はサンスクリットの「エーカーダシャムカーヴァローキテーシュヴァラ(Ekādaśamukhāvalokiteśvara)=略して"エーカーダシャムカ"とも」を訳したもの。音写では「翳迦娜舎目佉(えいかだしゃもくきゃ)」と記される。

本来の頭の上に冠のように小さな顔が集まってついているが、本来の頭を入れて十一面のものと、入れないで十一面のものとがある。この十一の顔は菩薩面、忿怒面、笑面などの様々な表情をとっており、仏の救済が多面的に行われることを象徴しているとされる。詳しくは十の面は因位(菩薩が修行中に経る中途の段階)の十地(じっち)を、残る最頂部の一面が仏果(修行が成就し成仏した結果)を象徴するものであるとか、三面ずつ九面で大空・大智・大悲の徳を、最頂部の一面で悲智不二の徳を表すなど、様々な解釈が説かれる。六観音の一人として阿修羅道の教化にあたるほか、胎蔵界曼荼羅では蘇悉地院に配される。

密号は「変異金剛(へんいこんごう)」、「慈愍金剛(じみんこんごう)」、種字は「ह्रीः(hrīḥ)」、「क(ka)」、「स(sa)」、印相は金剛合掌して指先を深く交えるもの、真言は「唵摩訶迦嚧尼伽莎訶(おんまかきゃろにきゃそわか)」、三昧耶形は軍持、開蓮華。

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十王

じゅうおう

中国、日本における独自の仏教信仰において、地獄にいるとされる死者を裁く十人の神の総称。中国の「預修十王生七経」や日本の「地蔵菩薩発心因縁十王経」に説かれる十王の固有名のほとんどは中国のものでありなおかつ道教と混交している。日本では閻羅王、つまり閻魔が、中国では泰山王つまり泰山府君がとくに重要視される。十王は一般的に笏を持ち道服を着た忿怒形であらわされる。

《『玉歴至宝鈔』における十王》
名称 説明 誕生日

第一殿

秦広王

人間の寿命と吉凶を決める。

2月1日

第二殿

楚江王

活大地獄、剥衣亭、寒泳地獄の主。

3月1日

第三殿

宋帝王

黒縄大地獄の主。

2月8日

第四殿

五官王

合大地獄、血の池地獄の主。

2月18日

第五殿

閻羅王

叫喚地獄の主。

1月8日

第六殿

卞城王

大叫喚地獄、枉死城の主。

3月8日

第七殿

泰山王

熱悩地獄の主。

3月27日

第八殿

都市王

大熱悩地獄の主。

4月1日

第九殿

平等王

阿鼻大地獄の主。

4月8日

第十殿

転輪王

各地獄からの報告で転生の区別を決める。

4月8日

※誕生日は旧暦によるもの。

《「仏説地蔵菩薩発心因縁十王経」における十王》
忌日 名称 本地

初七日

秦広大王太素好広真君

不動明王

二七日

初江大王陰徳定体真君

釈迦如来

三七日

宋帝大王洞明善静真君

文殊菩薩

四七日

五官大王広徳五霊真君

普賢菩薩

五七日

閻羅大王最勝耀霊真君

地蔵菩薩

六七日

変成大王宝粛昭成真君

弥勒菩薩

七七日

泰山府君玄徳妙生真君

薬師如来

百日

平等大王無上正度真君

観音菩薩

一周忌

都市大王飛魔演慶真君

阿閦如来

三回忌

転輪大王五化威霊真君

阿弥陀如来

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シュヴォド

Shvod

アルメニアにおける家事の精霊。冬は家の中に引き篭もっていて外に出てこない。春になっても家の中の暖かさになれ、シュヴォドはそのまま引き篭もってしまうので人々は家の壁を叩いてシュヴォドを家から追い出す。そうすると夏の間シュヴォドは外で仕事するという。

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鰼鰼 しゅうしゅう

Xí-xí

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている怪魚。「鰼鰼魚(しゅうしゅうぎょ)」ともいう。北山の涿光山を流れる黄河の支流である嚻水に生息する。鵲(かささぎ)のような姿の魚であり、また翼が10あり、羽の先に鱗がついているという。この魚は鵲(かささぎ)のような声で鳴くとされ、防火に用いることができ、食べると黄疸にならないという。山海経には他に文鰩魚蠃魚といった翼を持った魚が紹介されている。

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從從 じゅうじゅう

Cóng-cóng

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている生物。東山の栒状山に棲んでいる獣で、犬のような姿をしているが脚が6つ生えているという。自分の名で(つまり「從從」と)鳴くとされる。

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衆徳夜叉 しゅうとくやしゃ

Śatagiri

仏教において毘沙門天の眷属とされる夜叉で、八大夜叉大将の一人。サンスクリット名を「シャタギリ(Śatagiri)」といい、これを意味訳して「衆徳夜叉」、「威神大将(いしんたいしょう)」、ないし単に「衆徳(しゅうとく)」というほか、「娑多吉哩(しゃたきり)」、「娑多祁哩(しゃたきり)」と音写する。

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十二宮 じゅうにぐう

Rāśi

メソポタミアを起源とする横道十二宮の考え方がインドの天文学・占星術を元として密教にとりいれられたもの。サンスクリットでは「ラーシ(Rāśi)="宮"の意」、「ラーシチャクラ(Rāśicakra)="宮の輪"の意」などといい、十二宮のほか「十二房(じゅうにぼう)」とも呼ばれる。太陽の天球の通り道を星座の名の元に12分したものであり、それぞれの宮は吉凶や種々の物事と関連付けられている。十二宮はすべてが月天の眷属とされ、胎蔵界曼荼羅の外金剛部院に四方に分けて配されるほか、星曼荼羅にも見られる。

《十二宮》
方角 漢名 梵名
師子宮

シンハ

女宮

カニヤー

西 秤宮

トゥラー

西 蝎宮

ヴリシュチカ

西 弓宮

ダヌス

摩竭宮

マカラ

瓶宮

クンバ

魚宮

ミーナ

羊宮

メーシャ

牛宮

ヴリシャ

男女宮

ミスナ

蟹宮

カルカタカ

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十二神将

じゅうにじんしょう

日本仏教において仏法を守り、薬師経を読む者を守護するという十二の大将。薬師如来の眷属である夜叉の一群のこと。「十二夜叉大将(じゅうにやしゃたいしょう)」、「十二薬叉大将(じゅうにやくしゃたいしょう)」と呼ばれることもある。いずれも悪鬼、或いは恐ろしい形相の武者として描かれ、各々7000(あるいは700)の眷族を従えて、薬師如来の教えと、教えを志す人々を守護するといわれている。十二尊ということから昼夜十二時の護法神とされ、やがて十二支と関連付けられるようにもなった。このため、十二支の動物を冠に戴いている十二神将像もある。各々の十二神将は下に示すように十二支と関連していると考えられているが、その順番は諸説ある。また十二神将の殆どは持物(仏像の持っている物)が一定していないため、混乱したものとなっている。

《十二神将の名称と干支、及び本地》
名称 干支 本地

01: 宮毘羅大将

子/亥

弥勒菩薩

02: 伐折羅大将

丑/戌

阿弥陀如来

03: 迷企羅大将

寅/酉

勢至菩薩

04: 安底羅大将

卯/申

観音菩薩

05: 頞儞羅大将

辰/未

如意輪観音

06: 珊底羅大将

巳/午

虚空蔵菩薩

07: 因達羅大将

午/巳

地蔵菩薩

08: 波夷羅大将

未/辰

文殊菩薩

09: 摩虎羅大将

申/卯

大威徳明王

10: 真達羅大将

酉/寅

普賢菩薩

11: 招杜羅大将

戌/丑

大日如来

12: 毘羯羅大将

亥/子

釈迦牟尼仏

  • ※01:宮毘羅は「倶毘羅」とも書く。
  • ※02:伐折羅は「跋折羅」、「縛日羅」、「伐闍羅」とも書く。
  • ※03:迷企羅は「めいきら」とも読む。
  • ※04:安底羅は「あんていら」とも読む。
  • ※05:摩儞羅は「頞儞羅(あにら)」とも書く。
  • ※06:珊底羅は「さんていら」とも読む。
  • ※07:因達羅は「因陀羅」とも書く。
  • ※08:波夷羅は「はいら」とも読む。また「婆夷羅(ばいら)」とも書く。
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十二天

じゅうにてん

日本仏教において、八方を司る八方天に上方(天)・下方(地)と日月を加え十二尊としたもの。全ての天・竜や鬼神、星宿などを統べる力を持つとされる。

《十二天の各尊》
方位 名称(漢名・梵名)

帝釈天 シャクラ

東南

火天 アグニ

閻魔天 ヤマラージャ

西南

羅刹天 ラークシャサ

西

水天 ヴァルナ

西北

風天 ヴァーユ

毘沙門天 ヴァイシュラヴァナ

東北

大自在天 マヘーシュヴァラ

梵天 ブラフマー

地天 プリティヴィー

日天 アーディティヤないしスーリヤ

月天 チャンドラ
  • ※西南は涅哩帝王(ねいりちおう)/ニルリチ(Nirṛti)とされる場合がある。
  • ※東北は伊舎那天(いしゃなてん)/イーシャーナ(Īśāna)とされる場合がある。
  • ※下は堅牢神(けんろうじん)/ダラニーダラー(Dharaṇīdharā)とされる場合もある。
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住無戯論菩薩 じゅうむけろんぼさつ

Niṣprapañcavihārivajradhara

十羅刹女

じゅうらせつにょ

仏教において法華経と法華経の持経者を守護するとされる十人の羅刹女の総称。元々は人の精気を奪う鬼女であったが鬼子母神らとともに入仏し、心を改め神女となった。同じく法華経の守護者とされる普賢菩薩の眷属とされる。

《十羅刹女とされる十尊》
漢名 梵名

01

藍婆 ラムバー

02

毘藍婆 ヴィラムバー

03

曲歯 クータダンティー

04

華歯 プシュパダンティー

05

黒歯 マクタダンティー

06

多髪 ケーシニー

07

無厭足 アチャラー

08

持瓔珞 マーラーダーリー

09

皐諦 クンティー

10

奪一切衆生精気 サルヴァサットヴォージョーハーリー
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十六大菩薩

じゅうろくだいぼさつ

仏教において金剛界曼荼羅の四方四仏に侍る親近四尊を合わせた16尊の総称。成身会、微細会、供養会、降羯摩会(金剛薩埵を除く)に配される。また四印会では各方位の代表として金剛薩埵、金剛宝菩薩金剛法菩薩金剛業菩薩が配され、理趣会では金剛薩埵が主尊として中央に配される。

胎蔵界曼荼羅の金剛手院には、十六大菩薩のうち金剛薩埵、金剛王菩薩金剛牙菩薩金剛拳菩薩が配される。

《十六大菩薩》
方位 主尊 名称(漢名・梵名)

東輪

阿閦如来

01 西(上): 金剛薩埵

02 北(右): 金剛王菩薩

03 南(左): 金剛愛菩薩

04 東(下): 金剛喜菩薩

南輪

宝生如来

05 北(右): 金剛宝菩薩

06 東(下): 金剛光菩薩

07 西(上): 金剛幢菩薩

08 東(下): 金剛笑菩薩

西輪

阿弥陀如来

09 東(下): 金剛法菩薩

10 南(左): 金剛利菩薩

11 北(右): 金剛因菩薩

12 西(上): 金剛語菩薩

北輪

不空成就如来

13 南(左): 金剛業菩薩

14 西(上): 金剛護菩薩

15 東(下): 金剛牙菩薩

16 北(右): 金剛拳菩薩

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孰湖 じゅくこ

Shú-hú

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている、奇妙な生物。西山の崦嵫山にいる、人面獣身の馬のような姿の獣で、翼があり、また尾は蛇になっているという。人懐こい性格らしく、人を抱き上げるのが好きだという。山海経には他にも有翼で人面馬身の英招という神が記載されている。

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祝融 しゅくゆう

Zhù-róng

中国神話に登場する火の神。「山海経」などに言及される。天の四方のうち南方を、四季のうち夏を司る神とされ、人面獣身で二頭の竜の背に乗り天と地を分離したという。ある伝承では水神共工とどちらが強いかを決めるために力比べをし、見事に共工を打ち負かしている。これを恥じた共工が山に頭を打ち付けて自殺しようとしたところ、ひどい洪水が起きたという。

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シュクラ

Śukra, Sukra, Shukra

ヒンズー教において金星と金曜と司る神で「ナヴァグラハ(Navagraha=九曜)」の一人。名前は「鮮明さ」や「清らかさ」を意味する。

仏教では「戌羯羅(じゅつきゃら)」(宿曜経)と音写され、胎蔵界曼荼羅の外金剛部院(最外院)北方に配置される。

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執金剛神 しゅこんごうじん

Vajradhara, Vajrapāṇi

仏教における一尊。同字で「しゅうこんごうじん」とも読む。名前は雷神インドラの別称あるいはヤクシャの一人である、「ヴァジュラダラ("ヴァジュラ(金剛杵)を所有する"の意)」或いは「ヴァジュラパーニ("ヴァジュラを手に持つ)」を意味から漢字にしたもの。同じく意味訳から「持金剛(じこんごう)」、「金剛手(こんごうしゅ)」などと呼ばれる他、ヴァジュラダラの音訳より「伐折羅陀羅(ばさらだら)」、ヴァジュラパーニの音訳より「跋闍羅波膩(ばじゃらはじ)」とも呼ばれる。

如来の堅固の智を象徴する金剛杵をもって仏法を守護する護法神とされる。ただ、「執金剛」や「金剛手」などといった名称は、手に金剛杵を持つ仏尊(つまり胎蔵界曼荼羅金剛部院の諸尊)全ての総称として使われたり、十九執金剛の主尊である「金剛手秘密主(こんごうしゅひみつしゅ)」(=金剛薩埵)を指すこともある。「増一阿含経」などによれば密迹金剛と同体であり釈迦を護る脇侍であったが、寺院などの聖域を守護する神とされるに至って阿形(口を開けた像)と吽形(口を閉じた像)の二体で表されるようになり仁王と呼ばれるようになった。

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朱獳 しゅじゅ

Zhū-nòu

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている、凶兆とされる生物の一つ。東山の耿山に棲息している、魚のひれをもつ狐のような獣で、自分の名で(つまり「朱獳」と)鳴くという。この獣が現われた国は恐慌になるとされる。

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ジュジュ

Juju

かつて南ナイジェリアにおいて、呪物に宿るとされた悪魔。今は魔法やタブーを表す一般名詞として使われる。

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シュシュカムイ

 

アイヌにおいて柳を顕現体とするカムイ。柳は雌雄異株で女性の方を「カミレッタマッ」、男性の方を「カミレッタ」と呼ぶ。雌雄同株であるはずのハンノキを顕現体とするケネカムイも女性側と男性側の呼び方がそれぞれある。

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シューツ

Shutu

バビロニアにおける風の悪魔の一人。南風を吹かせるとされる。ただ悪魔といえ空の神アヌの配下なので神の命令で雨をもたらす良い風を吹かせることもあるという。シューツはエアの息子アダパに羽をもがれたことがある。アダパをからかおうと、アダパが舟に乗って釣りをしているとき風を吹かせて船を転覆させて怒らせたからである。

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出世螺

しゅっせぼら

日本の妖怪の一種。竹原春泉画の「絵本百物語」に紹介されているもの。山に潜り棲む巨大な法螺貝のことで、山に三千年、里に三千年、海に三千年過ごしたのち龍になるという。この話は中国で龍の幼体とされる蛟龍に起原を発すると思われる。出世螺は十分成長すると土中から現れ移動するが、この時の穴が残ることを「螺抜け(ほらぬけ)」という。「東京近郊名所図会」はこの螺抜けによって道灌山北側の崖が一部崩壊したと記録している。

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酒呑童子

しゅてんどうじ

日本において平安時代に京都の北西にある大江山(本当は今で言う老坂峠のことだったともされる)や、近江国(滋賀県)の伊吹山を根城にとしていたとされるの首領。「酒顛童子」、「酒天童子」とも書く。元々は鬼をよそおって財物、婦女子を掠奪した盗賊が伝説化されたもの。たびたび人里に下りてきては金品や食料を奪い、若い女性を自分の根城へと連れ去ったという。勅命により源頼光と、その四天王である坂田金時、卜部季武らが大江山で山伏の変装をして潜入し、酒呑童子とその手下が酔いつぶれるまで酒宴でもてなした。酔いつぶれたところで頼光が酒呑童子の頭をはねたところ、首が頼光の兜に噛み付いてきたが、渡辺綱と坂田金時が首の両目をついて、やっとのことでとどめをさしたという。

酒呑童子は大江山の捨て子だったとする説がある。つまり「捨て童子」が訛って「酒呑童子」になったのではないか、という説である。また酒呑童子を寺小僧とする説もある。「童子」とは出家しない幼童を指す言葉だが、出家せずに寺から逃げ出したためいつまでも「童子」なのだ、とする説である。また、伝説としては八岐大蛇の息子とされるときもある。これは時の権力に逆らった横暴な姿、酒によって殺された最後の姿において両者とも共通しているからであろう。

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シュトラーテリ

Strätelli

スイスの民間伝承における邪悪な女の森の精。二人組みでもう一人はシュトルーデリという。ルツェルン湖畔の森に住み、付近の果樹園や森の木にとりついて駄目にさせてしまう。このためルツェルン湖付近の村では、1月6日に騒がしく楽器を鳴らしたてて行進し、シュトラーテリとシュトルーデリを追い払う行事がある。

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シュナキ

 

奄美群島徳之島における妖怪、ないし怪異現象。シュナキとは「潮泣き」の意。夜、海で漁をしている時、物悲しい泣き声のような音が聞こえるといい、恐れられている。

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ジュニャーナ・ケートゥ

Jñāna-ketu

シュバル・バヤール

Le Cheval Bayard

フランスのノルマンディー地方に伝わる馬や人の姿で出現する怪物。川の土手や水溜り、湿地帯に生息する。馬の姿で現れた時は人間をそそのかしその背中に乗せるが、人間が腰を降ろした途端に水や藪の中に振り落とす。美しい若者の姿で人間の女性をたぶらかすときもあるという。

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シューピルティー

Shoopiltie

イギリスのシェットランド諸島やオークニー諸島に伝わる悪意ある水の精霊。「ショピルティー(Shopiltee)」とも呼ばれる。マン島のカーヴァル・ウシュタグラシュティン、或いはスコットランド地方のアハ・イシュケケルピーのように海辺に子馬の姿、或いは美しい青年の姿で現われる水棲馬のバリエーションの一つ。人間を巧みにそそのかして自分の背に乗せて海に引きずりこみ食べてしまうとされる。

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シュピンシュトゥーベンフラウ

Spinnstubenfrau

珠蟞魚 しゅべつぎょ

Zhūbié-yú

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている、奇怪な魚。東山の葛山を流れる澧水に多く生息している魚で、全体的には肺のような形状で、4つ目で6つ脚、(体内に?)珠を持つという。この生物は食べると甘酸っぱく、また癩(ハンセン氏病)の予防になるという。

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樹木子

じゅもっこ

「じゅぼっこ」とも読む。日本の古戦場後に生える樹木の妖怪。見た目は普通の樹木と変わらないが、いつも血に飢えていて、人間が下を通ると茂った枝を伸ばしてその身体にからみつき、血を吸うという。古戦場に染み込んだ大量の血を養分として育った木が樹木子になるといわれている。血を吸って養分を蓄えているため、樹木子となった木はいつまでも若々しい木のままであるとされる。樹木子は古い文献に見付からないため近年の創作である可能性が高い。

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シュラヴァナー

Śravaṇā

シュリーカー

Shrieker

イギリスのイングランド北部などに棲む森の妖精。森の中を旅人が通るとその後をつけ、パタパタと音をさせるが、振り返ったところで姿は見えないといわれる。その名前は「Shriek(甲高い悲鳴をあげる)」が語源となっており、シュリーカーの悲鳴を聞いたものは近いうちに死んでしまうとされる。

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シュル・ムミー

Šur-Mumy

ロシアのキーロフ地方に住むフィン=ウゴール語族のヴォチャーク(ウドムルト)族の伝承に登場する精霊。名は「川の母」を意味する。

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鵕鳥 しゅんちょう

Xùn-niǎo

中国において地理書「山海経」に見える怪神が死んでから蘇った姿。四角い嘴を持つトビに似た鳥の姿で、白鳥に似た声で鳴くとされた。凶の兆しとなる怪物の一つで、鵕鳥が出現すると大旱魃が起こるとされた。

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准胝観音 じゅんていかんのん

Cundī

仏教において観音菩薩が変化した姿、いわゆる変化観音の一つ。「準提観音」とも書く。また「じゅんてい」は「じゅんでい」と読むこともある。「准胝仏母(じゅんていぶつも)」、「准胝菩薩(じゅんていぼさつ)」などの名前でも知られる。名前はサンスクリット名である「チュンディー(Cundī)」を音から訳したもの。観音菩薩の女性的な側面を表すとともに金剛薩埵あるいは大日如来の化身の一つとされることもある。仏教諸尊の(超自然的な)母親とされ、70万もの仏が准胝観音から発生するとされることから、「サプタコーティブッダマートリ(Saptakoṭibuddhamātṛ)」、訳して「七倶胝仏母(しちくていぶつも。倶胝は十万のこと)」とも呼ばれる。姿は一定しないが一般的に多臂で、日本では三目十八臂で表されることが多い。その多くの腕に武器を持っており仏敵を追い払い仏法に励む者達を護るという。また母性を象徴することかから夫婦の円満や子宝、安産などを願う仏尊としても知られている。六観音の一人として人道(人間の世界)の教化にあたる。また胎蔵界曼荼羅では諸尊を発生させる力の象徴として遍知院に配される。

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シュンディ・ムミー

Šundy-Mumy

ロシアのキーロフ地方に住むフィン=ウゴール語族のヴォチャーク(ウドムルト)族の伝承に登場する精霊。名は「太陽の母」を意味する。

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女娃 じょあい

Nǔ-wá

中国神話や民話に登場する死後に鳥になった女性。中国の最古の地理書とされる「山海経」などに見える。女娃は炎帝神農の娘だったが、ある日東海に落ちて溺れ死んでしまった。死後の魂は鳥の姿「精衛」になり、ずっと西山の木や石を運んでは東海に落として海を埋めようとしているのだという。

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除悪趣菩薩 じょあくしゅぼさつ

Sarvāpāyajaha

仏教において菩薩の一尊で賢劫十六大菩薩の一。サンスクリット名を「アパージャヤハ(Apāyajaha)」ないし「サルヴァーパーヤジャハ(Sarvāpāyajaha)」といい、「(一切の)害を取り除く」といった意味があるため、「除悪趣菩薩」のほか、「除一切悪趣菩薩(じょいっさいあくしゅぼさつ)」、「滅悪趣菩薩(めつあくしゅぼさつ)」、「破悪趣菩薩(はあくしゅぼさつ)」、「捨悪道菩薩(しゃあくどうぼさつ)」とも呼ばれる。また音写では「阿波夜惹賀(あはやじゃか)」と称する。一切衆生のため、衆生が悪趣(地獄道や餓鬼道、畜生道など、悪行を重ねたものが死後に向かう悪道)に向かうことを防ぎ正道へ向かうように導く菩薩とされる。金剛界曼荼羅では檀外の東方(下側)の4尊のうち南(左)から二番目に配される。また胎蔵界曼荼羅では除蓋障院の上から二番目に配される。

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嫦娥 じょうが

Cháng-é

中国神話における月の女神。「姮娥(こうが)」とも表記する。羿の妻であり、羿とともに地上に降りたが、帝俊(=帝嚳)により夫ともども人間にされ不老不死でなくなってしまった。その後二人は西王母を頼り不老不死の薬を二人分手に入れたが、嫦娥が二人分を独り占めして飲み干してしまった。羿を裏切った嫦娥は天にも帰れず月に身を潜めていたが、その報いでヒキガエルになってしまい今でも月にいるのだという。

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青頸観音 しょうきょうかんのん

Nīlakaṇṭha

仏教における変化観音(→観音菩薩)の一種。サンスクリット名を「ニーラカンタ(Nīlakaṇṭha)」といい「青黒い首」を訳せるため「青頸観音」、「青頸観自在菩薩(しょうきょうかんじざいぼさつ)」などと呼ばれる。また音から「抳羅健詫観世音(にらけんだかんぜおん)」、「儞攞建制(にらけんせい)」とも呼ばれる。ニーラカンタとはインド神話のシヴァの異名の一つであり、乳海攪拌を成功させるため毒を飲み干した結果として、のどが青黒く変色したことに拠るもの。

三十三観音の一尊であり、左手に胸の前で蓮華を持ち、右手は上げ結跏趺坐した姿や、正面は慈悲相、右面は獅子、左面は猪の三面四臂で右手に錫杖と蓮華、左手に輪と螺を持ち八葉蓮華上に立った姿などで表される。

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穣麌梨童女 じょうくりどうにょ

Jāṅgulī

仏教において観音菩薩の化身とされる仏尊の一人。サンスクリット名を「ジャーングリー(Jāṅgulī)」といい、「蛇使い」を意味する。これを音写して穣麌梨童女、「襄麌利毒女(じょうくりどくにょ)」、「常瞿梨童女(じょうくりどうにょ)」、「常求利(じょうぐり)」、「襄麌利(じょうくり)」などと呼ばれる。雪山(ヒマラヤ)の北にある香酔山に住んでおり、鹿皮を着け種々の毒蛇を瓔珞としてまとわせているという。また毒蛇や毒虫などの様々な毒性の生物を引連れており、毒水を飲み毒性の果物を食べるという。人々が毒にあたることを防ぎ、また三毒(人心を毒する貪欲、瞋恚、愚痴の三つの煩悩)を除滅する仏尊とされる。その像容は緑色の身色の童女形の七面四臂で、右手第一手に三叉戟、第二手に三本の孔雀の尾を持ち、左手第一手は黒蛇を持ち第二手は施無畏印を結ぶ。

種字は「हूं(hūṃ)」、「ॐ(oṃ)」、「बुः(buḥ)」、「भुः(bhuḥ)」、印相は両手の小指を合わせ残りの指を広げて少し曲げるもの、真言は「唵阿枲爾賀吠戍攞爾賀吠嚩曰羅迦曳仡囉娑入嚩羅入嚩羅摩賀迦里摩賀喩祇湿嚩里曳唵頗隷普吒羅奚娑嚩賀吽発吒莎呵」、「樸娑嚩賀(ぼくそわか)」、三昧耶形は黒蛇。

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精螻蛄

しょうけら

日本において、庚申待(こうしんまち)の夜に、人々が行事の規則を守っているかどうかを見回ると言われる妖怪。庚申待とは三尸の難をよけるために帝釈天、青面金剛、または猨田毘古神を徹夜で祀るもの。鳥山石燕の「画図百鬼夜行」では、人々が規則を守っているかどうか、屋根の天窓から覗き込んでいる精螻蛄の姿が描かれている。その姿は逞しいのものであり、手の指は3本で鉤爪が生えている。規則を守ればこの鬼に罰を与えられると信じられた。

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上元一品九気天官紫微大帝 じょうげんいっぴんきゅうきてんかんしびたいてい

Shàngyuán yīpǐn jiŭqì tiānguān zǐwēi dàdì

上元一品天官賜福大帝 じょうげんいっぴんてんかんしふくたいてい

Shàngyuán yīpǐn tiānguān sìfú dàdì

竦斯 しょうし

Sǒng-sī

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている怪鳥。北山の灌題山に棲んでおり、雌の雉のような姿で首から先は人間のようだという。人を見ると飛び跳ねるという。自分の名で(つまり「竦斯」と)鳴くとされる。山海経では他にも瞿如人面鴞𩇯𪄀𪃑鳧徯といった人面鳥が紹介されている。

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囁耳人 しょうじじん

Nieerren

中国における伝承上の奇妙な部族。「古今図書集成」や「山海経」に記されている。恐ろしく長い耳を持っており、支えていないと歩いているうちに胴まで垂れ下がるという。また体に虎のような縦じまがあったという。

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星宿 しょうしゅく

Maghā

密教の宿曜道において二十八宿及び二十七宿の一つ。インドでは「マガー(Maghā)="潤沢"の意」と呼ばれ、星宿、「七星宿(しちしょうしゅく)」、「土地宿(とちしゅく)」、「摩伽天(まかてん)」と呼び、「莫伽(まか)」と音写する。また日本では「星(ほとおりぼし)」の和名を当てる。胎蔵界曼荼羅では南方(右側)に配され、像容は右手に赤珠の乗った蓮を持ち、左手は拳にして腰に当てる。

種字は「म(ma)」、「न(na)」、「रो(ro)」、真言は「唵沙伽莎呵(おんしゃかそわか)」、三昧耶形は蓮上星。

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狌狌 しょうじょう

Shēng-shēng

猩猩 しょうじょう

Xīng-xīng

日本や中国の伝承に登場する生物。「狌狌」とも書く。場所や時代によってさまざまな姿で語られるが一般的には山に棲む猿に似た姿の獣だとされる。たとえば、中国の地理書「山海経」の南山経には、猿のような姿で白い耳を持つ獣で、歩くときは四本足、走るときは人のように二本足で立つ。この獣の肉を食べれば速く走れるようになると記されているが、同じ「山海経」でも海内南経では人面で豚のような姿だとする。

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請召童子 しょうじょうどうじ

Ākarṣaṇī

仏教において文殊菩薩の眷属とされる文殊八大童子、文殊五使者の一尊。「しょうちょうどうじ」とも読む。サンスクリット名を「アーカルシャニー(Ākarṣaṇī)="誘う"、"引っ張る"の意」といい、「請召童子」のほか「召請童子(じょうしょうどうじ)」、「鉤召童子(こうちょうどうじ)」、「鉤召使者(こうちょうししゃ)」とも漢訳される。また音写では「阿羯羅沙尼(あからしゃに)」、と称する。衆生を菩提道に召請する徳を司る仏尊であり、胎蔵界曼荼羅では文殊院の南(右)第五位に配される。

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清浄比丘

しょうじょうびく

仏教において不動明王の眷属である八大童子の一尊。「清浄童子(しょうじょうどうじ)」とも称する。「八大童子秘要法品」に拠れば、宝波羅蜜すなわち福徳心から生じた使者で、比丘なのは比丘が「法宝(三宝の一つ。秩序や掟のこと)」をよく護るためだという。比丘姿で袈裟を着て、右手は五鈷杵を持ち胸の上に、左手は梵筴(貝葉の類)を持った姿で表される。

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𧕛 しょうだ

Shè-tuó

中国において最古の地理書とされる「山海経」に言及されているの神の一人。中山の岐山という山におり、三つ足で、四角い顔の人の姿をした神だという。

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招杜羅大将 しょうとらたいしょう

Catura Mahā-senāpati

仏教において夜叉の頭領の一人であり、薬師如来の眷属である十二神将の一人。サンスクリット名を「チャトゥラ・マハーセーナーパティ(Catura Mahā-senāpati)」といい、「照頭羅(しょうとうら)」とも訳される。「チャトゥラ(catura)」は「聡明」、「慎重」などの意味がある。大日如来を本地とし十二支のうち戌ないし丑の神とされる。

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勝仏頂転輪 しょうぶっちょうてんりん

Jayoṣṇīṣacakravarti

仏教において仏陀の頭頂の功徳を仏尊とした仏頂尊の一尊で五仏頂および八仏頂の一。サンスクリット名は「ジャヨーシュニーシャチャクラヴァルティ(Jayoṣṇīṣacakravarti)」ないし「ジャヨーシュニーシャ(Jayoṣṇīṣa)」といい、「ジャヨーシュニーシャ」には「勝利=ジャヤ(Jaya)」の「肉髻=ウシュニーシャ(Uṣṇīṣa)」、「チャクラヴァルティ」は「障害なく転がる(輪)」、「君臨し続ける」などの意味がある。このことから「勝仏頂転輪」という名のほか、「勝仏頂(しょうぶっちょう)」、「殊勝仏頂転輪(しゅしょうぶっちょうてんりん)」、「勝頂輪王菩薩(しょうちょうりんのうぼさつ)」などの名前でも呼ばれる。また「惹欲鄔瑟尼灑(じゃよくうしゅにしゃ)」と音写される。殊勝の大慧を司る仏尊とされる。胎蔵界曼荼羅において釈迦院下段右側二列目に配される。尊容は黄色の身色で左手に宝剣の乗った蓮華、右手に未開蓮華を持つ。

密号は「大尊金剛(だいそんこんごう)」ないし「無比金剛(むひこんごう)」、種字は「शं(śaṃ)」、印相は大恵刀印、真言は「曩莫三曼多沒馱喃苫惹欲鄔瑟尼灑娑婆賀(のうまくさんまんだぼたなんねんじゃよくうしゅにしゃそわか)」、三昧耶形は剣。

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𧌁じょうよう

Tiáo-yóng

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている凶兆となる生物の一つ。東山の独山を流れ漢江に注ぐ、末塗水という川に多く生息している。全体的に蛇のような姿だが、体は黄色く魚のヒレを持っており、川に出入りするとき光を放つという。この生物が現われた国は旱魃になるとされる。

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持瓔珞 じようらく

Mālādhārī

仏教において普賢菩薩の眷属とされる十羅刹女の一人。サンスクリット名を「マーラーダーリー(Mālādhārī="花輪を身に着けた者"といった意味)」といい、「持華(じけ)」とも意味訳される。本地は観音菩薩とされ肩に瓔珞を掛けた姿で表される。この瓔珞は四十一地荘厳を意味するという。

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青蓮華龍王 しょうれんげりゅうおう

Utpalaka-nāga-rāja

女媧 じょか

Nu-gua

中国の伝説上の人頭蛇体の女神。三皇(三皇五帝)の一人であり、同じく三皇である伏羲の妻(猫(ミャオ)族の神話上では伏羲の妹)。天を支える四本の柱が折れたとき、五色の石を練って青空の割れめを修繕し、大亀の足を切って、天を支える柱にしたとされる。また、女媧は人類創造の神といわれており、様々な神と一緒に人間を作ったとか、あるいは伏羲と二人で人類の祖になったとか、たった一人で泥をこねて人間を作ったとか様々な神話が残されている。また婚姻制度を整えたのも女媧だとされている。

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諸懷 しょかい

Zhū-huái

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている怪物。北山の北嶽山(恒山)にいて、四つの角、人のような目、猪の子の耳を持つ牛のような獣だという。雁のような声で鳴き人を食べるとされる。

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除障仏頂 じょがいぶっちょう

Vikiranoṣṇīṣa

仏教において仏陀の頭頂の功徳を仏尊とした仏頂尊の一尊で五仏頂および八仏頂の一。サンスクリット名は「ヴィキラノーシュニーシャ(Vikiranoṣṇīṣa)」といい、「ヴィキラナ」には「粉々に砕く」、「ウシュニーシャ」は「肉髻」といった意味があり、「除障仏頂」という名のほか、「捨除仏頂(しゃじょぶっちょう)」、「除一切蓋障仏頂輪王(じょいっさいがいしょうぶっちょうりんのう)」、「除業佛頂(じょごうぶっちょう)」、「摧砕仏頂(さいさいぶっちょう)」、「尊勝仏頂(そんしょうぶっちょう)」などの名前でも呼ばれる。また「尾枳囉拏半祖鄔瑟尼灑(びきらなはんそうしゅにしゃ)」と音写される。一切の煩悩を捨除する徳を司るという。胎蔵界曼荼羅において釈迦院下段左側四列目に配される。尊容は現図では黄色の身色で、左手で独鈷杵の乗った蓮を持ち、右手は中指以外を立て胸に当て赤蓮華に坐す。

密号は「除魔金剛(じょまこんごう)」、「降魔金剛(ごうまこんごう)」、種字は「ह्रीं(hrīṃ)」、「हृं(hṛṃ)」、「ह्रूं(hrūṃ)」、印相は鉤召印、真言は「曩莫三曼多沒馱喃訶啉尾枳囉拏半祖鄔瑟抳灑娑婆賀(のうまくさんまんたぼだなんかろんびきらどはんそうしゅにしゃそわか)」、三昧耶形は金剛鉤ないし蓮華鉤。

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燭陰 しょくいん

Zhu-yin

中国の神。「燭龍(しょくりゅう)」とも呼ばれる。北方鍾山あるいは章尾山の神。両目の一方が太陽でもうもう一方が月だという。あるいは、目を開けば世界は昼になり、目を閉じれば夜になり、息を吹けば冬になり、吐けば夏になったともいう。身の丈は一千里で、人の顔を持ち目は縦についていて、胴体はヘビ、色は赤いという。食べる、寝る、呼吸するといったことをしない。

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諸犍 しょけん

Zhū-jiān

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている奇妙な生物。北山の単張山にいる、豹のような姿の獣で、長い尾と牛の耳を持ち、首から先は人間のようだが目は一つしかないという。何故かは分からないがよく舌打ちをするとされる。歩くときはその長すぎる尾を咥えて歩き、休む時は巻いているという。

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初江王 しょこうおう

Chū-jiāng wáng

仏教や道教において地獄で審判を行うとされる十王のうち、二七日の審判を司るとされる仏尊。「初江大王陰徳定体真君(しょこうだいおういんとくていたいしんくん)」、「楚江王(そこうおう)」とも呼ばれる。地獄の前に流れる三途の川の初めにいるがために「初江」と称するとされ、本地を釈迦如来とし、忿怒相で表される。

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女宿 じょしゅく

Śravaṇā

密教の宿曜道において二十八宿及び二十七宿の一つ。「にょしゅく」とも読む。インドでは「シュラヴァナー(Śravaṇā)="耳"の意」と呼ぶ。女宿、「耳聡宿(じそうしゅく)」、「沙栴宿(させんしゅく)」、「寂天(じゃくてん)」、「寂母天(じゃくもてん)」と訳されるほか、「室羅末拏(しらまな)」、「失羅波那(しらはな)」、「失羅婆(しらば)」と音写する。また日本では「女(うるきぼし)」の和名を当てる。胎蔵界曼荼羅では西方(下側)に配され、像容は左手に赤珠の乗った蓮を持つ。

種字は「श्र(śra)」、「न(na)」、「रो(ro)」、真言は「唵失羅縛那莎呵(おんしらばなそわか)」、三昧耶形は蓮上星。

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ショチケツァル

Xochiquetzal

ショチピリの姉妹ないし女性配偶神で、アステカの開花期と実り多い大地の神。字義は「羽毛に覆われた花」、「羽が豊かに生えた花」、詩的には「尊い花」といった意味。愛と美、従順さと花々を擬人化した女神で、女性の性的な力を象徴する。アステカ人はこの女神を肉体的愛の女神とし、子供を授けてくれる者とみなした。さらにアステカの未婚戦士や銀細工師、彫刻家、絵描き、職工などの愛人ないし売春婦(アニアニメ(anianime)やマキ(maqui)と呼ばれていた)の守護神であった。ある面ではトシトラソルテオトルとも関連していたが、これらの女神との相違点は、ショチケツァルが永遠に若く美しい女神だったことにある。コデックス(絵文書)では、ショチケツァルは2つの大きなケツァル(カザリキヌバネトリという緑の美しい羽を持つ鳥)の羽飾りをつけて描かれている。アステカの暦日(センポワリ)では20番目の「ショチトル(花)」を司っていた。

神話においてはトラロックの最初の妻であったが、テスカトリポカによって誘拐されたとされている。ショチケツァルはまた地下世界ともかかわり、死者の祭りではキンセンカを捧げられて祀られた。伝承によればケツァルコアトルによる平和的な支配の時代と第2の太陽の時代に、美しさと花の贈り物と青々した緑とで大地を飾り立てたという。アトラトナンウィシュトシワトルシローネンとともに4女神の一翼をになっていた。これらの女神を演じる処女たちは、テスカトリポカ役に選ばれた若い戦士と一年間夫婦となり、この戦士はトシュカトル(テスカトリポカをたたえる特別な祭儀がある日)には生贄にされた。ショチケツァル役の女性もまた生贄にされ、生皮をはがれた。そしてその皮をかぶった神官は、職人たちが猿やジャガー、ピューマ、犬、コヨーテなどの格好をして周囲を踊る間、機を織るまねをした。一方、信者たちは舌から血を滴らせながらショチケツァル像に罪を告白し、これによっておぞましい儀式を終え、最後に儀礼的な入浴をして罪の償いをした。

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ショチピリ

Xochipilli

メソアメリカ中央部の善神。名前は「花の王」を意味し、「ショチピルリ」と発音することもある。花と魂の神として、また夏の象徴として、若々しいトナティウの姿をとる。若い太陽神ピルツィンテクートリの恵み深くやさしい側面を表すという。ピルツィンテクートリとともにアステカの夜の9つの時間を表すヨワルテウクティンの3番目であり、またアステカの暦日(センポワリ)の11日目である「オソマトリ(猿)」をつかさどる。また、センテオトルとも関係があり、「シンテオトル=ショチピリ」(トウモロコシ=花の王)の姿をとると、トナルテウクティン(昼の神々)の7番目となる。この神は外皮を剥ぎ取られた花で象徴される霊魂であり、赤ら顔の人物の姿をとる精霊としても表現される。トウモロコシ(メイズ)の収穫を保証するシンテオトル=ショチピリに対して人々を熱心に信仰した。また、アステカの官能の神アウィアテオトルは彼の化身である。

ショチピリは兄弟であるイシュトリルトンや、マクウィルショチトルとともに、健康と快楽と幸福を司る三柱を構成する。ショチピリがアステカの暦日(センポワリ)のうち11番目のオソマトリ(猿)を司るのは、こういった男性的な豊かさを象徴することに関係していると考えられる。ショチピリや他の同類の神々をあがめる儀式や祝祭では、大量のプルケ酒(リュウゼツランの一種から作られるアルコール飲料)が消費されたという。さらに、ショチピリはその配偶神、あるいは姉妹とされるショチケツァルとともにメキシコ盆地南部と西部の湖、とくにショチミルコのチナンパ(湖を区切り泥を中にためた田んぼ)住民に人気があり、その神像は花や蝶などで飾り立てられた。

おそらく古い先古典期から古典期にかけて汎アメリカ的に崇拝されていた神、つまり古典期の都市テオティワカンでとりわけ信仰され、肥満神として知られた神にとって代わったものだと考えられる。これはサポテカではキアベラガヨに相当する。

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ショック

Shock

イギリスイングランド東部のサフォーク地方に出現する妖精の一種。いたずら好きな妖精ボギーの仲間で、普通はロバか馬の姿であらわれるという。ショックという名のとおり、人を驚かせたり恐怖を起こさせるのが大好きで、そのためならば人々の集まる葬式の時に幽霊の姿で出現したりする。捕まえようとするのはとても危険で、そんな人間には噛み付いて抵抗するし、噛み付かれた傷は一生消えないといわれる。

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ショナシ・ケクヤ

Xonaxi Quecuya

峡谷サポテカにおいて死と地下世界を司る女神。夫であるコキ・ベセラオをともにミトラの町特有の神だった。山岳サポテカでは「ショナシ・グアラパグ(Xonaxi Gualapag)」、南部サポテカでは「ショナシ・ウィリア(Xonaxi Huilia)」と呼ばれた。

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ジョナジ・ベラチナ

Jonaji Belachina

サポテカ南部のコアトランにおける女神。コアトランの主神ベネラバの配偶神であり、ベネラバが太陽神で戦いの神であり、男性のみに崇拝が許されるのに対応して、ジョナジ・ベラチナは死と地下世界の神であり女性のみ崇拝が許される。「三匹の鹿」を意味する「ショナシ・ペオチナ・コヨ(Xonaxi Peochina Coyo)」という別名がある

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ショーニー

Shoney

スコットランドの北西に位置するルイス島において古くから信仰されていた海の精霊。「ショニー(Shony)」ないし「スポニー(Spony)」とも呼ばれる。特に畑の肥料とするための海藻の豊作を願うために、毎年ショーニーにビールが供える儀式がハロウィーン(10月31日)に行われていた。ショーニーはデイヴィ・ジョーンズの起源に関連しているという説がある。

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𩶯じょひ

Rú-pí

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている、奇妙な魚。西山の鳥鼠同穴山を流れる濫水に生息する。銚子を伏せたような形をしていて、ヒレや尾は魚だが首から先は鳥のようだという。磬石(けいせき=鳴石)の音のような声で鳴き、珠玉を生むとされる。

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ショフティエル

Shoftiel

「マセケト・ガン・エデン&ゲノヒム(Maseket Gan Eden and Gehinnom)」に言及される7人の懲罰の天使の一人。名前は「神の裁き」を意味する。

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除憂闇菩薩 じょゆうあんぼさつ

Sarvaśokatamoghātamati

仏教において菩薩の一尊で賢劫十六大菩薩の一。サンスクリット名を「サルヴァショーカタモーガータマティ(Sarvaśokatamoghātamati)」といい、「一切の悲哀と闇を消す知性」といった意味から、「除憂闇菩薩」のほか、「除一切憂冥菩薩(じょいっさいゆうみょうぼさつ)」、「除一切憂悩菩薩(じょいっさいゆうのうぼさつ)」、「除憂冥菩薩(じょゆうみょうぼさつ)」、「除憂暗菩薩(じょゆうあんぼさつ)」などの名で呼ばれる。また音写では「薩嚩戌迦怛母儞㗚伽多摩跢曳(さつばじゅかたもにりかたまたえい)」と称する。智の光をもって一切衆生の憂いや悩みを摧破する菩薩とされる。金剛界曼荼羅では檀外の東方(下側)の4尊のうち南(左)から一番目に配され、また胎蔵界曼荼羅では地蔵院の最上段に配される。

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ショールム

Sjøorm

ノルウェーの伝承や伝説に登場する巨大な蛇。地上の蛇として卵から孵ったが、食欲旺盛で成長が止まらず、地上では獲物が見つからなくなったため、海にその棲みかを移したという。海でもその食欲は止まらず成長を続け、もはやショールムは怪物的な大きさになっているとされる。

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女郎蜘蛛

じょろうぐも

日本の妖怪。「絡新婦」とも書く。実際に存在するクモの名前だが、この場合の女郎蜘蛛は女の大蜘蛛の妖怪で、昼は美女の姿だが夜は本性を表し、小さな蜘蛛になる青い煙を吐いて人間に取り付き、生き血を吸うという。他にも武士に結婚を迫ったり、子供連れの女に化けたりした例もある。

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ショロトル

Xólotl

メソアメリカ、アステカにおいて、宵の「明星」たる金星を象徴する神。名前は「犬のような動物」を意味し、一日の終わりに太陽を暗闇へと押し下げる役目をになっていた。明けの「明星」としての金星を象徴するケツァルコアトルトラウィスカルパンテクートリの化身、ないし双子の兄弟とされる。アステカの20ある暦日(センポワリ)の17番目「オリン(Ollin=動き・地震の意)」を司る。また祭祀暦において第16週のコスカクアウートリ週を司り、「4のエヘカトル」、「1のオリン」、「5のマサトル」、「2のカリ」はショロトルを祀る祭日とされた。

人間の体に犬の頭を持ち、眼は大きくギラつき、足は後ろ向きに彎曲した姿で表現され、異形と不幸の神とされた。その目は改悛のしるしと解釈されている。創世神話のひとつによれば、第4の太陽の時代に生きていた人々の骨を拾い集めるために地下世界ミクトランに向かうケツァルコアトルの相棒として道案内をした。また他の神話によれば、ショロトルが神々の元に持ち帰った骨に血を振り掛けるとそこから男児と女児が生まれ、ショロトルは二人にアザミのミルクをあげて育て、やがてこの二人は今の人間の祖となったという。ショロトルは、伝説に登場するチチメカの指導者の呼称でもある。

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ジョン・バーリーコーン

Jhon Barleycorn

イギリスのイングランド・スコットランド地方の民間伝承における大麦とそれを原料としたビール、またビールにおける酩酊を司る精霊。アルコール一般を擬人化して呼ぶ際この名前が用いられることがある。ジョン・バーリーコーンは民謡や伝統的な乾杯のコールに見ることが出来る。「バーリーコーン(Barleycorn)」は大麦のこと。米国で禁酒法が制定された時、「ジョン・バーリーコーンの死」と揶揄された。

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ジョンボル

Jombol

オーストラリアの先住民族、アボリジニーの信仰において、竜巻の精霊コンパーニンの三人の息子の一人で海風の精霊。昼はコンパーニンの首飾りの貝殻の中に閉じ込められているが、夜になると解き放たれ、人間の姿で踊るという。

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不知火

しらぬい

九州の八代海と有明海で旧暦七月晦日の真夜中に出現する怪火(あやしび)の一種。海岸から数kmの沖に、最初は一つ二つ「親火」といわれるものが出現する。それが左右に別れて数を増やし、最終的に数百個から数千個の光が横に並ぶ。その左右の距離は4~8kmにも及ぶという。この怪火は古くから存在し、日本書紀の景行一八年五月の条において、景行天皇九州巡幸の際、航行中に日が暮れたが火影に導かれて岸に着くことができたと書かれている。この現象は、夜光虫、燐火、漁火などの諸説があるが、空気の疎密の差による光の屈折現象によって遠い漁船の火が見えるのだろうという説が有力である。

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白日別

しらひわけ

記紀神話における地霊。伊邪那岐命伊邪那美命による国産みの際生まれた14島の4番目で大八島に属する筑紫島のうち、筑紫国(つくしのくに)つまり現在の福岡県辺りを神格化した存在。神名の「白日(しらひ)」は恐らく「白く輝く太陽」といった意味だろうが、筑紫国に何故この神名を当てたかは不明。

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シラリュイ

Schilalyi

放浪民族ロマニー族(ジプシー)の民間信仰に登場する女の悪魔。多数の小さな足を持つ虫のような姿をしているとされる。妖精(ケシャリイ)達の女王であるアナが悪魔族ロソリコ達の長たる魔王に騙され、死んだ鼠と魔王の唾から作られたスープを飲んだ時、吐き出したものがシラリュイとなった。シラリュイは人間の体を這いまわり悪寒や発熱をもたらすとされる。

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カムイ

 

アイヌにおいてメカジキを顕現体とするカムイ。シリカプはアイヌ語でそのまま「メカジキ」を意味する。力強い男性のカムイであり、クマのカムイであるキムンカムイと同じように、漁でメカジキが獲れた際には礼拝とイナウ(御幣)が捧げられ、再び「アイヌモシリ(=人間の世界)」に来てもらえるように祈念された。これは陸におけるクマと同じように、メカジキが大きくて獰猛であり、獲ることが難しいが、その巨体ゆえ一尾で多くを得ることができるため、尊敬と畏怖の念を持たれたためである。

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カムイ

 

アイヌにおいて、樹木を顕現体とするカムイ。樹木という存在そのものを顕現体とする。シカムイは女性と考えられたが、シカムイの頭領である「パカムイ」は男性と考えられた。個別に樹木を顕現体とするカムイは他にいて、例えばハンノキのケネカムイ、柳のシュシュカムイなどがいる。

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喜利媽々 シリママ

Xĭlìmāmā

中国の新疆ウイグル自治区に住む古代中国錫伯(シボ)族における家族の守護神。子供が生まれるたびに、弓矢や細い布切れを喜利媽々の像に飾る習慣があり、像そのものが家族数や世代数の記録となる。

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シルヴァーニ

Silvani

イタリアに伝わる森の妖精。ローマ神話の神シルヴァヌスに由来する。上半身が人間、下半身はヤギの姿で、手には長い鉤爪がついており、熊や狼、或いは牡牛の毛皮を纏っている。同じような姿をしているファウヌスよりも大きいとされるが、滅多に人前に姿を現さないという。シルヴァーニの女性形は「アグアーネ(Aguane)」あるいは「シルヴァーネ(Silvane)」とされ、子供はフォレッティになるという。

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シルキー

Silky

イギリスの北部イングランド地方に棲む女の妖精の一種。妖精であるブラウニーと亡霊の中間的な存在とされる。灰色か白の絹のドレスを着ていて、シルキーが動き回ると、(姿が見えないときでも)ドレスの衣擦れの音がするという。特定の家に棲み付いて、掃除や暖炉の手入れなどの家事を手伝ってくれるので、大きな館に少人数で暮らしているような家族にとってはありがたい妖精だといわれる。自分が慣れ親しんだ家に気にいらない人間が住むようになると、夜中に寝具をがたがたさせたり、天井裏で暴れたりして追い出してしまうという。

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シールト

 

シベリアで信じられている、病などを起こす悪魔。村の新参者の家に入り込んで、夜になると音を立てたり、病気を振りまいたりして人々を困らせるという。人々は、このようなシールトが起こす災いから逃れるために、その家の周囲に柱を立てる。そうするとシールトは悪戯を止めておとなしくなるという。しかし、何か災いがあると、村人は魔女の婆さんに相談してシールトの柱にロウソクを捧げるようになった。そうして、柱に明かりがついているのを見つけると、他に人が新しく柱を建てるようになった。もちろん、シールトが住んでいた家の住人は、シールトが戻ってくるのを恐れて柱を壊そうとはしない。やがて村人は、ロウソクを捧げるだけではなく、森の中で生贄を捧げるまでになった。このようなことをするのは男よりも女が多かったという。

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シルフ

Shylph, Sylph

ヨーロッパにおける精霊の一種。エレメンタル(四大精霊)の一種族で「風」を司る。「シルフィード(Sylphid)」と呼ばれることもある。」「この世の物質は地・水・火・風の四大元素からできている」という考えに基づき、16世紀の錬金術師パラケルススは、これらの四大元素のそれぞれに固有の精霊が棲んでいると考えた。このうちシルフは風を司る精霊であり、本来は人間と精霊の中間的な存在だとされていたが、風の中を飛び回るイメージから浮気っぽくて決して老いることのない女性の精霊と考えられるようになった。

人間より背が高く力も強く、移り気でその性格は信頼できない。純潔なまま死んだ男女の魂が変化してシルフになるとも考えられ、この場合処女或いは童貞のまま死んだ人は、来世でシルフ達と楽しく交際できるとされた。

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ジルムン

 

奄美群島徳之島において、夜道に現れて人の股をくぐるという妖怪。雨すだれ(軒下)に埋められた子供の霊が化けたものだとされることもある。股をくぐられた人は死んでしまうので、足を交叉させながら歩かなければならない。奄美本島では「ジノムン」と呼ばれ、黒い子豚の姿をしている。「千連れ」とも呼ばれ、薄暗い寂しい場所に千匹もの集団で現れ、注意しないと人間の股間に飛び込んでくるという。

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四霊獣 しれいじゅう

Sì-líng-shòu

中国において4種類の獣をそれぞれ支配する4つの霊獣のこと。単に「四霊(しれい)」とも呼ばれる。具体的には「鱗蟲(りんちゅう="鱗を持つ生き物、つまり魚類など")」を支配する応竜、「羽蟲(うちゅう=羽のある獣、つまり鳥類)」を支配する鳳凰、「毛蟲(もうちゅう="毛のある生き物、つまり哺乳類")」を支配する麒麟、「甲蟲(こうちゅう="殻を持つ生き物、亀や虫類、甲殻類、貝など")」を支配する霊亀の四つ。これら四霊獣は瑞獣(吉兆として現れる霊獣)であり、徳の高い人物が生まれたときなどに現れるという。

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シレウェ・ナザラタ

Silewe Nazarata

インドネシアのニアス島で信じられている、全ての生命を象徴する女神。至高神ロワラニの妻。月を住処としており、「恐れられるもの」という別名を持つにも関わらず、人々を助ける神である。別伝では夫ロワラニの傍らに座す。

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𤜣しろう

Yǐ-láng

中国において最古の地理書とされる「山海経」に言及される、凶兆とされる獣の一つ。中山の蛇山という山に棲んでいる、長い耳と白い尾を持った狐のような獣だという。この獣が現れた国は戦に見舞われるとされる。

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シロエイ

 

ニューギニア西部のイリアン・ジャヤ地域に住む、ワロペン族の信じる蛇神。ヌアウィラコイという娘が川原で水を飲もうとした時、間違って蛇の卵まで飲み込んでしまった。これにより娘が妊娠し、生まれたのがシロエイである。男達はシロエイを殺そうとしたが、ヌアウィラコイはそれに逆らい、皿の中でシロエイを育てた。大きくなったシロエイはマングローブの林に貝を採りに来た女たちを襲おうとしたが、何人かは水に飛び込んで助かり、逆にシロエイは捕まえられて細切れにされ、料理にされた。しかしその肉を食った村人はみな毒に当たって死んでしまったという。

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シローネン

Xilonen

メソアメリカにおける若々しい豊穣の女神。とくに植物と穂軸を含む若いトウモロコシを司る女神。若く柔らかいトウモロコシ(=シローネン)、成熟したトウモロコシ(=シンテオトル)、年をとり乾燥したトウモロコシ(=チコメコアトル)という生命周期の一部を担っている。360日暦の18暦日の6番目「トシュカトル(Toxcatl=渇いたもの)」の祭礼においては、テスカトリポカの役を演じる選ばれた若い戦士が生贄にされるまでの一年間、女神の名を冠された4人の処女が彼の妻となったがシローネンはその一人だった(他はアトラトナンウィシュトシワトルショチケツァル)。また、テノチティトランでは特別な若い処女たちがシローネンに奉仕していた。

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シワコアトル

Cihuacóatl

アステカにおいて、特に西の方角と関わる地母神。名前は「蛇の女」を意味する。シワコアトルの善なる性格を象徴する化身であるトナンツィンは、人類の母であり、またシワコアトルの化身の一つとされるコアトリクエは、戦神ウィツィロポチトリの母であり最高地母神とされる。人類の創世神話においては、テスカトリポカが地下世界ミクトランから持ち帰った第4の太陽の時代の人類の骨を粉状にひき潰したのがシワコアトルで、この骨は特別な粘土性の壷に収められ、神々の血と混ぜられ、この練り粉から今の人類が作られたという。

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シワテテオ

Cihuateteo, Ciuateteo

アステカにおいて、お産で命を落とした女性の霊魂を指す名称。「シワピピルティン(Ciuapipiltin)」の名で呼ばれる場合もある。骸骨の頭と鍵爪の生えた足をもった姿で描かれる。彼女らは西の果てにあると言う「シンカルコ(Cincalco=トウモロコシの家の意)」と呼ばれる世界に住んでいる。彼らの役目は戦死した人間の救済であり、戦場で倒れた者はシワテテオ達の手によって東の果てにある戦死者の世界に運ばれた。この戦死者の世界やシンカルコは自然死によって行く冥界「ミクトラン(Mictlán)」とは明確に区別された。これは戦死とお産による死亡がアステカでは同等に名誉ある死に方だと見なされていたからである。シワテテオたちの守護神はシワコアトルとされ、呪術者や医者によって崇拝されたが、地上に降りてきて不幸や災いをもたらすこともあったという。

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シワンナ

Shiwanna

ネイティブアメリカンの一部族、プエブロ族における雨の精霊。「クラウド・ピープル(Cloud people)=雲の民」とも呼ばれる。四人いて、それぞれ宇宙の四隅にいて色が違うという。また人間の生活圏に湖や山々といった自然現象として現れたり、或いは死者の魂と関連付けられたりする。

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シン

Sin

世界史上最古に分類される都市ウルで信仰されていた月の女神であり、シュメールの神々の王であったエンリルの最初の子とされる。エンリルがニンリルをレイプした結果、冥界においてシンが生まれたとされる。シュメールにおいては、月を司るとともに大地と大気の神として信仰されていた。またその性質から暦を司る神として認知されており、同時に月に由来する神に多い農耕神としての側面を有していたと思われる。

暦の神としてのシンは、「遠い日々の運命を決める」力を持っていたといわれ、彼の練る計画を知り得た者はいないとされた。そのためか、シンに捧げられる礼拝は一神教的な傾向を示していたという。「旧約聖書」の創世記にはウル、ハランの両都市でシンと思われる月の神が信仰されていた、と書かれている。またアラビア半島ではシンは多くの称号と異名を持って信仰されていた。配偶神は偉大な女神とされる「ニンガル(Ningal)」で、シャマシュイナンナ、火の神「ヌスク(Nusku)」の父とされる。

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しん

Shen

日本や中国において、蜃気楼の原因とされた大蛤(はまぐり)の妖怪の一種。「シン」とは大蛤、「気」とは息のこと、「楼」とは楼閣(高い建物)という意味で、蜃気楼は巨大な蛤が気を吐いて描いた楼閣だから、その場所に行っても何もないのだと考えられた。

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ジン

Djin, Djinn, Jinn, Jin

アラビアにおける精霊の総称。語義は「憤怒した」、「取り憑かれた」といった意。イブリースという天使の子孫だと言われ、霊鬼、魔神などと訳される。「アラビアンナイト」に登場するランプに棲む精もジンの一種である。実態はなく、出現する時は煙のような気体として現われ、そのあとで人や巨人、動物など色々な姿をとる。空を飛んで天界に行くことも可能で、その気になれば人の望みを何でもかなえられるという。アラビアの精霊を五階層に分け、上位のものからマリードイフリートシャイターン、ジン、ジャーンと呼ぶこともある。

イスラム教においては人間と天使の中間的存在と考えられるようになり、イスラム教の教理に背くジンは悪いジンに、イスラム教を信仰するジンは魂を救済され美しく善良なジンになるとされた。

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秦広王 しんこうおう

Qín-guǎng wáng

仏教や道教において地獄で審判を行うとされる十王のうち、初七日の審判を司るとされる仏尊。「秦広大王太素好広真君(しんこうだいおうたいそこうこうしんくん)」とも呼ばれる。本地を不動明王とし、人間の寿命と吉凶を決めるとされる。法衣と法冠を身に着け、慈悲相で表される。

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シンジェ

gShin rje, Shinjé

チベット仏教におけるヤマ(=閻魔)であり、怒りの執行者「ダクシェ」の一員とされる護法尊。「シンジェ」は「死の王」を意味し、他に「チョギェル(Chos rgyal, Chögyel="法王"の意)」、或いは「シンジェチョギェル(gShin rje chos rgyal, Shinjé chögyel)」とも呼ばれる。シンジェは主に「チョギェル・チドゥプ(Chos rgyal phyi sgrub, Chögyel chidrup="外成就法王")」、「チョギェル・ナンドゥプ(Chos rgyal nang sgrub, Chögyel nangdrup="内成就法王")」、「チョギェル・サンドゥプ(Chos rgyal gsang sgrub, Chögyel sangdrup="秘密成就法王")」三種類の姿で信仰されている。

「チョギェル・チドゥプ(外成就法王)」は人間を踏み敷いた水牛の背の上で立ち上がった一面二臂、青黒色の身色、角を生やした水牛の頭で、男根を勃起させ、傍らに妹で妻でもある「シンジェイシンモ(gShin rje'i sring mo, Shinjé singmo)」を配す。この二尊は裸で描かれ、ヤブユム像をとることもある。

「チョギェル・ナンドゥプ(内成就法王)」は死体の上に立ち上がった一面二臂、青黒色の身色、三目の羅刹の顔で、右手にカルトリ(曲刀)を、左手にカパーラ(髑髏杯)を持った姿で描かれる。「チョギェル・サンドゥプ(秘密成就法王)」は水牛の背に乗り水牛の頭を持つ一面二臂、赤い身色で描かれる。

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シンジェシェ

gShin rje gshed, Shinjeshé

チベット仏教における忿怒尊の一種でダクシェの一人。名前は「シンジェヤマ)の敵対者」を意味する。サンスクリットの「ヤマーンタカ(Yamāntaka)」の訳であり日本や中国でいう大威徳明王にあたる。チベットにはシンジェシェーマルシンジェシェ・ダナクドルジェジクチェの三形態のヤマーンタカが伝わっており、これらは合わせて「シンジェシェ・マルナクジク・スム(gShin rje gshed dmar nag 'jigs gsum, Shinjéshe marnanjik sum)=ヤマーンタカ(シンジェシェ)の赤(マル)、黒(ナク)、怖畏(ジク)の三神(スム)」と呼ばれている。

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シンジェシェ・ダナク

gShin rje gshed dgra nag, Shinjeshé dranak

チベット仏教における忿怒尊の一種。シンジェシェ=ヤマーンタカの一形態でサンスクリット名では「クリシュナヤマーリ(Kṛṣṇayamāri)」という。名前のシンジェシェは「シンジェ(=ヤマ)の敵」、ダナクは「絶対的な対抗者」ないし「黒い敵」を意味する。単に「ダナク(dGra nag, Dranak)」と呼ばれるほか、「シンジェシェ・ナクポ(gShin rje gshed nag po, Shinjeshé nakpo)=黒いシンジェシェ」の名でも呼ばれる。

多くの異像があるが、特に多くみられるのは三面六臂の像で、青黒色の身色で水牛に乗り、中央が青色、右が白色、左が赤色の三面、第一手右手にカルトリ(曲刀)、左手にカパーラ(髑髏杯)、第二手右手に金剛杵(ないし宝珠)、左手に輪、第三手右手に剣、左手に蓮華を持ち、妃を抱擁する。

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シンジェシェーマル

gShin rje gshed dmar, Shinjéshemar

チベット仏教における忿怒尊の一種。シンジェシェ=ヤマーンタカの一形態でサンスクリット名では「ラクタヤマーリ(Raktayamāri)」という。名前のシンジェシェは「シンジェ(=ヤマ)の敵」、マルは「赤」を意味する。単に「シェーマル(gShed dmar, Shemar)」と呼ばれるほか、「シンジェシェーマルポ(gShin rje gshed dmar po, Shinjéshe marpo)」とも呼ばれる。

額に第三眼のある、赤色の身色の一面二臂で、水牛に乗り右手に髑髏の飾りのついて杖、左手にカパーラ(髑髏杯)を持ち、妃である赤色の体の「ヴェーターリー(Vetālī)」を抱擁する。

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シンジェチョギェル

gShin rje chos rgyal, Shinjé chögyel

深沙大将

じんじゃたいしょう

仏教において、玄奘三蔵が天竺へ向かう時に流砂からあらわれ法師を守護したとされる、中国由来の護法神。「深沙大王(じんじゃだいおう)」、「深沙神王(じんじゃしんのう)」、「深沙童子(じんじゃどうじ)」などの名前でも呼ばれる。観音菩薩の化身とされ、砂漠の旋風や悪疫の難を除き、災を救い益を成すという。形像は様々なものが伝えられ、左手に青蛇を持ち、右手を胸の前で外に向けて手のひらを広げたもの、大忿怒形で頭に八匹の蛇があり、両手に鉾を持ち岩に立つもの、両手で白飯を持った鉢を捧げるものなどがある。大般若経を守護する十六善神とともに玄奘と対面する形でも描かれる。

種字は「अ(a)」、「हुं(huṃ)」、真言は「阿怖留阿怖留娑羅娑羅娑婆賀(あふるあふるさらさらそわか)」、三昧耶形は鉾(三鉾)、蛇(三蛇)

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参宿 しんしゅく

Ārdrā

密教の宿曜道において二十八宿及び二十七宿の一つ。インドでは「アールドラー(Ārdrā)="みずみずしいもの"、"湿ったもの"の意」と呼ばれ、参宿、「生眚宿(しょうせいしゅく)」、「生養宿(しょうようしゅく)」、「米湿天(べいしゅうてん)」、「未湿天(みしゅうてん)」と呼び、「阿多羅(あたら)」、「頞達囉(あんだら)」と音写する。また日本では「参/唐鋤星(からすきぼし)」の和名を当てる。胎蔵界曼荼羅では東方(上側)に配され、像容は右手を臍上に当て左手に玉の乗った蓮華を持つ。

種字は「अ(a)」、「रो(ro)」、「न(na)」、真言は「唵阿陀羅莎呵(おんあだらそわか)」、三昧耶形は蓮上星。

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心宿 しんしゅく

Jyeṣṭhā

密教の宿曜道において二十八宿及び二十七宿の一つ。インドでは「ジエーシュター(Jyeṣṭhā)="最良"、"最古"の意」と呼び、心宿、「尊長宿(そんちょうしゅく)」、「尊天(しんてん)」と訳すほか、「逝瑟吒(せいした)」、「際史吒(さいした)」、「誓瑟搋(せいしたい)」と音写する。また日本では「心/中子星(なかごぼし)」の和名を当てる。胎蔵界曼荼羅では西方(下側)に配され、像容は左手に赤珠の乗った蓮を持つ。

種字は「जे(je)」、「ज्ये(jye)」、真言は「唵逝瑟吒娑縛賀(おんせいしたそわか)」、三昧耶形は蓮上星。

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軫宿 しんしゅく

Hastā

密教の宿曜道において二十八宿及び二十七宿の一つ。インドでは「ハスター(Hastā)="手"や"象の鼻"の意」と呼ばれ、軫宿、「象宿(ぞうしゅく)」と訳すほか「訶悉多(かした)」、「訶悉多天(かしたてん)」「賀薩多(かさつた)」と音写する。また日本では「軫(みつかけぼし)」の和名を当てる。胎蔵界曼荼羅では南方(右側)に配され、像容は右手は胸に当て、左手は赤珠の乗った蓮を持つ。

種字は「ह(ha)」、「रो(ro)」、真言は「唵訶莎多莎呵(おんかしゃたそわか)」、三昧耶形は蓮上星。

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真達羅大将 しんだらたいしょう

Kiṃnara Mahā-senāpati

仏教において夜叉の頭領の一人であり、薬師如来の眷属である十二神将の一人。サンスクリット名を「キンナラ・マハーセーナーパティ(Kiṃnara Mahā-senāpati)」といい、「眞特羅(しんとら)」とも訳される。「キンナラ(kiṃnara)」は元々は半人半馬の怪物を示す言葉で、他にも天竜八部の一衆として「緊那羅(きんなら)」の名で仏教に取り入れられている。普賢菩薩を本地とし十二支のうち酉ないし寅の神とされる。

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𩳁 しんち

Shén-huēi

中国の最古の地理書とされる「山海経」に記されている生物。それによれば西山の剛山にいる人面獣身の化物で脚も腕も一本しかないという。うめくように声を発するとされる。

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シンテオトル

Cinteotl

アステカにおいてトウモロコシを象徴する神の一柱。マヤではユン・カーシュの名で知られた。シンテオトルは雨神トラロックの庇護下にあり、アステカにおいてシローネンチコメコアトルとともに主食であったトウモロコシをもたらす神とされた。その姿は若々しく生気にあふれた若者としてあらわされる。顔面にはくねくねとした無数の線が刻まれ、頭には豊かに実ったトウモロコシの穂を模した派手な冠をつけている。アステカ神話によれば、人間はトウモロコシなくしては存在できないと言う。その人間が存在することを可能たらしめた神がシンテオトルであり、ケツァルコアトルの化身である。黒アリに変化したケツァルコアトル(=シンテオトル)は、赤アリの貯蔵庫に忍び込みトウモロコシの種を盗み出した。その種が人間を存在させる元になったという。

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神農 しんのう

Shen-nong

中国において、伏羲女媧に続く古代の三皇(→三皇五帝)の一人。人民に農耕を教えたからこの名で呼ばれる。また「炎帝」とも呼ばれ火の神ともされる。人身牛首の姿をしていて、初めて医薬を作り、五弦の瑟を作り、八卦を重ねて六十四爻(こう)を作ったという。各地からあらゆる草木を集めそれを一つずつ自分で試したいわれ、そのため神農は一日に70種の毒にあたったこともあるといわれる。中国文化の源であるとされ、農業、医薬、音楽、占筮、経済の祖神であった。最後には黄帝との戦いに敗れて南方の天帝となる。道教でも崇拝され「五穀爺(ごこくや)」という別名がある。また、本来大国主神少名毘古那神を医師の神とした日本においても、漢方医や薬種商によって神農が祀られることがあった。

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甚平様

じんべいさま

日本の宮城県金華山沖に出現するという海の怪物。とてつもなく長く巨大でその体全体を見通せることがないという。船の下に潜って船を支えたりすることがあり、そんな時は海面が淡く光るのでそこを竿などで突くと逃げていくという。イクチと同様に甚平様に船の上を飛び越されることが危険で、甚平様の体から出た大量の油が甲板に溜まって沈んでしまうことがある。ただ甚平様の出現は大漁の兆しともされる。

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人面鴞 じんめんきょう

Rén-miàn-xiāo

中国において大旱魃をもたらすとされる怪鳥の一つ。中国最古の地理書といわれる「山海経」に見える。この怪鳥が現れた地は必ず大旱魃に見舞われるとされる。全体的にはフクロウのような姿だが、人の頭と犬の尾、サルのような胴を持っているという。

山海経では他にも瞿如竦斯𩇯𪄀𪃑鳧徯といった人面鳥が紹介されている。

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人面樹

じんめんじゅ

鳥山石燕の「今昔百鬼拾遺」に紹介されている妖木。日本のものではなく、中国の書「三才図会」を引用した「和漢三才図会」の記述を元に描いたものと思われる。人里離れた山や谷に生える木で、人の顔とそっくりな花が咲いており、言葉は話さないがしきりに笑う。笑うと枝が揺れ、笑いすぎると人面の花は落ちてしまうという。

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人面疽

じんめんそ

日本に伝わる不可思議な疾患。「伽婢子」や「怪霊雑記」などの文献に見える。「じんめんそう」とも読む。また「人面瘡」とも書く。主に膝頭や太股などに出来る腫れ物で、大きくなるにつれ人の顔に似てくるという。場合によっては言葉を喋ったり腫れ物自らが食べ物を食べだしたりすることもあるという。酒を飲ませれば赤くなり、食べ物を食べさせればその部分が張ったという。形状としては平面状に顔がくっついた形のものから頭が生えたような立体的な形のものまである。祈祷や治療ではまず治らず、刃などで削ぎ取ってもまた同じところに人面疽が出来る。ただ、「伽婢子」には「貝母(ばいも)」という薬を人面疽の口に無理やり飲ませたら治ったという話が載っている。人面疽の出来る理由は定かではないが応声虫という怪物によって出来るとされる場合もある。

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禁牙拉 ジンヤラ

Jìn-yá-lā

中国の少数民族、崩竜(デェアン)族における独自の小乗仏教上で、地獄を主宰するという老婆神。崩竜族では地獄には八つの煮えたぎる鍋があり、人間を精錬することで誰が罪を犯したか見分けるという。

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