天村雲命

あめのむらくものみこと

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説明

「先代旧事本紀」、「新撰姓氏録」などに名が見える神。また「延喜式」神名帳にも阿波国の麻殖郡の段に「天村雲神伊自波夜比売神社」という社名が見える。同訓で「天牟良雲命」、「天牟羅雲命」と記すほか、「天村雲神(あめのむらくものかみ)」、「天五多底(あめのいたて)」、「天五田根命(あめのいたねのみこと)」などの名でも呼ばれる。「先代旧事本紀」に拠れば「天香語山命(あめのかごやまのみこと)→天香山命」と「穂屋姫命(ほやひめのみこと)」の子神で天孫降臨の折り随従した三十二柱の神の一柱とされる。また「大同本紀」に拠ると、天村雲命邇邇藝命の天孫降臨に際して先導を務めたが、食国(おすくに=天下、つまり日本国)の水が良いものではなかったため、高天原に取って返し、天忍石(あめのおしわ)の長井水(ながいのみず)を持ち帰り邇邇藝命に献上したという。このとき天に二回上り役目を果たしたことから「天二上命(あめのふたのぼりのみこと)」、天孫と同じ道を通るのが恐れ多いとして大橋を使わず後ろの小橋を使って戻ったことから「後小橋命(のちのおばしのみこと)」の名を賜ったとされる。同様の説話は「中臣寿詞(なかとみのよごと)」にも見られるが水取りの役は「天忍雲根神(あめのおしくもねのみこと)」が担っているため、この両神を同神と考える説もある。

先述の「天村雲神伊自波夜比売神社」の論社である徳島県吉野川市山川町にある「天村雲神社」の名の二社はこの神をまつる。また兵庫県丹波市青垣町「芦井神社(あしいじんじゃ)」は天忍雲根命の祭神とするが、昔は天村雲命を祭神としていた。

参考文献

  • 59神道大辞典
    • 監修:下中弥三郎
    • 発行者:下中弥三郎
    • 発行所:平凡社

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