アイアタル

Aiatar

もしくは「アジャタル」とも。フィンランドの民間伝承において森に住むとされる蛇を育てている怪物。地域によって「アヤタル(Ajatar)」、「アヤッタラ(Ajattara)」とも、エストニア南部では「アイ(Äi)」、「アイヤタル(Äijätär)」とも呼ばれる。蛇やドラゴンの姿で現れるが、普段は人間の女性の姿をしているされる。森でアイアタルに出会ったり目撃したりするとひどい病気にかかるという。

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アイ・アパエク

Ai Apaec

ペルーのモチェ文化と、続くチムー文化における、天空神および創造神。天空神の息子とされる場合もある。

モチェでは人間と隔絶し山頂に住む創造神が存在し、この化身であるアイ・アパエクが積極的に人間に関与する役目を担っていたと考えられている。上下二対の剥きでた牙を持ち、蛇の形のベルトを身につけた姿で表された。また蛇の頭の耳飾り、ジャガーの頭飾りをしているときもあった。アイ・アパエクについてはまだ分かってないことも多く、この名称が神名ではなく「創ること」を意味する言葉ではないかとする研究もある。

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アイオン

Aeon, Æon

「アイオーン」とも。グノーシス主義において、至高神の神性の顕れであり、神の最初の被造物たる高次の霊に対する総称。神の思想が実体化したものであり、男女の一組で流出し、「プレロマ(永遠の世界)あるいは神の充満を形成する」。キリスト教では天使の階級の一つして扱われる場合もある。またセフィロトの各セフィラに照応する神の流出としての被造物とされることもある。世界の創造以来アブラクサスを筆頭として、少なくて8、多くて365のアイオンが存在したとされる。

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秋鹿日女命

あいかひめのみこと

「出雲風土記」にのみ名前がみえる女神。秋鹿郡(現在の島根県松江市北西部辺り)の名前はこの地にこの女神が鎮座することからの命名とされている。出雲風土記に「秋鹿社」として記載されている現「秋鹿神社(あいかじんじゃ)」は祭神として秋鹿日女命を蛤貝比売と同神として祀っている。

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アイガムハ

Aigamuxa

アメリカ南部のコイコイ人の神話に登場する怪物。

砂丘に出没するとされる。人を襲って食べるが、目が足の甲についていたために周囲を見回すためには逆立ちしなければならなかったという。

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アイス

Ays

アルメニアの言葉で「風」を意味すると同時に、風の中にいて狂気をもたらすとされる悪霊のこと。

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愛染明王 あいぜんみょうおう

Rāgarāja, Mahārāga

仏教における明王の一。サンスクリットでは「ラーガラージャ(Rāgarāja)」、「マハーラーガ(Mahārāga)」、あるいは「ヴァジュララージャプリヤ(Vajrarājapriya)」と呼ばれる。「愛染明王」、「愛染王(あいぜんおう)」と呼ばれるほか、音写では「羅誐羅闍(らがらじゃ)」、「摩訶羅誐(まからぎゃ)」などと訳す。この「ラーガ」は染めること、赤いこと、あるいは激しい欲望などを意味する。

インド神話の愛の神カーマが仏教に取り入れられたものと考えられている。愛欲を本体とする神で敬愛を司るとされる。全身赤色で一面三目六臂、頭に獅子の冠をいただき、顔には常に怒りの相を表わす。一般に金剛薩埵の教令輪身(きょうりょうりんじん)とされる(ひいては総本地を大日如来とする)。近世では、恋愛を助け、遊女を守る神としても信仰された。また、俗に、この明王を信仰すると美貌になると信じられていた。

密号は「離楽離愛(りらくりあい)」、種字は「हूं(hūṃ)=吽」、真言は「吽擿枳吽弱(うんだぎうんじゃく)」、「唵 摩賀囉誐 嚩日路瑟抳灑 嚩日羅薩埵嚩 弱 吽 鍐 穀(おん まからぎゃ ばざろさだしゃ ばざらさだば じゃくうんばんこ)」、印相は外五鈷印、三昧耶形は五鈷杵。

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アイトワラス

Aitvaras

もしくは「アイトヴァラス」とも。リトアニアの伝承における怪物の一種。ドイツのプークやエストニアのピスハンドの類いの小さなドラゴン型の魔獣。アイトワラスの場合、家の中では黒猫ないし黒い雄鶏の姿をしているが、外に出ると空を飛ぶ翼を持ったドラゴン、あるいは火の尾をもつ蛇になる。アイトワラスは魂を引き換えに悪魔から買ったり、7歳の雄鶏の卵から生まれたりすることで手に入る。あるいは家の中にいつのまにかいることもあるが、いずれにしても追い出すことはとても難しいとされる。アイトワラスが家にいつくと家の所有者は裕福になるが、これはアイトワラスが牛乳や穀物、お金をよそから盗んでくるからである。勿論この被害に遭うのはたいていその家の隣人である。そしてアイトワラスは見返りとしてオムレツを要求する。

ある民話には教会で清めたロウソクでアイトワラスを照らしたところ消滅したと書かれている。アイトワラスは1547年の文献に始めて登場する。

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アイニ

Aini

ユダヤの魔神で聖書などに登場する。「アイン(Ain)」、「アイム(Aim, Aym)」、「ハボリュム(Haborym)」などの名でも呼ばれる。「火炎公」、「破壊公」等と称され、蛇と猫と人間の頭を持った三つ首の姿で、人間の頭の額には五芒星の印がついていることもある。右手には決して消えない松明(または火の玉)を持ち、この世に火炎地獄を作るため、見るもの全てに放火しようとする。常に赤みがかった煙に包まれ、地獄の毒蛇(またはトカゲ)にまたがっている。法律に詳しいともされる。ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。

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アイヌソッキ

 

アイヌにおける人魚。渡島半島の内浦湾に棲むという。上半身が人間、下半身が魚の姿で捕まえると逃してくれと助けを求めたり、食べると長寿になるなど本州の人魚ほぼ同じ伝承が伝えられている。

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アイヌラック

 

アイヌ民族における英雄的なカムイオキクと同一視される。名前である「アイヌラック」は「アイヌ(人間)みたいな人」といった意味があり、神(カムイ)であるにも関わらず地上でアイヌと共に暮らしたことから付けられた名前だとされる。「アイヌモシ(人間界)」に顕現するときは人間と同じ姿になる。

コタンカカムイが国造りのために地上に降りてきた時、同行したシマフクロウのカムイであるコタンコカムイの止まり木としてハルニレのカムイであるチキサニカムイが誕生した。天上界にいた雷のカムイであるカンナカムイがこのチキサニカムイに一目惚れをしてそば近づいたが、ハルニレ(チキサニカムイ)に雷(カンナカムイ)が落ちた結果、チキサニカムイは火に包まれてしまった。この炎の中からアイヌラックが生まれた。

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アイヤッパン

Aiyappan

インド南部のケララ州やその近隣の州で信仰される地方神。「アイエナル(Iyenar)」の名でも呼ばれる。シヴァヴィシュヌの間に生まれた神とされる。不老不死の霊薬「アムリタ」がアスラに奪われたとき、ヴィシュヌは美女に化けてアスラを誘惑しこれを奪い返したが、この時シヴァが美女になったヴィシュヌを見て愛欲を抑えきれず、交わって生まれたのがアイヤッパンだという。このため「シヴァ(=ハリ)とヴィシュヌ(=ハラ)との間に生まれた子」という意味の「ハリハラプトラ(Hariharaputra)」の名前でも呼ばれる。悪霊を追い払い、末世を救う神であり、また農業や家畜を守護する神として信仰を集めている。

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アイラーヴァタ

Airavata, Airāvata

インド神話に登場する四本の牙を持つ巨大な白象。雷霆と戦争の神であるインドラの乗り物であるとされる。象頭の神ガネーシャは元々人間の姿をした神だったが、誕生日を祝う祝宴において、見つめられるだけで危険な「シャニ(Śani)」と呼ばれる土星の神に見つめられたせいで人間の頭をなくしてしまった。ガネーシャの代わりの頭がなかなか見つからず、やむなくヴィシュヌによってアイラーヴァタの頭を与えられたという。

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アヴァローキテーシュヴァラ

Avalokiteshvara, Avalokiteśvara

仏教における仏尊の一人で、広範囲の地域で信仰を受けるボーディサットヴァ(菩薩)。名前は「慈悲深き眼をした主」ないし「高所より見守る王」を意味する。仏教独自の神だが、一説にペルシアの古い神アナーヒターやアールマティー(→スペンタ・アルマイティ)を起源とすると考えられている。アミターバ(阿弥陀如来)から発現したボーディサットヴァであり、アミターバの浄土に留まりそこから人間や動物に救いの手を差し伸べるとされる。加護を求められればあらゆる衆生に救いの手を差し伸べる慈悲深き神であり、その慈悲の力は灼熱地獄に苦しむ者や昆虫や芋虫にまで及ぶという。あらゆる状況・場面において慈悲の力を発揮するために姿を変えてあらわれるという。チュンディ(=准胝観音)、ハヤグリーヴァ、エーカーダシャムカ(=十一面観音)、チンターマニチャクラ(=如意輪観音)、アモーガパーシャ(不空羂索観音)、サハスラヴジャなどは全てアヴァローキテーシュヴァラの変化した姿だとされる。

チベット仏教においてはチェンレーシク、中国においては観音(グアンイン)、日本においては観音菩薩などと呼ばれ、それぞれの地域で独自な変化を遂げ信仰されている。

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アーヴァンク

Afanc

イギリスのウェールズやアイルランドに伝わる邪悪な精霊。名前は「川」を意味する単語から派生したもの。「アバック(Abac,Abhac)」、「アダンク(Addanc)」、「アヴァンク(Avanc)」、「アヴランク(Afranc)」などの名でも呼ばれる。湖の中に動物を引きずりこんでむさぼり食う。また湖の水を溢れ出させ、あたりを凄まじい水害に巻き込むとされている。アーヴァンクの引き起こした洪水によってグレートブリテン島の人間は男女二人を残して全員溺死し、この二人がイングランド人の祖先となった、という伝説が残っている。地方ごとの様々な湖がその住処として伝わっている。

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アウィアテテオ

Ahuiateteo

メキシコ中央部、アステカの神。5人一組の神で、飲酒、賭け事、性交その他の快楽が度を越した場合の危険と罰を象徴している。それぞれ、「マクイルクェツパリン(Macuilcuetzpalin=五のトカゲ)」、「マクイルコスカクアウトリ(Macuilcozcacuauhtli=五のコンドル)」、「マクイルトチトリ(Macuiltochtli=五のウサギ)」、「マクウィルショチトル(Macuilxochitl=五の花)」、「マクイルマリナリ(Macuilmalinalli=五の草)」という名前をもっている。ある種の奇形と病気は不謹慎な行為に対してアウィアテテオの神たちが与えた罰だと考えられていた。彼等は南の方位に関連付けられた神で、彼等の口の部分には5という数字を示す人間の手が描かれる。

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アウィテリン・ツィタ

Awitelin Tsita

ネイティブアメリカンの一部族、ズーニー族における「母なる大地」。原初の両性具有の存在アウォナウィロナの一部から「父なる天」アポヤン・タチュとともに成った。全ての生命はアウィテリン・ツィタの持つ4つの子宮から生み出されたという。

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アウォナウィロナ

Awonawilona

ネイティブアメリカンの一部族、ズーニー族の神話で、「全てを包容する者」とされる両性具有の存在。

一切が闇と空虚であったとき、様々な思念から霧を創造したという。霧が濃くなるとそれは雨となり、原初の空虚を広大な海洋で満たした。そしてアウォナウィロナ自身は太陽となった。さらにアウォナウィロナは自分の一部を剥いで、海洋の上に緑なす苔としておいた。この苔は固まると2つの巨大な被造物となり、永遠と結びつくようになった。この二つは母なる大地「アウィテリン・ツィタ」と父なる天「アポヤン・タチュ」となった。

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アウキ

Auki

ペルーのケチュア族における山の精霊。アンデス高地に棲んでおり、ビクーナ(ラクダ科の動物)やコンドル、精霊猫コアらはアウキのしもべであるとされる。人間の病気を治す精霊でもあり、ブルーホと呼ばれるシャーマンによって呼び出され治療法を指示する他、予言の手助けもする。

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アウズフムラ

Audhumbla, Audumla

北欧神話における原初の巨大な牝牛。原初の巨人ユミルに次いで原初の深遠「ギンヌンガガプ(Ginnungagap)」の溶けた氷から生まれ、塩辛い霜で覆われた石を舐めて養分を取り、四つの乳房から川のように流れ出るミルクはユミルを育てた。その削られた石からはブーリという巨人が生まれた。

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アウフ

Auf

エジプト神話における冥界の太陽の神。名前は「肉」もしくは「肉体」を意味する。太陽神であるレーは太陽の舟に乗って旅することによって大地を照らしているが、時間帯によって様々に姿を変えるとされた。つまり、昇る太陽はケペラ、正午の太陽はレー、沈みゆく太陽はアトゥムだとされる。そして大地から太陽が見えない間、レーはアウフとなり闇の太陽として冥界を照らしているとされる。

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アウリアリア

Auriaria

ミクロネシアのギルバート諸島における創世神話で二番目に生まれた神。赤い肌の巨人として描写される。原初、世界は天と地がくっついていて生物が住みにくかった場所であった。それを憂いたアウリアリアは兄のタバケアから棒を借り、天の高い岩に突き刺して、その間にエイを入り込ませて天と地の間を広げた。植物の神ネイ・シツアアビネと恋に落ちたが、ネイ・シツアアビネは結婚した後死んでしまい、その頭から最初のココヤシが生えた。

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アエシュマ

Aesuma

古代ペルシアの民族宗教「ゾロアスター教」に出てくる悪魔。不浄の(魔)神アンラ・マンユ(アーリマン)の腹心の部下。その名は「凶暴」という意味があり、邪悪にして狡猾、残虐にして不義なる者で、人の怒りと欲望につけこむとされる。血塗られた棍棒を持ち、人に益をなす家畜や死者の魂を責め殺す。酔っ払って大暴れをする者などは「アエシュマに魅入られた者」と言われた。魔族ダエーワを率い、不義なる魔術師を使って世に戦乱を広げ、またアルコールに酔いつぶれているものをそそのかし、乱暴や狂乱を導くという。

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アエリコ

Aërico

バルカン半島の南西部アルバニアの民間伝承において、特定の木(特に桜の老木)に住むとされる悪魔。木に近づいた者を容赦なく攻撃してくるという。アエリコの住む木の影に触れると痛みを伴う手足の腫れが引き起こされるとされている。

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青行燈

あおあんどん

日本の妖怪の一種。「あおあんどう」とも読む。鳥山石燕の「今昔百鬼拾遺」に描かれている。百物語をするとあらわれるという。百物語は、夜数人が集まって交代で怪談を語るもので、百本の蝋燭、または行燈に百本の灯心を入れてともし、一つの話が終わるごとに一本ずつ消していくものだった。これを百本全部行った時にあらわれる妖怪、或いは起こる怪異のことを青行燈と称するようだが詳細は不明。江戸中期には百物語を行う際は行燈に青い紙を張るという約束事があったようなので、名前はそこから来たと思われる。「今昔百鬼拾遺」には行燈の傍に立つ長い髪の鬼女の姿を描いている。

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青沼馬沼押比売

あおぬまぬおしひめ

「古事記」において、大国主神の子孫の系譜が語られる段に記されている名義不詳の女神。「あおぬまうまぬまおしひめ」とも読む。敷山主神の子神であり、美呂浪神とともに布忍富鳥鳴海神の親神とされる。それぞれの神ともに名義不詳ではあるが「山」、「波」、「沼」、「海」と自然との関連が見て取れる。

一名を「青沼馬野押比売命(あおぬまのおしひめのみこと)」ともいい、「青沼馬野」は地名であり、「押比売」は「大姫」を意味するのではないかとされている。

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青幡佐久佐日古命

あおはたさくさひこのみこと

「出雲国風土記」に言及される、須佐乎命(→須佐之男命)の御子神とされる神。「青幡佐久佐丁壮命」、「青幡佐草壮丁命」、「青幡佐草日子命」などの字でも表記され、いずれも「あおはたさくさひこのみこと」と読む。風土記中では言及される個所は二ヶ所で、一つは大草郷の地名由来の段で、「この神が坐す場所なので大草という地名が付いた」と説明されている。この青幡佐久佐日古命が祀られた神社は「延喜式」に記載される「佐久佐神社」のことと思われ、現在島根県松江市佐草町にある「八重垣神社(やえがきじんじゃ)」、及び松江市大草町にある「六所神社(ろくしょじんじゃ)」が論社となっている。

またもう一か所、「高麻山(たかさやま)」の地名由来の段では青幡佐久佐日古命が麻の種をまいた場所なのでこの名前になったと説明されている。また高麻山には青幡佐久佐日古命の御魂が坐すとされており、「高麻神社(たかさじんじゃ)」という青幡佐久佐日古命をまつる神社があった(現在は御代神社境内社)。これらのことからこの神は麻とそれによって作られる麻布を司る神であったと考えられる。

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青坊主

あおぼうず

日本の岡山県邑久郡地方にあらわれる妖怪。衣服もしくは体が青い色をした大坊主で、空家などに現われるという。鳥山石燕の「画図百鬼夜行」にも一つ目の法師姿の青坊主が描かれているが、説明が無い為にその詳細は不明。

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敖雷巴爾汗 アォレィバルカン

Áoléibāěrhàn

中国の少数民族、達斡爾(ダフール)族が祀る病気治癒の神。キツネやイタチのような動物が仙化したもので「狐仙爺(こせんや)」とも呼ばれる。豚、鶏などを殺して供え、加護を祈ると病気が治るという。

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赤えいの魚

あかえいのうお

日本における妖怪、あるいは想像上の生物。竹原春泉画、桃山人文の「絵本百物語」で紹介されているもの。身の丈三里(約12km)以上という巨大な赤いエイで、背中に砂が積もるとそれを落とすために時々浮上する。海に浮いている姿は島にしか見えず、巨体ゆえに草木(正体は珊瑚や海草かもしれない)まで生えているという。人に危害を加えようとするものではないが、舟で近寄ったりすると急に沈もうとしたりするので、その波で舟が転覆することもあるという。

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アカガンタァ

 

沖縄において赤い髪の赤ん坊のような姿をした、本州における座敷童子のような妖怪のこと。語義は「赤+ガンタァ(垂れ下がった子供の髪)」。旧家の広間に居て、寝ている人の枕を返したり、人を押さえつけたりするという。茶目っ気があり親しみやすい性格の妖怪だと考えられている。

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アガシオン

Agathion

ユダヤ系の魔術師が使う使い魔のうち、実態がない使い魔の総称。アガシオンはたいてい、壺や指輪、護符、魔法円などに封じられており、魔術師の命によって出現し、用事が済むと再び封印される。その出現時の姿はまちまちで、小動物の姿もものも異形の姿で出現するものもいる。

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赤舌

あかした

日本において、川に住んでおり弱者の見方をしてくれるという妖怪の一種。いつも赤い舌を出しているので赤舌という。鳥山石燕の「画図百鬼夜行」には水門の上で黒雲をまとい、獅子鼻をして舌を出した、三本の鍵爪を持つ四足獣のような姿で描かれている。かつて津軽の用水路に出現したという言い伝えがあり、水門の番をする妖怪だと考えられていたようだが、これは「画図百鬼夜行」の絵柄からの連想であろうと思われる。もともと赤舌とは陰陽道における赤舌神(しゃくぜつじん)がモデルだったことは間違いないが、赤舌神は水門などに全く関連が無い。

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アガースラ

Aghasura

インド神話においてアスラ族の一人とされる存在。アガースラとは「アガ」という名のアスラ、という意味。悪王カンサの将軍であると伝えられる。ヒンドゥー教経典の一つ、「バーガヴァタ・プラーナ」によれば、アガースラはアジャガラという巨大な蛇の姿で、英雄神クリシュナとその仲間たちを飲み込もうと画策する。アガースラの口は見たところ洞窟の入り口そっくりだったので、クリシュナを除く仲間たちと、その家畜は騙されて中に入ってしまう。このことを知ったクリシュナは、仲間たちを救い出し、アガースラを倒したとされる。この経典中では、クリシュナはヴィシュヌのアバターラ(化身)と一つとされているので、アガースラはヴィシュヌに倒されたことになる。

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吾娥津媛命

あがつひめのみこと

「伊賀国風土記」の逸文に言及される女神。猨田毘古神の娘神とされ、猨田毘古神が二十万年余の間治めていた伊賀国を受領し代わって治めていたとされ、吾娥津媛命の治めていた国なのでこの地を「吾娥(あが)」、またのちにこれが訛って「伊賀(いが)」となったという。天照大御神から三種の宝器のうち「金鈴」を賜り和都賀野(わつがの)という場所で守っていたとされる。同じ件を引用したであろう他の逸文では「伊賀津姫(いがつひめ)」と表記されている。「先代旧事本紀」には伊賀臣(いがのおみ)の祖である大伊賀津彦(おおいがつひこ)の娘として「大伊賀津姫(おおいがつひめ)」の名が見え同神と考えられる。

現在の伊賀に当たる三重県の伊賀市白樫にある「岡八幡宮(おかはちまんぐう)」では、「伊賀津彦命(いがつひこのみこと)」、「伊賀津姫命(いがつひめのみこと)」の両神を祀っている。

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赤殿中

あかでんちゅう

日本の徳島県鳴門市大麻町大谷に見える化け狸。「殿中」とは殿中羽織の略で木綿の袖なし羽織のことをいう。赤殿中は赤い殿中を着た子供に化けて通る人に背負ってくれとせがみ、背負ってやると背中で足をバタバタさせ、キャッキャッと喜ぶという。

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アカトリエル・ヤ・イェホド・セバオト

Akatriel Yah Yehod Sebaoth, Akathriel Yah Yehod Sebaoth

タルムード文献や神秘学において言及される天使。単に「アカトリエル(Akatriel, Akathriel)」とも呼ばれる。また「アカトリエル・ヤハウェ(Akatriel JHWH, Akathriel JHWH)」、「アクタリエル(Achtariel)」、「アクトリエル(Aktriel)」、「イェハドリエル(Yehadoriel)」、「ケテリエル(Ketheriel)」などの名でも呼ばれる。「旧約聖書」で主自身を指す言葉としてたびたび登場する「主の天使」と同一視され、120万の奉仕天使を率い、全ての天使の上位に位置する偉大な審判の王たる天使だという。

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アカナー

 

沖縄における想像の生物。全身真っ赤な毛で覆われたサルのような姿をした生き物だという。夕焼けが赤いのはアカナーの家が燃えているからだとされる。

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垢舐め

あかなめ

日本の妖怪の一種。「垢舐り(あかねぶり)」とも言う。風呂屋や荒れ果てた屋敷に住み、真夜中人気の無い頃に出現しては、風呂場にこびりついた人間の垢をペロペロ舐める。廃墟や古い風呂屋に溜まった塵や垢から生まれる妖怪で、風呂場が汚れている家ほど住み着きやすいという。足に一本の鉤爪を持つ散切り頭の醜い童子の姿をしている。

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赤衾伊努意保須美比古佐倭気能命

あかぶすまいぬおおすみひこさわけのみこと

「出雲国風土記」に言及される神。同訓で「赤衾伊農意保須美比古佐和気能命」とも表記される。国引の神である八束水臣津野命の御子神であり、地名の由来譚として秋鹿郡の伊農郷、及び出雲郡の伊努郷の段に登場する。それに拠れば、秋鹿郡の伊農郷は赤衾伊努意保須美比古佐倭気能命の妃神である天甕津日女命が出雲を巡り歩いていた時、この地で「伊農波夜(いぬはや=伊農よ、と夫神に呼びかけた)」と言ったので「伊農」という地名になったという。また出雲郡の伊努郷はこの神の坐すところであるがゆえに「伊農(いぬ)」と呼ばれるようになり、その後「伊努」と字を改めたという。この伊努郷にある神社とは「延喜式」に記載される「伊努神社(いぬじんじゃ)」のことだと思われ、現在の島根県出雲市西林木町に位置し、今でも赤衾伊努意保須美比古佐倭気能命、及び天甕津日女命が祀られている。

神名に冠される「アカブスマ」とは寝具であり、続く「イヌ」は赤衾にかかり「寝(い)ぬ」と解釈できる。「オオスミ」については解釈が分かれるが、この神が水の神である八束水臣津野命の子神であることを考えれば「大洲見」、つまり大きな砂州を司る神であったと考えられる。この神は出雲神話固有の神だが、出雲国風土記では「阿遅鋤高日子命(あじすきたかひこのみこと)」などの名で見える阿遅鉏高日子根神と同一神ではないかという説もある。これは両神の妃神が「天甕津日女命(あめのみかつひめ)」、「天御梶日女命(あめのみかじひめ)」と名前が似通っている点やどちらも多久(現在の出雲市多久町付近)と関連付けられている点からの説である。

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アカマター

 

沖縄において赤の黒の美しい縞の斑蛇を指す言葉。「マッタブ」とも呼ばれる。美男子に化けて村の娘を誘い子供を孕ませるという。アカマターは古い鍋蓋や壊れて捨てられたカカシの下などに棲むと考えられたため、鍋蓋を捨てる時は逆さにしたり、木の枝にかけて捨てる。奄美群島でもアカマターは女を孕ませるとされ、アカマターを見たら唾を三回吐いて追い出す。蛸はアカマターと化けた姿であり、アカマターが波打ち際で潮につかりながら自分の体を盛んに岩に打ち付けて、蛸に化ける様が良く見られるという。

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アカ・マナフ

Aka Mana

ゾロアスター教における悪魔の一人。名前は「悪しき思い」を意味する。6人のアメサ・スペンタに対抗する6人の悪魔の一人(ただし諸説あるせいで全員挙げると6人以上いる)。名前は「悪しき思い」を意味し、アカ・マナフに支配された人間は正と邪、善と悪などの区別が出来なくなるという。

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明かりなし蕎麦

あかりなしそば

本所七不思議に数えられる怪異現象の一つ。「燈無蕎麦」とも書かれる、本所(現在の東京都墨田区南部)の南割下水にあったという明かりのついてない人気もしない蕎麦屋台のことで、誰かが気を利かしてその蕎麦屋の行灯に火を灯してもすぐ消えてしまう。さらにこうして火を灯した人の家では必ず不幸が起こったという。逆に「消えずの行灯」と呼ばれる、誰も油を足していないのに無人の蕎麦屋台でずっと消えずに燃え続ける行灯の話もある。

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アガレス

Agares

ユダヤの魔神で聖書などに登場する31個師団をその配下におさめる大公。「変化の公爵」の異名を持ち、地獄の東方を治める。かつては力天使であったとされる。弱々しい賢者の姿をしていて、手の甲に大鷹(またはカラス)をとまらせ、大きなワニ(または陸亀)に乗っている。声は老人のように震えているといわれる。未来を見通す力があるが、全てを謎めかして語り、しかも時々嘘を混ぜるため、その言葉は容易に信用できない。人間の行方を探る能力があり、また多くの言語を知っている。また、地震を起こす事ができるといわれる。ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。

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アカングァーマジムン

 

沖縄に出現する妖怪の一種。赤ん坊の死霊で、アカングァーマジムンとは「赤ん坊の魔物」という意味。この妖怪に股をくぐられると死んでしまうという。このように股をくぐらせてはいけない妖怪は沖縄を含む南西諸島に多く見られ、片耳豚などもその一例である。

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飽咋之宇斯能神

あきぐいのうしのかみ

「古事記」や「日本書紀」に見える神。古事記では飽咋之宇斯能神、日本書紀では「開囓神(あきくいのかみ)」と記される。黄泉の国から逃げ帰った伊邪那岐命が、身を清めようと禊をした時に化生した神の一人で、伊邪那岐命が投げ捨てた冠から生まれ出でたという(日本書記では褌(この場合はかまのこと)より成ったとされる)。名前はおそらく「開いて食う主の神」と言った意味で、冠の形状を名前にしたものか、あるいは「穿き食い(ハキクイ)」の転訛で、はかまを穿き込む(着込む)ことを表したものと思われる。愛知県知多郡阿久比町にある「阿久比神社(あぐいじんじゃ)」は飽咋之宇斯能神を主祭神として祀る。また島根県松江市八雲町にある式内社「熊野大社(くまのたいしゃ)」の境内社である「伊邪那美神社(いざなみじんじゃ)」などに配祀されるほか、大阪府堺市堺区甲斐町にある式内社「開口神社(あぐちじんじゃ)」はもとは飽咋之宇斯能神を祭神としていたのではないかとされる。

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秋毘売神

あきびめのかみ

「古事記」において羽山戸神大宜都比売との間に生まれた八柱の御子神のうち第六子とされる女神。「秋比女神(あきひめのかみ)」、「秋比売神(あきひめのかみ)」とも呼ばれる。ほかの兄弟神と同じく農耕に関連する神で、名前の通り収穫期である秋を象徴する神とがられる。松尾大社の境内社である「四大神社(しのおおかみのやしろ)」に春若年神(はるわかとしのかみ=若年神)、夏高津日神、冬年神(ふゆとしのかみ=久久年神)とともに祀られる。また奈良県奈良市法蓮町にある式内社「狭岡神社(さおかじんじゃ)」は羽山戸神の御子神八柱を合わせて祀っている。

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ア・キム

 

ミクロネシア、パラオにおける創世神話に登場する、天に住んでいたシャコガイ、ウヘル・ア・ヤングヅによってい地上に下ろされ、ウヘル・ア・ヤングヅの代わりに二番目の神ラッツムギカイを生んだ。また、女陰が無く子供を埋めなかったラッツムギカイに自らのブレーデル(外套膜)を貸して子供を産ませた。

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アークエンジェル

Archangel

ユダヤ教・キリスト教における天使の9階級のうちの第8階級。またエンジェルより上の位の天使すべてをアークエンジェルと呼ぶこともある。複数形で「アークエンジェルス(Archangels)」、日本では「大天使」と訳される。第8階級でありながら事実上の指揮官とされる四大天使(ミカエルガブリエルラファエルウリエル)を含む御前の七天使を擁する特殊な階級とされる。四大天使以外に大天使に含まれる天使は、旧約聖書外典「第1エノク書」のギリシャ語写本によれば、ラグエル、サラカエル、レミエルとされているが、他にもサリエルメタトロンカマエル、ハニエル(→アナエル)などが候補に挙げられることもある。

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アグディスティス

Agdistis

プリュギア(小アジア地方、現在のトルコ共和国中央部)の大地の女神の一柱。両性具有で生まれた神で、キュベレと同一視される。ギリシア神話においてはゼウスがディンデュモン山で昼寝をしていたときにこぼれた彼の体液から生まれたとされる。アグディスティスは怪物視され、神々に酔わされるうちに性器を切り落とされてしまったが、この性器からはアーモンド(ないしザクロ)の樹が生えてきて、この実より妊娠した娘はアッティスを産み落としたという。

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アグニ

Aguni

インド神話における火の神。アーリア人の拝火信仰を起源とする古い神だと考えられている。黄金の顎と歯、炎の頭髪、3~7枚の舌を持つ姿で描かれ、火中に投じられた供物を好むという。天空地三界に顕現し、天上においては太陽と同一視され暗黒を駆逐し、空中においては電光としてひらめき、地界においては祭火として燃えるとされた。火中に投じられた供物を天上へと運ぶため、神と人との仲介者、または使者、賓客として、あるいはアグニ自身が優れた祭官として崇拝された。「リグ・ヴェーダ」において彼に捧げられた賛歌は全体の5分の1をしめる。後世、インドラヴァルナヤマなどとともにローカパーラ(世界守護神)の一つとして崇拝され、南東に住むと見なされた。ゾロアスター教のアタールに相当する。また仏教に取り入れられ、「阿耆尼(あぎに)」ないし「火天(かてん)」と漢字に訳される。

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アクリス

Achlis

スカンジナビアの島に住むと考えられた想像上の動物。プリニウスの「博物誌」に記述がある。ヘラジカに似た草食動物だが、その身体的特徴にはいくつかの欠点があった。一つに上唇が異常に肥大化していること。このためにアクリスは後ずさりして無理やり口を開きながらでないと草を食べられなかった。また一つに後ろ足に関節が無いこと。この足はアクリスを俊足にしているが、しゃがんだら立ち上がることが容易ではなくなる為に、アクリスは木に寄りかかりながら寝なければならなかった。この習性は致命的なもので、猟師たちは前もってアクリスのお気に入りの木を見つけ、ノコギリで簡単に倒れるように切れ目を入れておくだけでアクリスを捕獲できた。なぜならばアクリスがこの木で休もうとした途端木は折れ、一度しゃがんでしまったアクリスは身動きが出来なくなってしまうからだ。

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アグリポル

Aguriporu

アラビア北部のパルミュラの月の神。鎌のような月を額、ないしは両肩に乗せている。名前は「ボルの雄牛」を意味すると考えられることもある。月は元来雄牛の角に見立てられていたらしい。

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アケリア

Acheliah

魔術書「ソロモンの大いなる鍵(The key of Solomon the king)」において、金星の第1の五芒星にヘブライ語で名を記されている4人の天使のうちの一人。

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アケル

Aker

エジプト神話において古くから信仰された大地の神の一人で地平線を象徴する。背中合わせに座る二匹のライオン、もしくはライオンか人間の頭が二つ付いた大地として表された。これらはいずれにしても地平線を表現したものであり、沈み行く太陽であるアトゥムアポピスから守る神と考えられた。

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アーゴペルター

Argopelter

アメリカの噂話やほら話を起源とする怪物、フィアサム・クリッターの一種。名前は「アルゴ船の(Argo)投擲器(pelter)」から来ているものと思われる。滅多に見ることができないので外見はっきりしない。森の中の木のうろに住んでおり、近くを通りかかった者に木片や枝を投げつけるという。それ以上何かをしたという記録は無い。

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アサ

Æsir

北欧神話において主要な神々が属する神族。総じて戦闘的な種族だとされる。本来は北欧の人々だけではなく、他のゲルマン民族からも崇拝されていた存在だと考えられている。「アサ」は複数形で、単数形では「アース(Áss)」。世界の秩序が神格化された存在であり、多様な特質をもつ神々によって構成される。ヨツン(巨人)族の祖であるユミルとともに最初の生き物として生まれた牡牛アウズフムラが、餌として舐めていた石から誕生したブーリという男を祖としている。ブーリの息子ボルを父とするオーディンを王とし、ヨツン族と常に敵対関係にあるが、この世が終わる時までは正面から戦うことはなく警戒的平和の中にある。人間はアサ神族によって創造されたといわれており、これによって古代北欧ではアサ神族は人間の保護者として崇拝されていた。またもう一つの神族である、ニョルズ率いるヴァナ神族とも対立関係にあり、両神族の間には激しい戦闘は繰り広げられたこともあったが、結局人質を交換して和解した。

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アサ

Asa

アフリカのケニアのカンバ人における創造神。語義は「父」の意。他の部族でムルングと呼ばれる。霊達の上位に位置する主であり、慰めと生命維持の神でもある。天災による被害から自然の立ち直りの遅い時、或いは人間による援助が間に合わない時などに人間界に干渉し助けてくれるとされる。

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アサエル

Asael, Asa'el

キリスト教や神秘学における堕天使ないし天使の一人。名前は「神が創った者」を意味する。旧約聖書外典「第1エノク書」に言及される神に反逆した200人の堕天使の一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長(Chief of Tens)」の一人とされる。

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アザゼル

Azazel, Azaziel Azael

旧約聖書偽典、旧約聖書外典「第1エノク書(エチオピア語写本)」において、グリゴリの一員であり、統率者の一人だったとされている天使。「アサセル(Asasel)」、「アザエル(Azael)」などの名でも知られる。旧約聖書「レビ記」においては固有名詞としてではなく、悪魔を意味する一般名詞と同じように扱われている。「アザエル(Azael)」、「ハザゼル(Hazazel)」などの名でも呼ばれる。その名は「遠くへ去る」、「神の如き強き者」、「完全なる除去」、「荒野」、「山羊」などの意味がある。シェミハザなどと共に人間の娘と結婚し神に反逆した。元々の起源はシリアの神だったと考えられている。人間の娘達に剣や盾などの戦争に使う武器の製造法や男性を誘惑するための化粧法を教えたとされている。アザゼルは神の軍勢に捕縛された後、オリオン座において逆さ吊りの刑に処されたとされる。この逸話がタロットカードの「吊られる男」の起源となったのではないかと考えられている。

ユダヤの律法学者の間においては「アゼル(Azel)」と呼ばれ、神から魔術の秘密を盗み出しエヴァ(イヴ)に与えるという大罪を犯したと考えられた。イスラム教ではイブリースと同一視されアラーに反逆する悪魔と考えられた。

堕天使(悪魔)としてのアザゼルは「地獄の君主」、「人間の誘惑者」、「羊の守護者」などと呼ばれる。また贖罪の日に生贄となる山羊を受け取る悪魔としても知られている。しばしばサタンと同一視され、7つの蛇頭と14の顔、12枚の翼を持ち、蛇にまたがった姿で表される。ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。

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アザレル

Azarel

魔術書「ソロモンの大いなる鍵(The key of Solomon the king)」において、月の第5の五芒星にヘブライ語で名を記されている2人の天使のうちの一人。

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足洗い屋敷

あしあらいやしき

本所七不思議に数えられる怪異現象の一つ。「足洗邸」とも書く。本所の三笠町(現在の東京都墨田区亀沢)にあった旗本屋敷(小宮山左善或いは味野某の屋敷と伝わる)で起こった怪異で、夜中、天井からバリバリという音がしたかと思うと巨大な足が下りてくるというもの。この巨大な足は土や泥で汚れていて、丁寧に洗ってやると何もせず消えうせたが、おろそかに扱うと家を壊さんばかりに暴れたとされる。

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阿遅鉏高日子根神

あじすきたかひこねのかみ

日本記紀神話において、農業神とされる神。古事記では「阿遅鉏高日子根神(あじすきたかひこねのかみ)」、「阿遅志貴高日子根神(あじしきたかひこねのかみ)」、「阿治志貴高日子根神(あじしきたかひこねのかみ)」、または「迦毛大御神(かものおおみかみ)」、日本書紀では「味耜高彦根神(あじすきたかひこねのかみ)」と表記される。さらに播磨国風土記では「阿遅須伎高日子尼命」、出雲国風土記では「阿遅須枳高日子命」、出雲国造神賀詞では「阿遅須伎高孫根命」と表記され、いずれも「あじすきたかひこねのみこと」と読む。「あじ(あぢ)」は美称、「すき」は単純に農具の耜(すき)か、あるいは磯城(しき=岩石を敷き詰めた祭場)の転訛と考えられる。

大国主神多紀理毘売命との間に生まれた神。阿遅鉏高日子根神は穀霊神である天若日子とても親しく、彼が死んだ時も弔問に訪れたが、二人の顔恰好がとても似ていたために、その葬儀の場で死んだ天若日子が生き返ったと間違われた。阿遅鉏高日子根神は死んだ者と間違えられるという無礼に腹を立て、葬儀場を滅茶苦茶にして帰っていってしまった。この説話は二人の神格がとてもよく似ている、或いはもともと同一神だったということを暗示していると考えられる。また、生きている阿遅鉏高日子根神、死んだ天若日子という対象性は農業における秋には実り枯れて、春には芽吹き成長するというサイクルを象徴したものとも考えられる。

鋤は春に田畑を耕し農地を開拓するという役割のほかに、昔は田の神を祀る時の呪具としても使われた。阿遅鉏高日子根神はもともとそういった鋤を御神体とする農業神であったとされる。また昔は鋤には雷神(水の神)が宿るとも考えられたので、阿遅鉏高日子根神は農業神であるとともに、雷神を呼ぶ力を持つ神、ないし雷神と同じ力を発揮できる神だと考えられるようになった。

別名である「迦毛大御神」の名の通り、賀茂上下社の祠官であった賀茂氏の祖であるが、現在は賀茂上下社では阿遅鉏高日子根神を祀っていない。ただ、「都都古和気神(つつこわけのかみ)」として都都古別神社に、「高賀茂大神(たかがものおおかみ)」として高鴨神社に祀られている。

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アジ・ダハーカ

Aži Dahāka, Azi Dahaka, Azidahaka, Azhi Dahaka, Aži Dahak

古代ペルシアの民族宗教「ゾロアスター教」の聖典「アヴェスタ」に出てくる竜。悪神アンラ・マンユが生み出した、「苦痛」、「苦悩」、「死」を象徴する3つの頭が持ち、それぞれの頭には6つの目と三組の牙があるという。またその巨大な翼は天を覆い隠すといわれる。ただし、叙事詩「シャー・ナーメ」には首から二匹の蛇が出た人間に似た姿のものとして描かれている。バビロンにあるクリンタ城に住み、千の魔法を駆使してあらゆる悪をなし、炎の神アタールとも激しく戦った。その後、エータナオ(ファリードゥーンとも)という英雄が退治しようとしたが、英雄が剣を突き刺すと傷口からサソリ、トカゲ、カエルなどの有害な無数の生き物が這い出したため殺すことが出来ず、捕縛してダマーヴァンド山に幽閉したという(幽閉したのはアータルだともされる)。しかしやがてアジ・ダハーカは鎖を千切り自由の身となって世界を荒らすとされている。

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アシトマ

 

アイヌ民族における妖怪の総称。語義は「ア(私達が)」+「シトマ(恐れる)」+「(者)」といった意。

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足名椎

あしなづち

日本記紀神話に登場する男神。配偶神である手名椎とともに櫛名田比売の親神。また大山津見神の子神の一人。「古事記」では「足名椎(あしなづち)」、「日本書紀」では同訓で「脚摩乳」と表記される。名前は「足を撫で慈しむ」といった意と考えられる。もともと足名椎らの夫婦神には櫛名田比売を含め娘が八人いたが、毎年やってくる大蛇八岐大蛇に一人ずつ食べられてしまい、とうとう櫛名田比売一人になってしまった。彼らはそこへ来た須佐之男命に訳を話し、八岐大蛇を退治してもらった。その後、古事記によれば足名椎は須佐之男命から「稲田宮主須賀之八耳神(いなだのみやぬしすがのやつみみのかみ)」という名を賜り須賀の宮の首(おびと=首長のこと)を任されることになったという(日本書紀では手名椎とともに「稲田宮主神(いなだみやぬしのかみ)」の名を賜ったとされる)。

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葦原醜男神

あしはらしこおのかみ

アシペンサー

Acipenser

15,6世紀のヨーロッパの旅行家よって伝えられた、ヨーロッパ北方の海に生息するとされた怪魚。普通の魚と異なり鱗が尾から頭に向かって生えているためにうまく泳げない魚だという。チョウザメを誇張して表現したものだと考えられる。

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アシャ・ヴァヒシュタ

Asha Vahishta

ゾロアスター教における大天使のような存在「アメサ・スペンタ」の一員。「アサ・ヴァヒシュタ(Asa Vahista)」、「アサ(Asa)」、「アシャ(Asha)」とも。名前は「天の掟」を意味する。正義と火と太陽を司るとされる。経典「アヴェスター」においては「最善なる者」と呼ばれ、正義と清潔を司る存在として特に虚偽の悪魔ドルジと敵対する。

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アシュヴィニー

Aśvinī

阿閦如来 あしゅくにょらい

Akṣobhya

仏教における如来の一尊。名前はサンスクリット名である「アクショーブヤ(Akṣobhya)」を音写したもの。他に「阿閦仏(あしゅくぶつ)」、「阿閦婆(あしゅくば)」、「阿閦鞞(あしゅくひ)」などに音写されるほか、名前の「振動せられざる者」、「ゆるぎない者」といった意味から「不動仏(ふどうぶつ)」(大般若経など)、「無動仏(むどうぶつ)」(華厳経など)、「無怒(むぬ)」(正法華経)などの名前でも呼ばれる。

はるか過去に大日如来の教化を受けた一人で、悟りを開いたあとも東方善快浄土で今なお説法を続けている仏尊だという。その菩提心が揺ぎ無く堅固であることから阿閦如来と呼ばれる。五智如来の一尊として「大円鏡智(心を鏡にし全てのものを写し取る智恵)」を象徴し、金剛界曼荼羅では東方に配されるので、胎蔵界曼荼羅で同じように東方に配される宝幢如来と同体とされることがある。後期密教では大日如来の代わりに五仏の中心に据えることもあった。その像形は無冠で、左手で衣の端を握り、右手は伏せて五指を伸ばし地に付ける触地印を結ぶ。

密号を「不動金剛(ふどうこんごう)」ないし「怖畏金剛(ふいこんごう)」、種字は「हूं(hūṃ)=吽」、真言は「唵噁乞芻毘夜吽(おんあくしびやうん)」(羯摩会)、「嚩日囉枳惹南吽(ばざらぎじゃなうん)」(三昧耶会)、印相は阿閦触地印(羯摩会)か二手外縛し中指を針のごとく立て合わせる印、三昧耶形は五鈷杵。

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アシュターヴィンシャティ・ナクシャストラーニ

Aṣṭāviṃśati nakṣatrāṇi

アシュビン

Asvin

インドのリグ・ヴェーダに書かれた神。たいていの場合、それぞれ「ナーサティヤ(Nasatya)」、「ダスラ(Dasra)」という名前持つ双子の神格とされている。名前は「馬を御するもの」を意味する。ビヴァスヴァットとサラニウーの子神。神々と人間との橋渡しをする神であり、しばしば人間の味方をする。彼らは病人や不幸な人と共に行動しこれを助けていた。神々の目にはこれがよく映らず、アシュビンらは天上界から拒絶されていた。しかし彼らの力で若返りを果たしたチャヴァナ仙がそのお礼にインドラに口を利いてアシュビンらを天上界に入れるように説得したという。若く美しく聡明で、病気にかかった者は神であろうが人であろうが分け隔てなく癒す治療の神とされる。蜜を特に好み、多量の蜜を馬のひずめから注ぐといわれる。双神の乗る車は蜜色で、蜜を運び、鳥または有翼の馬に引かれている。彼らは太陽の娘スーリヤと親密で、人々を厄災から救い、優れた医術をふるう。彼らは早朝に出現するという。

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阿修羅 あしゅら

Asura

インド神話における超自然的種族であるアスラ、ひいてはゾロアスター教の最高神アフラ・マズダが仏教に取り込まれもの。ほかに「阿蘇羅(あそら)」(金光明最勝王経など)、「阿素羅(あそら)」(一切経音義など)、「阿修倫(あしゅりん)」(長阿含経など)、「阿素洛(あそら)」(般若経など)などに音写されるほか、略して「修羅(しゅら)」とも呼ばれる。さらにサンスクリット名の「神でないもの」あるいは「整っていない(醜い)もの」を意味訳し「非天(ひてん)」(瑜伽師地論など)、「非類(ひるい)」、「不端正(ふたんせい)」、「酒を飲まない」と解釈して「無酒神(むしゅじん)」(一切経音義など)などとも漢訳する。

「非天」、つまり「天部(→)にあらざる者」であり、帝釈天と戦う悪神とされるが、一方で仏法を護る天竜八部の一部を担うともされる。天竜八部のなかでも特に大勢力を有し、須弥山の北にある「阿修羅宮」を住処としている。阿修羅衆を率いる主領は「阿修羅王(あしゅらおう)」と呼ばれ、しばしば固有名を伴い仏典に登場する。例えば「長阿含経」には「羅呵阿須倫王(らかあしゅりんおう)」、「波羅呵阿須倫王(はらかあしゅりんおう)」、「毘摩質多阿須倫王(びましったあしゅりんおう)」、「睒摩羅阿須倫王(せんまらあしゅりんおう)」の四大の阿修羅王が登場するが、このうちの羅呵阿須倫王は羅睺(→羅睺曜)のことでインド神話においてもアスラ族とされている(→ラフ)。ほかにも「踊躍阿修羅王(ようやくあしゅらおう)」、「奢婆羅阿修羅王(しゃばらあしゅらおう)」、「陀摩睺阿修羅王(だまごあしゅらおう)」などの名がみえる。 胎蔵界曼荼羅では外金剛部院(最外院)の南方(右側)に二か所に配される。その像容は赤色の身色で忿怒形で甲冑を着け、右手に華棒を持ち左手は腰に当て筵に坐し両脇に使者を従えるもの、および二者がならび慈悲相で右手に剣を持ち坐すもの。そのほかにも様々な異像がみられる。

種字は「अ(a)」、真言は「唵毘摩質多羅阿蘇羅地波多曳莎訶(おんびましたらあそらちはたえいそわか)」。

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アシュレーシャー

Aśleṣā

アジョク

Ajok

アフリカのナイル川上流(スーダンなど)に住むロトゥコ人の信仰に登場する天空神。「アデョク(Adyok)」、「ナイジョク(Naijok)」とも呼ばれる。アジョクは慈悲深い神だが、その慈悲は継続的な生贄と祈りを必要とするものと考えられている。死んだ人間を蘇らせる力を持っているが、かつてその力を使ったせいで人間の家族に不和を起こしたので、アジョクは二度と死んだ人間を蘇らせなくなった。

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阿嬌魯 アジョル

Ājiāolǔ

中国の少数民族、鄂倫春(オロチョン)族における祖先神。氏族の祖先が死後に神となったものとされ、人間や家畜、農作物などを守護するという。人間の前に直接現れることはなく、シャーマンを使者として交流するという。

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アシラ

Ashrah, Aṯrt, ʼAṯirat

アシラトとも。「海の貴婦人」と称されるカナアンの女神。バールなどの多くの神々の母であり、また大后でもある。生まれたばかりの神々は、彼女の乳を吸って育つとされる。ユダヤでは魔神とされ、バールとよく対になって出てくる。

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アズ=イ=ウ=グム=ォ=ムク=ティ

Az-i-wû-gûm-ki-mukh-ťi

ヨーロッパ人の旅行家、エドワード・W・ネルソンが著した「ベーリング海峡周辺のエスキモー(The Eskimo about Bering Strait, 1900)」の中で言及している生物。それによれば、イヌイットの信仰と伝承に残る生物で、セイウチに似ているが頭と四本の足は犬のものであり、輝く黒い鱗に覆われ巨大な魚の尾を有すという。この尾で殴られると人間は即死してしまう。ネルソンはこの生物のことを「セイウチ犬(walrus dog)」と呼んだ。

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アス=イガ

As-Iga

シベリアのオスチャク族における、親切な精霊。名は「オブの古老」を意味する。オブとはシベリアを貫いて流れる大河の名前。

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アスカトル

Azcatl

アステカにおいて神ではないが、神話に登場し、ケツァルコアトルを案内する役を担う赤蟻。名前はそのまま「蟻」を意味する。アステカ神話では第5の太陽の時代(現在の世界)、新しく人類が創造されたあと、神々の次の仕事は新しい人類に食料を与えることだった。偶然トウモロコシ(メイズ)の種を担いで走っていたアスカトルを見つけたケツァルコアトルは、どこにそんな素晴らしい食料があるのかとアスカトルに尋ねるが、アスカトルは答えたがらなかった。しかしケツァルコアトルの嫌がらせと脅しに負けたアスカトルは、ついには食料のある場所───トナカテペトル(Tonacatepétl 「食料の山」の意)───を白状し、ケツァルコアトルをその山へ案内する。その後トナカテペトルはナナウアツィンの提案によって、4方位の風と雨の神、そして4人のトラロケによって分割され、植物の種は風によって四方の大地にばら撒かれた。

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小豆洗い

あずきあらい

日本の妖怪で小川などに住み着く。「小豆磨ぎ(あずきとぎ)」、「小豆摺り(あずきすり)」、「小豆しゃらしゃら」、「小豆ごしゃごしゃ」など地方によって多彩な名前がある。シャカシャカとまるで小豆を洗うような音を出すが一向に姿は見えない。小さな老人とも老婆の姿をしているとも言われる。音だけなので害はないが、正体を突き止めようとした者はからかわれて河に落とされる。また、地方によっては「小豆磨ごうか人とって喰おうか」などと物騒な事も言う。

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アスタルテ

Astarte, Astarete

カナアンやフェニキアに伝えられる古代セム族の豊饒と生殖の女神。バビロニアの神であるイシュタルイナンナに由来する神と考えられている。或いはフェニキアにおける万能の母神「アストローチェ(Astroache)」を起源とするという説もある。神名は「子宮」あるいは「子宮から生まれる者」といった意味だと考えられている。バールの配偶神で頭に三日月型の角をつけた姿や、牡牛の頭をした女性の姿で表される。

アスタルテはエジプトの神話体系にも取り込まれ、ファラオとファラオの乗る戦車を守護する神とされる。セトの妻でありセクメトと同一視される。エジプト神話の中でアスタルテは潮の流れに巻き込まれて溺れそうになっているところをエジプトの神々に助けられ、プターの養女として迎えられたとされている。また一方でハトホルとも同一視されるためレーの娘ともされる。

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アスタロス

Astaroth, Ashtart, Astarte, Ashtaroth, Astoreth, Asteroth, Astarath, Ashteroth, Ashtoroth, Astorath, Asthoreth, Ishtar, Aphrodite

ユダヤの魔神の一人。その起源は古代セム族の豊饒と生殖の女神であるアスタルテ(Astarte)や、バビロニアの美の女神イシュタル(Ishtar)にあるといわれている。「恐怖公」「地獄の大公」等の異名をとり、また元々座天使であったという説から「座天使の公子」等とも呼ばれる。その姿は唇を血で濡らした全身黒ずくめの黒い天使で、右手には毒蛇を持ち、地獄の龍(または蛇)にまたがっているという。過去と未来を見通す力があり、まるで自分は堕落していないかのように天使たちが天から落とされた時の事を語る。常に安楽に過ごし、安逸をむさぼる事を好み人を怠惰に導く。ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。

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アストー・ウィーザートゥ

Asto Vidatu

古代ペルシアの死神。もともとは「アストー・ヴィダーツ」と発音した。名前は「肉体の粉砕者」という意味を持つ。最初は小悪魔のような存在だったが、時代が下ると逃れられない死神のような存在とされるようになった。ゾロアスター教では「アストー・ウィーザートゥ」と呼ばれ、あらゆる人間にとって避けられぬ「死」を司る、比類なく強力な悪魔だとされ、全ての人間を死に引きずり込むために虎視眈々と狙っているという。母親の胎内の赤子ですらアストー・ウィーザートゥの獲物であり、流産が起こるのもこの悪魔のせいだとされた。

民間伝承によれば、この魔物は投げ縄を得意としており、この世に生まれた全ての人の首に縄をかけるのだという。人が死ぬと、善人の首の縄は外れるが、悪人は縄を引かれて地獄に連れて行かれる。

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阿須波神

あすはのかみ

日本の神道の神の一柱で、「古事記」や「延喜式」などに言及される神。「阿須波(あすは)」、「阿須波乃可美(あすはのかみ)」、「阿須波之神(あすはのかみ)」、「阿須波大神(あすはのおおかみ)」などの表記も見られる。大年神天知迦流美豆比売の間に生まれた子神の一柱。「古事記伝」においては「アスハ」を「足場」の変化と解し、足で踏み立つ場所を護る神だとしている。また万葉集中の防人の歌に「庭中の阿須波の神に小柴さし吾は斎わん帰り来までに」とあり、庭の神域において祀られる神で旅中や家を離れた者の無事を祈る神であったと思われる。古くは旅立ちのことを「鹿島立ち」といったが、これは防人(さきもり)や武士が旅立ちの際、鹿島の阿須波神に祈りをささげたことに基づくという説がある。これは現在千葉県船橋市海神にある「龍神社(りゅうじんじゃ)」のことで古くは「阿須波明神」と呼ばれていた。延喜式においては宮中を護る「坐摩神(ざまのかみ/いかすりのかみ)」の五柱のうちの一柱とされる。

大阪府大阪市中央区にある「坐摩神社(いかすりじんじゃ)」、大阪府岸和田市積川町にある式内社「積川神社(つがわじんじゃ)」、福井県福井市足羽にある式内社「足羽神社(あすわじんじゃ)」などに坐摩神とともに祀られるほか、大阪府大東市平野屋にある「坐摩神社(ざまじんじゃ)」では波比岐神とともにまつられる。

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アスピス

Aspis

中世ヨーロッパの伝説・伝承に登場するドラゴン型の怪物。文献によって翼の有無が分かれるが、いずれにしろ小型で60cm程しかない。その体に触れただけで生死に関わるほどの猛毒を持っており、一度噛まれればどんな生物であろうと即死してしまうという。ただ、アスピスは音楽がめっぽう苦手であり、音楽を聞かせると地面と自分の尾を使って耳をふさごうとする(つまり横倒しになる)。この状態に持ち込めば人間でもやすやすと逃げることができる。

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アスピドケロン

Aspidochelon

古代ヨーロッパの旅人や船乗りに伝わる海の怪物の一つ。「アスピドデロン」とも呼ばれる。名前はギリシア語で「蛇亀」の意。ラテン語では「ファスティド・カロン」、中東では「ザラタン(Zaratan)」と呼ばれた。途方も無い大きさの亀で、その巨大な甲羅の上には槌が積もり木や草が生い茂っていて、まさしく海上に浮かぶ島のようであったという。アスピドケロンは口から甘い匂いを発して魚をおびき寄せて食っているという。生き物と知らずにアスピドケロンに「上陸」した船乗り達が甲羅の上で焚き火をした途端、アスピドケロンは叫び、のたうって船や船乗り達を道連れにものすごい勢いで海中深く潜ってしまう。聖書のヨナを飲み込んだ魚や中世キリスト教における地獄の入り口の描写は、この怪物がモデルになっていると考えられている。

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アスベエル

Asbeel

旧約聖書外典「第1エノク書」において言及される堕天使の一人。名前は「神を放棄する者」ないし「神から脱走した者」を意味する。アザゼルシェミハザなどの天使と共に人間の娘と結婚し知識を与えるという大罪を犯したグリゴリの長の一人。イェクォンとともに「神の息子(つまり天使)たち」に「悪知恵を授け、人の娘たちの間で身を滅ぼすように惑わせた」、つまり反逆の主因を作った首謀者の一人だったとされている。

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アスモデウス

Asmodeus

ユダヤ教のタルムード文献などに見られる悪魔。「アシュモダイ(Ashmodai)」、「アスモデ(Asmodee)」、「カマダイ(Chammaday)」、「シュドナイ(Sydoney)」などの別名がある。ペルシアの魔神アエシュマが元となっている。「悪魔の頭」、「魔神王」、「剣の王」等と呼ばれ、配下に多くの魔神を従えている。その顔は炎のように燃えており、天を駆けるための翼をもっている以外は、ほぼ人間と同じ容姿をしている。未来を見通して人の定めを知ったり、大地を見通して宝石や貴金属のありかを知る事ができ、また様々なものに変身する能力をもっているといわれる。夫婦の仲を邪魔し不和や嫉妬心を生じさせる。天界では熾天使であったとも言われている。ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。旧約聖書外典「トビト書」では好色な悪魔として描かれ、大天使ラファエルに撃退される。

コラン・ド・プランシー著「地獄の辞典」では、ドラゴンの翼と首を持つライオンに乗り、牛と王冠を戴いた火を噴く人、羊の3つの頭と蛇の尾を持ち、脚が鳥のもの、という異形の姿で描かれている。

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アスラ

Asura

古代インド神話に登場する超自然的な種族の総称。名前は「神でないもの」あるいは「整っていない(醜い)もの」といった意味を持っている。神々たるデーヴァ族に対抗する種族とされるが必ずしも悪魔のような存在とはされない。ヒンドゥー教の聖典「ヴィシュヌ・プラーナ」ではブラフマーの太ももから生まれたとされる。また祭儀書「シャタパタ・ブラーフマナ」ではデーヴァとともに創造主プラジャーパティから生まれたが、デーヴァが真実を追求する道をとったのに対し、アスラは虚偽の道を選んだとされる。両種族は互いにいがみ合っているが、場合によってはいやいやながら手を組むこともある。例えば霊薬アムリタを手に入れるときなど、両種族は協力して天海を攪拌した。代表的なアスラとして、アガースラ、ジャランダラ、ハヤグリーヴァなどがいる。アスラは仏教に取り込まれ、日本や中国などでは「阿修羅」と称される。

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アスレイ

Asrai

イングランドのチェシア地方、シュロップシア地方の伝承に見える小人の水の精霊。緑色の長い髪と水かきのある足を持つ美しい女性の姿をしているとされる。アスレイ達は水から離れると水になってしまうため、捕まえてたりといった行為は徒労に終わる。またアスレイに触れた部分はみみずばれのようなあざになり一生消えないとされる。スコットランドにも「アズレイ(Asrais)」もしくは「アシュライ(Ashrays)」と呼ばれる同じような水の精が伝わっている。

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アタエンシク

Ataensic

ネイティブアメリカンの一部族、イロコイ族における地母神、あるいは天空の女神。善なる者ハーグウェーディユと悪なる者ハーグウェーダエトガーの双子を生んだ後死んだとされる。母アタエンシクの死後ハーグウェーディユはその亡骸から世界を創造したという。

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阿陀加夜努志多伎吉比売命

あだかやぬしたききひめのみこと

「出雲国風土記」に言及される姫神。「所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ)」、つまり大国主神の御子神とされる。同訓で「阿陀加夜奴志多岐喜比売命」、「阿陀加夜怒志多岐吉比売命」などの表記も見られる。また「阿陀加夜努志多伎吉毘売命(あだかやぬしたききびめのみこと)」、「多伎吉比売命(たききひめのみこと)」の名でも呼ばれる。出雲国風土記において神門郡多伎郷(現在の出雲市多伎町や湖陵町差海辺り)の地名の説明において、この神が坐すが故に「多吉(たき)」という地名であり後に「多伎」と字を改めた、とある。

神名の「タキキ」については諸説あるが(地名、氏族名あるいは"高津"の変化など)、「アダカヤ」は地名と思われ、風土記にも意宇郡の項に「阿太加夜社(あだかやのやしろ)」という社名が見える。また松江市東出雲町にある地名である「出雲郷」は現在も「あだかえ」と読み、元々の地名に「出雲郷」の字を宛てたものと考えられる。つまり阿陀加夜努志多伎吉比売命は元々は「阿太加夜」の場所の主(ぬし)で、他の場所でも祀られるようになったものと考えられる。

前述の阿太加夜社にあたる島根県東松江市出雲町の「阿太加夜神社(あだかやじんじゃ)」、出雲市多伎町の「多伎神社(たきじんじゃ)」や「多伎藝神社(たきぎじんじゃ)」、出雲市稗原町の「市森神社(いちもりじんじゃ)」に祭られる。

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安宅丸

あたけまる

日本に伝わる生きた軍艦。「阿宅丸」、「阿武丸」とも書く。寛永12年(1635)に将軍徳川家光が造らせた水夫200人を擁す47メートルほどの大型軍艦だった。志の低い者や罪人などが入船しようと看板に踏み込むとうなり声をあげ威嚇し乗船拒否をしたといわれる。後に江戸の深川御船蔵に入れられていたが、夜な夜な「伊豆に行こう伊豆に行こう」と泣きながらうなり、とうとう嵐の晩に勝手に動いて伊豆に向かおうとした。結局神奈川県の三浦半島の三崎沖で拿捕されその後解体されたとされる。伊豆は安宅丸が造船されたところだった(三浦で造られたので三浦に向かっていたという説もある)。この話から、だだをこねる人の「安宅丸」と揶揄する。安宅丸の霊を鎮めるための塚が安宅町(現江東区)に築かれたとされるが現在は残っていない。また安宅丸の廃材を買って穴倉の蓋に使った家の妻に安宅丸の霊が憑き、狂ってしまったという話も残っている(しかし安宅丸は解体後焼却されたという話もある)。

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阿田都久志尼命

あたつくしねのみこと

アダド

Adad

バビロニア・アッシリア神話における、パンテオンの偉大な気象神。風の神エンリルが地上界の神になったとき、そのかわりに雷雨の支配権を握った。アダドは二つの性格、即ち雨風によって肥沃をもたらす豊穣神としての性格と、暴風雨、雷、洪水によって自然を破壊し、暗黒と死をもたらす神の性格を持つ。また、それらの性格からシャマシュとともに未来を喚起する特権をもつ託宣の神としても崇拝された。天神アヌの息子あるいは大地の神ベルの息子と呼ばれる。聖動物は雄牛とライオン、シンボルは糸杉、雄牛の背に乗り、片手に稲妻を持つ形で表現される。

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アタール

Atar

もしくは「アータル」とも。ゾロアスター教において火を司る神霊。「アードゥル(Adur)」、「アーダル(Adar)」とも呼ばれる。ヒンドゥー教の火の神アグニがその元であるとされる。火を崇高のものとするゾロアスター教で数多くの天使や精霊の中でも力が強く善なるものとされた。「崇拝に値する者達」ヤザタの一人で、アフラ・マズダの息子といわれる。人間に安楽と知恵をもたらし、世界を邪悪から守るといわれていた。勇敢な戦士だとも言われており、賛歌「ザムヤード・ヤシュト」においては「クワルナフ(光輪)」を手に入れるために悪竜アジ・ダハーカと激しい戦いを繰り広げたとされる。稲妻であるとも考えられ、雨を降らせないことで旱魃を起こそうとした悪魔を退治したとも言われている。

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アタルガティス

Atargatis

古代シリアにおける大女神。豊穣を司り、魚およびほとと結びつきが深く、上半身は人間の女、下半身は魚の形で表されることもあった。シリアにおいてもっとも信仰されていた神と言われる。また、ハダトという夫の神がいたとされる。

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アダロ

Adaro

ポリネシアやメラネシアにおいて、普遍的に信じられている海の精霊。人間に魚の尾、イッカクのような角が生えた姿をしている。また耳の後ろにはエラがあるとされる。有毒なトビウオの群れを引き連れていて、海に出た虹を渡って旅をしているとされる。水中の縄張りを侵した人間は容赦なく殺す。

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アーチェ

Aatxe

フランス南西部やスペイン北西部に住むバスク人における邪悪な精霊。「エツァイ(Etsai)」とも呼ばれる。名前は「若い牡牛」を意味する。牡牛の姿で現われることが多いが、変身できるので人間の姿で現われることもある。山にある洞窟に住んでいて、嵐の夜だけ出てきて周囲に大惨事を引き起こすとされる。

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アヅイコシンプク

 

アイヌにおける人魚のこと。名前は「海のコシンプ(妖精)」といった意味なので、アザラシなどの海棲生物が女に化けたものことと思われる。アイヌでは人魚を他にアイヌソッキと言う。

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アツカムイ

 

アイヌに信じられていたカムイの一人でモモンガを顕現体とする。名前は「多く産むカムイ」を意味する。モモンガは一回で三匹から五匹ほどの子を産むが、アイヌではモモンガは鳥の一種とされ、一回で30匹もの子供を産むと信じられていた。このためアイヌでは妻に子供がなかなか生まれないとき、モモンガの肉を夫が妻に食べさせるという習慣があった。ただしこれが妻にばれると多産の効力を失うだけでなく、全く子供を身篭らなくなってしまうとされたため、夫はモモンガの肉だとばれないように他の鳥の肉と一緒に食べさせたという。

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アッコロカムイ

 

アイヌに伝わる妖怪。「アツィナ」(海の木幣)とも言う。北海道の内浦湾(噴火湾)に住むという大蛸。1ヘクタールほどの大きさでで、通りかかる漁船を襲ったという。アッコロカムイのいるところは体の赤い色が海面に反射して遠くからでも分かったという。また一説には巨大魚とされるが、その場合でも特徴は変わらない。一説には礼文華(豊浦町)の山にいた大蜘蛛ヤウシケプが海に入ってアッコロカムイになったとされる。

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アッシュル

Assur, Ashur

バビロニア神話における軍神。アッシリアの国家神でまた、首都アッシュールの守護神。マルドゥークエンリルの役割を引き継いだ神であり、マルドゥクの好戦性とエンリルの治癒力をあわせ持つ。また彼の名は「慈悲深き者」を意味し、豊穣肥沃の神として棕櫚(しゅろ)の枝で囲まれた姿で表される。また軍神としてのアッシュルは矢を放つべく張られた弓を取り囲んだ翼のある円盤の形か、牛にのり空を行く姿で表された。なお時代と地域により数々の異名を持つ。アンシャルと同一視される。

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アッタル

Attar

イスラム教以前の時代にアラビア半島南部で崇拝された神。戦いの神で、「大胆に戦う者」と呼ばれることが多い。シンボルの一つに槍の穂先がある。アッタルの聖なる動物はアンテロープ(カモシカ)である。金星を支配する力があるとされており、人類に水をもたらす神と考えられていた。

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アッティス

Attis

小アジアのプリュギアにおける神でキュベレの夫神。神々に去勢されたアグディスティスの性器からアーモンドないしザクロの実が生え、それにより妊娠した川の神の娘、ナナの子とされる。アッティスは恋人であったキュベレがいるにも関わらず不貞を働いたため、キュベレにより正気を失わされ、自らを去勢して死んでしまった(別の伝承ではあるいはキュベレと引き離されたため絶望して去勢した)。その血に触れた草木は異常な速さで成長したとされる。のちにキュベレはアッティスを生き返らせ、二人は結ばれたという。

植物の生成を司る神であり、毎年三月の終わりになるとアッティスを祀る五日間の祭りが催された。この祭りの中でキュベレの神官達はアッティスに倣い自らを去勢しその血をアッティスの像に撒いた。

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アップルツリーマン

Apple-tree Man

コーンウォール、デヴォン、サマセットといったイングランド東部の民間伝承にみえる林檎園の主の精霊。リンゴ園の一番古い林檎の木に棲んでいるとされる。その果樹園の全てを熟知しており、毎日良い行いをしている人を助けるという。ただし、アドバイスは声だけで姿はわからない。ある昔話では、財産を少しも貰えなかったものの毎日真面目に働いた長男に、クリスマスイブの夜に宝物の在り処を教えたとされる。その家の末っ子は全財産を受け継いだが、毎日遊んでいたので、家畜たちが彼について喋る悪口だけを聞かされたという。昔から毎年、公現祭の前日である1月5日にアップルツリーマンの棲んでいる木の前で宴を開くことが習慣となっている。

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猰窳 あつゆ

Yà-yǔ

中国神話における怪物の一種。「窫窳」とも書く。もとは天神だったが、天神である弐負(じふ)とその臣下の危(き)に殺され、怪物と化したとされる。地理書「山海経」によれば「少咸」と呼ばれるに住む牛のような姿の獣で、赤い体で人面・馬足、赤ん坊のような声で鳴き人を食べるという。他にも人面竜身だとか、狸に似た獣だとか、竜頭虎身で馬の尾を持つ巨大な怪物だとか、文献によってその姿には様々な説があるが、人を食うという点は共通している。怪物と化した

猰窳は五帝の一人であるの統治していた時代に猛威を振るったが、弓の名手であった弓の名手であった羿によって殺されたという。

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アッロケン

Allocen

ユダヤの魔神。「戦士公」などと称される地獄の大公の一人。獅子の顔をした戦士で、肌は赤い黄金のように光り、輝く鎧に身を包んで、巨大な戦車に乗っている。荒野にとどろく荒々しい声を発し、その燃える瞳を覗き込んだものは自分の死に様が見え、そのショックでしばらく眼が見えなくなるという。占星術、文法、論理学、修辞学、算数、幾何学、天文、音楽などの各種文芸に通じているとされる。ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。

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アテア

Atea

ポリネシア東部のツアモツ諸島における天空神および原初の神。アテアには「ファアホトゥ(Fakahotu)」という妻がいたが二人の間に生まれた子供はファアホトゥが授乳するたび死んでしまうので、二人は性を交換しアテアは両性をもつ神になった。その後殺そうとしたタネ(=タネ・マフタ)に逆に殺されたとも、自らを分離しランギ(=ギ・ヌイ)とパパ(=パパ・ツ・ア・ヌク)になったともされる。ツアモツ諸島の王家の一つはアテアの子孫を自称する。クック諸島にあるマンガイア島ではヴァテアと呼ばれる。

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アーディティ

Aditi, Āditi

インド神話においてアーディティヤ神群の母とされる「母性」、「無限」などを象徴する女神。「A-diti」は無拘束、無限を意味する。「リグ・ヴェーダ」で彼女に捧げられる独立賛歌は3詩節のみである。ちなみにアーディティヤ神群とは、ヴァルナミトラを首長として、アリアマン(歓待)、バガ(分配、幸運)、アンシャ(配当)、ダクシャ(意力)などを含む12神のことである。アーディティは子神や配偶神に多数の異なった記述が見られる。例えば配偶神はブラフマーや聖仙カシュヤパとされ、子神としてアーディティヤ神群の他にヴィシュヌを生んだとされる。ブラフマーとの間にダクシャを生んだが、ダクシャはアーディティを生んだという。

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アテン

Aten

「アトン(Aton)」とも。エジプトの太陽の神。名前は「太陽の円盤」を意味する。エジプト第18王朝のアメンヘテプ4世(在位前1352~36)は世界最古の宗教改革者として従来の他の神々への信仰、特にアモンへの信仰を禁じ、アテン宗教のみを公式の宗教として認めた。そして自らの名をアメンヘテプ(「アモンは満足する」の意)からアクエンアテン(「アテンの栄光」の意)へと改めた。アテンは元々太陽円盤を頭部に頂いた隼、もしくは隼の頭部を持った人間の姿をしていたが、唯一神とはってからは巨大な赤い日輪と、そこから伸びる先端が手の形をした光線とであらわされるようになった。この光線はアテンの美しさを王にまで及ぼすものと考えられた。アテンはレーを起源とする神と考えられる。

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アトゥア

Atua

ニュージーランドのマオリ族において、目に見えない超自然的な存在に対する総称。動物や虫などの姿をとって人間の目に見えるようになった状態では「アリアー(Ariā)」の名前で呼ばれ、マオリの人々に恐れられている。ほとんどのアトゥアは人間に敵意を持っており、特定の人間や特定の部位に病気や痛みといった悪影響を引き起ことされる。

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アトゥエスエル

Atuesuel

カバラやグリモア「モーセ第6、第7の書」において言及される天使で、儀式において唱えられる、偉大な力を発揮するという8人の万能の天使の一人。

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アトゥム

Atum

エジプト神話に数多く登場する太陽神の一人。二重王冠をかぶりアンクとウアス笏を持った人間の姿、あるいは雄羊の頭部を持つ男性などの姿で表される。原初の混沌の海であるヌンから自らを誕生させ、その後神々を生み出したとされる。アトゥムは誕生したとき生命と復活の象徴である蛇の姿をとって生まれたが、世界が破滅する時もやはり蛇の姿をとりヌンへと還るとされた。アトゥムはこうした神々の始祖、創造神としての性格の他に、また太陽神としても信仰もあった。太陽の船によって運航される太陽は、レーケペラアウフといった様々な姿をとって毎日空を循環しているが、アトゥムはその中で沈む太陽の役割を与えられた。これは恐らくアトゥムは太陽神の中でも特に古くから信仰されていたことを示すと考えられる。太陽神を象徴するベンベン石は元々彼を象徴するものであり、アトゥムはベンベン石の上に立って世界を照らしているとされたが、この役目はレーやアモンにとって変わられるようになった。

アトゥムは自らを生み出し、なおかつ一人で神々をも生み出した両性具有の神と考えられていたが、後世に至ると男性神として信仰されるようになり、妻として「イウサーアス(Iusâas)」、「ヘテペト(Hetepet)」といった女神を与えられることとなった。ただし、これらの女神はあくまでもアトゥムの一部分、つまりアトゥムが自分の手を切り離して女神としたものであり、単一神としては扱われなかった。

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アドゥロア

Adroa

東アフリカのザイール共和国とウガンダ共和国とにまたがる地域に住むルグバラ人の信仰する神。アドゥロアには「アドゥロア(天空神)」と「アドゥロ(地上神)」という相対する二面性を持っている。天空神アドゥロアは超越的で人間から遠く、オニル(onyiru="善")であるが、地上神アドゥロは親近的で人間に近くオンジ(onzi="悪")である。かつてはアドゥロを鎮めるために人間の子供が生贄としてささげられていた(1930年代からは雄羊がささげられるようになった)。アドゥロア=アドゥロはすべての源泉であり、ルグハラ人の祖先を通して彼らに社会秩序を制定したとされるが、ルグハラ人の祖先とアドゥロアに関する伝承は残っておらず、ただ「我々は祖先を忘れ、雄羊を山々へと送る」という言葉が残っている。アドゥロアは遠い存在であるためその姿について語られないが、アドゥロに関しては人間が二つ持つべきものを一つしかもってない姿────つまり、一つ目で耳も腕も足も一つしかない半身の姿をしており、死期の近い人には見えるとされる。

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後追い小僧

あとおいこぞう

日本の神奈川県丹沢地方に見られる妖怪。いわゆる後神の一種。山中で気配を感じて後ろを振り返っても木や岩の影に隠れたようで誰もいない。これは山霊ないし後追い小僧の仕業である。特に害はないが、余りにもしつこい場合は何か食べ物を置いておくとよいという。道案内をするかのように前を歩く場合もある。夜間より昼間、特に午後に多く現われ、夜間の場合はちょうちんのような火を灯して人の前後に現われるという。

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アドニス

Adnis

フェニキア神話に登場する植物の神。特にビュブロスにおいて信仰された。神名の「アドニス」は「我が主」を意味するセム語「アドニ」に由来する。太陽の熱で干からびた植物を象徴する神で、アドニスが冥界からこの世に来た時は急に草木が枯れたり花がしぼんだりするとされる。後にギリシア神話に取り込まれた。またカルタゴのバールとも同一視される。

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アド=ヘネ

Ad-hene

マン島ゲール語で「彼ら自身」ないし「あの人たち」といった意味を持つこの言葉は、妖精たちを呼ぶ際の遠まわしな呼称として使われた。妖精たちの本名を直接言ったり、間違った名前で妖精たちを呼ぶことは彼らの機嫌を損ねる可能性があるからである。

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アトメフカト

Atmuhakat

ベトナムのチャム族における女神。インド哲学の「アートマン(自我・あるいは物一般の本質のこと。宇宙原理ブラフマンと同一視される)」を擬人化した存在。宇宙に12個の太陽があった頃、子の年の6月、月曜日3時から世界を管理し始めたという。

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ア・ドライグ・ゴッホ

Y Ddraig Goch

イギリスのウェールズにおいて伝説に登場するドラゴン。名前はウェールズ語で「赤い竜(The Red Dragon)」を表す。俗に「ウェルシュ・ドラゴン(Welsh Dragon=ウェールズのドラゴン)」と呼ばれることもある。赤い体をしたドラゴンで舌と尾の先端が矢尻状にとがった姿で描かれる。イングランドを征服していたサクソン王ヴォーティガーン(ウォルティゲルン)がウェールズのスノードニア山地に砦を築こうとしていたとき、決まって朝になると石材が消えていた。これが怪物の仕業であることが分かったので砦を作ろうとしていた場所を掘り下げてみたところ、地下に大きな洞窟があり赤と白の二匹の怪物がいることがわかった。急に棲みかに踏み込まれた怪物たちは興奮状態となり互いを戦いだした。この結果白い怪物グウィバーが負け、赤い怪物ア・ドライグ・ゴッホが勝利した。

ア・ドライグ・ゴッホはウェールズの守護者であり、これはサクソン人のイングランドからの撤退を暗示していたとされる。ア・ドライグ・ゴッホの姿はウェールズの国旗として採用されている。

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アトラトナン

Atlatonan

アステカにおける大地と水の女神。アトラトナン、ウィシュトシワトルシローネンショチケツァルの4人の女神に扮した女性は、テスカトリポカに扮する若い戦士に仕える4人のうちの一人であった。この戦士は名誉と快楽を1年間傍受したあと、365日暦の6番目の暦月にある「トシュカトル(「渇いたもの」の意)」という祭儀で4人と一緒に生贄にされる運命にあった。

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アトルギエル

Atrugiel

旧約聖書偽典「第3エノク書(ヘブライ語エノク書)」に言及される天使。「アトリギエル(Atrigiel)」、「アトルグニエル(Atrugniel)」、「アタルニエル(Atarniel)」、「タグリエル(Tagriel)」などの名前でも呼ばれる。7つの天のうち第7天を護衛する天使であり、またメタトロンの数多くある名前の一つともされる。

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アナ

Ana

放浪民族ロマニー族(ジプシー)の民間信仰に登場する妖精(ケシャリイ)達の女王。名前はサンスクリット起源で「栄養」の意。純真で美しく、山の城に住んでいるという。悪魔族ロソリコの王の姦計にはまり、アナは眠ったまま犯され、その過程で様々な悪魔が生じた。999年が経ったらロソリコの王と結婚するという約束でどうにかロソリコの王と別れたアナは、今は恥辱と絶望に悲しみながら自分の城に引きこもっているとされる。しかし稀に金色のヒキガエルの姿で現われることもあるという。

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アナイエ

Anaye

アメリカのネイティブアメリカンの一部族、ナヴァホ族における怪物の一団を指す言葉。アナイエに含まれる4つの怪物種は頭のないテルゲス(テルゲット)、手足のないビナイェ・アハニ、怪鳥ツエ・ニナハレエエ(ツァナハレ)、そして名前のない怪物である。この最後の怪物はまるで「岩肌に生えた根」のような毛皮を使い砂漠の岩にしがみついていて、とおりすがった旅人を食うとされる。彼等は父親なしにこの世に悪意を持ったある女性から生み出されたとされ、人間と世界に害を成すように運命付けられている。彼等は最終的に戦神ナイェネズガニトバディシュティニによって打ち負かされるが、彼等でさえもアナイエの兄弟である「寒さ」、「飢え」、「老い」、「貧しさ」を退治することは出来なかった。彼等は今も人間達を苦しめつづけている。

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アナエル

Anael

ユダヤ教、キリスト教における天使の一人。「アリエル(Ariel)」、「オノエル(Onoel)」、「ハニエル(Haniel)」、「ハミエル(Hamiel)」などの別称をもつ。神の世界創造を手伝った七天使の一人であり、プリンシパリティーの指揮官とされる天使の一人。七層に分かれた天上の第二天(ラクイエ)の長とされることもある。「旧約聖書」イザヤ書においてラクイエの城門を開けと布告するのはアナエルとされている。

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アナト

Anat, Anath

カナン、古代フェニキアの大女神。名前は「摂理」ないし「用心」を意味するとされる。闘いの女神としての性格が特に顕著で、アナトの祭祀はエジプトにも取り入れられた。エジプトではレーの娘で、セトの配偶者とされた。古代都市ウガリトの遺跡から出土した文書に示された神話では、アナトはアリヤン・バールと呼ばれる神の姉妹で、彼のために無数の人間を殺害して両手を血で染め、またバールをたおしたモト神とも戦って、彼を殺し、その死体を切り刻み蓑でふるいわけ、火で焼き、臼で粉砕して畑にばら撒く残忍な女神として描写されている。

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アナネル

Ananel, Anan'el

旧約聖書外典「第1エノク書」に言及されている、堕天使の一人。「アナニ(Anani)」、「アナネ(Anane)」、「カナネル(Khananel)」、「ハナネル(Hananel)」などの別称がある。アザゼルシェミハザなどの天使とともに神に反逆した一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長(Chief of Tens)」の一人とされる。

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阿那婆達多竜王 あなばだったりゅうおう

Anavatapta

仏教における八大竜王の第六尊。八大竜王の中でも最も徳が高いとされる。尊名の「阿那婆達多(あなばだった)」はサンスクリット名である「アナヴァタプタ(Anavatapta)」を音により漢訳したもの。他に「阿耨達龍王(あのくだつりゅうおう)」(長阿含経など)、 「阿耨大龍王(あのくだいりゅうおう)」(仏説興起行経)、「阿那婆答多龍王(あなばとうたりゅうおう)」(大唐西域記)と音写されるほか、住んでいる池の名前から「阿耨達池龍王(あのくだっちりゅうおう)」、「阿耨大池龍王(あのくだいちりゅうおう)」、サンスクリット名の意味訳から「無熱惱池龍王(むねつのうちりゅうのう)」、「無熱池龍王(むねつちりゅうおう)」、「無熱龍王(むねつりゅうおう)」とも称される。大雪山の山頂にあり、人間界を潤す源泉となっているとされる、「阿耨達池(あのくだっち)」と呼ばれる池に住んでいるとされる。

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アナーヒター

Aāhitā, Anahita

古代ペルシア神話における聖なる水の女神。ゾロアスター教ではヤザタの一員とされる。名前は「純潔な者」、「汚れ無き者」の意。「アナーヒド(Anahid)」、「ナヒード(Nahid)」とも呼ばれる。また「アルドヴィー・スーラ・アナーヒター(Aredovi Sū-ra Aāhitā=湿潤にして強力且つ汚れ無き者)」という敬称を持っている。同名の河を神格化したもので、インドのサラスバティーとの共通点が多く見られる。世界に広がる河はつまりアナーヒターであり、人々に豊穣や財産、子宝など全ての恵みを与える神として信仰された。また星の間に住み、勇気ある高貴さを備えて、四頭立ての戦車に乗って進み、悪魔や暴君を打ち負かす戦神として金星に象徴される。敵であるはずのダエーワ達でさえ彼女に祈りを捧げたという。自然と生物の多産を約束し、鳥獣や牧場を保護し、王権を守護する。その姿は、千の星で飾られた金の冠と四角い金の首飾りをつけた痩身の気高く美しい処女、あるいは千の入り江と千の水路を有した巨大な川そのものであらわされる。

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アナフィエル

Anafiel, Anaphiel

キリスト教、ユダヤ教における天使で、旧約聖書偽典「第三エノク書(ヘブライ語エノク書)」にその名が見える。名前は「神の技」を意味し、「アンピエル(Anpiel)」の名でも呼ばれる。エノクを天上へ運んだのはセミルとラスイル(→ラグエル)だとされるが(第二エノク書)、第三エノク書ではアナフィエルとラグエルだとされる。秘密の保持者で水の支配者であり、ケルブの長、あるいはメルカバの8人いる長の一人だとされることがある。

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アナヘル

Anahel

カバラやグリモア「モーセ第6、第7の書」などに見える天使。「アナハエル(Anahael)」とも呼ばれる。7つの天のうちの第3天である「シェハクィム(Shehaqim)」を部下である「ヤブニエル(Jabniel)」、「ラバキエル(Rabacyel)」、「ダルクイエル(Darquiel)」とともに支配するという(シャフィエルバラディエルが支配天使とされる場合もある)。

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アナンシ

Anansi

西アフリカから西インド諸島、南アメリカにまで広範囲に伝わる妖精ないし神。西アフリカのハウサ族は「ギゾー(Gizō)」、アカン族は「クワク・アナンセ(Kwaku Ananse)」と呼ぶ。また西インドのハイチでは「ティ・マリス(Ti Malice)」、キュラソー島では「ナンシ(Nansi)」と呼び、北米のサウスカロライナは「アント・ナンシー(Aunt Nancy=ナンシーおばさん)」や「ミス・ナンシー(Miss Nancy)」と呼ぶ他、アメリカでは「ミスター・スパイダー(Mister Spider)」とも呼ばれる。いたずら好きの変身ができる精霊で、変身やその他の超自然的な能力で他の生物を騙そうとしたり或いは逆に助けたりする話が伝わっている。

ある時山火事から逃げ遅れたアナンシは蜘蛛に変身してメスのアンテロープの耳に隠れ、アンテロープを的確に指示を出して誘導し、ともに火から逃れた。その後アンテロープは子供といたところを狩人に出くわし、子供を助けるために狩人をひきつけて一生懸命走り回った。疲れきったアンテロープは元の場所に戻ってきたが子供はいなかった。アンテロープは子供が殺されたとおもったが、子供は無事に帰ってきた。アナンシが巨大な蜘蛛の巣の中に子供を隠してくれていたのである。

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アナンタ

Ananta

インド神話において、ヴィシュヌが瞑想する時に横たわるベッドの役をする竜(大蛇)。アナンタとは「無限」という意味。「シェーシャ(Śeṣa)」とも言われる。千ある頭のうち特に巨大な七つの頭で天蓋を作りヴィシュヌを休ませる。全てのナーガラージャを統べる王であり、終末には地上に出現しあらゆる創造物を破壊する原初の蛇にして最後の蛇。普段はブラフマーの命令により地底界に住み大地を支えているが、アナンタがあくびをすると地震が起こるという。

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アナンタシュヴァラゴーシャチャクラヴァルティン

Anantasvaraghoṣa-cakravartin

頞儞羅大将 あにらたいしょう

Anila Mahā-senāpati

仏教において夜叉の頭領の一人であり、薬師如来の眷属である十二神将の一人。サンスクリット名を「アニラ・マハーセーナーパティ(Anila Mahā-senāpati)」といい、「摩尼羅(まにら)」、「安濕羅大将(あしらたいしょう)」とも訳される。「アニラ(anila)」は「風」を意味し、風の神であるヴァーユと関連している。如意輪観音を本地とし十二支のうち辰ないし未の神とされる。

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アヌ

Anu

アッシリアおよびバビロニアのパンテオンの最高神。天空の世界「アンシャル」と地上の世界「キシャル」から生まれた。「アヌの空」と呼ばれる最も高い場所に棲み、配偶神である女神アンツに助けられて、宇宙を司った。エアエンリルと共に三大創造神として並び称される。「神々の王」、「天の王」、「国々の王」などの称号をもち、権力と正義、つまり至上権の全ての表象を備えている。人間と関わることなく、神々の父として神を支配すると考えられた。シュメール神話ではアンと呼ばれた。

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アヌビス

Anubis

エジプトにおける冥界神の一人。本来は「インプ(Inpw)」の名で呼ばれた。冥界への門を開き、死者をオシリスの裁きの間へと導く役目を持つ。オシリスとネフティスの子であるが、本来ネフティスの夫はセトであるのでアヌビスは「不義の子」ということになる。それ故アヌビスは生みの母ネフティスに捨てられてしまうが、オシリスの妻であるイシスに拾われ育てられた。ただしこれは後から出来た神話で、本来は太陽神レーの四番目の息子とされていた。

元々は単純な冥界神、あるいは冥界の番犬(番人)のような神格だったと思われるが、複雑なエジプトの神話体系に取り込まれることによってその役割も細分化した。マートの「真実の羽」と死者の魂を天秤にかけて計量する仕事や死んだファラオのミイラに命を吹き込む仕事はアヌビスの役割とされる。また医学や薬術に長けており、オシリスがセトに殺害された時に、その身体に布を巻いてミイラにしたという神話からミイラ作りの神としてミイラ職人に崇拝されていた。また墓地の守護神としても信仰され「聖なる土地の主」と称された。

冥府へ死者を導くことからギリシャのヘルメスと同一視され、「ヘルマヌビス」と呼ばれることああった。黒いジャッカル或いはイヌの頭を乗せた黒っぽい皮膚の男、或いは単純に犬の姿で表される。

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アヌラーダー

Anurādhā

アーネ

Áine

ケルト神話における愛と豊穣・多産の女神。海神マナナン・マクリルの里子であったエオガバルの娘。人間の愛を鼓舞する女神だが、彼女自身をものにしようとした者はアーネの魔術により死を遂げたという。6月23日(夏至祭前日)には彼女に捧げる祭礼が盛大に行われた。これは豊穣や多産を祈るもので、アーネは穀類に豊かに実るように、家畜が沢山子供を生むように命じる者だったとされる。

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阿耨観音 あのくかんのん

Ā-nòu guān-yīn

仏教において変化観音(→観音菩薩)の一種であり、三十三観音の一尊。「法華経」の「大海を漂流しているときに龍や魚や鬼による難があっても、観音の力を念じれば波でさえその者を侵すことができない」という一説を論拠としたもの。「阿耨」という尊名は阿那婆達多竜王の住む「阿耨達池(あのくだっち)」と呼ばれる池の名前から。岩上に坐し海を眺める姿で描かれる。

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阿耨達童子

あのくたどうじ

仏教において不動明王の眷属である八大童子の一尊。「無熱(むねつ)」とも称する。「八大童子秘要法品」に拠れば、蓮華部より出現し、蓮華の池水より生じた純粋無垢な使者であることを以て阿耨達童子という(阿耨達は「アナヴァタプタ(Anavatapta=池の名前)」の音写)。青い龍に乗り、金色の身色で金翅鳥王(こんじちょう→迦楼羅)を頂き、右手に独鈷杵、左手に紅蓮華を持った姿で表される。

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アハ・イシュケ

Each Uisge, Eač Uisge

もしくは「エフ・ウシュゲ」ないし「エフ・イシュゲ」とも。アイルランドやスコットランド高地地方において、海や塩水湖の塩水の中に住むといわれる馬の怪物の一種。名前は「水馬」の意。「アハイシュカ(Aughisky)」、「アハ・イシュカ(Augh-iska)」とも呼ばれる。鳥や美男子の姿でも現われるとされるが、たいてい美しい馬の姿で岸辺や湖岸にいて、興味を持った人が背中に乗りたくなるように誘ってくる。しかし人が背中に乗るアハ・イシュケは海や湖に向かって走り出し、降りようとしても不思議な力が働いて降りれない。こうして水中に引きずりこまれた人間は肝臓を残してアハ・イシュケにむさぼり食われ、残った肝臓だけが翌日の岸辺に打ち上げられるという。ただ、岸にいるアハ・イシュケに鞍と手綱をつけることができれば、水場に近づけない限り人間でも扱える優れた乗馬用の馬になるとされる。

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アパオシャ

Apauša, Apaoša, Apaosha

イラン、ゾロアスター教における旱魃を司る悪魔。 頭や背や尾に一本も毛のない真っ黒の馬のような姿であらわされ、自在に天を駆けるこの馬が中空に居座る限り、下界は日照りに悩まされつづけるという。ゾロアスター教聖典によれば、アパオシャは雨の神ティシュトリヤと三日三晩戦った末、これを打ち負かすが、ティシュトリヤは善神アフラ・マズダより「十頭の馬の力、十頭の駱駝の力、十頭の牛の力、十の山の力、十の大河の力」を付与され再び現われ、アパオシャを打ち負かす。こうして下界に雨期がやってくるのだという。しかし、ティシュトリヤがいつも速やかにアパオシャに勝つとは限らないとされる。

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アパサウンカムイ

 

アイヌ民族におけるタヌキ(ムジナ)の姿で顕現するカムイ。名前は「戸口を守るカムイ」の意。男女一対のカムイと考えられることもある。

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アバーシ

Abaasy

シベリアのヤクート族において、邪悪な存在とされる悪霊たちのこと。地下世界に住み、「アバース・オイクボ」と呼ばれる特別な穴を通って人間のもとに現れる。邪神ウル・トヨンによって支配されてとされることもある。アバーシの頭目の息子は眼が一つしかなく、鉄の歯を持っているといわれる。

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アバス

Abath

16世紀のヨーロッパの旅行家による想像上の生物。マレーシアの森に住む、額に一本の角を持つ雌の一角獣であるという。実際アバスの角をされるものがアラブと取引されていたが、これは実際マレーシアに生息するスマトラサイの角だったと思われる。

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アバッシ

Abassi

西アフリカのエフィク人の神話に登場する天空神。妻は「アタイ(Atai)」。彼ら夫婦神は最初の人間を創造したが、人間が自分たちの能力を超えることを恐れ、自分たちのそばに住まわせ自分達の管理下においた。この管理は子供を作ることや働くことを禁じる厳しいものだったが、結局人間の夫婦はこれらの制約を無視し始め、自分で耕した畑で自分のたちのための穀物を育て、交わり子供を産んだ。アタイはこの人間の夫婦に死を与え、子供たちに不和の原因を作ったという。この伝承は人間に訪れる死や諍い、病気などの負荷は、人間が神から離脱したための代償であることを説明するものである。

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アバドン

Abaddon, Abbadon, Abadon

ユダヤの魔神で、「疫病のイナゴ王」、「死の闇天使」、「奈落の魔神」などと称される。「アアドン」はヘブライ語名であり、「ヨハネの黙示録」にはアポルオン(Apollyon)という名で出てくる。その名は「破壊」、「滅亡」、「廃墟」、「墓」、「冥界」、「死」などの意味があり、ギリシアの太陽の神アポロンとも関係があるとされる。鎌状の翼を持った恐ろしい姿で、見たものはショック死するとされる。地獄の奥底に住む堕天使で 、最後の審判が訪れる時に、イナゴに似た使い魔を放って人間を苦しめ抜くという。

「ヨハネの黙示録」によれば、「底なしの淵の使い」であり、千年の間サタンを束縛しつづける天使とされる。死海文書に含まれる「感謝の賛歌」という文献には「アバドンの冥土(シオウル)」、「アバドンへ流入するベリエル(ベリアル)の奔流」などの形で言及され、更に外典「聖書古代誌」によればアバドンとは魔神や天使ではなく冥土ないし地獄の名称だとされている。「アバドン」という名称を始めて擬人化したのは聖ヨハネだと考えられている。

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アバリエル

Abariel

魔術書「ソロモンの大いなる鍵(The key of Solomon the king)」において、月の第2の五芒星にヘブライ語で名を記されている天使。

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阿比神

アビガミ

日本の広島県の漁師に信仰される漁業の守護神。「アビ」と呼ばれる海鳥(シロエリオオハム)の群れが円をなしてイカナゴの群れを追い込む習性を利用し、アビの群れを目印にイカナゴとそれを狙うスズキや鯛を釣り上げる、「アビ漁」と呼ばれる漁法の守護神。アビは鯛漁の神として尊重され、漁師の間ではアビを決して捕獲しではいけないという決まりがあった。アビに釣り針が掛かって誤って殺してしまった場合でも、その死んだアビを船に隠し、寄港してから丁寧に葬り冥福を祈ったという。現在は環境破壊による瀬戸内海のイカナゴの減少に伴い、瀬戸内海で見られるアビ類も減少したためアビ漁は行われていないが、呉市豊浜町の豊島には阿比神祠があり、漁師に信仰されている。

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アビゴル

Abigor, Abigar

ユダヤの魔神で、「冥界の大公」と称される。王笏をもった見た目よい騎士の姿であらわれる。未来を予言する能力と、軍の指揮能力を有する。アビゴルはエリゴルの別名とされることがある。

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アビジット

Abhijit

アピス

Apis

エジプト神話に見える雄牛の神性。メンフィスを中心として信仰されていた。「ハピ(Hapi)」、「エパポス(Epaphos)」ともいう。エジプトの他の雄牛の神性と同様に、もともと 多産豊穣の神で、鳥獣の繁殖に関係していたが、のちプターオシリスと結びつくようになった。アピス信仰では実際の牛を信仰の対象としていて、しかるべき理由(兄弟が居ない、稲妻や天上からの光に打たれた母牛から生まれた、体に聖なる模様がある、など)によりアピスとなる牡牛を選び、その生涯が終わるまで神として祭り上げる。そのアピスが死亡すると王公貴族のように飾り立てたミイラにして石棺に納め、サッカラにある地下墓地に葬られたあとに、また次代のアピスを神々の陪審員(おそらく神官が受け持ったと思われる)が選定した。

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アビユドガトーシュニーシャ

Abhyudgatoṣṇīṣa

アビー・ラバー

Abbey lubber

イングランドの民間伝承に伝わる小悪魔。名前は「大修道院のでくの坊」という意味。修道院に棲んでいて敬虔な修道士達を誘惑して酒浸りにさせたり、贅沢な生活に溺れさせたりすることで彼らを堕落させ、地獄に落ちるように仕向けるという。15世紀以降の堕落した修道院に向けられた人々の不満が生み出した悪魔といえる。またアビー・ラバーは食料室の精霊としても知られる。

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アフ

Af

ユダヤにおいて怒りと人間の死、処罰を司る天使。名前は「怒り」を意味する。ケゼフハロン・ペオルヘママシュヒトとともに破壊の天使ともされる。アフとヘマは兄弟の天使であり、二人とも背丈が500パラサング(約2800km)もあったという。

説話によれば、アフはヘマと協力し、モーセを飲み込もうとしたことがある。これはモーセが息子ゲルショムに割礼(=契約の儀式)を施さなかったためだが、モーセの妻チッポラがゲルショムに割礼を施したためモーセをこれを免れ、逆にヘマはモーセに殺されてしまった。

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アフィラーマジムン

 

沖縄の読谷村に出現する妖怪で「マジムン」の一種。一連の股をくぐられると死んでしまう妖怪の一つで、あひるが化けたものだとされる。ある農民がアフィラーマジムンに石を投げつけたところ、沢山の蛍になって散り、農民の周りを飛び回ったが、一番鶏の鳴き声で消え去ってしまったという。

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カムイ

 

アイヌ民族において天然痘として顕現するカムイ。悪いカムイとは考えられていない。名は「歩くカムイ」の意で、アイヌ人には天然痘が村から村へ渡り歩くように見えたことからの名。霰の模様の入った服を着ている。同じ意味での「パイェカイカムイ(うろつくカムイ)」、一種の死神としての「パコロカムイ(寿命を司るカムイ)」・「オリパカムイ(恐れ多いカムイ)」、併発症を伴うところから「ウアタラコカムイ(眷属をもつカムイ)」など、多くの名前で呼ばれる。

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アプサラス

Apsaras

インド神話における女の妖精の総称。「アスパラス(Asparas)」とも呼ばれる。元々は水の精だったが時代が下ると森の精と考えられるようになった。彼女らは川、雲、電光、星の中に住み、みずからの姿を水鳥に化する。また、ミヤグローダ(バニヤンの樹、榕樹)や菩提樹、バナナやイチジクの木に住むとされる。人々に精神異常や狂気を起こさせたり、修行者を誘惑し堕落させたりする。男の妖精であるガンダルヴァはアプサラスの配偶神として知られている。有名なアプサラスとして、プルーヴァラス王の妻となった「ウルヴァシー(Urvasi)」、ドゥシュヤンタ王の妻となった「シャクンタラー(Śakuntalā)」などがいる。

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アプス

Apsû, Abzu

古代メソポタミア神話の神。地下に広がると観念された、地上全ての水の源をなす淡水を神格化した存在で、太古に、海水を神格化した蛇形の女神ティアマトと夫婦になり、この両者から全ての神々が生じたとされる。のちに彼は子孫の神々が騒がしいのに怒って、配下のムンムと共に彼らを滅ぼそうとしたが、逆にエアによって殺されることとなった。

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ア・プチ

Ah Puch

マヤ神話における死の神。九つの層に分かれた地下の冥界「シバルバー」の、最も深い9層目の世界「ミトナル(mitnal)」を支配している。この世界に棲む悪鬼達の王として、「フン・アハウ」という別名も持っている。またユカタン半島では「ユン・シミル」とも呼ばれる。高位の神イツァムナの宿敵であり、なおかつ農耕神ユン・カーシュとは非常に不仲であるとされる。マヤの20日ある暦月の6日目を司り、数字の10と方角の南、色の黄色を象徴する。死を象徴するア・プチは戦いや生贄の神々と近い関係にあると考えられ、犬、ムアン鳥、フクロウなどを伴って表される。ムアン鳥やフクロウは、メソアメリカにおいて不吉の象徴で死の前兆であった。

その姿は、あごから肉が削げ落ち、腐敗を表す黒点が身体中に浮き出て、背骨や肋骨があらわになった姿をしている。また、鈴を身につけた膨張した死体として表されたり、骸骨そのものとして描かれることもあった。彼を表すための象形文字は、生贄解体用のナイフやパーセント記号に似たモチーフが使われた。死の国に新たな住人を招くべく、病人や死期のせまった人間の家をうろつき回るという。その姿や役割はアステカのミクトランテクートリに相似している。

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アプトルヤムペウェンユク

 

日本北海道の先住民族アイヌに伝わる魔物。空にいて激しい暴風雨を起こす元凶となるという。アプトルヤムペウェンユクの暴風雨による害を避けるためには外に篩(ふるい)を置けばよいとされた。

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アブラクサス

Abraxas

魔術書や神秘主義の文献などに名前が見られる存在。グノーシス主義においては、アイオンの一人であり、アイオンの王。「アブラクシス(Abraxis)」、「アブラサクス(Abrasax)」などの名でも呼ばれる。またギリシア語で「αβραξασ」と綴る。365の流出の元となったアイオンであり、至高の未知なるもの。アブラクシスという名前自体がそもそもアイオンや「創造の周期」を示す言葉だったとされる。

グリモアでは魔神として解され、「永却の貴公子」と呼ばれ、雄鶏の頭に2匹の蛇を足とした姿をしている。右手には盾を、左手には鞭を持っていて、この世の生き物と神との仲を調停する役目があるとされる。「アブラカダブラ(abracadabra)」という呪文はこの魔神から来ているとされる。

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油澄まし

あぶらすまし

日本の妖怪で、熊本県天草諸島などで目撃される。油瓶を持ち、物憂げに澄ました顔で峠道に現れ、道行く人々を驚かす。人間の姿をしているが、頭だけが奇妙に大きく、身体中を蓑ですっぽりと包み杖をついている。油澄ましの噂話をすると出るといわれ、油を盗んだ人間の霊が化けたものとも言われる。「あぶらすまし」の訓は柳田国男の「妖怪談義」などによる誤記から始まったものであって、正しくは「あぶらずまし」という(「天草島民俗誌」による)。

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アフラ・マズダ

Ahura Mazdāh

ゾロアスター教の善神にして最高神とされる神。名前の「アフラ」は神、「マズダ」は知恵を意味する。また「オルマズド(Ohrmazd)」と呼ばれることもある。絶対悪である悪魔アンラ・マンユに対する絶対の善であり、この世界は二者の絶え間ない闘争の場であるとされる。天上の光に満ちた場所に住んでおり、神聖な教義や知恵の源として崇拝され、「全生命の創始者」とも呼ばれた。二者の関係には二つの説があり、一つはアフラ・マズダはアンラ・マンユより上位の存在でありその存在価値は神と悪魔のような関係であるとする説、もう一つは二者は同格の存在であり、超越的な根本原理「無際限の時間(→ズルヴァン・アカラナ)」から生まれた双生児であるとする説である。双子の精霊スプンタ・マンユとアンラ・マンユをつくり、像は王冠をかぶった有翼の人間の姿をとる。

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アブルッツォ・マッザマレッレ

Abruzzo Mazzamarelle

イタリアの妖精でフォレッティの一種。風の妖精として知られる。身長60cmほどの小人の姿で、花で飾った絹の帽子をかぶった姿で現れるという。また小人の姿ではなくバッタの姿であらわれることもあるという。

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アペフチ

 

アイヌ民族において、炎を顕現体とするカムイ。名前は「火の老婆」といった意味。「アペカムイ」とも呼ばれる。また「イレスカムイ」と呼ばれることもある。本当の名前は「アペメルコヤンコヤンマッ(炎の輝きとともに囲炉裏の縁に寄り上がる女性のカムイ)」あるいは「ウナメルコヤンコヤンマッ(肺の輝きとともに囲炉裏の縁に寄り上がる女性のカムイ)」だとされる。パセカムイ(重要なカムイ)の一人でカムイモシ(カムイの世界)からアイヌモシ(アイヌ=人間の世界)に来た最初のカムイとされる。またアペカムイは単独のカムイではなく、「アペウチエカシ(火の老人)」と「アペウチフチ(火の老婆)」という夫婦のカムイとされることがあるが、これはアイヌで独身より夫婦の方が格が上だと考えられたためである。神謡のなかではウンコトゥカムイとシュルクカムイを使者とする。

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アベ・マンゴ

Abe Mango

アマゾン上流に住むトゥカノ族における女神で文化神。創造神パヘ・アベの娘で父親が人間を創造した後、地上に降りて人間に火の使い方や料理の仕方、住居の建て方、衣服の織りかた、土器の作り方などを教えた。

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アベレ

Abere

メラネシアの信仰・伝説に登場する、邪悪な女の精霊。若い女たちを従えているという。湖水の中から男を誘惑しておびき寄せ、自分の回りに葦や藺草を茂らせて身を隠す。そうしておいて間抜けな男達を罠にかけ殺すという。

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アポピス

Apophis

エジプトにおいて、水と土の元素からなると考えられた渾沌と闇の蛇。ネイトから生まれたとされる。「アペプ(Apep, Aapep)」、「アポプ(Apop)」、「アポフィス(Apophis)」などとも呼ばれる。宇宙的な大きさを持つ人頭の蛇や爬虫類の姿で描かれる。その体は黄色と黒で染められ、悪、夜、死、闇といった世の中のすべての負性を象徴する。「恐ろしき者」、「危険な者」、「反逆する者」、「招かれざる者」などと呼ばれ恐れられた。

闇と月を象徴するアポピスは、太陽の神アトゥムレーの敵であり、アポピスが太陽の船を飲み込むと食が起こると信じられていた。元来はセトの敵でもあったが、セトがオシリスの伝説において悪役とみなされるようになると、アポピスもセトの仲間と考えられるようになった。アポピスは原初の水(アビュッソス)から現われた者であり、世界を原初の混沌に引き戻そうという力の顕れと考えられる。アポピスがエジプトの祭儀に登場する時、それは退治すべき邪悪な者として登場する。メンフィスで行われるソカリス祭では、王がオシリスの前でアポピスを打ち負かす儀式を行う。別の神殿では、セトとその従者を倒す書があり、そこでもアポピスは倒されている。また、このような儀式で行われる教えは、後世になるとあらゆる悪から身を守る呪文のようなものとして使われるようになった。ただし冥界においては、アポピスはオシリスに有罪を宣告された死者達を追いまわし、苦しめる役割を担っている。

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アポヤン・タチュ

Apoyan Tachu

ネイティブアメリカンの一部族、ズーニー族における「父なる天」。原初の両性具有の存在であり、海を創造し、自身は太陽と変じた存在アウォナウィロナの一部、緑なす苔から「母なる大地」であるアウィテリン・ツィタとともに生まれた。この後、全ての生命はアポヤン・タチュとアウィテリン・ツィタから生まれたとされる。

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アマ

 

奄美大島瀬戸内地方における妖怪の一種。人間として正しい行いをしなかったものや、神の世を信じないものは、死んだ後木に吊るして曝された。こういった者はやがてアマという化け物になるという。アマは狐や狸の類いだと考えられている。

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天佐志比古命

あまさしひこのみこと

島根県の隠岐諸島の知夫里島にある式内社 「天佐志比古命(あまさしひこのみことじんじゃ)」において祀られる神。同訓で「天佐自比古命」とも表記し、また「天佐自彦大明神(あまさしひこだいみょうじん)」とも呼ばれる。現在この神社は知夫村(知夫里島内)に鎮座するが、もとはその南にある神島(かんじま)に祀られていたという。名義不詳の隠岐独自の神であるが、現在は知夫村の土地神として、また所願成就の神として信仰されている。

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阿摩提観音 あまだいかんのん

Abhetri, Abhettī

仏教において変化観音(→観音菩薩)の一種であり、三十三観音の一尊。「阿麼提観音(あまだいかんのん)」、「阿麽提観自在菩薩(あまだいかんじざいぼさつ)」、「阿摩隷観音(あまれいかんのん)」、「阿麼㘑観音(あまれいかんのん)」、「無畏観音(むいかんのん)」、「寛広観音(かんこうかんのん)」などの名でも呼ばれる。「アベトリ(Abhetri)」ないし「アベッティー(Abhettī)」の訳だとされ、「阿摩提観音儀軌」に拠れば、重罪を犯したとしても両日両夜この観音を念じれば清浄となるとされる。

その姿は白肉色の身色の三目四臂の慈悲相で宝冠を戴き、左右第一手に三鳳頭の箜篌(くご=ハープのような楽器)を持ち、右手第二手に摩竭魚、左手第二手に白色の吉祥鳥を持つ。また右足を垂れて白獅子に乗り天衣瓔珞を着け、顔を左に向ける。

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天津神

あまつかみ

日本神話において、天上界「高天原(たかまがはら)」に住む神とその子孫に当たる神の一族に対する総称。国津神と対応しているがその分別は明確ではなく、どちらにも属さない神もいる。単に「天神(てんじん)」と呼ばれることもある。天津神の多くは名前の頭に「天(あまの/あめの)~」の語が付く。天津神の子孫であっても、天孫降臨以前に大地に根ざした神(大山津見神須佐之男命など)は国津神に数えられる。天津神の中でも宇宙に初めて出現した五柱は別格とされ別天神と称される。天津神の神々に指令を出す現実的な支配者は天照大御神である。

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天津枳比佐可美高日子命

あまつきひさかみたかひこのみこと

「出雲国風土記」において言及される神。「伎比佐加美高日子命(きひさかみたかひこのみこと)」、「薦枕志都治値(こもまくらしつぢち)」などの名でも呼ばれる。出雲国風土記に拠れば、「神魂命(かみむすびのみこと)」(→神産巣日神)の御子神であり、漆治郷(現在の出雲市斐川町辺り)に坐す神であり、この神の「志都治値」の名から「志丑治(しつぢ)」という地名になり、のちに「漆治」と字を改めたとされる。

出雲国風土記以外の文献には見えないが、「古事記」に出雲国造の祖として言及される「岐比佐都美(きひさつみ)」と比定される。式内社である「曾枳能夜神社(そきのやじんじゃ、出雲国風土記では"曾支能夜社(そきのやのやしろ)")」の祭神であり、出雲国風土記では、この神が鎮座しているがゆえに山の名を「神名火山(かんなびやま)」という、とある(現在の仏経山にあたる)。

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天津久米神

あまつくめのかみ

日本記紀神話における高天原の武神の一人。久米直(くめのあたい)の祖神。「天槵津大来目(あまくしつおおくめ)」という名前でも呼ばれる。邇邇藝命の天孫降臨において、天忍日神と共に「天之石靫/天磐靫(あめのいわゆぎ)」、「稜威高鞆(いつのたかとも)」、「天之波士弓/天梔弓(あめのはぢゆみ)」、「天之真鹿児矢」ないし「天羽羽矢(あめのはばや)」、「八目鳴鏑(やつめのかぶら)」、 「頭椎之大刀(かぶつちのたち)」ないし「頭槌剣(かぶつちのつるぎ)」といった武具を携えて邇邇藝命の前駆を行なったとされる。

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アマッザマレッドゥ

Ammazzamareddu

イタリアの妖精でフォレッティの一種。「マッザマリエッドゥ(Mazzamarieddu)」とも呼ばれる。地震や嵐、吹雪を起こす妖精で、年に一回、聖ジャコモ(サン・ジャコモ=San Giacomo)と聖フィリッポ(サン・フィリッポ=San Filippo)を相手に戦いを繰り広げている。風がやまないようになるのはアマッザマレッドゥが勝った証なので、農夫たちはニンニクを噛んでアマッザマレッドゥが近づけないように用心する。一つの場所に棲み続ける習性があり、殺人が起きたときだけその場所から移動するとされる。

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天津日子根命

あまつひこねのみこと

日本記紀神話に見える神。「天津日子根命」は古事記での表記で、日本書紀では同訓で「天津彦根命」と書く。また「新撰姓氏録」では「天都比古祢命」と表記されるほか、「天津彦根神(あまつひこねのかみ)」、「天津日子根神(あまつひこねのかみ)」などの名前でも呼ばれる。天照大御神須佐之男命の誓約(うけい)によって生まれた五男三女神のうちの一柱。名前は「天に坐す太陽の子の神」の意と解せる。天津日子根命は凡河内(おおしこうち)国造、額田部湯坐連、高市連、桑名首、山背国造、三枝部連、奄智(あむち)造、津夫江連、大縣主、末使主(すえのおみ)、犬上縣主など、数多くの氏族の祖とされており、各地の氏神が信仰していた土着の神が集合したものと考えられる。このためか農業や漁業、産業開発など多岐に渡る神徳を持つ神とされた。天目一箇神、「天戸間見命(あめのとまみのみこと)」、「天御影命(あめのみかげのみこと)」などの親神とされる。

三重県桑名市多度町にある式内社「多度大社(たどたいしゃ)」、奈良県橿原市四條町の「高市御県神社(たかいちみあがたじんじゃ)」。滋賀県東近江市鋳物師町にある「竹田神社(たけだじんじゃ)」など、各氏族の所縁の地で祖神そてい祀られている。三重県桑名市本町にある「桑名宗社(くわなそうしゃ)」中の式内社「桑名神社(くわなじんじゃ)」では子神である「天久々斯比乃命(あめのくぐしびのみこと)」(=天目一箇神の別名とされる)とともに祀られる。また五男三女神(→八王子神)の一柱として、各地の神社に祀られる。

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天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命

あまつひこひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと

天津甕星

あまつみかぼし

日本神話における星の神で悪神。「日本書紀」に「天津甕星」、「香背男(かがせお)」、「天香香背男(あまのかがせお)」といった名前で記される。また「天津甕星神(あまつみかぼしのかみ)」、「天香香背男神(あめのかがせおのかみ)」、「香香背男命(かがせおのみこと)」といった名前でも呼ばれる。「天津甕星」の「みか」は恐らく「御」+「イカ(厳しいの語幹)」の短縮で、荒々しい神に対する敬称と考えられる。天津神であるにもかかわらず、高天ヶ原の命に従わない天津甕星は、猛き神建御雷之男神経津主神のニ柱をはねのけるほどの力を持っていたが、建葉槌命のまえに平伏した。星と、星を見て占う占星の吉凶を司る神と考えられる。

出雲国風土記にも記載されている「那富乃夜神社(なほのやじんじゃ)」は天津甕星を「星神加加脊尾命(ほしかみかかせおのみこと)」として祀る。また茨城県日立市大みか町にある「大甕神社(おおみかじんじゃ)」は天津甕星と建葉槌命両神を祀る。ほかにも愛知県名古屋市南区本星崎町にある「星宮社(ほしのみやしゃ)」、愛知県名古屋市西区にある「星神社(ほしじんじゃ)」など、社名に「星」がつく幾つかの神社は天津甕星を祀っている。

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天御虚空豊秋津根別

あまつみそらとよあきづねわけ

もしくは「あまのみそらとよあきつねわけ」。古事記に登場する地霊。伊邪那岐命伊邪那美命による国産みの際生まれた。14島の八番目で大八島(おおやしま)の最後の島であり、「大倭豊秋津島(おおやまととよあきつしま)」つまり畿内地方ないし本州を神格化したもの。「あまつみそら」とは天空の美称、「とよあきつ」は豊かな秋の実りがある、といった意。

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天照大御神

あまてらすおおみかみ

日本の記紀神話における最高女神。古事記には「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」あるいは「天照大神(あまてらすおおかみ)」、日本書紀には「大日孁貴(おおひるめのむち)」、「天照大日孁貴(あまてらすおおひるめのむち)」などと表記されている。また「天照御魂神(あまてらすみたまのかみ)」、「天照坐大神(あまてらすいますおおかみ)」などの別称もある。

高天原(たかまがはら)の主神、つまり八百万の神々のトップランクに位置し、その名の示す通り、太陽を司る神。伊邪那岐命から生まれた「三貴神」の一神。弟の須佐之男命の粗暴なふるまいを怒って天岩屋戸に隠れた話は、日蝕を表したものだとか、キリストの復活を真似たものであるなどの色々な説があるが、要するに生物(人間)にとってどれだけ太陽の恵みが無くてはならないものかを伝えるための説話だと思われる。

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天照國照彦火明命

あまてるくにてるひこほのあかりのみこと

天香香背男神

あまのかがせおのかみ

天之杵火火置瀬命

あまのぎほほおきせのみこと

日本記紀神話に語られる神の一柱で、「日本書紀」の一書に登場する。「天杵瀬命 (あまのきせのみこと)」とも呼ばれる。 名前の「ノギ」は「饒(ニギ)」、「オキ」は「奥」、「セ」は「シ(神稲の意)」の転訛と考えると、天之忍穂耳命を初めとする、稲穂と穀物、豊穣を司る神の一人と考えられる。天之忍穂耳命と玉依毘売命の子神であり、「鹿葦津姫(かしつひめ)」との間に「火明命(ほあかりのみこと→天火明命)」、「火夜織命(ほのよりのみこと)」、「彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと→日子穂穂手見命)」の三神をもうけたという。

鹿葦津姫が木花之佐久夜毘売の別称であることから考えると天之杵火火置瀬命は邇邇藝命と同神か邇邇藝命に吸収された神かもしれない。

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天探女神

あまのさぐめのかみ

日本の神で、邪心をもち、他人の心を探り出すのに長じているという。古事記には「天佐具女(あめのさぐめ)」、日本書紀では「天探女(あめのさぐめ)」の名で登場する。天若日子をそそのかし、出雲平定の天命にそむいた天若日子の責任追及のため高天原から遣わされた雉を射殺させた。天邪鬼はこの神の名によるともいう。

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天逆毎

あまのざこ

日本における反抗神の一人。「先代旧事本紀」に見える。「和漢三才図会」の説明によれば須佐之男命の体の中に溜まった「猛気」が口から出て成した女神であり、人間の体に獣の頭のついた姿で高い鼻と長い牙を持つという。どんな力強い神でも投げ飛ばし、どんな強固な刀や矛でも噛んで壊してしまう。意のままにならぬと荒れ狂い、何事にも従うを良しとせず左にあるものを右にあると言い、前にあるものを後ろにあると言うとされる。

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天邪鬼

あまのじゃく

日本の妖怪で、天探女神或いは天逆毎を語源としている、小鬼、悪鬼の類。人の心と正反対の事をして楽しむへそ曲がりな妖怪。他人の姿や口真似、物真似をしたり、或いはそれをさかさまにやってみたりして人に逆らい、からかうが、大抵の場合結局は痛い目に遭う。「あまのじゃこ」とも読む。

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アマラ

Amala

アメリカ北西沿岸に住むネイティブアメリカンの一部族、ツィムシアン族に伝わる大地の担い手。超巨大な存在で大地を背に担いで回転することによって地球を回している。年に一回アマラの召使いがアヒルの油を筋肉にさすことによって、アマラの重労働は幾らか軽減されているが、アヒルが絶滅し、アヒルの油が採れなくなったとき、アマラは耐え切れず大地を背中から落とし、大地は崩壊してしまうとされる。

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アマンチュー

 

沖縄における創世神。「アマミキヨ」、「アマミコ」、「アマミク」とも言う。昔、天と地は境が無くて一つであったので、人間は蛙のように這っていた。そこでアマンチューが天を押し上げ、天と地の境を作った。そのために人間は立って歩けるようになったという。これと同じ話は、「アマンシャグマ」という巨人の話として熊本県に伝わっている。

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アミィ

Amy, Avmas

ユダヤの魔神で「炎の総統」と称される。かつては天使(→エンジェル)か、或いは能天使(→パワー)の階級だったが今では地獄の大総督の位にあるとされる。地獄と業火と煙の柱に包まれて現われるため、実際の姿はわからない。この炎は冷たく燃え広がらないが、火柱を見つめていると、そこにはさまざまな光景が現われ、未来の風景まで映るとう。また指でこの火柱に触れると自分の死の光景を見ることが出来るとも言われている。命じられれば炎のおおいを解き、魅力ある男性、或いは干からびた小人の姿をとる。人間の魂と引き換えに占星術などの様々な技術を伝授する。ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。

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網剪

あみきり

「網切り」とも書く、鳥山石燕の「画図百鬼夜行」に見える妖怪。それ以前の文献に見つからないため石燕の創作した妖怪である可能性が高い。エビのような体に蟹のようなハサミを持って網を切っている姿が描かれている。多田克巳は、これは魚などを捕る「網」と撒き餌などに使われる甲殻類の「醤蝦(あみ)」とをかけて創作された妖怪ではないかとしている。海にいる仲間を救うために死んだアミが妖怪と化し網を切る、といった妖怪と考えられる。

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阿弥陀如来 あみだにょらい

Amitāyus, Amitābha

仏教における如来の一。名前はサンスクリットの「アミターユス(Amitāyus)="尽きない光"の意」、「アミターバ(Amitābha)="尽きない命"の意」を音訳したもの。またそれぞれの意味を漢訳して「無量寿如来(むりょうじゅにょらい)」、「無量光如来(むりょうこうにょらい)」とも称する。また「無辺光如来(むへんこうにょらい)」、「無量尊(むりょうそん)」、「無碍光如来(むげこうにょらい)」、「無対光仏(むたいこうぶつ)」などの意味訳、「阿弭跢婆(あみたば)」、「阿弥陀婆(あみだば)」、「阿弭跢庾(あみたゆ)」などの音訳も見られる。

人間の世界(娑婆)から西に遠くはなれた「西方浄土(さいほうじょうど)」、いわゆる極楽浄土の教主であり、四十八願をもって一切の衆生を救うとされる。もとはインドの王族として生まれたが世自在王仏による教導を受けて出家し、「法蔵比丘(ほうぞうびく)」と名乗り修行を重ね、四十八願を成就し仏尊となったという。死後の安泰を願う仏尊として日本や中国で特に篤く信仰された。脇侍として右に勢至菩薩、左に観音菩薩を従えた阿弥陀三尊像が多く作られたほか、二十五菩薩を従えた「来迎図(らいごうず)」などの作例もある。五智如来の一尊として、妙観察智(一切のものを正確に見極め、誤らない智恵)を司る仏尊として胎蔵界曼荼羅の中台八葉院西方に配される。

チベット仏教ではアミターユス、アミターバ両尊は分けて考えられ、それぞれ「ツェパクメー(Tshe dpag med, tsepakmé)」、「ウーパクメー('Od dpag med, Öpakmé)」の名で信仰される。

密号は「大悲金剛(だいひこんごう)」ないし「清浄金剛(しょうじょうこんごう)」、種字は「अं(aṃ)=吽」ないし「ह्रीः(hrīḥ)=紇利」、 真言は「唵阿密栗多帝勢迦羅吽(おなみりたていせいからうん)」(小咒)、「唵嚧計濕縛羅羅若紇哩(おんろけいしばららじゃきり)」(金剛界羯摩会) 、印相は阿弥陀定印、蓮華蔵印、九品往生印、決定往生印、四十八願印など、三昧耶形は蓮華。

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アミタンネカムイ

 

アイヌにおいて徘徊性で巣を作らない種類の蜘蛛であるアシダカグモを顕現体とする女性のカムイ。名前は「足(爪)の長いカムイ」の意。長く細い脚が女性を連想させるところから女性のカムイとされたと思われる。蜘蛛一般を顕現体とするカムイはヤオカムイと呼ばれる。

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ア・ムセン・カブ

Ah Musen Cab

マヤにおける蜂蜜の神で養蜂の守護神。蜂蜜はメソアメリカにおいて重要な交易品であった。同じく蜂蜜を守護する神として「シュムルセンカブ(Xmulzencab)」がいる。

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アムドゥシアス

Amdusias, Abuscias

ユダヤの魔神で、「一角公」と称される。銀色のユニコーンの姿をとり、使い魔の楽隊を率いて、いかなるところでも美しい音楽を鳴らす。その音楽で、木々の枝葉を自由に動かすことが出来る。人間の姿をとるときは白いアゴヒゲを生やした背の高い痩身の男になる。ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。

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アメサ・スペンタ

Amesa Spenta, Aməša Spənta

ゾロアスター教における聖なる存在(神々)の総称で、アメシャ・スペンタ、アムシャスペンズ、アメシャス・スペンタとも呼ぶ。名前は「聖なる不死者」ないし「不滅の聖性」の意。ゾロアスターの宗教改革以前に信じられていた古代ペルシアの神々だったと思われる。つまり至高神であるアフラ・マズダを絶対の存在とする一方で、古代から信仰・人気のあった神々を、アメサ・スペンタとして教義に取り込み、邪悪な神であるアンラ・マンユに対立する唯一絶対の神アフラ・マズダの見せる別の顔として定義しなおしたというのが通説である。アフラ・マズダだけが信仰に値する存在で六柱ないし七柱のアメサ・スペンタは、アフラ・マズダと人間(信者)達の間を仲介する存在とされる。その使者という立場からよくユダヤ・キリスト教の天使(参考:エンジェル)と比較される。

アメサ・スペンタはそれぞれが、生き物の種、一年のある一部、といった世界を構成する特定の部分に関わっている。ゾロアスター教の天界にける天界の最高天に住み、眩く輝く不可知の存在であり、教主ゾロアスターはアメサ・スペンタの前に立ったときその輝きで自分の影すら見れなかったという。信者だけでなくヤザタでさえも彼等に祈祷を捧げるとされる。

《アメサ・スペンタ各柱の名前と司る象徴》
スプンタ・マンユ

真理

ヴォフ・マノ

善き思い、動物、家畜

アシャ・ヴァヒシュタ

正義、火

スペンタ・アルマイティ

信仰、地

クシャスラ

支配、太陽と天

ハウルヴァタト

完全、水

アメレタト

不死、植物

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天知迦流美豆比売

あめしるかるみずひめ

「古事記」において大年神の后神として登場する女神。読みを「あめのちかるみずひめ」とする説もある。「天知迦流美豆姫」、「天知迦流水姫神」とも表記される。読みと同じく神名の語義を諸説あり、「アメシル(天を領る)」+「カル(地名、あるいは掛かるの略)」+「瑞姫(ミズヒメ)」、「天(アメノ)」+「チカル(力や離れるの変化)」+「瑞姫(ミズヒメ)」などど推定されている。大年神との間に奥津日子神奥津比売命大山咋神庭津日神阿須波神波比岐神香山戸臣神羽山戸神庭高津日神大土神の十柱の子神を産んだ。日吉大社の摂社である「新物忌神社(しんものいみじんじゃ)」や、滋賀県高島市新旭町にある「日吉二宮神社(ひよしにのみやじんじゃ)」などに祀られる。

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天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇藝命

あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎのみこと

天明玉命

あめのあかるたまのみこと

天糠戸者

あめのあらとのかみ

日本記紀神話に登場する鏡作りの神。「古事記」には言及されないが、「日本書紀」や「先代旧事本紀」、「古語拾遺」などに言及される。「天糠戸命(あめのあらとのみこと)」、「天抜戸(あめのぬかと/あめのぬかど)」などの表記も見られる。「アラト」は「粗砥(あらと)」、つまり刃物類の荒砥ぎに使うきめが粗い石を意味する。伊斯許理度売命の親ないし子とされ、日本書紀の一書では、天石屋戸(あめのいわやど)に天照大御神が籠る段で、伊斯許理度売命の代わりに鏡を造った神であり、鏡作部の遠祖とされる。「延喜式」にも見える鏡作麻気(かがみつくりまけ)神社、及び鏡作坐天照御魂(かがみつくりにますあまてるみたま)神社の祭神(の一人)とされる。

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天石門別神

あめのいわとわけのかみ

日本神話における門神。日本書紀には名前が見られず、古事記にのみ登場する。別称を「天石戸別神(同訓)」、「櫛石窓神(くしいわまどのかみ)」、「豊石窓神(とよいわまどのかみ)」などという、布刀玉命の子神。天石門(あまのいわと)とは、「天上界(高天原)に入り口にある堅固な門」と解される。天孫、邇邇藝命が地上に降臨する時に、天照大御神の指名によって思金神天手力男神などとともに、随伴した神の一人。神名にもあるように、石あるいは磐と深い関係がああると言われていて、この神を祭神とする神社の中には、巨石、巨岩を御神体とする神社もある。

名前のとおり、門を司る神であり、ひいては、生(現世)と死(他界)、村の内と外、家の内と外、といった境界を司る神でもある。外界から災厄が侵入することを防ぎ、人間の平穏な生活を守護する霊力を発揮すると考えられている。 神徳として災厄・疫病防除、家内安全、無病息災などがある。

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天宇受売命

あめのうずめのみこと

「古事記」には天宇受売命で登場し、他に同訓で「天鈿女命」(「日本書紀」、「古語拾遺」)とも書く。「宇受(うずめ)」とは「かんざし」を意味し、髪飾りをして神を祭る女神、ないし神憑った女性を神格化した姿だと考えられる。天照大御神が天岩戸(あまのいわと)、或いは天岩屋戸(あまのいわやど)に隠れた、いわゆる「岩戸隠」の話で、大御神を外へ誘い出すために洞窟の前で踊りを披露した女神。天宇受売命のその時の踊りを要約すると、「胸をはだけて乳房を露出し、さらに腰の紐をほどき、衣を下げて女陰に紐を押し当てた」といった感じである。この踊りは天照大御神の怒りをなぐさめ、和らげるもので、ひいては日の神を回復させるものである。そこから、神を祭りなぐさめる為に神前で舞を奉じる神楽の始まりとされ、天宇受売命はその祖神とされる。神楽の語源は「神座(かみくら)」であると言われ、これは神を招き、降臨してきた神を歓迎し祝福するために、神座(神の宿る場)において踊りをささげる事である。また神楽とは同時に、神の心を楽しませ和らげる「神遊び」という意味も含まれており、そうした神楽から日本の様々な芸能が派生した事から、天宇受売命は、日本における芸能の源流の神ともされているのである。また、天宇受売命が神懸りして踊る様子を「俳優(わざおぎ)をなして(滑稽な動作をして舞い歌い、神や人を楽しませること)」と記されていることから、俳優のルーツとも言われている。

「天孫降臨」に際しては、天の八衢(やちまた)において一行を待っていた猨田毘古神に名を問う役を命じられ、この時もやはり裸になって猨田毘古神を誘惑して理由を聞き出し(猨田毘古神は彼らを先導するために馳せ参じた)、見事にその役目を遂行している。この縁で猨田毘古神と天宇受売命は結婚し、その子孫は「猨女君(さるめのきみ)」と称するようになったと言う。

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天表春命

あめのうわはるのみこと

「先代旧事本紀」に言及される神。また同訓で「天上春命」とも記す。「八意思兼神(やごころおもいかねのかみ)→思金神」の子神で、信濃阿智祝部の祖神であり、邇芸速日命の天降りに際して随伴した神の一人とされる。また「本朝月令」に引かれる「高橋氏文」には秩父国造の上祖として「天上腹命(あめのうわはらのみこと)」の名が見え同神だと考えられている。長野県長野市戸隠にある「戸隠神社(とがくしじんじゃ)」の五社のうちの「宝光社(ほうこうしゃ)」、長野県下伊那郡阿智村の「阿智神社(あちじんじゃ)」などに祀られる。

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天忍男

あめのおしお

記紀神話における地霊。伊邪那岐命伊邪那美命による国産みの際生まれた、「一十四島(とおまりよしま)」のうちの13番目で「六島(むつしま)」の5番目。「天之忍男(あめのおしお)」とも表記する。知訶島(ちかのしま)、つまり今でいう長崎県の五島列島を神格化した存在。「忍男」とは「多し男」の意だと思われ、五島列島に連なる島々を表現したものと思われる。

地霊としての天忍男とは別に「天忍男命(あめのおしおのみこと)」と呼ばれる神もおり、「先代旧事本紀」や「新撰姓氏録」によれば天香山命や天火明命の子孫で、「賀奈良知姫(かならちひめ)」を娶り、尾張氏の祖となる「瀛津世襲命(おきつよそのみこと)」、別名「葛木彦命(かつらぎひこのみこと)」や「建額赤命(たけぬかあかのみこと)」、「世襲足姫命(よそたらしひめのみこと)」など二男一女をもうけたという。

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天之忍許呂別

あめのおしころわけ

記紀神話における地霊。伊邪那岐命伊邪那美命による国産みの際生まれた、「一十四島(とおまりよしま)」の3番目、「大八島(おおやしま)」の3番目となる島。隠伎之三子島(おきのみつごのしま)、今でいう隠岐諸島を神格化した存在。

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天忍日神

あめのおしひのかみ

日本記紀神話における高天原(天界)の武神。「天忍日命(あめのおしひのみこと)」、「天押日命(あめのおしひのみこと)」、「神狭日命(かむさひのみこと)」などの名前でも呼ばれる。名前の「オシヒ」とは「多(大)し霊(ヒ)」、或い「制圧する霊威」といった意味と考えられる。大和朝廷の軍事を担当した大伴氏の祖神であり、邇邇藝命の天孫降臨においては天津久米神とともに「天之石靫/天磐靫(あめのいわゆぎ)」、「稜威高鞆(いつのたかとも)」、「天之波士弓/天梔弓(あめのはぢゆみ)」、「天之真鹿児矢」ないし「天羽羽矢(あめのはばや)」、「八目鳴鏑(やつめのかぶら)」、 「頭椎之大刀(かぶつちのたち)」ないし「頭槌剣(かぶつちのつるぎ)」といった武具を携えて邇邇藝命を先導したとされている。

両記紀において親などは明らかにされていないが、「新撰姓氏録」や「先代旧事本紀」、「古語拾遺」などによれば高御産巣日神の子あるいは子孫だとされている。

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天之忍穂耳命

あめのおしほみみのみこと

日本記紀神話に見える神。正しくは、「正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)」(「古事記」の表記)ないし「正哉吾勝勝速日天之忍穂耳尊(同訓)」(「日本書紀」の表記)という。また「日本書紀」には「正勝吾勝勝速日天之忍骨命(まさかあかつかちはやひあめのおしほねのみこと)」という別称も記されている。天照大御神須佐之男命が誓約(うけい)を行ったときに最初に生まれた天照大御神の御子神とされる。

須佐之男命は伊邪那岐命に海原を支配するように命じられたが、母親である伊邪那美命のいる「根堅州国(ねのかたすくに=黄泉の世界)」に行きたいと泣き喚いて伊邪那岐命の命を聞かなかった。このため須佐之男命は海原の国を追放されたが、姉である天照大御神に挨拶してから根堅州国に向かおうと考え、天照大御神の統治する「高天原(たかまがはら)」にやってきた。弟が邪心を持っているのではと天照大御神はいぶかしんだが、須佐之男命は誤解であると弁明し、その証明として「天安河(あまのやすのかわ)」(高天原にあるとされる川)を挟んで誓約を行い、子供を産むことを提案した。この誓約の中で須佐之男命が天照大御神の左の角髪(みずら=成人男子の髪の結い方。この時天照大御神は須佐之男命を威嚇するため男装をしていた)につけていた玉を請い受け、それを噛んで吹き捨てた。この息吹の霧の中から生じたのが天之忍穂耳命であった。こうして須佐之男命によって天照大御神の身に付けていたものから男神五柱が、天照大御神によって須佐之男命の身に付けていたものから女神三柱が生じた。女神だけが生じたのは自分が邪心の無かった証拠であるとして須佐之男命は勝利を宣言する。したがって天之忍穂耳命の名前は須佐之男命が自分の勝利を喜ぶ表現になっており、「正勝吾勝」とはそのまま「正しく勝った、我は勝った」、「勝速日」とは「素早い勝利の神霊(日=ヒ=霊)」という意味だと考えられる。

「天之忍穂耳命」という名前は、高天原におわす神であり(天之)、威厳のある(忍)、稲穂のように垂れ下がった耳を持つ神、といった意味だと考えられる。豊穣を象徴する稲穂の「ホ」という発音を名前に含む神は、天之忍穂耳命の他に、天之菩卑能命、天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇藝命(→邇邇藝命)、天津日高日子穂穂手見命(→日子穂穂手見命)、神武天皇(神日本磐余彦火火出見尊(かむやまといわれびこほほでみのみこと)という別称がある)などがおり、いずれの神も「豊葦原瑞穂国(とよあしはらみずほのくに=地上の国、つまり日本)」を治める神々である。しかし天之忍穂耳命は結局、実際に地上に降りることは無かった。

天之忍穂耳命は最初に豊葦原の瑞穂の国を統治する命を受けた神である。天照大御神の命により天之忍穂耳命は地上に遣わされることになるが、天上の地上の中間点である天の浮橋に立って地上を見下ろすと、大変騒々しかったので暫く待ち地上が平定されるのを待った。その後建御雷之男神などが活躍し大国主神に国譲りを承諾させた。これにより天之忍穂耳命は再び天照大御神と高御産巣日神の命に受ける。ところがこの準備中に邇邇藝命が誕生したため、地上統治の任は彼に託されることになったのである。

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天之久比奢母智神

あめのくひざもちのかみ

日本神話に登場する水の神の一人。「古事記」にのみ登場し「日本書紀」では言及されない。国之久比奢母智神とともに速秋津日子神速秋津比売神両神から生まれた神だが、伊邪那岐命伊邪那美命の御子神「三十五神」の一柱として16番目に数えられる。名前の「くひざもち」は「汲瓠持(くみひさごもち)」を意味し、水を汲む「ひさご」を持つ神で、灌漑を象徴する神と考えられている。

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天之闇戸神

あめのくらとのかみ

日本神話に登場する神。「古事記」でのみ登場し「日本書紀」では言及されない。国之闇戸神とともに大山津見神野椎神の両神から生まれた神だが、伊邪那岐命伊邪那美命の御子神「三十五神」の一柱として26番目に数えられる。名前の「闇戸(くらと)」は暗い場所の意と考えられ、山の谷間を象徴する神だと思われる。

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天之児屋命

あめのこやねのみこと

日本記紀神話における祝詞の祖神。同訓で「天兒屋命」、「天之子八根命」、「天児屋根命」などとも綴る。ただし「あめのこやのみこと」と読むとする説もある。興台産霊神(こごとむすびのかみ)の子で、天照大御神を天岩屋戸(あまのいわやど)から連れ出すために尽力した神の一人。初めて占いを行い、祝詞を奉じた神であり、祝詞、ひいては言霊を司る神とされる。天孫邇邇藝命の降臨に随伴した五伴緒神の一人でもある。

神(こごとむすびのかみ)」の子で、天照大御神を天岩屋戸(あまのいわやど)から連れ出すために尽力した神の一人。初めて占いを行い、祝詞を奉じた神であり、祝詞、ひいては言霊を司る神とされ、中臣連の祖神であるとされる。天孫邇邇藝命の降臨に際して随伴した五伴緒神の一人でもある。

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天之狭霧神

あめのさぎりのかみ

日本神話に登場する神。「古事記」でのみ登場し「日本書紀」では言及されない。同訓で「天狭霧神」とも書く。国之狹霧神とともに大山津見神野椎神の両神から生まれた神だが、伊邪那岐命伊邪那美命の御子神「三十五神」の一柱として24番目に数えられる。名前の通り山野の霧の神だと考えられる。神産みの段以外では、大国主神の系譜が語られる段で遠津待根神の親として出てくる。

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天之狭土神

あめのさづちのかみ

日本神話に登場する土の神の一人。「古事記」に登場するが「日本書紀」には言及されない。国之狭土神とともに大山津見神野椎神両神から生まれた神だが、伊邪那岐命伊邪那美命の御子神「三十五神」の一柱として22番目に数えられる。名前の「サヅチ」は神稲の植える大切な土を意味すると考えられる。

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天手力男神

あめのたぢからおのかみ

日本記紀神話に登場する剛力の神。「日本書紀」には「天手力男神」、「古事記」には「天手力雄神(同訓)」と記載される。「手力雄神(たぢからおのかみ)」とも呼ばれる。天照大御神が天岩屋戸に隠れた時、岩屋戸を開き、天照大御神を外に連れ出した神。邇邇藝命の天孫降臨に随伴し地上に降り、佐那那県(さなながた=現在の三重県多気郡)に住んだとされている。「手力」、つまり腕力を象徴する神であり、相撲などを始めとするスポーツ、技芸を司る神として信仰されている。

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天之常立神

あめのとこたちのかみ

日本記紀神話において、高天原(たかまがはら)に最初に現れた特別な神の一群、「別天神」の五番目の神。「天之常立神」は古事記での表記で、日本書紀では「天常立尊(あめのとこたちのみこと)」と表記される。国之常立神と対になる神で、天(高天原)が永遠不変に存在することを象徴する神格だと考えられる。もともと古くから信仰されていた国之常立神に対応する神として新たに創造された神であったと考えられている。

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天羽槌雄神

あめのはづちのおのかみ

天一根

あめのひとつね

記紀神話における地霊。伊邪那岐命伊邪那美命による国産みの際生まれた、14島の12番目の島。女島(ひめしま)、つまり姫島を神格化した存在。ここで言う姫島はおそらく大分県国東半島の東北にある姫島のことだと思われる。

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天比登都柱

あめのひとつばしら

記紀神話における地霊。伊邪那岐命伊邪那美命による国産みの際生まれた14島のうち5番目に産まれた島で、大八島(おおやしま)に属する。伊伎島(いきのしま)つまり現在の壱岐を神格化した存在。神名の「ひとつばしら」は勿論「一つ柱」の意で、おそらく孤島であることを表現したものと思われる。

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天日腹大科度美神

あめのひばらおおしなどみのかみ

「古事記」において、大国主神の子孫の系譜が語られる段に記されている神。布忍富鳥鳴海神若盡女神との間に生まれた子神であり、遠津待根神とともに遠津山岬多良斯神の親とされる。名前の「ヒバラ」は不詳だが、「シナド」を「科戸(しなと=風の起こる所)」と解釈すれば、風に関連する神と思われる。

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天比理乃咩命

あめのひりのめのみこと

日本における女神の一柱。日本書紀や古事記には登場しないものの、「延喜式」神名帳や「続日本後紀」にその名が記載されている。「天比理乃咩命」は延喜式での表記で、「続日本後紀」では「天比理刀咩命(あめのひりとめのみこと)」と記される。別名を「洲神(すさきのかみ)」といい、その名の通り千葉県館山市にある「洲崎神社(すさきじんじゃ/すのさきじんじゃ)」及び「洲宮神社(すのみやじんじゃ)」の主祭神として祀られる。また忌部氏祖神である布刀玉命の后神とされ、「安房神社(あわじんじゃ)」では布刀玉命とともに祀られる。

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天日鷲神

あめのひわしのかみ

日本神話に登場する木綿(ゆう)作り、つまり紡績の神。日本書紀に「天日鷲(あめのひわし)」ないし「天日鷲神(あめのひわしのかみ)」の名で登場する。天照大御神が「天岩屋戸(あまのいわやど)」に隠れた時、祈りに用いるための木綿を作ったのが天日鷲神であったという。「古語拾遺」には布刀玉命の随伴神の一柱として「天日鷲命(あめのひわしのみこと)」の名が見え、「津咋見神(つくいみのかみ)」とともに木綿(ゆう)の種の植え白和幣(しろにきて)を作ったと記されている。また「新撰姓氏録」の神別の項には高御産巣日神の孫とされる「天日鷲翔矢命(あめのひわしかけるやのみこと)」ないし「天比和志可気流夜命(あめのひわしかけるやのみこと)」や、神産巣日神の五世の孫とされる「天日和志命(あめのひわしのみこと)」ないし「天比和志命(あめのひわしのみこと)」など、同一神と思われる名前が記載されている。

鷲の字を冠した、「鷲神社(おおとりじんじゃ)」の多くは天日鷲神かあるいは「建比良鳥命(たけひらとりのみこと)」を祭神としている。また式内社である忌部神社の祭神でもあり、忌部氏の祖神とされる。

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天之吹男神

あめのふきおのかみ

日本記紀神話に登場する家屋の神。「古事記」にのみ登場し「日本書紀」には言及されない。伊邪那岐命伊邪那美命による神産みにより生まれた三十五神の一柱で5番目に生まれた。名前は「屋根を葺く男神」という意味だと考えられる。

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天両屋

あめのふたや

記紀神話における地霊。伊邪那岐命伊邪那美命による国産みの際生まれた14島のうち最後に産まれた島で六島に属する。両児島(ふたごじま)、つまり二つ並んだ島につけられた尊名だが、そういった島は日本全国にあるので現在のどの島を指すのかは判然としない。候補としては五島列島にある男女郡島が挙げられる。

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天火明命

あめのほあかりのみこと

日本記紀神話に登場する稲作と豊穣の神。「古事記」では「天火明命(あめのほあかりのみこと)」、「日本書紀」では「天火明命」、「火明命(ほのあかりのみこと)」、「天照國照彦火明命(あまてるくにてるひこほのあかりのみこと)」と記される。名前の「ホアカリ」は稲穂が熟して色づく様子を火になぞらえたものと考えられる。出生ははっきりせず、天之忍穂耳命万幡豊秋津師比売命の子神であるとか(古事記、日本書紀第九段一書第八)、邇邇藝命木花之佐久夜毘売の第一子(日本書紀第九段一書第三および第五)、あるいは第二子(日本書紀第九段一書第ニ)、あるいは第三子(日本書紀第九段本書)であるとか、様々な出生が記されている。いずれにしても「火」と「穗」を関連させた神名を持つ天照大御神の直系の神の一柱であり、稲作を守護する穀霊神である。

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天之菩卑能命

あめのほひのみこと

日本記紀神話に登場する神の一人。「天之菩卑能命」は古事記での表記で、古事記には他に「天菩比命(同訓)」の名で書かれる。また日本書紀には「天穂日命(同訓)」、出雲国造神賀詞には「天穂比命(同訓)」、出雲国風土記には「天乃夫比命(あめのふひのみこと)」の名が見える。神名の「ほ」は稲穂、「ひ」は霊力や霊威のことで、稲穂に宿る霊力を司る神といえる。

天照大御神須佐之男命が誓約の儀式をした際に、生まれた天照大御神の子の五柱のうち二番目の神。古事記によれば「建比良鳥命(たけひらとりのみこと)」、日本書紀によれば「大背飯三熊之大人(おおそびのみくまのうし)」又の名を「武三熊之大人(たけみくまのうし)」という子神がいる。

天之菩卑能命は地上平定のために高天原から派遣されたが、国津神大国主神に易く懐柔し、三年も高天原に連絡をとらなかった。このため、代わりに天若日子が地上に遣わされることになった。この説話には異伝もあり、「出雲国造神寿詞」によれば天之菩卑能命は大国主神に懐柔することなく高天原への連絡も絶やさず、息子である「天夷鳥命(あめのひなどりのみこと)」と剛神経津主神を地上に呼んで地上の平定を成し遂げたという。

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天目一箇神

あめのまひとつのかみ

日本書紀に登場する天津神の一人。古事記には言及されない。「天目一箇命(あめのまひとつのみこと)」(古語拾遺)、「天之麻比止都禰命(あめのまひとつねのみこと)」、「天久斯麻比止都命(あめのくしまひとつのみこと)」(新撰姓氏録)、「天目一神(あめのまひとつのかみ)」(延喜式)、「天目一命(あめのまひとつのみこと)」(播磨国風土記、先代旧事本紀)などの名でも呼ばれる。新撰姓氏録では天津日子根命の子、古語拾遺では伊斯許理度売命の子孫とされている。

日本書紀によれば天照大御神が天岩屋戸にこもった際に刀剣や鉄鐸を作り、また大物主神(→大国主神)を祀った時は金工として御料物を奉った。また邇邇藝命が地上に降臨した際の随伴神の一人として名を連ねられている。

金工鍛冶の祖神とされ、「天目一箇神」という名前は鍛冶職人が片目で長時間火を見つづけるため片目の萎える職業病を「目が一個の神」として表したと考えられる。式内社である「天目一神社(あめのまひとつじんじゃ)」で祀られるほか、天津日子根命を祀る多度大社の別宮である、「一目連神社」の祭神とされるが、一目連と天目一箇神は元々別々の存在だったものが同一視されるようになったものと思われる。

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天御梶日女命

あめのみかじひめのみこと

「出雲国風土記」に登場する女神の一柱であり、同風土記中では「阿遅鋤高日子命(あじすきたかひこのみこと)」、「阿遅須枳高日子命(あじすきたかひこのみこと)」などの名前で記載される阿遅鉏高日子根神の妃神。今でいう出雲市多久町付近にあったとされる多宮村(たくむら)で阿遅鉏高日子根神の子である。多伎都比古命を産んだとされる。また「尾張国風土記」の逸文には「阿麻乃弥加都比女(あまのみかつひめ)」という神の名がみえる。この神は「多具国(たぐのくに)」の神とされているため同神と考えられ、ひいて同じく出雲国風土記に登場する「天甕津日女命(あめのみかつひめのみこと)」も同神と考えられている(ただし天甕津日女命の夫神は赤衾伊努意保須美比古佐倭気能命であり天御梶日女命と異なる)。

岡山県真庭郡新庄村の「御鴨神社(みかもじんじゃ)」に夫神の阿遅鉏高日子根神ととも、また多久町にある式内社「多久神社(たくじんじゃ)」では子神の多伎都比古命とともに祀られている。また式内社である「阿豆良神社(あずらじんじゃ)」では阿麻乃弥加都比女を「天甕津媛命(あまのみかつひめのみこと)」として祀っている。

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天甕津日女命

あめのみかつひめのみこと

「出雲国風土記」に登場する女神の一柱であり、赤衾伊努意保須美比古佐倭気能命の妃神とされる。出雲国風土記に拠れば秋鹿郡の伊農郷は天甕津日女命が出雲を巡り歩いていた時、この地で「伊農波夜(いぬはや=伊農よ、と夫神に呼びかけた)」と言ったので「伊農」という地名になったという。神名の「ミカ」とは水を入れる器であり、夫神やその親である八束水臣津野命とともに水に関係ある神だと考えられる。「尾張国風土記」の逸文には「多具国(たぐのくに)」の神として「阿麻乃弥加都比女(あまのみかつひめ)」という神が登場するが、多具国が多久郷(現出雲市多久町付近)を指すと考えれば、この両神は同体と思われる。また出雲国風土記において多宮村(たくむら)で多伎都比古命を産んだという天御梶日女命も本来は同神ではないかと考えられる。天甕津日女命は赤衾伊努意保須美比古佐倭気能命とともに「伊努神社(いぬじんじゃ)」に祀られている。

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天之甕主神

あめのみかぬしのかみ

「古事記」において、大国主神の子孫の系譜が語られる段に記されている神。前玉比売の親神とされる。名前は「天の甕(みか=かめ)を支配する神」と解釈できるので雨を司る神と考えられている。

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天水分神

あめのみくまりのかみ

古事記に登場する水の神(日本書紀には言及されていない)。国水分神とともに速秋津日子神速秋津比売神両神から生まれたが、伊邪那岐命伊邪那美命両神の御子神35柱に数えられている。神名の「水分(みくまり)」は「水配り」を意味するため、分水嶺の神とされ、水流の分岐点や水源地などに祀られることが多い。また「みくまり」を「御子守(みこもり)」と解し、子守りの神として信仰される場合もある。

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天御鳥命

あめのみとりのみこと

「出雲国風土記」に言及される神。出雲国風土記の楯縫郷の項に、神魂命(→神産巣日神)が「所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ→大国主神)」の宮となる「天日栖宮(あめのひすみのみや=出雲大社のこと)」の造宮を命じたとき、自らの御子神である天御鳥命を楯部(たてべ=楯を造る職人のこと)として天降りさせた場所で、以降神宮で扱われる御裝楯(みよそいのたて)を造る場所となったことからこの地を「楯縫(たてぬい)」と呼ぶようになった、とある。ただ日本書紀では出雲大社造宮の詔は高御産巣日神から出されており、また楯部にあたる「作盾者(たてぬい)」を彦狭知神としている。

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天之御中主神

あめのみなかぬしのかみ

日本記紀神話において、世界に一番最初に出現し、高天原の主宰神となった神。古事記では「天之御中主神」、日本書紀では「天御中主尊(あめのみなかぬしのみこと)」の名で記されている。造化三神、あるいは三柱の神と言われる三神の一柱で、その名の示すとおり宇宙の真ん中にあって支配する神であり、日本神話の神々の筆頭に位置付けられている。別天神の一柱にも数えられる。宇宙の根源であり、また高天原の最高司令官でもあるが、人間にわかるような形では活動しない、いわゆる閑職神であるため、天之御中主神を主宰神として祀る神社は全国的にも少ない。

天之御中主神が、一般に馴染みのある姿を表しているのが妙見信仰である。北極星を仏教用語で妙見、あるいは北辰といい、これを神格化したものは妙見菩薩と呼ばれる。天のはるか高みに隠れている天之御中主神は、妙見菩薩と同一視される事により、「妙見さん」として信仰された。

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天御柱神

あめのみはしらのかみ

日本記紀神話に見える一対の風の神の一柱。もう一柱は国御柱神。神名の「御柱(みはしら)」は竜巻によって起こる風の柱を形容したものと思われる。この両神は奈良県にある竜田神社の祭神として知られているが、別名を「志那都彦神(しなつひこのかみ)」と言い、古事記に登場する伊邪那岐命伊邪那美命の子神「志那都比古神(しなつひこのかみ)」と同一視される。日本書記にも「級長津彦命(しなつひこのみこと)」の名が「級長戸辺命(しなとべのみこと)」の別名として登場するが、級長戸辺命は女性神で国御柱神を指す。大雨洪水、台風などの災害をもたらす神だが、祀ることによって逆に豊作をもたらし、悪疫を防ぐ守護神ともなる。風、ひいては風雨を支配する農業の守護神、さらに海上安全の神として古くから信仰されている。

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天若日子

あめのわかひこ

日本記紀神話に登場する神。「天若日子」は古事記での表記で、日本書紀では「天稚彦(同訓/あめわかひこ)」と表記される。天津国玉(あまつくにたま)の子神で、天之菩卑能命に次いで地上を平定するために高天原から葦原中国(あしはらなかつくに)に降臨する。天若日子は国譲りの交渉の為に、「天之麻迦古弓(あめのまかごゆみ)」と「天之波波矢(あめのはばや)」を与えられて派遣された。しかし天之菩卑能命と同じく結局大国主神の意のままになってしまい、大国主神の娘である高比売命を妃に迎え、八年間も高天原との連絡を絶ってしまう。思金神は雉名鳴女(きざしななきめ)を遣わして天照大御神の下した勅令をさえずらせて天若日子を改心させようとしたが、国津神の天探女神のそそのかされて雉名鳴女に向かって天之波波矢を射放ってしまう。矢は雉名鳴女をすり抜けて高天原の高御産巣日神の元にまで届いた。高御産巣日神が「悪神を射た矢なら天若日子に当たるな。天若日子に邪心があったなら当たれ」と言いながら矢を投げたところ、この矢は天若日子に命中し、彼は死んだ。

後日、天若日子と親しかった阿遅鉏高日子根神が弔問をしに葬式に訪れたところ、阿遅鉏高日子根神があまりにも天若日子に似ていたため、本人が蘇り起きてきたと勘違いされて大騒ぎになったという。

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天日方奇日方命

あめひがたくしひがたのみこと, あめのひかたくしひかたのみこ

アメミット

Amemait

エジプトに登場する死を司る怪物。「アムムト(Ammut)」、「アムミト(Ammit, Am-mit)」、「アメルマイト(Amermait)」、「アミト(Ammit)」とも呼ばれる。ワニの頭を持ち、胴体は猫科の大型捕食動物(ライオンであることが多い)、臀部(尻)はカバで表される。「霊を貪り食う者」と称される。元々はレーに随行しレーやオシリスが打ち負かした敵を食べてしまう蛇の姿をした怪物であったが、オシリスの神話と結び付けられ罪人の魂を食べる怪物とされた。つまり、オシリスの死者の審判において、善人とされた者は真実の神マートに導かれるが、悪人とされた者はアメミットの手にかかり、丸呑みにされてしまうのである。

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アメレタト

Ameretat

「アムルタート」とも。ゾロアスター教の「聖なる不死者」アメサ・スペンタの一員。「不死」、「不滅」と「植物」を司り、人間に食物の恵みを与える存在で、「完全」と「水」を司るハウルヴァタトと対で語られることが多い。ハウルヴァタトと共に女神とされる。

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アモッケン

Amotken

アメリカのネイティブアメリカンの一部族、セイリッシ族における天空神にして創造神。セイリッシ族における世界観では、世界は地下と地上、天上界の三つに分けられるが、アモッケンは天上界に一人で住む至高の神である。コヨーテはこの神の使いと考えられた(ただしセイリッシ族におけるコヨーテはネイティブアメリカンの神話に汎的に見られるトリックスター的な性格ではない)。アモッケンは賢く慈悲にあふれた老人と考えられ、自分が創造した全てを常に気にかけているとされる。「邪悪」、「善」、「大地」、「火」、「水」の五要素はアモッケンの娘とされる。

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アモレオナグ

 

日本の奄美大島における天女。漢字では「阿母礼女」などと書く。「天から降りてきた女」の意。「アモロオナグ」、「アマオナグ」、「ハゴロモマンジョ(羽衣美女)」とも呼ばれる。天から小雨を伴って飛来し、艶かしい微笑みで男を誘惑する。これに負けた男は命を取られてしまうという。また水の入った柄杓を持っていることもあり、これを勧められるまま飲んでしまうとやはり命を取られてしまうという。ただ掌が上を向き柄を支えるような持ち方で勧めてきた場合は飲んでも大丈夫だとされる。

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アモロ

 

奄美大島の芦検(あしけん)で見かけられるという妖怪。人が山道を歩いていると出現する。男には美しい女、女には白髭の男に見え、この妖怪に声を掛けられた人は魂を抜かれて死んでしまうとされる。声を掛けられる前に「タバコミショウレ(煙草を召し上がれ)」と声をかけると良いとされる。人間に出会うと峰の道に消えるという。またアモロが現れる辺りにはアモロ石というものがあって、その石には天女が降りて髪を梳くという(→アモレオナグ)。

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アモン

Amon

エジプトの神で、ムートの夫。「アメン」とも。また「アムン」とも言う。名前は「神秘」、あるいは「見えざる者」の意。ムートの夫でコンスの父親とされる。本来はテーベの地方神に過ぎなかったが、第12王朝がテーベを首都として統一王国を作った時に、全国へと崇拝が広まり、第18王朝の頃にはエジプト全体の最高神とされるに至った。ヘリオポリスの最高太陽神レー(ラー)と融合され「アモン・ラー」と呼ばれ神々の王とされる。「見えざる者」の名の通り、神々の前にさえ姿を見せず、シューに懇願されたときでさえ雄羊の毛皮と頭をかぶった変装した姿で現われている。また自分の真の名を絶対に明かさない不可触の神であり、それゆえどんな神でさえ彼を傷つけることは出来ないという。また神々の魂であり人格、つまり神々のバーであるともされる。

はじめは羊頭の神として表されたが、中王国時代以後は一対の長い羽飾りを頭に載せ、顎鬚を垂らした人間として表された。聖獣は雄羊とナイルの鵞鳥。

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アモン

Amon

ユダヤの魔神だが、元々はエジプトのアモンから来ている。その姿は一般的に頭に2枚の長い羽毛をつけた黒青色の人間の姿で表されるが、羊頭の人間や、羊そのもの、ガチョウといった形態になる事もある。「炎の侯爵」の異名を持ち、過去や未来の出来事を知り、恋愛の秘儀に通じているといわれている。ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。

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あやかし

 

日本における妖怪、怪異の一種。「あやかり」とも言う。長崎県では海上に現われる怪火を、山口県や佐賀県では船幽霊のことをいう。おそらく海における怪現象一般を指す言葉だと思われる。鳥山石燕は「今昔百鬼拾遺」に海蛇のようなあやかしを描いており、現在はこの姿があやかしとして広く認知されているが、これはイクチを元にしたと考えられている。

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阿夜訶志古泥神

あやかしこねのかみ

日本記紀神話に登場する女神で神世七代の一人。男神於母陀流神と対で一柱を成す。「阿夜訶志古泥神」は古事記での表記で、日本書紀では「惶根尊(かしこねのみこと)」、「吾屋惶根尊(あやかしこねのみこと)」、「忌橿城尊(いむかしきのみこと)」、「青橿城根尊(あおかしきねのみこと)」、「吾屋橿城尊(あやかしきのみこと)」などと記される。「あやかしこ」とは「奇(あや)に畏(かしこ)し」、つまり「言い表せないほどに恐れ敬うべき」という言葉を名詞化したもので、続く「ね」は美称である。何故この言葉が神格化されたかというと、対になる於母陀流神の神名を大地が整ったことを示すものであるとすれば、それを祝福する言葉として、あるいは容貌が整って美しいことを指すとすれば、あとに生まれる伊邪那岐命に妻である伊邪那美命がかけた言葉を神格化したものと考えられる。しかしながら後者の説を採るならば、阿夜訶志古泥神と於母陀流神は伊邪那岐命ら夫婦神より後に生まれることにした方が自然である。本地垂迹説においては神世七代の六代目であることから於母陀流神と共に第六天魔王(他化自在天)と同一視される。

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アラ

Ara

ボルネオのダヤク族に属する、イバン族の創世神話に登場する精霊。時が始まった頃、鳥の姿をしたアラは、別の精霊イリクとともに、果てしない大洋の上を漂っていたという。二羽の鳥は、二つの巨大な卵を海から拾い上げた。その一つからアラが空を創り、イリクが大地を創った。だが空に対して大地があまりにも大きくなりすぎたため、二人の精霊は大地をぎゅっと押し縮めた。こうして山や谷、川や池が生じた。やがて植物が現れた頃、彼らは人間を作る事にした。最初は樹液から作ろうとしたがうまくいかなかったので土を用いることにした。最初に人間達の形をこしらえると、精霊たちは自ら鳥の唄をさえずって、彼らに命を授けた。

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アラー

Allah

元々はイスラム教以前にアラビア半島で信仰されていた神。「アッラー」とも。唯一神ではなかったが最高神であった。他の神々とともに天に住んでおり、地球を創造しその上に水を分け与えた。イスラム教以前のアラビアではアニミズムが信じられていたが、預言者ムハンマドはアラーが唯一の神にして全面的服従が必要であり、他の神を崇拝することは冒涜であると宣言した。至高にして超越的であり、あらゆる生物を創りあらゆる自然を支配し、恵みを与え、最後に人間を裁く者だとされる。それと同時に喜んだり怒ったり考え直したりといった人間的な性格も兼ね備えているという。「生まず、生まれず、並ぶもの何一つなき」神で、アラー自身とアラーの被創造物はまったく異なったものであり、アラーを偶像化することは禁止されている。イスラム教の聖典コーランでは99個の名前が与えられているが、100番目のもっとも偉大な名前は人間には明かされていない。

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アラウォティア

Arawotya

オーストラリア北部に住んでいたアボリジニの一部族、ウォンカマラ族の神話に登場する空の精霊。オーストラリア南部やクイーンズランド西部といった、乾燥地域に超自然的な方法で水の恵みをもたらした精霊とされる。

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アラウン

Arawn

ウェールズ神話における異界「アンヌン(Annwn, ないしアンヌヴン(Annwfn))」の支配者。アンヌンは言わば理想郷で、ワインの泉が湧き、平和で豊かさに溢れる場所だった。アンヌンの魔法の大鍋は病人を完治させ死者を蘇らせたという。アラウンは灰色の服を纏っており、夜になると猟犬を駆り空を飛んだという。この猟犬は元は霊魂であり、白い毛で耳だけ赤く、魂達をアンヌンへ案内する役目を担っていた。ウェールズ南部のドゥヴェドの族長であった「プウィル(Pwyll)」は、狩りの途中で偶然会ったアラウンと互いに姿を交換し、アラウンの敵であったハヴガンを代わりに倒すという契約をした。これは見事果たされ、ドゥヴェドは以後栄えたという。

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アラエル

Arael

ユダヤの伝承などに登場する天使名。「アリエル(Ariel)」はアラエルの別称とされることがある。また「ソロモンの誓約」によれば、アラエルはウリエルの別称の一つとされる。鳥類を支配する天使とされる。

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アラキバ

Arakiba

旧約聖書外典「第1エノク書」に言及されている、堕天使の一人。「アラカブ(Arakab)」、「アリスティクィファ(Aristiqifa)」、「アルタクィファ(Artaqifa)」とも呼ばれる。またアラキバ自体がアラクィエルの別名とされることもある。地上に罪をもたらした堕天使の一人であり、背教の軍勢の20人いる、「数十の首長(Chief of Tens)」の一人とされる。

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アラクィエル

Araqiel

キリスト教や神秘学における堕天使ないし天使の一人。名前は「大地の支配権を行使する」の意。「アラキエル(Araciel, Arakiel)」、「アルカス(Arkas)」、「アルキエル(Arkiel)」、「アルクァエル(Araqael)」、「アラクイエル(Araquiel)」、「サラクアエル(Saraquael)」などの名前でも呼ばれる。またアラキバはアラクィエルの別名とされることがある。旧約聖書外典「第1エノク書」において神に反逆した200人の堕天使の一人として言及されている。

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アラル

Alalu

フリ人の神話、ヒッタイト神話に登場する天空神で「空の主」。元始の神であり天を収めていたが、息子アヌに敗れ王座を譲った。

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アリアー

Ariā

ニュージーランドのマオリ族において、目に見えない超自然的な存在であるアトゥアが虫や犬、鳥、星などといった物質的な姿をとって人間の目に見えるように顕在化したもの。しばしば建造物に彫刻として彫られる。アリアーの出現は多くの場合、病気や不幸の前兆であるため、マオリ族の人々はアリアーを恐れる。例えばモコ・カーカーリキは最も恐ろしいアリアーとして知られている。

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アリカント

Alicanto

南米の鉱山労働者に信じられた精霊。夜に現われる鳥の姿をした精霊でその翼は金色ないし銀色にまばゆく輝いているとされる。チリの山間部に住んでいて、金や銀を大好物としている。金を食べるアリカントは金色に、銀を食べ