千々古

怪談を集めた百物語本のひとつである「太平百物語」(1732)に紹介されている妖怪。ある城下の大手門(城の正面に位置する門)に出現する鞠(まり)のような形と大きさの妖怪だという。勇気のある侍が正体を暴こうと大手門のあたりを夜に見回っていたところ、噂どおりに鞠のようなものが現れて縦横無尽に飛び回っているのを見つけた。侍の頭上に来たところで刀で切りつけると地に落ちた。正体を暴こうと人を呼んで見てみると、それは中に鈴の入った本物の鞠だったのである。後から聞いたところによると、悪戯な者が縄に鞠を括り付けて宙に浮かせて動かしていただけだったという。「千々古(ちぢこ)」の名は「縮こまる」をもじったものか。

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