久久紀若室葛根神 ククキワカムロツナネノカミ

くくきわかむろつなねのかみ

「古事記」において羽山戸神大宜都比売との間に生まれた八柱の御子神のうち末子とされる神。同訓で「久久記若室葛根神」と表記するほか、「若室葛根(わかむろつなね)」と略される。「クク」は草木の伸びるさま、「キ」は木、「ワカ」は美称、「ムロ」は家屋、「ツナネ」は綱根、つまり材木を結い結び家造りをすることだと解釈される。他の御子神が農耕と関連した神名である中、農耕に関連の無い神名に思われるが、新嘗祭のための新室を象徴する神ではないかと考えられている。岡山県新見市神郷高瀬にある「氷室神社(ひむろじんじゃ)」は久久紀若室葛根神を主祭神とする。また奈良県奈良市法蓮町にある式内社「狭岡神社(さおかじんじゃ)」は羽山戸神の御子神八柱を合わせて祀っている。

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クアショロトル

Quaxólotl

中央アメリカにおける神の一人。名前は「てっぺんの割れ目」を意味する。地母神チャンティコと関連しており、双子を象徴する双頭の姿で表現される。「てっぺんの割れ目」とは二股の舌をもつ炎のことだと考えられており、その延長で二元性を象徴する神とも考えられていた。

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クァット

Quat

太平洋南西部のニューヘブリデス島における善なるヴイ(精霊)。「カト(Qat)」とも呼ばれる。砕かれた石から生まれ、すぐに成長し話すようになった。クァットは木から六日かけて人間の男と女を作り出し、三日間隠しておいた。そして、三日後に踊りと太陽で男女に命を与え、喜ばせた。ところが、マラワという蜘蛛の精霊がココヤシの葉を敷き詰めたにその木の人間を六日間埋めておいたので人間はすべて腐ってしまった。こうして人間は死ぬようになったとされている。マラワはクァットの友好的敵対者とされ、クァットはたびたび11人いるねたみ深い兄弟に殺されそうになるが、マラワによって助けられている。また反対にある伝承では、カサヴァラという怪物に兄弟達が食べられてしまったことがあったが、この時クァットはカサヴァラを倒して兄弟達を助けている。

万物の最良のものは、クァットが兄弟や妻と船出した時にカヌーで持ち去った。人々はいつの日かクァットがこういった品物を舟に満載して帰還することを信じている。このような思想は「カーゴ・カルト(積荷崇拝)」と呼ばれ南洋先住民の間で普遍的である。

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クァディシン

Qaddisin

旧約聖書偽典「第3エノク書(ヘブライ語エノク書)」に見える双子の天使。「クァディシン]」は複数形で単数形では「クァディス(Qaddis)」であり、「聖なる者」を意味する。同じく双子の天使たちであるイリンとともに審判の天使とされ、ときにセラフよりも(あるいは最上位とされるメタトロンよりも)上位に位置づけられ、彼らより偉大で彼らに匹敵するものはいないとされることもある。

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クアト

Kuat

ブラジル中部を流れるシング川流域に住むカマイウラ族に登場する文化英雄にして太陽神。月神であるイアエとは兄弟。原初の世界は常闇であり、人間はずっとその中の白蟻の塚の近くに住んでおり、生活は悲惨なものだった。しかしハゲワシの王ウルブツィンの支配する鳥たちの住む王国は常に光り輝いていた。そこで、クアトとイアエは鳥たちから日の光を盗み出す計略を考え出した。二人は腐った死体の姿をした人形を作り、これにハエをたからせてウルブツィンに送りつけた。この捧げものに気を良くしたウルブツィンは、もっとウジをくれることを期待してクアトとイアエの元を訪れることにした。クアトとイアエはまた死体の人形を作りその中に隠れた。ウルブツィンが死体を啄ばもうとした途端にクアトはウルブツィンの足をつかんだ。ウルブツィンの家来は恐れて飛んで逃げてしまった。クアトは光を人間達に分けてくれるまではこの手を離さないといい、ウルブツィンはついに光の秘密を彼らに教えた。こうして人間は昼と夜の繰り返す永遠のサイクルの中で生きることが出来るようになり、クアトは太陽の神に、イアエは月の神になった。

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クアネケラク

Qanekelak

カナダの先住民族、ベラベラ族の伝承に登場する、ベラベラ族の起源に関わる超自然的存在。宇宙に匹敵する大きさのクジラで、上半身が人間、下半身がクジラの姿をしていた。後に完全な人間の姿になり、シャチのクランの祖となったとされる。

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クイックシルバー

Quicksilver

ポルターガイストを起こす原因といわれている精霊の一種。男女の区別があり、男のクイックシルバーはよりいっそう騒々しいポルターガイストを引き起こし、洋服ダンスの中の物を全部ぶちまけたり、鈴がなるような高音の笑い声を立てるので寝てるものでも絶対目を覚ますという。また或いは女性のポルターガイストがクイックシルバーなのだとする説もある。口紅などで「Q」と書いた落書きを残していく。普通のポルターガイストと違ってひとつのところにあまりとどまらず、短期間でその場所から居なくなるとされる。

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グィディオン

Gwydion

もしくは「グウィジョン」。島のケルト神話において女神ダヌの息子で知恵と魔法の神。妹でもあるアリアンロッドを妻に持つ。「トゥアハ・デ・ダナーン(ダーナ神族)」の精神的主導者であり、また魔法の達人でもあった。太陽神とされることもあるが、これは「無知を啓蒙する」知恵の光という意味での神格である。ウェールズの伝説「マピノギ」に語られている「樹木の戦い」を起こした張本人でもある。彼の兄が自分達の甥のマスが可愛がっている少女ゴーウィンに恋をしたので、彼女を手に入れるためにグィディオンはある策を練った。マスは戦争の為に出陣する時を除き、常に兄の上に少女を乗せていなければならなかった。グィディオンは魔術を使ってマスと隣国のプリデスとを戦わせ、その隙に兄にゴーウィンを襲わせたのだ。だが、彼自身は怒ったマスに魔法をかけられ、一年の間は鹿に、次の一年は豚、更にその次の一年は狼へと姿を変えられてしまった。グィディオンとアリアンロッドの間には波の子ディランと弓の名手セライという二人の息子がいる。

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クイリヌス

Quirinus

古代ローマの農耕神。ローマを創建し初代の王となったロムルスが、生きながら昇天してなった神と言われる。古く、ユピテルおよびマルスとともに三大主神格のグループを構成し、ユピテルが王権と宗教を司り、マルスが戦いを司るのに対し、もっぱら庶民と、その生業である農業を保護する機能を果たしたと思われる。

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グイン・アップ・ニーズ

Gwyn ap Nudd

イングランドのウェールズ地方において妖精の種族「タルイス・テーグ」の王。アラウンハヴガンと同じく、異界である「アンヌン(Annwn, ないしアンヌヴン(Annwfn))」の支配者の一人とされる。グラストンベリーにある「トー(Tor)」という丘は、グイン・アップ・ニーズの住処がある島とされていた(かつて周囲は湿地帯であり、丘は島のように見えた)。

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グウィバー

Gwiber

イギリスのウェールズの伝説において、ア・ドライグ・ゴッホと戦って負けた怪物。名前はウェールズ語で毒蛇を意味する。翼を持った白い蛇のような姿をしている。ア・ドライグ・ゴッホがウェールズの守護神なのに対し、グウィバーは征服者であるサクソン人を象徴しており、グウィバーが負けたことはサクソン人たちのイングランドからの撤退を暗示していた。

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禺彊 ぐうきょう

Yu-chiang

中国における神で、海神で風神。また疫病を流行させる神でもある。「愚強」、「愚京」とも書く。帝王神黄帝の孫にあたる。北海に住む海神としての禺彊は、魚のような身体や手足をして、二頭の竜に乗っているという。風神としての禺彊は、字(あざな)を玄冥といい、古代の帝王神センギョクの臣下であるという。人面鳥身で、青蛇二匹を耳に飾り、さらに二匹を踏みつけている。海神としての禺彊と同じく、北方を支配しているという。また風神としての禺彊は、疫病を風に乗せて運び流行らせる疫神でもあり、至る所で人を傷つけると言われ、古来大いに忌み嫌われたので、やはり疫神である「伯強」と同様の存在だとする文献もある。北西の風は特に厲風(れいふう=病の風)と呼ばれ人々に恐れられたという。

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グウレイグ

Gwraig

イギリスのウェールズ地方の湖に棲む水の精霊の一種。とても美しい金髪の女性で、沢山の牛を所有しており、しばしば小船に乗って湖の上で遊び戯れているという。それだけ人間に出会う機会も多いので、この精霊が人間の男性と結婚したという話はウェールズに数多く残されている。パンとチーズが好物であり、このために人間の男を結婚することもある。しかし彼女達を殴るのは禁物で、三度殴られたら湖に帰ってしまう。

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久延毘古

くえびこ

「古事記」に登場する案山子(かかし)の神格。名前の「くえ」は「崩(く)える」、総じて「朽ち果てた男性」を意味する。「久延毘古神(くえびこのかみ)」とも呼ばれる。また古事記中で別名として「曾富騰(そほど)」という名が見えるが、これは「濡れそぼつ」などの「そぼ」に人を表す「と」を合わせた言葉で、昔は案山子のことを「そおど」、「そほど」、「そおず」などと呼んだ。田畑を鳥害などから守る案山子を神格化したものであり、古事記によれば渡り鳥から世間のことを色々伝え聞いているので多事に詳しいとされる。田畑の守り神、収穫をもたらす神として石川県鹿島郡の久氐比古神社、奈良県桜井市の大神神社の境内末社、久延毘古などに祀られている。

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クェラウァペリ

Cuerauáperi

メソアメリカ西部、メキシコ盆地の北部と西部のパツクアロ湖畔(現ミチョアカン州)の住んでいたタラスコ人の信じた創造神であり、また創造の女性原理。語義は「生まれる原因となる女性」、「クェラヴァペン(Cueravapen)」とも呼ばれる。誕生と農耕の女神であり、また興味深いことに針仕事の守護神でもある。配偶神であるクリカウェリとの間に月の女神シャラタンガを、もうけている。シャラタンガは新月を象徴するが、クェラウァペリは下弦の月を象徴する。クェラウァペリとクリカウェリの祀る儀礼であるシクインディロでは、生贄の心臓は最後にアラロの温泉に投げ込まれたが、ここからクェラウァペリが水を引いて雲を作り、穀物に水をやると信じられていた。

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グーグー

Gou gou, Gugu

ネイティブアメリカンの一部族であるミクマク族に伝わる女の巨人。「グーグェ(Gugwe)」とも呼ばれる。熊のように毛深い顔と体に比例しない大きな手を持っている。また体自体も人間のボートを乗組員ごと腰のポーチに詰め込んでしまえる程に大きい。人を襲う怪物として恐れられていて、グーグーの棲みかとされる場所からは時々変な音が聞こえてくるという。

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ククウィーク

Kukuweaq

アラスカのイヌイットに伝わる怪物。恐ろしく巨大で足が十本ある北極熊だという。クシラクと言う若者が食べ物に困っていたとき、獲物を探し回っているうちにククウィークの住処である氷穴に迷い込んでしまった。クシラクはククウィークの眼に銛を突き刺して視力を奪い、怒り狂って追いかけてきたところをクレバスに誘い込んでククウィークの殺害に成功した。クシラクはククウィークの肉を村人達に分け与えたという。

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ククディ

Kukudhi

アルバニアの民間伝承における精霊の名前。ククディと呼ばれる精霊は二人いる。一人は「ククス(Kukuth)」とも呼ばれる女の精霊で疫病をもたらすとされている。もう一人は強欲な人間の救われない魂が姿を変えた悪霊で、このククディは世の中に災いをもたらすとされる。

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久久年神

くくとしのかみ

「古事記」において羽山戸神大宜都比売との間に生まれた八柱の御子神のうち第七子とされる神。「クク」を「茎(クキ)」や「木々」の変化、あるいは草木が立ち上るさまと解し、農作物の生育ないし収穫を司る神であると考えられている。「先代旧事本紀」では「冬年神(ふゆとしのかみ)」とされ、夏高津日神秋毘売神に続く神名のため自然に思えるが、古事記文中では「久久二字以音(久久の二字は音を用いる)」と注されており、齟齬が見られる。松尾大社の境内社である「四大神社(しのおおかみのやしろ)」に春若年神(はるわかとしのかみ=若年神)、夏高津日神、秋毘売神とともに、冬年神が祀られるほか、奈良県奈良市法蓮町にある式内社「狭岡神社(さおかじんじゃ)」は羽山戸神の御子神八柱を合わせて祀っている。

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句句廼馳

くくのち

日本において、天地が誕生した頃に棲んでいたとされる巨人。当時は天がまだ低すぎて、動物や植物が生息することが出来なかった。息苦しさを感じた句句廼馳は両手両足を踏ん張って、現在の高さまで天を持ち上げたという。日本書紀では、伊邪那美命が日本の島々を生み、さらに海、川、山を生んだのち、木の精霊である句句廼馳を産んだとしている。句句廼馳が天を持ち上げる姿は、植物の逞しい成長力を象徴しているとも考えられる。

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久久能智神

くくのちのかみ

日本記紀神話に登場する草木を司る神。「くくのち」は「くぐのち」と読まれることもある。「久々能智命(くくのちのみこと)」、「句句廼馳(くくのち)」、「木祖神(きのおやがみ)」とも呼ばれる。伊邪那岐命伊邪那美命の間に生まれた御子神の一人。名前の「クク」は「茎」あるいは「木々」を指し、「チ」は霊威あるいは男性を示す接尾語である。総じて「草木の霊威の神」という意味を持つ。草木とその成長をつかさどり、ひいては生命力全体を司る神とされている。続いて生まれた御子神、大山津見神野椎神の伏線として現れた神といえる。久久能智神を祀る神社として兵庫県西宮市に公智神社、北海道苫小牧市に樽前山神社などが存在し、森林業や国土開発に携わる人々に信仰されている。

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グクマッツ

Gucumatz

グァテマラ高地に住んでいたキチェ・マヤ族におけるククルカンの呼び名。キチェ・マヤ族に伝わる聖書「ポポル・ヴフ(Popol Vuh)」によれば、グクマッツとテペウにより大地は作られ、何度もの失敗の末にようやく今の人間が作り出されたという。

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菊理媛神

くくりひめのかみ

日本神話に登場する神で、「日本書紀」には登場するが、「古事記」においては言及されない。「きくりひめ」と読むとする説もある。死んだ伊邪那美命が忘れられずに黄泉の国へ迎えに行った伊邪那岐命が、妻の変わり果てた姿に驚き逃げ出したとき、追走の末に黄泉津平坂で口論となった。その時に現れたのが菊理媛神であり、双方に助言し調停したとされる。この時どのような助言を行ったのか、どこから現れたどの系譜に属する神なのかさえも分からない神であるが、一説に神名の「ククリ」とは「聞き入れる」という言葉が語源であり、神霊の言葉を聞く巫女の力を司る神ではないかとの推測がなされている。また一般に加賀(石川県)の白山を御神体とする「白山比売大神(しらやまひめのおおかみ)」と同一視されるが、この経緯についても不明である。

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ククルカン

Kukulkán, Kukulcán

メソアメリカ中央部における「羽毛の蛇の神」ケツァルコアトルのマヤ語名。グァテマラ高地のキチェ・マヤ族には「グクマッツ」と呼ばれる。風とハリケーンの神であり、祭祀暦と易断、神の関係についてかかれた絵文書のひとつ「ドレスデン・コデックス」によれば、金星と関連付けられている。またククルカンは最高神イツァムナの数多い化身の一つとして分類されることもあり、ケツァルコアトルと分離して描かれる場合、一方を善、一方を悪として見るメソアメリカに浸透していた二元性の概念を象徴していると考えられる。ククルカンは後古典期チチェン・イツァにおいて特に重要とされた神であった。

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クゲ・アガ・ケレメト

Kugə aga keremet

ロシアのマリ人(チェレミス人)の民間信仰における悪魔(ケレメト)の一種。名前は「偉大な耕作の悪魔」といった意味で、土地を耕して新たに種を蒔く時はこのクゲ・アガ・ケレメトをなだめて畑を荒らされないようにするという。

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クゲ・イェン

Kugə Jeη

ロシアのマリ人(チェレミス人)の民間信仰における文化英雄、あるいは悪魔(ケレメト)の一種。名前は「偉大な男」の意。強く勇敢な指導者であり、白い軍馬に乗り、その武勇でチェレミス人の領土を築いたといわれる。アシュ、アズレン、ビトゥヌズ、ボドゥジュ、マルチェ、パシュクシェ、ウゼダシュといった精霊の協力を得て、数々の偉業を成し遂げたあと、クゲ・イェンは自分の軍隊とともに山の砦に引きこもり、次の戦いの召集があるまで待機していた。ある男が戯れにクゲ・イェンを呼び出したところ、クゲ・イェンとその配下の精霊たちが出動したが、どこにも戦争は起こっていなかった。クゲ・イェンは怒り、男とチェレミス人を罰したという。また、クゲ・イェンは超自然的な医師だともされており、人々は治療を受けるために彼に生贄を捧げている。

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クゲ・クバール

Kugə kübar

ロシアのマリ人(チェレミス人)の民間信仰における悪魔(ケレメト)の一種。名前は「偉大な橋」といった意味。

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クゲ・クレク

Kugə kurək

ロシアのマリ人(チェレミス人)の民間信仰における悪魔(ケレメト)の一種。名前は「偉大な山」といった意味。

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クゲ・ジョムセ

Kugə jomšə

ロシアのマリ人(チェレミス人)の民間信仰における悪魔(ケレメト)の一種。名前は「偉大なジョムシェ」の意。ジョムシェは「魔術師」を意味する「Jomža」というチュラシ語から派生したと考えられる。

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クー・シー

Cu Sith

イギリスのスコットランド地方の妖精たちが番犬として飼っている妖精犬の種族。ゲール語「カー・シー(Cir Sith)」ないし「ケー・シー(Ce Sith)」とも呼ばれる。牛ほどの巨大さで、体中にもじゃもじゃと暗緑色の毛が生え、足は人間の足と同じぐらい大きく、背中に乗るほど長い丸まった尻尾がある。イギリスの妖精たちは丘の上に棲んでいたが、クー・シーはその丘を守るのが仕事で、侵入者があると放された。吠えることは少ないが、唸り声は遠い海上まで届くという。普段は妖精たちに連れられているが、自分だけで出歩くこともあり、そんな場合だけ人間にとって危険な存在だった。人間を狩ることもあり、クー・シーの泣き声を三度聞くまでに宿を探さないと殺されてしまうとされる。

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櫛石窓神

くしいわまどのかみ

「延喜式」や「古語拾遺」などに見える門を司る神の一柱。延喜式では「櫛石窓神」、「櫛磐間門命(くしいわまとのみこと)」、古語拾遺では「櫛磐間戸命(くしいわまとのみこと)」の名で記される。また 「櫛岩窓神(くしいわまどのかみ)」、「櫛石窓命(くしいわまどのみこと)」、「櫛磐窓命(くしいわまどのみこと)」、「櫛磐間戸神(くしいわまとのかみ)」などの名でも呼ばれる。神名の「クシ」は「奇」で敬称、「イワ」は岩の様に堅固であること、「マト/マド」は「真の門」を表すと考えられる。「古事記」においては豊石窓神とともに天石門別神の別名として登場するが、古語拾遺に拠れば布刀玉命の子神であり、天照大御神の岩戸隠れにおいて豊石窓神とともに瑞殿(みずのみあらか=天照大御神のために新しく作った新宮)の門の守衛に任じられたという。櫛石窓神、豊石窓神の両神は「御門神(みかどのかみ)」として皇居の四方にある御門全てを昼夜問わず守護するとされ、「御門巫祭神八座」として四方全てに両神が祀られる。

兵庫県篠山市にある式内社「櫛石窓神社(くしいわまどじんじゃ)」、奈良県橿原市忌部町にある「天太玉命神社(あめのふとたまのみことじんじゃ)」、賀茂別雷神社の摂社である「棚尾神社(たなおじんじゃ)」などに豊石窓神とともに祀られる。

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クシエル

Kushiel, Kshiel

「マセケト・ガン・エデン&ゲノヒム(Maseket Gan Eden and Gehinnom)」に言及される7人の懲罰の天使の一人。名前は「神の厳格なるもの」を意味する。地獄を統括する天使で火の笞(むち)で異教徒を罰するという。

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グシオン

Gusion

ユダヤの魔神の一人でソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。「グソイン(Gusoin,Gusoyn)」ないし「グサイン(Gusayn)」の名でも呼ばれる。召喚に応じてサフラン色のローブを着たがっしりした男の姿であらわれ、あらゆる質問、特に過去と未来に関わる質問に答えてくれる。また人の敵意を好意に変える力を持っているとされる。

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クシティガルバ

Kshitigarbha

ボーディサットヴァ(菩薩)の一。日本では「地蔵菩薩」、中国では「地蔵王」として知られている。これらの名前はクシティガルバの語義「大地を取り囲むもの」から来ている。審判のあとに魂がたどる六道を見守っているのだといわれる。六道とは人間、阿修羅、悪魔、神々、動物、そして亡者たちがたどる宿命を指す。クシティガルバは忍耐強く地獄にいる人々を慰め、生前の悪行によって背負い込んだ重荷を少しでも軽くする方法を模索している。

やがてクシティガルバは、全ての旅人の守護神だと考えられるようになった。インドより中国と日本で信仰を集めた。

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櫛名田比売

くしなだひめ

記紀神話に見える女神。「櫛名田比売」は古事記での表記で、日本書紀では「奇稲田姫(同訓/くしいなだひめ)」、「稲田媛(いなだひめ)」、「真髪触奇稲田媛(まかみふるくしいなだひめ)」などの名称で登場する。名前のとおり稲田の豊穣を司る女神であり、「櫛」は櫛が稲田の姫神の依代とされていたことの顕れだと考えられる。出雲の国の簸の川に住んでいた足名椎手名椎の八番目の娘で、姉達と同じく八岐大蛇に食べられる運命であったが、須佐之男命に助けられ妃となった。二人は須賀に新居を構え暮らすことになったがここで須佐之男命は有名な「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」という歌を詠んだとされる。

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櫛明玉神

くしのあかるたまのかみ

櫛御方命

くしみかたのみこと

「古事記」において言及される神。「大物主大神(→大国主神)」と「活玉依毘売(いくたまよりびめ)」の間に生まれた子神で、「飯肩巣見命(いいかたすみのみこと)」の親とされる。「新撰姓氏録」に記される「久斯比賀多命(くしひかたのみこと)」、「櫛日方命(くしひかたのみこと)」は同神に相違なく、また「先代旧事本紀」で事代主神と「活玉依姫(いくたまよりひめ)」の子神とされる「天日方奇日方命(あめひがたくしひがたのみこと/あめのひかたくしひかたのみこと)」、別名「阿田都久志尼命(あたつくしねのみこと)」とされる神も同神と考えられる。また「天日方命(あめのひかたのみこと)」、「奇日方命(くしひがたのみこと)」とも呼ばれる。古事記では、大物主神の祭祀を執行った大神氏の祖である意富多多泥古命の曽祖父に当たるが、日本書紀ではこの系譜が簡略化され意富多多泥古命が大物主大神と活玉依媛の直接の子神とされている。神武天皇(→神倭伊波礼毘古命)在世の代に「申食国政大夫(おすくにまつりごともうすのまえつきみ)=貢進国の高官」を務めたとされ、大神氏ほか石辺氏、狛人野氏の祖ともされる。

大神神社の摂社である式内社「神坐日向神社(みわにいますひむかいじんじゃ)」に祀られるほか、茨城県北茨城市大津町にある式内社「佐波波地祇神社(さわわちぎじんじゃ/さははくにつかみじんじゃ)」、兵庫県豊岡市出石町にある式内社「石部神社(いそべじんじゃ)」、大阪府茨木市五十鈴町にある式内社「溝咋神社(みぞくいじんじゃ)」などに祀られる。

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孔雀明王 くじゃくみょうおう

Mahāmayūrī

仏教において明王の一。サンスクリットでは「マハーマユーリー(Mahāmayūrī)」と呼ばれ、これは「大いなる雌の孔雀」を意味する。これを音訳し「摩訶摩瑜利(まかまゆり)」、或いは尊格から「大孔雀明妃(だいくじゃくみょうひ)」、「孔雀王母(くじゃくおうも)」、「孔雀仏母(くじゃくぶつも)」、「仏母大孔雀明王(ぶつもだいくじゃくみょうおう)」、「孔雀王(くじゃくおう)」、などの名で呼ばれる。

クジャクが毒草や毒虫を食するが如く人間の三毒(貪欲・瞋恚・愚痴)を食べ、災厄や苦痛を除くことを本願とする。日本に最も古くから伝えられた明王だと考えられている。元々は女性の神であるが、日本では男性として描かれる。また明王とはされるが忿怒形ではないため「孔雀王母菩薩(くじゃくおうもぼさつ)」とも称する。像容は普通一面六臂が多く、蓮華、具縁果など4種のものを持ち、孔雀の上に坐し、明王では唯一忿怒相ではなく慈悲相を示す。胎蔵界曼荼羅においては蘇悉地院に配される。

密号は「仏母金剛(ぶつもこんごう)」、種字は「म(ma)」、「यु(yu)」、真言は「曩謨諦吒囉囉娑嚩賀(のうまくていたららそわか)」、「唵摩庾羅訖蘭帝莎呵(おんまゆらきらんていそわか)」、三昧耶形は孔雀尾、半月。

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クシャスラ

Kshathra

ゾロスター教における神的存在の一人で名前は「王国」を意味する。「フシャスラ・ワルヤ(Xrasra Wairya)」、「シャフレワル(Shahrevar)」、「シャフレーヴァル(Šahrēvar)」、「フシャトラヴェール(Xšatravēr)」などの名称でも呼ばれる。「聖なる不死者」アメサ・スペンタの一員であり、「支配」を司る。絶対神アフラ・マズダの統治する理想郷を神格化したものであり、統治による弱者、貧困者の救済を象徴する。また鉱物の守護者で地下に埋蔵された資源や財宝を管理する者ともされる。配下としてミトラ、「アスマン(Asman)」、「アニラン(Aniran)」を率いる。またアメサ・スペンタに対抗する悪魔のうち、特にサルワを対抗している。

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九十一子

くじゅういっし

仏教において、「大方等大集経」に説かれる毘沙門天の子とされる91人。諸説あり、名前をどれも91名にはならないが、同じく毘沙門天の子である五太子を加えて91名とするものとも考えられる。

《九十一子(大方等大集経に拠る)》
無病
吉祥
安隱
成利
他不勝
滿願
豐饒
歡喜
水盡
南浮沙度
電光
火光
水眼
郁伽
好耳
攝受
長目
長面
坐瓮
花杖
因陀羅
蘇摩
婆樓那
婆闍波帝
婆羅波闍
伊奢那
勝欲
栴檀
尼乾吒
尼乾吒迦
婆稚
摩尼遮羅
波尼邏
憂般遮迦
娑陀祇利
奚摩跋多
薩他
波羅末檀那
乾竹迦
迦摩多卑
富樓那
佉陀利
瞿波利
祇呵知
阿吒迦
阿吒薄拘
那羅提
那羅邏擔
禪那梨沙婆
質多羅迦
質多斯那
施婆利
涅伽多
長牟
摩那吒
摩那婆
枲何度
毘盧遮那
伏龍
毘摩
護門
多摩那
能迷惑
取意
子男婆
伽吒僧叉
鉢乾沓婆
明月
阿婆娑婆
三牟達羅
牛仙
伊荼
鞞荼
那荼
天蓮花
鉢陀摩跋帝
黟乾絺多
摩訶軍闍
阿奚多
奚多奢耶
毘樓稚
憂波羅
如月
婆樓那
三波帝
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クシュマイ

Kshumai

アフガニスタンにおいて豊穣を司る女神。乳房と陰部を突き出した神像で表現されるが、人間の前には山羊の姿で現われるという。英雄神モンの母親はクシュマイ、或いはクシュマイの長女とされることがある。人間に山羊や果実、野菜を分け与える慈悲深い神とされる。

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瞿如 くじょ

Qú-rú

中国の地理書「山海経」に言及される怪鳥。それによれば、南山の祷過山に棲む鵁(鴨の仲間)のような姿の鳥で、白く人間のような頭と三つの足を持つという。自分の名で(つまり「瞿如」と)鳴くとされる。

山海経では他にも竦斯人面鴞𩇯𪄀𪃑鳧徯といった人面鳥が紹介されている。

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倶生神

くしょうじん

インド神話に基づく仏教の神。「くじょうじん」、「ぐしょうじん」とも読む。人が生まれた時から、その左右の肩の上にいて、その人の善悪の所行を全て記録するという「同名(どうみょう)」、「同生(どうしょう)」の二神。また、これを男女の二神とし、男神は同名といい、左肩にあって善行を記し、女神は同生といい、右肩にあって悪行を記し、死後、閻魔(えんま)王による断罪の資料とするという(逆の説もある)。また、閻魔王の側で罪人を訊問し罪状を記録する神を倶生神とする場合もある。

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クスダ・シラ

Xuda sila

ロシアのマリ人(チェレミス人)の民間信仰における悪霊の一種。「邪悪な力」の意。6、12、18、24時にケルテマシュとともに姿をあらわし、人間に危害を加えようとするとされる。

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九千坊

くせんぼう

日本の熊本県八代地方に伝わる、河童の個人名称。九千に及ぶ河童族を率いる大将なのでこの名で呼ばれる。九千坊は元々は中国の黄河に住んでいた河童族の大将で、仁徳天皇の代(313~399年)に一族を率い海を泳ぎ渡って熊本にたどり着き、八代の球磨川に棲みついたのだという。

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管狐

くだぎつね

新潟や中部地方にいるとされた、人間に憑く狐。単に「くだ」という時もある。イタチぐらいの大きさで白色か茶色をし、尾はリスのように太い。二つの目が縦に並んでいるとされることもある。「管(くだ)」とは竹筒のことで、竹筒の中に入れて飼ったり、持ち歩いたりできたという。味噌が好物なので憑かれた人は味噌ばかり食べたがり、病人の場合は食欲旺盛になるとされる。また、管狐の意思を喋るようになるという。家についた場合、上手く飼い慣らせば金持ちになるが、失敗して貧乏になる場合が多いという。飯綱と同じものともされる。

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クータダンティー

Kūṭadantī

くだん

日本の妖怪。牛の体に人間の頭がついた姿をしていて、生まれた直後に(大抵不幸な)予言を行った後、すぐ死んでしまうという。また件の出現はよくないことが起こる事の前兆とされる。この件という妖怪がいつ頃発生したのかはっきりとしたことは分かっていないが、明治時代の新聞にはその出現を知らせる記事がある。「件」と言う漢字が人に牛と書くことで、人頭の牛を想像し、また書状、証文などの最後に書きしるす「件の如し(前に述べたとおりである、の意)」という決り文句が「件(という怪物)のようだ」という意味にも取れることから、冗談からこの妖怪が生まれたのかもしれない。また件が敗戦の予言をしたという話があるが、これは「くだん」から「九段」を想像したもの(九段には戦争で死んだ人々を英霊として祀る靖国神社がある。また明治時代にあった「九段の母(英霊として祭られている息子を靖国神社に参った母の歌)」から「件の母(例の母)」と派生したのかもしれない)だと考えられる。

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クッチス

Kutchis

オーストラリアの先住民族、アボリジニーのドリームタイム(霊的な時代)神話に登場する精霊。ムラ・ムラとともに(特にディエリ族の)呪医によって呼び出される。

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グディリ・ムミー

Gudyry-mumy

ロシアのキーロフ地方に住むフィン=ウゴール語族のヴォチャーク(ウドムルト)族の伝承に登場する精霊。名は「雷の母」を意味する。

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クデ・オェルト・クグザ

Kudə ört kuguza

ロシアのマリ人(チェレミス人)の民間信仰において、家畜小屋の精霊とされる二人のうちの一人。名前は「老人の小屋の霊」といった意味で、もう一人は「クデ・オェルト・クバ(老婆の小屋の霊)」。姿は見えないが、農場の家畜小屋に二人で住んでいて家畜の世話をしてくれるという。家畜を選り好みするので、嫌われた家畜は餌を与えられずやせ衰え、好かれた家畜はその分の餌も与えられ肥え太るとされる。

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クデ・オェルト・クバ

Kudə ört kuba

ロシアのマリ人(チェレミス人)の民間信仰において、家畜小屋の精霊とされる二人のうちの一人。名前は「老人の小屋の霊」といった意味で、もう一人は「クデ・オェルト・クグザ(老婆の小屋の霊)」。

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クト=クト

Cut-cut

オーストラリアのアボリジニが信じる夢の時代(ドリーム・タイム)の存在の一つ。邪悪な存在であり、他人の弱みに付け込んで悪事を働く存在であるという。ある物語では茂みの中で夫を見失った婦人の求めに応じて、夫探しを手伝ったが、その報酬として夫婦の子供たちを奪い、また婦人もカッコウに姿を変えられてしまった。

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クナピピ

Kunapipi

オーストラリア北部のアーネムランド半島に住むアボリジニ、アラワ族の人々が信じる「大いなる母」。「グナピピ(Gunapipi)」、「クナピピ・カルワディ・カジャラ(Kunapipi-kalwadi-kadjara)」と呼ばれることもある。かつてクナピピは、男女の英雄達とともに大地を巡り、自然を創り、さらに人間の男女をも創り出した。この旅では一匹の"虹蛇"がクナピピの歩く道を整えるためにその前を進んだという。しかし、現在のクナピピは曖昧で怠惰な霊であり、「年老いた女」であるとされる。その秘密の名前は儀式が最高潮に達したときにわめかれる無意味な叫びの中に聞こえるという。クナピピは若者達を殺し、ワシが彼女を殺すまでその若者達を食べていた。少年達はこうして彼女の胎内に再び入ることで新たな再生をし、成人男性として認められる。

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国忍富神

くにのおしとみのかみ

「古事記」において、大国主神の子孫の系譜が語られる段に記されている神。鳥鳴海神日名照額田毘道男伊許知邇神との間に生まれた子神で、葦那陀迦神とともに速甕之多気佐波夜遅奴美神の親神とされる。名前を「国多し富」と解釈すれば、富国や豊穣の神と考えられる。

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国忍別命

くにのおしわけのみこと

「出雲国風土記」において言及される神。出雲国風土記に頻出する地名由来譚の一つとして、「方結(かたえ)」の地名由来の段で言及される。それに拠れば「須佐袁命(すさのおのみこと)」(→須佐之男命)の御子である国忍別命が自分が坐すこの地は「国形宜(くにかたえし=地形が優れている)」と言ったので方結と呼ばれるようになった、というものである。方結は現在では片江(島根県松江市美保関町)の字があてられているが、今でも片江にある「方結神社(かたえじんじゃ)」では祭神として国忍別命を祀る。

国忍別命は他の文献に見えないが、「古事記」で大国主神の子孫の系譜が語られる段に登場する国忍富神と同神とする説もある。

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国之久比奢母智神

くにのくひざもちのかみ

日本神話に登場する水の神の一人。「古事記」にのみ登場し「日本書紀」では言及されない。天之久比奢母智神とともに速秋津日子神速秋津比売神両神から生まれた神だが、伊邪那岐命伊邪那美命の御子神「三十五神」の一柱として17番目に数えられる。名前の「くひざもち」は「汲瓠持(くみひさごもち)」を意味し、水を汲む「ひさご」を持つ神で、灌漑を象徴する神と考えられている。

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国之闇戸神

くにのくらとのかみ

日本神話に登場する神。「古事記」でのみ登場し「日本書紀」では言及されない。天之闇戸神とともに大山津見神野椎神の両神から生まれた神だが、伊邪那岐命伊邪那美命の御子神「三十五神」の一柱として27番目に数えられる。名前の「闇戸(くらと)」は暗い場所の意と考えられ、山の谷間を象徴する神だと思われる。

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国之狹霧神

くにのさぎりのかみ

日本神話に登場する神。「古事記」でのみ登場し「日本書紀」では言及されない。天之狭霧神とともに大山津見神野椎神の両神から生まれた神だが、伊邪那岐命伊邪那美命の御子神「三十五神」の一柱として25番目に数えられる。名前の通り山野の霧の神だと考えられる。

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国之狭土神

くにのさづちのかみ

日本神話に登場する土の神の一人。「古事記」では「天之狭土神」と表記され、天之狭土神とともに大山津見神野椎神両神から生まれた神だが、伊邪那岐命伊邪那美命の御子神「三十五神」の一柱として23番目に数えられる。「日本書紀」では「国狹槌尊(くにのさづちのみこと)」あるいは「国狹立尊(くにのさたちのみこと)」と表記され、天地開闢の段で登場する。名前の「サヅチ」は神稲の植える大切な土を意味すると考えられる。

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国之常立神

くにのとこたちのかみ

記紀神話における創世初期の神々の一人。「国之常立神」は古事記での表記で、日本書紀では「国常立尊(くにのとこたちのみこと)」あるいは「国底立尊(くにのそこたちのみこと)」の名で登場する。「古事記」では別天神に続いて出現した「神世七代」の第一代で、高天原に最初に現れた天之御中主神から数えて6番目に出現した神。「日本書紀」では天地開闢の段において本書と六つある一書(別伝)全てに名が見える。天之常立神と対の神ではあるが、もともと国之常立神の方が実際に古くから信仰されていた神であり、天之常立神はそれに対応する神として創造されたものであると考えられている。従って「国」は天に対する「地」を意味し、地上ないし国土を永久不変な確固たるものとして安定せしめた神だと考えられる。また名前の「常(とこ)」は別名の通り「底」に通じ、底が立つ、つまり地盤がしっかり根付いた状態を表すと考えられる。

日本の神々を陰陽五行説などに基づいて解釈する吉田神道や伊勢神道といった神道説では、国之常立神を宇宙の根源であり、日本の神的世界の中心に位置する神だとする。また国之常立神は万物の草分けと考えられるため、「草分尊(くさわけのみこと)」と呼ぶ場合もある。

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国水分神

くにのみくまりのかみ

日本記紀神話に登場する水の神。天水分神とともに速秋津日子神速秋津比売神両神から生まれた。神名の「水分(みくまり)」は「水配り」を意味し分水嶺を司る神とされる。この神を含め、速秋津日子神、速秋津比売神両神から生まれた八柱の神は伊邪那岐命伊邪那美命の御子神35柱に数えられている。

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国御柱神

くにのみはしらのかみ

記紀神話において風を司る女神であり、男神である天御柱神と対を成している。名前の「御柱(みはしら)」は恐らく竜巻を形容したものであろう。この両神は共に奈良の竜田神社の祭神であり、国御柱神は日本書紀に「級長戸辺命(しなとべのかみ)」の名で見える。「級長戸(しなと)」とは「科戸」のことで風が起こる場所を、「辺(べ)」は「女(め)」が変形で女性であることを示す。また日本書紀では続いて級長戸辺命の別名として「級長津彦命(しなつひこのみこと)」を挙げているが、これは明らかに対になるべき男神(つまり天御柱神のこと)で間違って表記されたものと考えられる。国御柱神はまた「志那都比売神(しなつひめのかみ)」とも呼ばれる。

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クヌブリアー

Kunubriar

オーストラリアの先住民族、アボリジニーの信仰において、竜巻の精霊コンパーニンの三人の息子の一人で東風の精霊。昼はコンパーニンの首飾りの貝殻の中に閉じ込められているが、夜になると解き放たれ、人間の姿で踊るという。

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クヌム

Khnum

古代エジプトにおいて人類を創造したとされる神。「フヌム(Hnmw)」とも呼ばれる。配偶神はサテトアヌケト、あるいはヘケトなど。カタラクト(瀑布地帯)の神でナイル川を象徴し、多産と創造の神とされる。南エジプトで信仰され、主聖所は象牙の島(エレファンティネ)にあり、配偶神とともに祀られた。角を生やした雄羊の頭を持つ男、あるいは雄羊そのもので表現される。ろくろの前に座った姿で描かれることが多い。太陽神レーが信仰されるより古くからの神で、クヌム信仰においてはこの神こそが創造神であり、他の神々やナイル河を含め全てのものを創ったとされた。恐らくナイル川の氾濫によって運ばれる泥土を象徴する神であり、肥沃な大地=豊穣や陶芸・陶器を司る神とされる。土をこね、ろくろを使って人間や動物を作ったといわれる。またナイル川の源流を守る水番であり、ナイル川の増水を司っているとも考えられた。普段は温和だが、怒ると恐ろしい神であり、アスワン付近にあるナイル河の急流地帯に棲んでおり、ナイル川の水量を調節し、洪水や旱魃さえ意のままに起こすことが出来たという。また、ヌビアの神ドゥーンドゥーンはクヌムと一体化するに至っている。

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クネヒト・ルプレヒト

Knecht Ruprecht

ドイツのクリスマスにまつわる妖精。名前は「召使いルプレヒト(ルパート)」の意。クリスマスに別の二人(ヴァイナハト・マン(→ペルツニッケル)やクリス・クリングレなど)と連れ立って現れる。良い子にはクリス・クリングレがプレゼントをくれるが、悪い子はクネヒト・ルプレヒトによってお仕置きされる。長いあごひげを生やして杖を持ち、毛羽立った服と毛皮を着た格好をしている。クネヒト・ルプレヒトの背負っている袋の中には灰が詰まっているとされる。

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くね揺すり

くねゆすり

日本の秋田県仙北郡角舘町に伝わる妖怪。「くね」とは生け垣のことで、生け垣を酷く揺る音が聞こえるのに、音の出所には何も見当たらない、という怪異を起こす。小豆洗いのように音を発せど正体を表さない妖怪と同種と考えられる。

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クーノ

Khuno

アンデス高地の渓谷地帯に住む人々における嵐と薬の神。神話によれば、最も高い渓谷で人々が木を燃やして農耕を始めたとき、クーノは煙と煤で自分の雪が汚されたことを怒り、洪水を起こして人々を溺れさせた。洞窟に逃れた一部の人々は、コカノキを見つけ、その葉を噛むと飢えや寒さや不幸の感覚がなくなることを知った。また、クーノは恐ろしい神である反面、人間が農耕の準備に森を焼く時期に、雨や雪をもたらす神でもある。

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クババ

Kubaba

小アジアのカルケミシュ(古代オリエント、ユーフラテス河畔にあった古代都市)の女神。カルケミシュの神話上はたいした役割を与えられていなかったが、やがてヒッタイトの新王国で第一の女神となり、地母神としての性格を持つようになった。鏡、ザクロなどに象徴される。クババの名前とその象徴の幾つかはプリュギアの地母神キュベレに引き継がれた。つまりキュベレを象徴するものにも鏡、ザクロが含まれている。北メソポタミアでは「グババ」と呼ばれていた。

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クバール・クグザ

Kübar kuguza

ロシアのマリ人(チェレミス人)の民間信仰における悪魔の一種。「橋の老人」という意味で、他に「クバール・ジュマル・クグザ(Kübar jumal kuguza=橋の下の老人)」とも呼ばれる。どちらの名前にしても婉曲的な言い方であり、本来の名前を忌み名として避けてこのように呼ぶ。橋の下に棲み、橋を渡ろうとする人を襲う悪魔だという。

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鳩槃荼 くはんだ

kumbhāṇḍa

「くばんだ」とも発音する。仏教における悪鬼の一種。インド神話に登場する「クンバーンダ(kumbhāṇḍa)」が仏教に取り込まれたもの。「クンバーンダ」とは「甕の形の睾丸」という意味を持ち、その名の通り甕の如く大きな睾丸を持つ種族とされる。このため、「甕形鬼(おうぎょうき)」、「冬瓜鬼(とうがんき)」などとも呼ばれる。また「鳩槃荼」の他に「拘辨荼(くべんだ)」、「弓槃荼(きゅうばんだ)」と音写したり、「鳩槃荼鬼(くはんだき)」、「鳩槃荼夜叉神(くはんだやしゃじん)」と呼ばれることもある。八部鬼衆の一尊で「薛茘多(へいれいた)」(→餓鬼)とともに増長天の眷属とされる。胎蔵界曼荼羅では「鳩槃荼女(くはんだにょ)」とともに外金剛部院(最外院)の南(右)方に配される。

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クピド

Cupid

ローマにおける恋を司る翼を持つ少年の神。英語読みである「キューピッド」で知られる。名前はラテン語で「Cupere(あこがれる)+īdō(名詞語尾)」が語源でウェヌスの息子とされる。背中に背負った矢筒には「欲望の矢」が入っていて、これを使って神々や人間の心に恋の炎をつける悪戯好きな神とされる。また彼の矢持っている矢の中には反対に自分に恋してくれる者につれなくあたってしまう、という矢もあったという。

ある伝承では、母親のウェヌスが嫉妬するほど美しい女神プシュケ(Psyche=魂の意)と大恋愛の後結婚することになっているが、ギリシア神話ではクピドはエロスに置き換わっている。

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宮毘羅 くびら

Kumbhīra

仏教において、薬師如来の眷属十二神将の一尊。般若菩薩の眷属である十六善神の一尊「禁毘羅(きんぴら)」は同体とされる。古代インド、マガダ王国の首都ラージャグルハ(王舎城と漢訳される)の守護神「クンビーラ(Kumbhīra)」が仏教に取り込まれたもので、音訳で「倶毘羅(くびら)」、「倶尾羅(くびら)」、「宮毘羅大将(くびらたいしょう)」、また意味訳から「鰐魚(がくぎょ)」とも呼ばれる。十二支のうち子ないし亥の神で本地は弥勒菩薩だとされ、武装し、忿怒(ふんぬ)の姿をとるが、持物は一定しない。

日本では十二神将の他に大物主神と習合し「金毘羅(こんぴら)」の名で海神としても信仰されている

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宮毘羅大将 くびらたいしょう

Kumbhīra Maha- senāpati

クプランガシュ

Kuplaηgaš

ロシアのマリ人(チェレミス人)の民間信仰における悪魔(ケレメト)の一種。

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クベーラ

Kubera, Kuvera

インド神話における北方の守護神。地中に埋めた財宝を護る富の神で、ヴェーダ神話では単に魔族の王に過ぎなかったが、叙事詩では非常に重要な神となった。「ヴァイシュラヴァナ(Vaiśravaṇa)」とも称され、太鼓腹と短い足の矮人として表現される。ヒマラヤ山中のカイラーサ山頂の都アラカーでガンダルヴァヤクシャラークシャサなどの半神半魔の諸族にかしずかれている。仏教神話にもヴァイシュラヴァナを音写した毘沙門天の名で四天王の一尊として取り入られている。

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熊野久須毘命

くまのくすびのみこと

日本記紀神話に見える神の一人。古事記には熊野久須毘命(くまのくすびのみこと/くまぬくすびのみこと)」、日本書紀には「熊野櫲樟日命(くまのくすびのみこと)」、「熊野忍󠄁隈命(くまののおしくまのみこと)」、「熊野大角命(くまののおおくまのみこと)」、「熊野忍󠄁蹈命(くまのおしほみのみこと)」などの名で記載されている。

天照大御神須佐之男命の間に誓約(うけい)が行われた時に生まれた男神五柱のうちの一柱。熊野那智大社の祭神である「熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)」と同一神、或いは熊野大社の元々の祭神ではないかと考えられている。「くすび」は「奇し霊(くしび=神秘的な霊威)」或いは「奇し火」の転訛だと考えられる。

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熊野速玉大神

くまのはやたまのおおかみ

熊野三山のうち「熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)」、旧名「熊野早玉神社(くまのはやたまじんじゃ)」の主祭神として祀られる神。単に「速玉大神(はやたまのおおかみ)」というほか、「御子速玉大神(みこはやたまのおおかみ)」、「熊野速玉神(くまのはやたまのかみ)」、「熊野速玉之男大神(くまのはやたまのおのおおかみ)」などの名前でも呼ばれる。「日本書紀」や「先代旧事本紀」に言及される、伊邪那美命の御子神である「速玉之男神」と同神とされ、熊野速玉大社では「熊野速玉大神」として、全国の「熊野神社(くまのじんじゃ)」では「速玉之男神(はやたまのおのかみ)」として祀られるほか、島根県松江市八雲町熊野の「熊野大社(くまのたいしゃ)」の摂社である「伊邪那美神社(いざなみじんじゃ)」、「稲田神社(いなだじんじゃ)」などにも配祀される。熊野三所権現の一尊としては薬師如来を本地仏とする。

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熊野夫須美大神

くまのふすみのおおかみ

熊野三山のうち「熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)」、旧名「那智神社(なちじんじゃ)」ないし「熊野夫須美神社(くまのふすみじんじゃ)」の主祭神として祀られる神。「熊野夫須美命(くまのふすみのみこと)」、「熊野牟須美大神(くまのむすびのおおかみ)」などの名前でも呼ばれる。神名の「フスミ」は「産霊(むすひ)」のことで、霊的な生成力を示す。この神の名は「古事記」や「日本書紀」には登場しないが、天照大御神須佐之男命との誓約(うけい)の際に生まれた男神五柱の一柱である熊野久須毘命と同神ではないかとされる。また一方で熊野那智大社の社伝では熊野夫須美大神を伊邪那美命と同一視する。更に伊邪那岐命の御子神で祓いの神である事解之男神とも同体とされる。全国の熊野神社では多くは三柱の祭神を祀るが、熊野夫須美大神を祭神とすることは少なく、代わりに事解之男神や伊邪那美命がその三柱に入ることが多い。熊野三所権現の一尊としては千手観音を本地仏とする。

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鳩摩羅天 くまらてん

Kumāra

仏教において天部(→)に属する神の一尊。「倶摩羅(くまら)」、「拘摩羅(くまら)」、「矩摩羅天(くまらてん)」、「鳩摩羅伽天(くまらかてん)」、「童子天(どうじてん)」などの名でも呼ばれる。名前はサンスクリットでスカンダの別名である「クマーラ(Kumāra)」の音写で、童子や少年を意味する。このため、韋駄天(=スカンダ)を同体とされることがある。またこの関係で大自在天(=シヴァ)あるいは火天(=アグニ)の子ともされる。

童子や少年を意味する名前の通り童子の姿で表され、子供の如く無垢で清浄であり、「執着心を持たない」という徳を体現する存在とされる。色界の初禅天の王、つまり「初禅梵王(しょぜんぼんのう)」(→梵天)は鳩摩羅天のこととされる場合がある。インドや中国では信仰されたが、日本では曼荼羅などに名を連ねるのみである。胎蔵界曼荼羅では外金剛部院の西方(下部)に、金剛界曼荼羅には二十天の一人として東方(下部)に配される。その像容は胎蔵界曼荼羅では黄色の身色、童顔の六面二臂で右手に三股戟を持ち左手でその柄を受け、孔雀(座)に右足だけ垂れて座る。金剛界曼荼羅では白肉色の身色の一面二臂で三鈷鈴を持ち荷葉に坐す。

種字は「कु(ku)」、「स्क(ska)」、真言は「唵塞建陀嚩日囉健吒(おんそくけんだばじらけんた)」、三昧耶形は槊、三鈷鈴。

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クマルビ

Kumarbi

フリ人(カスピ海南沿岸の山岳地帯に住んでいた民族)の神話に登場する、神々の王たる神。フリ人の信仰はヒッタイト人の信仰に大きな影響を与えた。クマルビは王になるためにアヌを退けなければいけなかった。クマルビはアヌに仕えていたが、9年間が過ぎたとき、クマルビはアヌに襲いかかった。アヌはすぐさま鳥のように空に舞い上がり、天まで行ってしまった。しかしクマルビはアヌの足をつかんで引きずり下ろし、ペニスを噛みきってしまった。アヌはクマルビに向かって、喜んではいけない、お前は私の精液によって子供を孕み、やがて3人の恐ろしい神々を産むであろう、と予言した。これら3人の神々はテシュブの三つの異なった顔であると信じられていた。

クマルビは最後に自分の息子テシュブによって王位を奪われた。クマルビは復讐を決意し、海の助けを得ることでもう一人息子をもうけた。ウルリクムミと呼ばれるこの子供は体が閃緑岩で出来ており、海の真ん中に住んでいるウペルリという巨人の肩の上に乗っていた。テシュブはウルリクムミを攻めるが成功せず、退位を余儀なくされた。この物語の結末は散逸したが、最後はテシュブがクマルビを破り、再び王位に付いたと考えられている。

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クマン

Kumang

インドネシアのボルネオ島の海洋民イバン人が信じる母神。昔クマンはアラビア半島のメッカに住んでいたという、イバン人の祖先であるブジャンもメッカに住んでいたが、メッカからスマトラ島、さらにボルネオ島と、神々とともに移動してきたとされる。クマンは首狩りを象徴する、いわば戦神であり、イバン人は首を所有することは偉大な戦士となる魔法を授かったことだと考える。そのためイバン人には首を狩る風習があった。

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クムシュ

Kumush

アメリカのネイティブアメリカン、原ペヌート(プラトゥ・ペヌート)族に属するモドック族において、人間(モドック族)の登場に関連する前人類にして創造神。「太古の人々のうちの一人の老人」として認知されている。太古の時代、今の人類達は地下世界に霊魂として住んでいたが、彼等を地上へ連れ出したのがクムシュである。霊魂たちに地上の世界がどれだけすばらしいかを説明し、地上へと連れて行き、また地下世界から持ってきた骨を使って人間に肉体を与えた。このためモドック族の人々は「クムシュに選ばれた民」であるとを自認している。世界を作り終え人類を地上に連れ出したクムシュは、その後「太陽の道」に沿って旅をして天空に登り、自分と娘のための家を建て、そこで暮らしているとされる。

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"蜘蛛女"(ティオティワカン)

Teotihuacan Spider Woman

テオティワカンの古典期の大女神。本来の名前は不明であり、便宜上「(テオティワカンの)蜘蛛女」と呼ばれている。現在の世界の創造神であり、最高神であったと考えられている。テオティワカンの太陽のピラミッド、その広場の東方500mに位置するテパンティトラの宮殿壁画に描かれている。この壁画は今までトラロックと、トラロックの世界である「トラロカン」を表したものだと考えられてきたが、最近の研究によりこの図象はほぼ間違いなく女性像であるとわかった。トラロカンだと思われていたものはテオティワカンの起源を表すものだと考えられている。蜘蛛の牙とヒゲを持つ、体は黄色く描かれることが多く、周りに蜘蛛の図象が描かれることもある。またフクロウの円形の刻印が中心についた、ジャガーの冠をかぶっていることが多い。

この蜘蛛女の周りには彼女自身の大きさに比べて小さすぎる人物像が何体も描かれている。どうやら彼らは楽しげに遊び戯れ、踊り、歌っているようである。彼らの口からはスピーチ・スクロール(言葉を表す渦巻き文)がでている。蜘蛛女はテオティワカンの神々を支配し、自らの世界を統治していた。この女神はアステカの女神である始祖母トシの原型になった神だと考えられ、両神とも配偶神は「老いた火の神」だったのかもしれない。

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九曜 くよう

Navagraha

インドの天文学や占星術において扱われた「ナヴァグラハ(Navagraha)」が仏教にとりいれられたもの。「九執(くしゅう)」とも呼ばれる。太陽と月、及び5つの惑星からなる七曜に、日食や月食を起こす天体とされた羅睺曜と、彗星を計都曜として加えたもの。胎蔵界曼荼羅の金剛外院に四方に分けて配されるほか、星曼荼羅では第一院や第二院に並ぶ。

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闇淤加美神

くらおかみのかみ

日本記紀神話に登場する水神。名前の「クラ」は谷間、「オカミ」は龍の古語で水神を意味し、総じて水を司る谷間の龍神を意味する。「闇淤加美神」は「古事記」での表記で、「日本書紀」では同訓で「闇龗」と記されている。伊邪那岐命火之迦具土神を刀(→伊都尾羽張神)で斬った時、その血から生まれた神の一柱とされる。

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クラーケン

Kraken

北欧に伝えられる海の怪物。「クラッベン(Krabben)」、「シュクラケン(Sykraken)」とも呼ばれる。名前はノルウェー語の「クラーク(極地)」を元にしている。「海に住む巨大な怪物」という以外の特徴は一定しない。巨大な海蛇、巨大な(エビやカニのような)甲殻類、巨大な島のような肉の塊など多くの説があるが、一般的にタコやイカのような頭足類の多足動物の姿をしているとされることが多い。エーリク・ポンドピダン著の「ノルウェー博物誌(1752)」によれば、体の幅は2.5キロあり、決して全身を目にすることが出来ない。強力な匂いを発して魚をひきつけて食べるのだが、何ヶ月も食べていたかと思えば何ヶ月も排泄ばかりするのだという(そしてこの排泄物にも魚が群がってくるという)。またイカやタコのように海を黒く染める液体を吐き出すともされる。時に船を襲って沈没させたりするが、元来の性質は大人しく、無闇に人や船を襲ったりはしないという。

ユダヤ教、キリスト教の伝説に登場する天地創造の際生まれた二匹の怪魚をクラーケンとすることがある。現在ではクラーケンの正体はダイオウイカではないかと考えられているが、ダイオウイカは深海域でしか行動しないため、船を襲ったりすることはまず無い。

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グラシャラボラス

Glasyalabolas

ユダヤの魔神で、ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。「偽エノク文書」の目録にもその名前が見られる。「カシモラル(Cassimolar)」、「グラシャ(Glasya)」、「グラキア・ラボラス(Glacia Labolas)」など、数多くの別名を持つが、これらの別名の中で、特に「カールクリノラース(Caalcrinolaas)」が有名。召還した者の前には、大きな翼を持つ犬の姿であらわれるとされている。人間を殺害するという直接的な仕事をこなす他に、広範な学問、特に科学の知識を召還した者に授けるという。また、人間の姿を見えなくする能力を持つ。

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グラシャン

Glashan

マン島の民間伝承に登場する妖精。フェノゼリーのように勤勉で親切な妖精で、夕暮れから夜明けまで農村で刈り取りや脱穀などの農作業を手伝ってくれる。恥ずかしがり屋で誰にも姿を見られないうちに帰ってしまう。島の南部の丘に住んでいるとされる。

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グラシュティン

Glashtin, Glastyn

マン島における水の精霊。カーヴァル・ウシュタと同じようにケルピーに代表される恐ろしい水棲馬のバリエーションのひとつ。黒髪のハンサムな若者に化けることもあるが、耳だけは馬のままである(しかし耳は髪に隠れて見えない事が多い)。川岸や湖畔に馬の姿で暮らしていて人間を誘惑し自分の背に乗せる。グラシュティンの背に乗ってしまった者はそのまま水中に引きずりこまれ貪り食われることとなる。捕まると命はないが、雄鶏が鳴くとグラシュティンが捕まえたものをおいて逃げていった、という話もある。

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蔵ぼっこ

くらぼっこ

日本の岩手県遠野地方に伝わる蔵に住む妖怪。「ぼっこ」とは赤ん坊を指す。「御蔵ぼっこ(おくらぼっこ)」、「蔵童子(くらわらし)」とも呼ばれる。座敷童子と同種の妖怪で蔵ぼっこが蔵に住む家は繁盛するが、いなくなると家運が傾くという。蔵に籾殻などを撒いておけば子供の小さな足跡が付くので、それで蔵ぼっこがいるかどうかが分かるという。

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闇御津羽神

くらみつはのかみ

日本記紀神話に登場する水神。名前の「クラ」は谷間、「ミツハ」は引き水を意味し、総じて渓谷の水の神を意味すると考えられる。「古事記」では「闇御津羽神」、「日本書紀」では「闇罔象(くらみつは)」と記されている。伊邪那岐命火之迦具土神を刀(→伊都尾羽張神)で切り殺した時、その血から生まれた神の一柱とされる。

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闇山津見神

くらやまつみのかみ

日本記紀神話に登場する山神。「古事記」によれば、伊邪那岐命火之迦具土神を斬ったときに火之迦具土神の斬られた陰(ほと)の部分から生まれた神であるが、「日本書紀」の一書に出てくる同じ話の中ではこの神の名前は現れず、斬られて別れた部位として陰部もでてこない。名前の「クラ」は谷間を意味するため、谷山を象徴する神と考えられる。

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クランガイ・トゥク

Kurangai Tuku

ニュージーランドのマオリ族の伝説に登場する女の怪物。「クランガイ・トゥプ(Kurangai Tupu)」ともいう。山をその足でまたげる程の巨人であり、腕にはコウモリのような翼があり、唇は大きくめくれて突き出している。この翼で空を飛び鳥を唇で捕獲して餌にするとされる。ある日森の中をさ迷っていた男がクランガイ・トゥクに捕まった。怪物は男を後で食べるために自分の住処であった洞窟に鳥と一緒に閉じ込めた。男は呪歌で洞窟を開き鳥と共に逃げ出したが、途中でその中の一羽が裏切って男が逃げたことを知らせた。すぐさま怪物は男に追いついたので、男は煮えたぎる温泉の周りを迂回してなおも逃げた。クランガイ・トゥクは温泉を迂回しないで中に入ってしまい、火傷して死んでしまったという。

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グランガチ

Grangach

オーストラリアの先住民族アボリジニの伝説に登場する川や海の精霊の一種。「グランガッチ(Grangatch)」とも呼ばれる。ワニのような姿で、体には魚の鱗があり、頑丈そうな前脚と未発達で小さな後脚を持っている。グンダンガーラ族の人々が祖先の霊として敬う神的な存在で、夜は静かに水の底に横たわっており、昼は岸に這い上がって日光浴をしたという。遠い昔、自分を捕まえにきたフクロネコの精霊と争ったことがあり、そのときに肉をちぎられたため、背中にギザギザの傷跡が残っている。またニューサウスウェールズの川にある多くの洞窟この闘争の時にグランガチが穴を掘って逃げた跡だとされている。

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クランプス

Krampus

オーストリアの民間伝承に登場する精霊。小悪魔のような姿で意地悪な性格をしているがクリスマスの手伝いをしてくれるとされる。また冬になると夜な夜な行儀の悪い子供を探し出して懲らしめる精霊としても知られている。

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クリオズナ

Cliodhna

アイルランド神話における女神の一人。クリオズナとともに居る三羽の鳥は歌で病人を眠らせ治すことが出来たという。人間の若者キアバンと恋に落ち、共に生きようとしたが、海神マナナン・マクリルはそれを許さず、大波で岸辺に居た彼女を攫い、故郷である異界「エヴヒン」に彼女を連れ戻した。

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クリカウェリ

Curicaueri

メソアメリカ西部、メキシコ盆地の北部と西部のパツクアロ湖畔(現ミチョアカン州)の住んでいたタラスコ人の信じる創造神であり、また創造の男性原理。「クリカベリ」とも呼ばれる。配偶神であるクェラウァペリとの間にシャラタンガという月の女神をもうけている。また化身ケレンダ=アンガペティとしては太陽神、火の神、トウモロコシ(メイズ)の神となる。

崇拝の中心地はツインツンツァンにあるヤカタ(神殿群)であり、ヤカタで絶え間なく火を焚き続けることが、クリカウェリ信仰では重要とされた。このために「クリトシット=アチャ(Curihtsir-acha)=火の番をする者」と呼ばれる5人の特別な神官が任務についていた。煙は特に重要とされ、人間と神々との特別な交信方法であると信じられていた。この聖なる火には香りを与えるためにタバコが投げ込まれた(また、タバコを吸えるのは神官だけだった)。また、高価な毛布を織り、聖なる火で焼くトウモロコシのパンを作ることでクリカウェリに仕えていた女性の集団も存在した。戦争捕虜はクリカウェリの生贄となり、クリカウェリとクェラウァペリを祀る儀礼である「シクインディロ」ではその血が聖なる火に捧げられた。神官は生贄の皮を着て踊りを踊り、心臓はアラロの温泉に投げ込まれた。

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倶利伽羅龍王 くりからりゅうおう

Kṛkāla, Kulika

仏教における龍王の一尊で不動明王の化身とされる。サンスクリット名を「クリカーラ(Kṛkāla)」ないし「クリカー(Kulika)」といい、同訓で「倶力迦羅龍王」、「倶哩迦羅龍王」などと記すほか、「倶哩迦龍(くりかりゅう)」、「拘理迦(くりか)」、「古力迦龍王(こりかりゅうおう)」、「倶哩迦羅大龍王(くりからだいりゅうおう)」などの名前でも呼ばれる。また意味訳から「黒龍(こくりゅう)」、「黒色龍王(こくしきりゅうおう)」、「尊勅龍王(そんちょくりゅうおう)」などの別称を持つ。

不動明王が外道と争ったとき、智火の剣となりまた龍に変成し、外道を従えたという説話があり、この龍が倶利伽羅龍王とされる。倶利伽羅龍王は剣に巻きつく炎を纏った龍の姿で表されるが、剣は外道を象徴し、倶利伽羅龍王はこれを従える不動明王自身を象徴する。またその四肢は降三世明王軍荼利明王大威徳明王金剛夜叉明王の四大明王を象徴でもあるという。

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グリゴリ

Grigori

旧約聖書偽典「第2エノク書(スラブ語エノク書)」に言及される堕天した天使の一群。「見張る者」の意。「エゴロイ(Egoroi)」、「エグレゴリ(Egregori)」、「ウォッチャーズ(Watchers)」とも呼ばれる。元々グリゴリとは人間を教育する目的で編成された天使の一群で、アダムとエヴァたちの子孫を見張るために地上から降りてきた者達だった。彼らは人間の娘達に魅了され、人間の娘達と結婚し子供を作ろうと考えた。勿論このような行いは神によって禁止されていたが、グリゴリの一員の決心は固く、結局この計画には数十の首長(Chief of Tens)を含む200人の天使が賛同した。それぞれが美しい人間の妻を娶り、子供を産ませたが、この子供たちは背丈が3000キュピット(1350m)もある巨人となった。この巨人の子供達の食欲はすさまじく、人間の作る食糧ではとても間に合わず共食いまで始める始末だった。しかもグリゴリ達は自分の妻たちに武器の製造の仕方や、腕輪などの作り方、男に媚を売るための化粧法や薬物の製造法といった「知恵」を与えてしまった。これによって人間達の間では姦淫や殺し合いが横行するようになり、この罪によってグリゴリ達は幽閉され、神の裁きによってノアとノアの箱舟の乗員以外の全ての人間は洪水によって押し流されるという大惨事を招くに至った。

堕天した200人のグリゴリの天使のうち、名前がわかっているのは一部である。教皇文書によれば、「グリゴリ」とは実は天使の9階級の、今は無い第10階級を組織する天使達だったとされている。

《グリゴリとされる天使》
名称 備考
アナネル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。

アラキバ

数十の首長(Chief of Tens)の一人。

アルマロス

数十の首長(Chief of Tens)の一人。人間に護法についての知識を与えた。

アサエル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。

バラクィヤル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。人間に占星術を教えた。

バタレル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。

ダニエル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。

エゼクェエル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。人間に雲についての知識を教えた。

ヨムヤエル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。

カカベル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。人間に占星術を教えた。

ラメエル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。

ラムエル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。

シェミハザ

数十の首長(Chief of Tens)の一人。人間に魔法や根切りを教えた。

サムサペエル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。

サリエル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。人間に月の運行について教えた。

サタレル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。

タミエル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。人間に星の観察方法を教えた。

トゥレル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。

ウラカバラメエル

数十の首長(Chief of Tens)の一人。

ザヴェベ

数十の首長(Chief of Tens)の一人。

ガドレエル

人間に戦うための武器の製造法や使い方を教えた。

ガドレエル

人間に戦うための武器の製造法や使い方を教えた。

ペネムエ

人間に紙とインクの製造方法と筆記法を教えた。

シャムシエル

人間に「太陽の宮」を教えた。

カスデヤ

人間に「堕胎を含む様々な悪行」を教えた。

サハリエル

人間に呪縛魔術(金縛り術)などの知識を教えた。

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クリシュナ

Kṛiṣṇa

インド神話において最も民衆に人気のあった神の一つ。すでに「リグ・ヴェーダ」にその名が現われるが、叙事詩において著しく神格化され、またヴィシュヌと同一視、或いはヴィシュヌの8番目のアヴァターラ(化身)とされた。

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クリス・クリングレ

Kriss Kringle

ドイツ南部におけるクリスマスにまつわる妖精。名前は「幼子イエス」の意。元々ドイツやオーストリアでは、クリスマスに幼子の姿をしたイエス・キリストが子供にプレゼントを持ってくるとされていた。聖ニコラウス(=サンタクロース)の従者として、あるいはクリス・クリングレ自身がサンタクロース的な役割を担いプレゼントを子供に配る。ただし悪い子にはプレゼントが与えられず、一緒にやってくるクネヒト・ルプレヒトにお仕置きされる。

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クリッティカー

Kṛttikā

グリード

Grid, Gríðr

北欧神話に登場する女巨人の一人。しかしグリードは巨人族(ヨツン)よりもむしろアサ神族に対して協力的であり、雷神トールが巨人ゲイルロドの館を訪れようとしていた時に、ゲイルロドに立ち向かえるようにと魔法の武具を貸し与えたほどである。またグリードはオーディンとの間に寡黙の神ヴィーダルをもうけたとされている。ヴィーダルはグリードからもらった特製の靴によりフェンリルを打ち負かした。

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グリフィン

Griffin

汎ヨーロッパ的に民間伝承や伝説に登場する聖獣。「グリフォン(Gryffon,Griffon,Griphon)」、「グリュフォン(Gryphon,Gryffon)」とも呼ばれる。グリフィンという名前には「つかむ」と言う意味があり、元々はギリシア語の「グリュプス(Gryps)」ないしラテン語の「グリフス(Gryphus)」からきている。頭と上半身がワシ、下半身がライオンの姿をしている。眼は大きく赤く、体は茶色で、翼は青、あるいは白とされる。ライオンとワシの間に出来た子供とされ、意地悪く強欲で自分のテリトリーを侵す者には容赦なく、その巨大な鉤爪で襲い掛かる。中世ヨーロッパにおいては時祷書や詩篇、動物寓話集に頻繁に登場するようになり、馬を忌み嫌う存在とされたりした。中世末期には旅行家の記録にも登場するようになり、例えばジョン・マンデヴィルの「東方旅行記」には、ライオンの八倍もある巨大な怪物で額から突き出した大きな角を使って水を飲んでいたと記録されている。ヨーロッパの貴族の家紋や王家の紋章、美術作品の図案に多く使用されている。

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クリミナ

Kulimina

南アメリカ北部オリノコ川流域に住むアラワク族における創造神の一柱。もう一人はクルルマニ。クルルマニは男を、クリミナは女をそれぞれ創造した。

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グリュプス

Gryps, Grypes

ギリシア・ローマ神話におけるグリフィンの元となった怪物。ライオン或いは馬の体にわしの頭を持つ混成生物で、スキタイ(現在の南ロシア)にいると想像された怪物で、金を大量に見つけて蓄えるという習性を持っていた。スキタイに住むとされた額にも目を持つ三つ目のアリマスポイ人達は、グリュプス達を定期的に襲撃しては金を奪ったという。また鉱物資源や金山を守護する役割を担うともされ、ローマ人はグリュプスを守護の象徴として用いた。

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グリーンマン

Green Man

イギリス各地の森にいる樹木の精霊の一種。木の幹が胴体で、血を這う根のような足を持ち、無数の葉を茂らせた木の枝が腕になっているので、見たところは森の中に他の木々と区別できない。そうして誰にも気付かれぬよう動き回っては無数の葉に隠れた顔で辺りをうかがっている。森を荒らそうとする人間が入り込んでくるや、大木の倒れる音、葉擦れの音、枝の折れる音などを立てて森から追い出そうとする。

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グルアガッハ

Gruagach

イギリスのスコットランド高地地方に棲む、性別のはっきりしない小人の妖精の一種。「グローガン(Grogan)」、「グローガッハ(Grogach, Groagach)」とも呼ばれる。ブラウニーのように腕も足も毛深い。農家などを訪れては家事や農作業を手伝ってくれる。親切心が強すぎるのか、ある農家を訪ねては毎夜決まった量の麦の脱穀を手伝っていたグルアガッハが、約束の麦束が用意されていなかった夜に、倉庫の中の全ての麦を脱穀しようとして働きすぎて死んでしまったという話がある。服をプレゼントするとそれが別れの挨拶だと勘違いし、泣きながら出て行く。

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クルシェドラ

Kulshedra

アルバニアの民間伝承における水棲の女悪魔。「クセドレ(Kuçedrë)」とも呼ばれる。垂れ下がった醜い乳房を持つ老婆か、或いは火の粉を吐きながら空を飛ぶアイトワラスのような小型のドラゴンの姿で現れる。飲み水使えるような綺麗な水でもクルシェドラの尿が混ざればたちまち使えない汚い水と化す。また水を枯渇させるのもクルシェドラの仕業とされる。クルシェドラの害を防ぐには人身御供を捧げるしかないとされる。クルシェドラには対となる「クルシェデル(Kulshedër)」という悪魔がいるが、この悪魔は陸に住んでいるとされる。

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グルス

Guls

一般的に複数形で「グルセス(Gulses=グルスたち)」と呼ばれる女神群。ヒッタイトの女神で、グルスとは「書記」、「運命を決める女性」を意味する。グルスたちは個々の人間にそれぞれの運命を振り当て、生と死ばかりか、善と悪を司る。フリ人は「フテナ(Hutena)」と呼んでいた。

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グルスカプ

Gluskap

北アメリカの中西部に住むネイティブアメリカン、アルゴンキン語族に属するアブナーキ族における文化英雄であり変換者。「グルースキャップ(Glooscap)」、「グルスカベ(Gluskabe)」、「グルスカビ(Gluskabi)」、「クルスキャップ(Kluscap)」、「グルスカブ(Gluskab)」、「クロスコンバ(Kloskomba)」などの名前でも呼ばれる。名前は「無から来た者」或いは「言葉より創造された者」を意味すると考えられている。創造神タバルダック(Tabaldak)が人間を創造したあと彼の体についた埃から創造されたのがグルスカプを彼の兄弟であるマルスミス(Malsumis)とされる。オジプワ族におけるナナブッシュやクリー族におけるウィサケジャックに比定されるように、人間に多くの技術をもたらした。アブナーキ族の人々はグルスカプがいつか再来し、彼等を救いにくると信じている。

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クールマ

Kurma

インド神話において、ヴィシュヌが世界を救うために変身する十種の化身(アヴァターラ)の一つで亀を意味する。乳海攪拌の際、神々はマンダラ山を掘り起こして逆さにして攪拌棒としたが、マンダラ山の頂が尖っていたために大地に穴があいてしまった。そこでヴィシュヌが巨大な亀=クールマに変じ、マンダラ山の下に潜りこむことで穴があくことを防ぎ、攪拌を手助けしたという。

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クルラホーン

Cluricaune, Cluricaun

アイルランドの人家にある酒蔵に棲む妖精の一種。「クルプリコーン(Clupricaune)」、「クルーラコーン(Cluracan, Cluricaine, Cluricane)」とも呼ばれる。またティペラリでは「ルーラガドーン(Luricadaune)」、アルスターでは「ロゲリー・マン(Loghery Man)」の名で知られる。背丈は人間の大人の半分ほどで、老人の姿をしている。一人暮らしの妖精であることを示す長く赤いとんがり帽をかぶり、革のエプロンをし、靴に銀のバックルがついている。とても酒好きなので、しばしば家の召使達と一緒になって酔っ払っているが、主人の酒なのに家の者が酒蔵に来ると追い払ったりする者もいる。しかし、酒が漏れている酒樽があれば自分の体を詰め込んででもこぼれないようにする。家族がクルラホーンをおいて見付からないように引越ししようとすると、ワイン樽の中に隠れてついていくとされる。

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クルルマニ

Kururumany

南アメリカ北部オリノコ川流域に住むアラワク族における創造神の一柱。もう一人はクルルマニの配偶神であるクリミナ。彼等は「世界の起源」アルベリの代理人であり、クルルマニは男を、クリミナは女をそれぞれ創造したが、自分たちの創ったものが不完全であることに不満を持ち、人間に死をもたらすことにした。また、人間を苦しめるために、蛇やトカゲ、蚊、ノミなどの人間を噛む動物を創造したという。

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クルンタ

Kurunta

ヒッタイトの神で普通田舎に関係が深いと考えられていた。「豁然たる田園の子」と称される。消える神ハーヒマスの伝承に登場する。この伝承にはあらゆる生物が衰え死にゆくさまが描かれている。気象の神タルはクルンタがハーヒマスによって騙されるのを防ごうとしたが、ハーヒマスは人々を行動できないように麻痺させてしまい、クルンタも結局ハーヒマスに言いくるめられることになる。牡鹿の背に立って野兎とハヤブサを持った姿で描かれる。牡鹿はクルンタの聖獣とされる。

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グレイプ

Greip

北欧神話に登場する女巨人(ギュグル)の一人。名前は「吼えるもの」を意味する。ゲイルロドの娘でギャールプとは姉妹。ゲイルロドと二人の娘は雷神トールと姦計の神ロキを罠にかけ殺そうとしたが、グリードの密告により逆に打ち負かされ、3人とも殺されることになった。

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グレムリン

Gremlin

イギリスで機械、とりわけ航空機にとりつくと考えられた妖精の一種。飛行機、車などの機械や道具などに突発的、不可解な故障、不具合を起こさせるという。第二次世界大戦中に英国空軍爆撃司令部の少尉に発見された妖精。グレムリンという名前は、仕官食堂にあった本「グリムの妖精物語」と、食堂で唯一飲めたビール「フレムリン」を混ぜて作られたとされる。戦争中、飛行機の緊急発進を行おうとする度に故障が発見されるという事があり、調査の結果、真夜中に格納庫の飛行機の上で遊んでいる妖精が発見され、この妖精が機械の調子を狂わせる物だと分かった(というか、おそらく言い訳にグレムリンが使われたのだろう)。

機械のスペシャリストであり、目標の座標を見失わせたり、着陸直前に滑走路を3mも上下させたり、飛行中に燃料を使い尽くさせたり、大事なケーブルをかじって故障させたりする。だが、翼を持たないグレムリンは悪戯好きではあるが飛行機を墜落させたら自分も死んでしまうので、致命的な故障を起こさせたりはしない。逆にパイロットが無事に基地に戻れるように手助けする時もあるという。また他にも、フランクリンが稲妻から電気を得たとき、実はグレムリンが手伝っていたとされることもある。毛のまばらなジャックウサギのような姿、赤い上着と緑のズボンをはいた小人の姿、頭から角が生え、皮の飛行ジャケットとブーツを身につけた姿など、また水かきのある足にヒレのついた姿など多種の姿が目撃・報告されているが、いずれにしても翼を持たず、空を飛ぶのには航空機に乗るしかないらしい。

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クーン・アンヌヴン

Cwn annwn

イギリスのウェールズにおけるワイルド・ハント。名前は「異界(あるいは冥界)の猟犬」を意味する。また「母親の猟犬」を意味する、「クーン・ママイ(Cwn mamau)」のという名でも呼ばれる。クーン・アンヌヴンは目に見えないか、あるいは赤い耳をもった白い猟犬の群れで、時に悪魔や灰色の服を着た猟師に率いられた姿で現れる。彼らは地獄に連れていく死者の魂を集めるために現れるが、もし死者の魂が見つからない場合、洗礼前の赤ん坊や懺悔をしない者などをさらって地獄へ連れていくこともあるという。

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軍荼利明王 ぐんだりみょうおう

Kuṇḍalī

仏教において明王の一。サンスクリット名を「クンダリー(Kuṇḍalī)」ないし「アムリタクンダリン(Amṛtakuṇḍalin)」といい、クンダリーは瓶、アムリタは不死の妙薬(=甘露)を意味する。軍荼利明王のほか、「甘露軍荼利(かんろぐんだり)」、「甘露軍荼利明王(かんろぐんだりみょうおう)」、「大笑明王(たいしょうみょうおう)」、「吉里明王(きりみょうおう)」などの名でも呼ばれる。また音写では「阿密哩多軍荼利(あみりたぐんだり)」と称する。また上記の訳のほかクンダリーを「クンダラ(耳環)をもつもの」と解することもある。

宝生如来の教令輪身(きょうりょうりんじん=教化のために如来が明王の姿をとること)であり、悪鬼を懲らしめ甘露水により煩悩を洗い流す仏尊とされる。胎蔵界曼荼羅には蓮華部院(観自在院)に「蓮華軍荼利(れんげぐんだり)」、金剛手院に「金剛軍荼利(こんごうぐんだり)」、蘇悉地院に「甘露軍荼利(かんろぐんだり)」の三尊の軍荼利尊を使者として配するため、軍荼利明王は蓮華部、金剛部、仏部の三部に通じる総使の明王とされる。金剛界曼荼羅では降三世会に列し、五大明王の一人として南方を守護する。

密号は「甘露金剛(かんろこんごう)」、種字は「अ(a)」、「हूं(hūṃ)」、「कु(ku)」、「कुं(kuṃ)」、印相は羯磨印、真言は「唵婀密㗚帝吽発吒(おんあみりていうんはった)」、三昧耶形は三鈷杵、棒、剣、賢瓶。

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クンティー

Kuntī

クントゥサンポ

Kun-tu-bsan-po

チベットのボン教において神々の王とされる神。世界を一握りの泥の塊から、あらゆる生物を宇宙卵から創造したとされる。

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クンネチュカムイ

 

アイヌにおいて月を顕現体とするカムイ。名前は「夜に輝くカムイ」の意。女性のカムイだとされる。

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グンロズ

Gunnlod ,Gunnlöð

北欧神話に登場する女巨人(→ギュグル)の一人。魔法酒「クヴァシル(Kvasir)」の持ち主であるスットゥングの娘。スットゥングの命により洞窟で「クヴァシル(Kvasir)」の番をしていたが、魔法酒を欲しがったオーディンに誘惑され魔法酒を渡してしまった。

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