ロヴィアタル

Loviatar

フィンランドにおける冥府の王トゥオニの娘達の中で、一番腹黒く、一番醜いとされる娘。様々な邪悪の元凶とされている。彼女が「罪悪」と「悲哀」の原野に座り込んでいると、東から吹く嵐が荒野を渡ってきて、彼女に身体に吹き付けた。これによってロヴィアタルは妊娠した。彼女は苦しくて子供を産もうとしたが、どうしても生まれない。すると空からウッコの声がして、「子を産みたいなら、ポーヨラに行くといい。かの国ではお前を待ち焦がれている」と言うので、北の国ポーヨラへと向かった。彼女の腹からはなんと九人もの子供が生まれた。「疝痛(発作性・周期性の腹痛の一種)」、「肋膜炎」、「肺病」、「痛風」、「熱病」、「潰瘍」、「疫病」、「疥癬(ヒゼンダニの寄生によっておこる伝染性皮膚病)」、「癌腫」である。ロヴィアタルは子供たちが大きくなると、「さぁ、お前達は、ワイナモイネンの住む里に行って、思う存分人を苦しめるのだよ」と言った。こうして英雄ワイナモイネンの住む里の住人達は、数知れない病気に掛かって次々と死んでしまった。ワイナモイネンがウッコに里の人々の苦しみと悲痛に告げ祈ると、この祈りは聞き届けられ、病人に湯を注いだり、湯気を当てたり、薬草から作った香油を塗ったりすると病はたちどころに治り、ロヴィアタルの子供達は退治された。

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婁宿 ろうしゅく

Aśvinī

密教の宿曜道において二十八宿及び二十七宿の一つ。インドでは「アシュヴィニー(Aśvinī)="御者"の意」といい、婁宿、「馬師宿(ばししゅく)」と呼ぶほか、「阿湿毘膩(あしゅうびに)」、「阿湿毘尼(あしゅうびに)」と音写する。また日本では「婁(たたらぼし)」の和名を当てる。胎蔵界曼荼羅では北方(左側)に配され、像容は右手に赤珠の乗った蓮を持つ。

種字は「अ(a)」、「रो(ro)」、真言は「唵阿説毘儞莎呵(おんあぜいびにそわか)」、三昧耶形は蓮上星。

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老人火

ろうじんび

日本の妖怪、あるいは怪火のひとつ。竹原春泉の「絵本百物語」に紹介されている。長野県と静岡県との県境の山奥で見られるという。老人の姿とともに現れる火の玉で、いわゆる陰火であり、雨の降る夜に多く見られ、物を燃やさない。水では消えず水をかけるとさらに燃え上がるが、獣の皮をかぶせると消えるという。また一本道でこの怪火に遭った時、驚いて逃げたりすると何処までも追ってくるが、落ち着いて履物を脱いで頭の上に載せて通れば脇にどけてくれるという。似たものに天狗火があり、「絵本百物語」はこの二つを同一視している。

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勞捺里 ろうだり

Raudrī

仏教において閻魔の眷属とされる七母女天の一人。「勞捺哩(ろうだり)」、「嘮捺哩(ろうだり)」とも書かれる。インド神話の嵐神ルドラのシャクティーないし神妃である「ラウドリー(Raudrī)」を音写したもの。大自在天の妃である「自在天女(じざいてんにょ)」とは同体とされるが、これは大自在天の元となった「マヘーシュヴァラ(Mahesvara)」がルドラの別称でもあったためと思われる。七母女天のほか「八摩怛哩(はちまたり)」にも数えられ、三叉を持ち東方を守護するという。

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ロウヒ

Louhi

フィンランドの叙事詩「カレワラ」最大の英雄であるワイナモイネンの敵で、北の国ポーヨラの巨人の女王。太陽や月を隠したり、妊娠したロヴィアタルを自国に迎え入れ子供を産ませて利用するなどして、ワイナモイネンを苦しませる。その尋常ならざる力は人間のものによるものかどうかは疑わしいので、一種の神か悪魔のような存在だと考えられる。

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ロエルハイファル

Roelhaiphar

魔術書「ソロモンの大いなる鍵(The key of Solomon the king)」に言及される、土星の第5の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使の一人。招霊にあたっては「申命記」の10章17節「汝の神は神の神主の主大にして、かつ権能ある畏るべき神にましまし、人を偏り視ずまた賄賂を受ず」を唱えることが推奨されている。

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ロオ

Ro'o

ソシエテ諸島のタヒチにおけるロンゴ。呪文の神とされる。ロオへの祈りは悪霊を追い払うことによって様々な病気や怪我を治すために行われる。このためロオには「ロオ・イ・テ・ヒリポイ(Ro'o-i-te-hiripoi)=苦悩するロオ」、「ロオ・アニニア(Ro'o-aninia)=眩暈のするロオ」、「ロオ・トゥイアロハ(Ro'o-tuiaroha)=気の遠くなるロオ」、「ロオ・イ・テ・モヒモヒ(Ro'o-i-te-mohimohi)=弱々しいロオ」、「ロオ・テ・ハママ(Ro'o-te-hamama)=あくびの出るロオ」などの、病気の症状に応じた数多くの別名がある。

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ロキ

Loki

北欧神話において、神々に敵対する巨人(ヨツン)族の一人でありながらもオーディンの義兄弟で、アサ神族の一柱に数えられている特質な存在(容姿が美しく神々と生活を共にしたためだといわれる)。「ロフト(Lopt)」とも呼ばれる。ファールバウティとラウフェイの子で、アンゲルボダとの間に巨狼フェンリル、世界蛇ミズガルズオルム、死の女王ヘルを、シギュンとの間にヴァーリナルヴィをもうけている。気まぐれな性格で、その知恵と姦計によって神々に宝物をもたらしたり危機を救ったりするが、大抵の場合は神々を困難に陥れたり、冗談ではすまない悪戯をしたりする。ロキにはなんにでも変身できる能力があり、牝馬に変身してオーディンの愛馬である八本脚のスレイプニルを生んだ。バルドルが死んだときにはセックという老婆に化けてバルドルの復活を阻止したことがある。ロキは次第に邪悪さを増し、無視できなくなったアサ神族の神達は彼を拘禁し岩に縛りつけた。ロキの上には毒蛇が縛りつけられ、毒蛇の口から滴る毒は止むことなく彼を苦しめた。妻であるシギュンはロキの苦しみを幾ばくかでも減らそうと、献身的に毒を器で受け止め続けたが、器がいっぱいになり、それをシギュンが捨てに行く間、ロキはまともに毒を浴び苦痛に身悶えることとなった。この時の身悶えが地震になるとヴァイキングたちは考えた。ラグナロク(終末戦争)では神々を裏切り巨人側につき、ヘイムダルと相討ちになるという。

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ろく

中国の伝承に登場する奇怪な生物。古代の地理書「山海経」によれば、南山の柢山にある丘に住んでいて、鱗が生え、蛇のような尾を持つ、脇の下から翼の生えた、牛のような魚だという。留牛(まだらうし)のような鳴き声をしていて、冬は身を潜め夏になると現われるとされる。この魚を食べると腫れ物にならないという。山海経には他にも鰼鰼文鰩魚蠃魚といった翼を持った魚が紹介されている。

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六右衛門狸

ろくえもんだぬき

日本における化け狸の大将の一人。単に「六右衛門(ろくえもん)」とも呼ばれる。また津田浦を根城としていたので「津田浦六右衛門(つだうらろくえもん)」と呼ばれることもある。「阿波の狸合戦」に登場する、四国徳島の化け狸の総領。金長狸という弟子の化け狸がいたが、二人はふとしたことから対立することになり、二手に分かれた大戦争にまで発展した。結果として六右衛門狸は討ち取られ、また勝った金長狸もこの時の刀傷が元で死んだとされる。

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ログジエル

Rogziel

「マセケト・ガン・エデン&ゲノヒム(Maseket Gan Eden and Gehinnom)」に言及される7人の懲罰の天使の一人。名前は「神の憤怒」を意味する。

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六時観音 ろくじかんのん

Liù-shí guān-yīn

仏教において変化観音(→観音菩薩)の一種であり三十三観音の一尊。「法華経」の「居士の姿をもって得度すべき者があれば、居士の姿で現れ説法する」という一説を論拠としたもの。昼夜六時に渡って常に衆生を救済するとされる(「昼夜六時」とは一日を六分する考え方)。梵莢を持って立った姿で描かれる。

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六地蔵

ろくじぞう

日本の仏教において、六道ごとにいるとされる6人の地蔵菩薩のこと。「六道(りくどう/ろくどう)」とは、全ての生物が前世の善悪の行いに基づいて生死を繰り返す六つの迷いの世界のことで、「地蔵菩薩本願経」によれば地蔵菩薩は「六道の一切衆生の苦を除き、福利を与える」存在であるとされている。この考えが日本で独自に発展し、六道のそれぞれに衆生の苦悩を救済する地蔵菩薩がいると考えられるようになった。典籍によりそれぞれの名称や形状は異なるが、「覚禅鈔」によれば次の通りになる。

《六地蔵》
六道 名称 持物・印

天道

大堅固菩薩

宝珠と錫杖を持つ

人道

大清浄菩薩

宝珠を持ち与願印を結ぶ

修羅道

清浄無垢菩薩

宝珠と如意も持つ

畜生道

大光明菩薩

宝珠と梵篋を持つ

餓鬼道

大徳清浄菩薩

宝珠を持ち施無畏印を結ぶ

地獄道

大定智悲菩薩

宝珠と経を持つ

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鹿蜀 ろくしょく

Lù-shǔ

中国の伝承に登場する生物。古代の地理書「山海経」によれば、南山の杻陽山におり、馬のような姿で白い首と赤い尾を持つ。また体表には虎のような模様があり、歌うように鳴くという。身に帯びれば子宝に恵まれるとされる。

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禄存星 ろくぞんしょう

Lùcún xīng

仏教において北斗七星の一尊で第三星。陰陽道では「天璣(てんき)」と呼ばれる。西北を司り火曜水曜の精とされ、本地仏は東方にある円満世界の「金色成就如来(こんじきじょうじゅにょらい)」あるいは不空羂索観音とされる。像容は「尊星王軌」をひいた「覚禅鈔」に拠れば、赤青色の身で左手に火珠を持つ。

種字は「क(ka)」、「रो(ro)」、「हुं(huṃ)」、真言は「唵婆羅多伽吽莎呵(おんばらたかうんそわか)」ないし「伽伽佐哩呵呵耶利莎呵(かかさりかかやりそわか)」。

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轆轤首

ろくろくび

日本の妖怪。「ろくろっくび」とも呼ばれる。また、「飛頭蛮(ひとうばん)」の名で紹介されたこともあるが、これは中国の似たような妖怪の呼び名である。昼は人間と全く同じ姿で、人間として生活しているが、夜眠っている時だけ首だけが数メートルも伸びる。が、眠っているので自覚症状が無い場合が多い。そのため一説に不完全な幽体離脱、或いはエクトプラズムの一種だったのではないかとも言われる。首が伸びる時は細長い煙のようなものが出てきてくるとも言う。

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ロゴ・トゥム・ヘレ

Rogo-tumu-here

ポリネシア東部のツアモツ(トゥアモトゥ)諸島の神話に登場する、海底にすむ悪魔の蛸。タガロアの義理の娘であるヒナ・ア・ラウリキ(Hina-a-rauriki)を捕まえて海底へと引きずり込んだが、タガロアの神聖な羽をつけた釣り針によって吊り上げられ、バラバラに切り離されてしまい、ヒナ・ア・ラウリキは助け出された。

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ロスマルス

Rosmarus

18世紀頃のノルウェーの伝承、伝説に登場する想像上の生物。海に住む巨大な怪物で、滑らかな肌と馬のような頭を持つ。おそらくセイウチが間違った見識のままで伝聞された結果生まれた怪物と思われる。

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ロスメル

Rosmer

16世紀頃のノルウェーの伝承に記された海に住む巨人。シールスキン(アザラシの皮)を大量にまとって体を保護しているという。フィンランドにもトゥルススというアザラシの皮をまとう海棲生物の伝承が残っている。

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六観音

ろっかんのん

日本や中国の仏教において六道(六つの世界)ごとの教主を種々の観音菩薩に求めたもの。中国天台宗、日本の真言密教と天台密教ではそれぞれ具体的な仏尊が異なる。日本真言宗と天台宗の七尊をさして「七観音(しちかんのん)」と呼ぶ場合もある。「七夜待(しちやまち)」といわれる祭では毎月17日から23日までの七夜に渡って順に六観音及び勢至菩薩に所願成就を願う。また息災や調伏を祈念して行われる「六字法(ろくじほう)」の六字とは六観音の名号のことである。

《六観音》
六道 名称(真言宗/天台宗) 名称(中国天台宗)

地獄道

観音菩薩

大悲観音

畜生道

千手観音

大慈観音

餓鬼道

馬頭観音

師子無畏観音

修羅道

十一面観音

大光普照観音

人道

准胝観音
不空羂索観音

天人丈夫観音

天道

如意輪観音

大梵深遠観音

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ロドウル

Lóðurr

北欧神話において人間の創造に携わった神の一人。「ローズル」とも。最初の人間であるアスクとエムブラが、それぞれトネリコとニレの木から作られたとき、オーディンが息を吹き込み、ヘーニルが心を授け、ロドウルが体温と姿形を与えたとされる。

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ロノ

Lono

ハワイにおいての農耕神でポリネシアの他地域でのロンゴに相当する。ロノはハワイにおいて行われるマカヒキという祭りの祭神であり、祖先の国(タヒチ)から恵みをもたらす雲や雨とともにやってきて、祭りの期間ハワイにとどまるとされる。この期間は軍神クーを祀る神殿は閉じられ、戦争はタブーとなる。祭りが終わるとロノは儀式的に殺され、クーを祀る神殿に収められる。これはクーがロノを取り込んだ事を意味している。

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ロノベ

Ronobe

17世紀の魔術書(グリモア)の「レメゲトン」の第一部「ゴエティア」に記されるソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。「ロノヴェ(Ronove)」、「ロネベ(Ronebe)」、「レノヴェ(Renove)」などの名称でも呼ばれる。その姿はよくわかっていないが、魔物めいた姿ないし赤い霧のような姿をしており、召還者が望めば人間の姿もとるという。召還者に色々な国の言葉と修辞学に関する知識を与えてくれたり、忠実な召使いを授けたりするほか、敵や友人の愛顧を得る力を持っているとされる。

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ローヒニー

Rohiṇī

ロワラニ

Lowalangi, Lawalangi

インドネシアのニアス島における至高神。ロワラニの名は誓文などのなかに使われる。天上に住みあらゆる善きものの源泉であり、太陽や光はロワラニの一部とされる。ロワラニの敵対者は兄であるラツレ・ダノーで、ラツレ・ダノーが死と疫病の源泉であることと対比している。

生と死の支配者であり、全知にして人間の創造者でもある。従って人間はロワラニの所有物であるため、人間が自分達の所有物である豚を大切にすればロワラニは人間を大事にしてくれると考えられている。ロワラニの聖獣は雄鶏、ライノー鳥、鷲とされている。

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ロワング・リウォ

Rowang Riwo

ボルネオ島のダヤク族によれば、創世の大一期にあらわれた奇怪な生き物。黄金の唾液を持っていたという。天地が創造される以前、二人の至高神が存在し、彼らは至高神の座であるそれぞれ金と宝石で出来た宇宙山に座っていた。この二つの宇宙山が衝突するごとに宇宙の断片が次々の生み出されていき、六度目の衝突でロワング・リウォとディディス・マヘンデラが出現したという。

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ロンゴ

Rongo

ポリネシアにおける耕作食糧の神。マオリ族のロンゴ・マ・タネ、タヒチのロオ、ハワイのロノ、マルケサス諸島のオノなどに相当する。農業の神であり、収穫祭にはロンゴのために歌や踊りが捧げられる。マルケサス島では歌の守護神として、マンガレヴァ島では雨の神として、またツアモツ諸島では王族の祖先として信仰されている。

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ロンゴ・マ・タネ

Rongo-ma-tane, Rongo-me-tene

ニュージーランドのマオリ族の神話に登場する、ギ・ヌイパパ・ツ・ア・ヌクの間に生まれた六柱神の一人。サツマイモと耕作でとれる食糧を司る。これはワラビと採集食物(耕作以外で取れる食糧)を司るハウミア・チケチケと対応している。他のポリネシア地域におけるロンゴに相当する。

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