アイルランド神話における水の女神。ダグザの妻とされダグザとの間にアオングスをもうけた。またネフタンの妻とする伝承もある。アイルランド東部にあるボイン川はボアンにちなみ、彼女が神聖な知識の泉に立ち入り汚したために泉自体が怒り急流と化したものだとされている。
ボイウナ
ホーヴヴァルプニル
庖犠 ほうぎ
箒神
日本における民俗神、産神。箒に神性を与える民間信仰の一種。「掃く」という動詞の名詞系が「ははき」であり、これが「母木」に通じるところから産神となった。また一説には箒の形が依代に類似しているために神として信仰されるようになったともされる。箒のものを払ったり、かき集めたりするという機能が、悪霊や障りを祓ったり、幸運や魂を集めたりすることも出来ると考えられるようになった。産婦の腹を箒でなでたり、枕もとに箒をおくのは箒の魂を「集める」機能を出産に役立てるためであり、また箒をまたぐと難産するといわれたり、産気づくと箒を逆さに立てたりするのは逆に「はらう」機能を役立てるためである。箒神は出産以外でもその「はらい」「あつめる」力があると考えられた。長時間居座る客を追い返すのに箒を逆さに立てるのはこの表れである。
狍鴞 ほうきょう
宝賢夜叉 ほうけんやしゃ
房宿 ぼうしゅく
昴宿 ぼうしゅく
密教の宿曜道において二十八宿及び二十七宿の一つ。インドでは「クリッティカー(Kṛttikā)="車"や"白斑"の意」と呼ばれ、昴宿、「名称宿(めいしょうしゅく)」、「作者天(さしゃてん)」と呼ぶほか、音写で「基栗底柯(きりていか)」と呼ぶ。また日本では「昴(すばるぼし)」の和名を当てる。胎蔵界曼荼羅では東方(上側)に配され、像容は右手は手のひらを上にして親指と人差し指以外を曲げて臍下に、左手は赤珠の乗った蓮華を持つ。
種字は「कृ(kṛ)」、「न(na)」、「रो(ro)」、真言は「唵基栗底莎呵(おんきりていそわか)」、三昧耶形は蓮上星。
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宝生如来 ほうしょうにょらい
仏教における如来の一尊。サンスクリット名である「ラトナサンバヴァ(Ratna-saṃbhava)」は「宝を生み出す者」といった意味があり、漢名である「宝生如来」はこれを意味訳したもの。他に「宝生仏(ほうしょうぶつ)」、「宝勝如来(ほうしょうにょらい)」、「多宝如来(たほうにょらい)」などの名前でも呼ばれる。また音訳で「羅怛嚢三婆頗/羅怛嚢三婆縛(らたんのうさんばば)」ともされる。金剛界五仏(五智如来)の一尊で南方に配され、五智のうちのひとつである「平等性智(自他共に全てが平等であると知る智恵)」を象徴する。人々の願いに応じて宝を生むように福徳を満たし、功徳を施すとされる。その像形は右手で与願印を結び、左手で衣の端を握るか如意宝珠をもつか臍の前に仰向けに置く。また体を南方の色である黄色ないし黄金色にする場合もある。金剛蔵王菩薩と軍荼利明王の自性輪身とされる。また開敷華王如来や宝幢如来と同体ともされる。
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疱瘡神
日本の民俗信仰における疱瘡を司る疫神の一種。疱瘡とは現代でいう天然痘のことで、疱瘡神はこの原因として想念された神であり、これを祀り、鎮めることで疱瘡の流行や病状が抑えられることを願ったものである。疱瘡が流行したときは「疱瘡神送り」などと称する祭りを行い、お囃子を奏しながら村外町外まで更新することで、疱瘡神と疱瘡に外に追いやろうとした。また疱瘡にかかった児童に対しては、神壇を設け供物をささげ疱瘡神の退散や病状の軽減を祈るなどのこともされた。こういったときに祀られる神は疱瘡神自身よりも、疱瘡に対して効験があるとされた鎮西八郎(源為朝)、笹野才蔵(可児才蔵)であった。疱瘡は外部から侵入し流行するものなので、これを防ぐために村の入り口や辻に疱瘡神を祀る祠が置かれることも多かった。静岡県や神奈川県では疱瘡神を祀るための「疱瘡棚(ほうそうだな)」と呼ばれるものをつくって清めのしるしとしたり、これを川に流して快癒や流行の終了を願ったりした。また疱瘡にかかった人に「疱瘡絵(ほうそうえ)」と呼ばれる達磨や前述の鎮西八郎や桃太郎、鐘馗、あるいは疱瘡神などの絵が赤刷りで描かれたものが見舞い品として贈られ、これらは病人の枕元に部屋の壁に貼られた。これら疱瘡絵は病人が回復すると燃やされたり川に流されたりしたため現存するものは少ない。赤刷りなのは赤色を疱瘡神が嫌がるからだという。
また疱瘡絵に似たもので「疱瘡神五人相渡誤証文之事(ほうそうがみごにんぐみあいわたしあやまりしょうもんのこと)」という、疱瘡神がもう屋敷に立ち入らず、疫病神の仲間ともども家人には迷惑をかけないことを約束する旨が連名で記された詫び証文があり、ここには「墨味筋悪」、「脚早荷弾」、「松皮掻姫」、「煎粒姫」、「部々寛味」という5人の疱瘡神の名前が記されている。
現在では疱瘡(天然痘)は根絶したため、疱瘡神への信仰もすたれているが、各地に「疱瘡神」や「疱瘡宮」と銘打たれた石碑や祠を見ることができる。また神奈川県秦野市寺山にある「鹿島神社(かしまじんじゃ)」の末社である「厄神社(やくじんじゃ)」は疱瘡神を祭神として祀る。
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宝幢如来 ほうどうにょらい
仏教における如来の一尊。「宝幢仏(ほうどうぶつ)」とも。サンスクリット名の「ラトナ(Ratna)」は宝、「ケートゥ(ketu)」は旗といった意味があり、「宝幢」はこれを意味訳したもの。ケートゥには「流星」や「彗星」という意味もあるため、「宝星仏(ほうしょうぶつ)」と呼ばれることもある。また「羅怛嚢計覩(らたんのうけいと)」、「羅壤那計覩(らじょうなけいと)」などと音写する。胎蔵界曼荼羅の東方に配される胎蔵界五仏の一尊で、金剛界五仏の阿閦如来と同体とされる(→五智如来)。兵を統べる旗に象徴されるように、菩提による智慧を旗として人を惑わせる魔を破るとされる。像形は右手で与願印を結び、左手で衣の端を持ち胸に当てる。また身色は赤白色、或いは浅葱色とされる。これは赤白色が降魔の色であるからだという。
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鄷都大帝 ほうとたいてい
中国道教で仏教の地獄に対応するように作られた道教の地獄の長官。道教では泰山にも地獄があり、東岳太帝がこれを統治しているとされるが、これはもともと霊山であった泰山に地獄の機能を持たせたものなので純粋な地獄という感じがしない。そこで仏教のような純粋な地獄があると考えられるようになり、その首都が鄷都だとされた。鄷都には鄷都山(羅鄷山ともいわれる)という巨大な山が存在しており、そこに裁判所の機能を持つ六つの宮がある。ここで裁判を受けた死者は山のあちこちにある24の地獄に堕とされる。この鄷都を仕切っているのが鄷都大帝で、純粋に死者を裁く閻魔のような存在であり、その点で東岳太帝とは趣を異にしている。鄷都は5世紀頃には中国のはるか北方にあるとされたが、後世になって四川省鄷都県にその入り口があると考えられるようになった。
宝波羅蜜菩薩 ほうはらみつぼさつ
密教において、四波羅蜜菩薩の一尊。万善所成の功徳心を象徴する。サンスクリット名を「ラトナパーラミター(Ratnapāramitā)」ないし「ラトナヴァジュリー(Ratnavajrī)」といい、「宝金剛女(ほうこんごうにょ)」、「羅怛那縛日利(らたなばじり)」などと訳す。金剛界曼荼羅で大日如来の右(南方)に、宝生如来を出生する、あるいは宝生如来から現出する菩薩として配される。
密号は「大宝金剛(だいほうこんごう)」、「平等金剛(びょうどうこんごう)」、種字は「त्राः(trāḥ)」、印相は左手を金剛拳にして右手を与願印にしたもの(羯磨会・供養会)、両手を外縛(指先を外に出して組む)して中指を立てて宝形をまねるもの(三昧耶会)、真言は「唵囉怛曩嚩日哩怛𠸪(おんらたのうばじりたらく)」(羯磨会)、「嚩日囉嬌哩怛嚂(ばざらきょうりたらん)」(三昧耶会)、三昧耶形は宝珠の乗った函。
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法波羅蜜菩薩 ほうはらみつぼさつ
密教において、四波羅蜜菩薩の一尊。智恵門説法の徳を象徴する。サンスクリット名を「ダルマパーラミター(Dharmapāramitā)」ないし「ダルマヴァジュリー(Dharmavajrī)」といい、「法金剛女(ほうこんごうにょ)」、「達磨縛日利(だるまばじり)」などと訳す。金剛界曼荼羅で大日如来の後(上部南方)に、無量寿如来を出生する菩薩として配される。
密号は「清浄金剛(しょうじょうこんごう)」、「蓮華金剛(れんげこんごう)」、種字は「ह्रीः(hrīḥ)」、印相は法界定印、真言は「唵達囉磨嚩日哩紇哩(おんだらまばじりきり)」(羯磨会)、「縛日羅多羅訖哩(ばざらたらきり)」(三昧耶会)、三昧耶形は函上に独鈷杵を茎とした未開敷蓮華。
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ボエル
ポーエレ
ボガート
ボギー
「ボーグル(Bogle)」とも呼ばれる、性悪だがそれほど害のない妖精の総称。決まった姿はなく、強いて言えば「舞い上がった塵」の姿をしているとされる。暗いところを好み、大事なものをしまっているあまり開ける機会のない戸棚や宝箱を住みかにするとされる。人間の生活にとても興味をもっており、誰のいないはずなのに気配がしたり、寒い夜に毛布が落ちたりするのはボギーのしわざだとされる。臆病なので、主に夜中にしか動きまわらないが、節穴のあるドアをいきなり閉めて、すぐそこから覗いてみれば、ボギーの姿を見ることが出来る。
北斗七星 ほくとしちしょう
仏教において北辰(北極星)つまり妙見菩薩の眷属とされる、北天に柄杓型に並ぶ7つの星。「ほくとしちせい」とも読む。単に「北斗(ほくと)」と呼ぶほか「北斗七星尊(ほくとしちしょうそん)」、「北斗七女(ほくとしちにょ)」とも呼ばれる。また北極星ないし武曲星(ミザール星)付近の「輔星(ほしょう)」(アルコル星)を北辰として加え、「北斗八女(ほくとはちにょ)」、「北斗八星(ほくとはちしょう)」の名でも呼ばれる。
北斗七星は日と月及び五星、つまり七曜の精であり、八方をその光で照らすことによって諸天を輝かし衆生を正しく導くとされる。また善悪や禍福を司るとされ北斗七星を供養すれば長寿や除災の効があるとされる。
方位 | 名称 | 七曜 | 本地 |
---|---|---|---|
西南 |
運意通証如来ないし千手観音 |
||
西 |
月曜、火曜 |
光音自在如来ないし馬頭観音 |
|
西北 |
火曜、水曜 |
金色成就如来ないし不空羂索観音 |
|
北 |
水曜、木曜 |
最勝吉祥如来ないし十一面観音 |
|
東北 |
木曜、金曜 |
広達智弁如来ないし水面観音 |
|
東 |
金曜、土曜 |
法海遊戯如来ないし阿魯力迦観音 |
|
東南 |
土曜、日曜 |
薬師琉璃光如来ないし虚空蔵菩薩 |
北斗星君 ほくとせいくん
道教における北斗七星の神。「北斗聖君(ほくとせいくん)」、「北斗真君(ほくとしんくん)」とも呼ばれる。「生」を司る南斗星君に対して「死」を司る。また人の運勢を暗運に導くとも言われる。母親は斗母元君。三官大帝とともに生死に関わらずすべての人間の功績を調べ、人間が堕ちるべき地獄の種類や拘留期間を決定する、閻魔のような神だとされる。北斗七星の七つの星はそれぞれ「貪狼星」・「巨門星」・「禄存星」・「文曲星」・「廉貞星」・「武曲星」・「破軍星」という名があり、中でも七番目の柄杓の柄の先端に位置する破軍星は凶星とされ、剣先になぞらえられ、この星のさす方角は「万事に凶」として忌まれた。しかし、死を司る神である以上、人間を長生きさせるという力も持っており、長生の神としても信仰されている。また富貴貧賎も司るといわれる。また第一星である貪狼星は特に大魁夫子と呼ばれ単独で神格化されている。
ホクホク
ホグメン
ボーグル
ホサダム
菩薩 ぼさつ
仏教で仏尊を四つに分けた時の一つ(あとの四つは如来、明王、天)。サンスクリットの「ボーディサットヴァ(悟りを求める者)」の音訳である「菩提薩埵(ぼだいさった)」を略したもの。他に意味による漢訳から「覚有情(かくゆうじょう)」、「開士(かいし)」、「大士(だいし,だいじ)」、「大心衆生(たいしんしゅじょう)」などとも呼ばれる。実際には菩薩とされる諸尊はすでに悟りを得ており、如来になる準備ができているにも関わらず、輪廻の輪の中にとどまって人々を救済しようという者たちのことである。元々は悟りを得る前の釈迦を表す言葉だった。多くの菩薩は「菩薩形」と言われる髪を高く結い上げ宝冠を戴き、耳や胸や腕などに装身具を付けた穏和な表情で表される。これは菩薩の姿が如来になる前の釈迦、つまり王子の姿を基本としているからである。
漢名 | 梵名 |
---|---|
弥勒菩薩 | |
観音菩薩 | |
地蔵菩薩 | |
文殊菩薩 |
マンジュシュリー |
普賢菩薩 | |
虚空蔵菩薩 |
アーカーシャガルバ |
勢至菩薩 |
マハースターマプラープタ |
日光菩薩 |
スーリヤプラバ |
月光菩薩 |
チャンドラプラバー |
般若菩薩 | |
金剛薩埵 |
ヴァジュラサットヴァ |
ホサネク
細川水神
ホダグ
ボダッハ
ボチカ
北極紫微大帝 ほっきょくしびたいてい
発生金剛部菩薩 ほっしょうこんごうぶぼさつ
ほっとんぼう神
𩣡馬 ぼつば
ボッビ・ボッビ
「ボビ・ボビ(Bobi-bobi)」とも。北部オーストラリアに住むビンビンガ人は、自分たちの祖先は蛇であると考えており、その蛇の一人がボッビ・ボッビである(他にウランジなど)。ボッビ・ボッビは子孫達が食べられるようにと、大きなコウモリを沢山地上に送った。だが、コウモリたちはすぐに竈から逃げ出してしまったので、ボッビ・ボッビは自分の肋骨を一本抜き取って上に投げた。骨はブーメランとなってコウモリを落とし、お陰で人間達はコウモリを料理して食べられるようになった。だが人間達が調子に乗って骨のブーメランで天空に穴をあけてしまう。怒ったボッビ・ボッビ肋骨を持ち去ろうとした。この時二人の若者がこの神聖なブーメランを救おうとして、蛇の口に飲み込まれてしまったという。
布袋
ボティス
ソロモンによって封印され使役されたとされる72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。17世紀の魔術書(グリモア)である「レメゲトン」や旧約聖書偽典「エノク書」をモデルとする「偽エノク文書」の目録などにその名が見える。召喚者の前に蛇の姿で現われるとされる。命じれば人間に似た姿をとることもあるが、その場合は大きな牙と二本の角が生えた人間の姿になるという。26の軍団を率いる地獄の大公であり、未来と過去に対する知識を持つほか、敵同士を一時的に和睦させる力があるという。
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火照命
日本記紀神話に登場する男神。木花之佐久夜毘売と邇邇藝命との間に生まれた三柱の男神の長子。一般に「海幸山幸」物語の「海幸彦(うみさちひこ)」の名で知られる。神名の「火(ホ)」は母神が彼らを火をつけた産屋の中で生んだことに基づいたものであるとともに、同音の「穂(ホ)」を表し稲穂を守護し日本を統治する役目を担う天之忍穂耳命の直系の血筋であることを暗示している。したがって神名は火が照り輝くことを意味するとともに稲穂が色づいて熟した様子をも意味していると考えられる。
末弟である日子穂穂手見命(山幸彦)を快く思っていなかった火照命は、自分の釣り針を弟が無くしたことに腹を立て、釣り針が見つかるまで許さないと言ってきかなかった。日子穂穂手見命は塩椎神や綿津見神の娘である豊玉毘売命の助力を得て守備よく釣り針を見つけて火照命に返したが、以前のように魚が全然つれなくなったと日子穂穂手見命に難癖をつけたため、日子穂穂手見命は豊玉毘売命からもらった「潮満瓊(しおみつたま)」、「潮涸瓊(しおひるたま)」を使って兄を懲らしめた。
ポテンティアティス
ホトゥ・プク
ポトゥリンポ
富登多多良伊須須岐比売命
ボナコン
中世のヨーロッパにおける想像上の動物の一。「ボナチュス(Bonachus)」、「ボナスス(Bonasus)」とも呼ばれる。大プリニウスの「博物誌」に記述が見える。それによれば内側に彎曲した角と馬のたてがみを持つ牛のような動物である。しかし脅威なのはこの角ではなく、追いかけられたときなどに大量に排出される糞である。その排出量は際限なく8000平方メートルを埋め尽くすほどであり、しかも悪臭を放ち周囲のもの(植物や動物)を燃やすので手におえない。アジアの砂漠や低木地に棲んでいるとされた。
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ボナ・デア
ローマにおける女神の一人。名前は「良き女神」の意。ファウナと同一視される。ボナ・デアはもっぱら女性に崇拝されるが、詳しいことは不明の女神である。ボナ・デアの父であるファウヌスは娘であるボナ・デアを犯そうとたくらみ、ぶどう酒を飲ませて酔わしたり、天人花の枝で鞭打ったりした。そして蛇に変身してついにボナ・デアを犯したとされる。また別伝では彼女はファウヌスの妻で家事に長け貞操も固かったが、あるときよったところを夫に咎められ、天人花の枝で打たれて死んだという。このためボナ・デアの祭祀ではぶどう酒と天人花を供物にしたり、アウェンチヌス丘にあったその神殿にそれを持ち込んだりすることは禁じられているが、別名を使って供物にすることは可能であったという。
- 地域・カテゴリ
- 文献
ボヌス・エウェントス
火明命
ホノス
ホノチェノケ
ネイティブアメリカンの一部族、イロコイ族における善良な精霊に対する総称。名前は「見えない援助者」を意味する。人間を助けてくれる存在とされる。
- 地域・カテゴリ
ホブゴブリン
ヨーロッパの民間伝承において登場する妖精。名前は「炉端の精霊」といった意。またの名を「パック(Puck)」、或いは「ロビン・グッドフェロー(Robin Goodfellow)」という。下半身が山羊、上半身が人間の格好で、角が生えているが、大きくとも体長は1m程である。家の守護霊とされており、ミルク一杯の報酬で馬を洗ったり、粉を引いたりと家事の手伝いをしてくれるが、その報酬を忘れると、その家を出て行ったり、アザが出来るほどつねられるといわれる。イタズラ好きで、三本足の椅子に化けて人を転がしたり、夜道で人を迷わせたりもする。
ホブニル
ホーム
ホムンクルス
中世ヨーロッパにおいて錬金術によって作り出すことが出来ると考えられた人造人間。ラテン語の「Homulls=小さい人」を語源としている。ドイツの錬金術師パラケルススによれば、男子の精液を蒸留器の中に入れて40日間密閉して腐敗させると、やがて動き出し人の形をした透明でほとんど実体のない物が出来る。これを40週間の間馬の胎内と同じ温度に保ち、毎日人間の血液を与えると人間と変わらない子供になるという。こうして生まれたホムンクルスは人間の子供より小さいが、注意深く育てさえすれば大きくなり、勝手に知性をも身につけるという。ただし、ホムンクルスは生まれた蒸留器の中でしか生きられないとされる。
ポモナ
ボラク
ボラメッツ
ボラロ
ボル
ホルス
エジプト神話における天空神。オシリスとイシスの子でオシリスのあとを継いでエジプト王位についた神とされる(ゲブとヌートの子とされる場合もある)。配偶神はハトホルないしネクベト、子供は「ホルスの愛するホルスの子供たち」と称されるカノプス壷を守る四柱の神々、イムセティ、ハピ、ケベフセヌエフ、ドゥアムウトエフや音楽の神イヒなどがいる。ハヤブサの姿、或いはハヤブサの頭を持った人身獣頭の神であり、ときに手に杖を持ち額に王権の象徴である神聖な蛇をつけた姿で表現される。ホルスは死亡したオシリスとイシスの魔術的な性交により生まれ、沼地で産み落とされた彼は秘密裏に育てられていたが、やがてオシリスを殺した張本人である悪神セトに見つかってしまう。セトの眷属である毒蛇に噛まれ、ホルスは生死の境をさまよったが、主神レーによってその毒を抜かれて、順調に成長した。その後ホルスは父オシリスの復讐を果たしエジプトの王権を握るが、この時授かった王権を象徴する「目」はオシリスに渡し、自分は神聖な蛇をつけた。これ以降、蛇がエジプト王権の記章となったとされる。
ホルスは多くの神格を一つにまとめた習合神であり、その神格や神話に多くの矛盾をはらんでいる。オシリスの子供とされながら一方でオシリスと兄弟とされるのも複数の神格を一つにまとめたことからくる矛盾である。またホルスは神話ごとに別々の名前で呼ばれるため多くの別名を持っている。例えば「ハロエリス(Haroeris,Heru-ur)」は空の神で太陽と月を両目とするとされたホルスであり、「ホルアクティ(Horakty,Harakhty)」と「ホルエムアケト(Horemakhet)」は太陽の神で、東の地平線に昇る太陽を象徴するホルスである。他にも老いたホルス「ハルソムトゥス(Halsomtus)」や、幼きホルス「ハルポクラテス(Harpocrates)」を始め様々な別名・別人格のホルスが存在する。
ポルターガイスト
ホルツリューアライン・ボンネフューアライン
ボル・デアク・パルジャル
スマトラ島の神話において、天空神バタラ・グル(シヴァが伝わって神格が変異したもの)の娘とされる神。マンガラブランという神にしつこく言い寄られていたボル・デアク・パルジャルは、これから逃れようとして天から大海へと飛び降りた。このことを燕から聞いたバタラ・グルは、燕に土を持たせ、娘に届けるように頼んだ。ボル・デアク・パルジャルが受け取った土を海に投げつけると、そこは瞬く間に島になった。これで彼女は助かったが、今度は海蛇ナーガ・パドハが自分の領地を侵された知って怒り、背を弓なりに曲げて島を遠くに押し流してしまった。そこでバタラ・グルはもっと土を送りつけて島を大きくさせ、また自分は英雄の姿となって下界へとくだり、ナーガ・パドハの背に鉄の重しを乗せた。ナーガ・パドハは身をくねらせてもがいたが、とうとうこの石を動かすことが出来ず、海の底に沈んでいった。この時のナーガ・パドハが暴れた名残が今の山々や谷である。東南アジアの島々を作り終えたバタラ・グルは島々に種を振り撒いた。これから植物や動物が生じた。また最後にバタラ・グルとボル・デアク・パルジャルによって最初の人間が作られたという。
ポルト・イア
ポルトゥヌス
ローマにおいて港と門を司る神。8月17日が祭礼。ギリシアのパライモンと同一視される。
- 地域・カテゴリ
- 文献
ポルト・オザ
ポルト・クグザ
ポルト・クバ
ポルト・ボダズ
ポレヴィーク
スラヴの民間伝承における精霊ないし神霊の一種。「ポレヴォイ(Polevoy)」とも呼ばれる。「pole」は畑を意味しポレヴィークはその名の通り畑を守る精霊である。眠ってサボっている農夫や酔っ払って作物を踏みつける人間が大嫌いで、病気にかからせたり絞め殺したりしてしまう。またよそ者も嫌いで、外からきた旅行者などがくると、見知らぬ畑へと連れて行って道に迷わせようとする。老人の姿をしていて、髪の毛は亜麻や麦わらといった草で出来ていて、肌は黒く、白い服を着ている。畑の麦と共に成長し収穫後は麦の切り株の大きさまで縮むとされる。ポレヴィークに捧げるために、若い雄鶏や卵2個を畑の端に置く慣習がある。またポレヴィークは収穫されなかった作物を欲しがるので、ポレヴィークのためにわざと作物を残しておくこともある。
ホロケゥカムイ
アイヌにおいて狼の姿で顕現する男性のカムイ。北海道には明治まで狼が生息しており、アイヌ人は熊とも対等に戦うその勇猛さに感銘を受け、それがホロケゥ(狼の)カムイとなった。ホロケゥカムイは格の高いカムイであり、ホロケゥカムイの「カムイモシリ(カムイの世界=カムイ達が本来の姿で暮らす国)」は他の動物のカムイと違って(ほとんどの動物のカムイは山奥にあるカムイモシリに住んでいる)天にあると考えられていた。また、ホロケゥカムイはアイヌモシリ(人間の世界)に住むことを強く望んだカムイであるとも言われる。熊のカムイ(ヌプリコロカムイ、キムンカムイ)と関連付けられることが多く、同時期に天から降りたと伝えられている。また、悪い熊を退治するカムイとも考えられていた。獲物の一部を人間に譲るとされ、その点でも崇拝されていた。
ポロニッネカムイ
ホロマタンギ
ホロン
ボロン・ザカブ
ボロン・ツァカブ
ボロン・ティ・ク
䴅 ほん
ポンカンナカムイ
ポンゴ
ポンティアナク
梵天 ぼんてん
ヒンドゥー教の「ブラフマー(Brahmā)」が仏教に取り入れられたもの。色界の初禅天の王であり仏教護持の神とされる。「大梵天(だいぼんてん)」、「大梵天王(だいぼんてんのう)」、「梵天王(ぼんてんおう)」、「梵摩(ぼんま)」、「梵摩天(ぼんまてん)」、「婆羅賀摩(ばらがま)」、「跋濫摩(ばらんま)」、「梵王(ぼんのう)」、「浄梵王(じょうぼんのう)」、「世主天(せしゅてん)」、「娑婆世界主(しゃばせかいしゅ)」、「梵童子(ぼんどうじ)」などの名でも呼ばれる。
初禅天は3つに分けられ、それぞれ上から「大梵天(だいぼんてん)」=「マハーブラフマン(Mahābrahman)」、「梵輔天(ぼんほてん)」=「ブラフマプローヒタ(Brahma-purohita)」、「梵衆天(ぼんしゅてん)」=「ブラフマパーリシャーディヤ(Brahma-pāriṣadhya)」と呼ばれ、狭義での梵天はこのうち大梵天に住し、梵輔天を臣とし、梵衆天を民とする。雑阿含経に拠れば、大梵天には梵天しか居らず、誰も来たことがなかったため、「自分の上に出る者はいない」と驕ったところ仏陀がこれを感じ梵天の前にあらわれ、説法によって帰依させたという。
十二天の一尊としては下方(地)を守護する地天に対し上方(天)を守護し、二十天の一尊としては東方の守護神とされる。胎蔵界曼荼羅及び金剛界曼荼羅でも東方に配される。また二十八部衆にも「大梵天」として名を連ねる。帝釈天と対をなすことが多く、合わせて「釈梵(しゃくぼん)」と呼ばれる。天部(→天)の中でも最高位の神であると考えられ、釈迦の説く真理を人々に勧める神だとされる。
種字は「ब्र(bra)」・「प्र(pra)」(胎蔵界)、「मै(mai)」(金剛界)、真言は「帰命鉢囉惹鉢多曳娑嚩賀(きみょうはらじゃはたえいそわか)」、「唵沒羅含摩寧娑嚩訶(おんぼらかんまねえそわか)」。三昧耶形は施無畏手、紅蓮華。
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