地蔵菩薩

菩薩(Bodhisattva)の一。インドでは「クシティガルバ(Kshitigarbha)」と呼ばれ、「地蔵」はその訳で「大地を包蔵する」という意味を持っている。「地蔵尊(じぞうそん)」、「地蔵薩埵(じぞうさった)」などの名称でも呼ばれる。罪と業に苦しむ全ての生きる者を苦難から救い、幸せにすることを悲願としている。また、地獄に落ちた人々の身代わりになって痛みや苦しみを受けるという「代受苦」の菩薩とされている。仏教では生前の業が消えない限り命ある者は例外なく「六道(ろくどう/りくどう)」と呼ばれる六つの迷いの世界の間で生死を繰り返す。地蔵菩薩はこの六道全ての教化に務める菩薩とされ、各道ごとに名前の違う六種の地蔵菩薩が表れるとされる。これは総称して「六地蔵」と呼ばれる(下表参考。ただし文献によって各地蔵の名称は異なる)。俗信では小児の成長を守り、もし夭折した時はその死後を救い取ると信じられた。密教では菩薩形にあらわされるが、普通には頭をまるめた僧形で、宝珠を持ち、平安中期以降は宝珠と錫杖を持つ姿が一般化し、多く石に刻まれて路傍に建てられ、民衆とのつながりが強まった。その救いや霊験、形、置かれた地名などによって、親子地蔵、子安地蔵、腹帯地蔵、疣地蔵、火焼地蔵、雨降地蔵、とげぬき地蔵、延命地蔵などの名がある。 《「覚禅鈔」における六地蔵》 六道 尊名 01:地獄道 大定智悲地蔵菩薩(だいじょうちひじぞうぼさつ) 02:餓鬼道 大徳清浄地蔵菩薩(だいとくしょうじょうじぞうぼさつ) 03:畜生道 大光明地蔵菩薩(だいこうみょうじぞうぼさつ) 04:修羅道 清浄無垢地蔵菩薩(しょうじょうむくじぞうぼさつ) 05:人間道 大清浄地蔵菩薩(だいしょうじょうじぞうぼさつ) 06:天上道 大堅固地蔵菩薩(だいけんごじぞうぼさつ) 地蔵菩薩 1804 藤原行秀 写 「十王寫(じゅうおううつし)」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain 十王図の第五幅に閻羅王の本地として描かれたもの。

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